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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第45回
「寿会の金で個人的な飲食」と主張

 平成29年1月7日、寿会会長の清水澄江が寿会会員に個別配布した「新年会開催のご案内」には「前会計山川昌子氏の会計会費の不正使用・着服」の文言があった。この文言の中で、「着服」については朝木も議会で繰り返し主張してきた事実だった。では、ここで清水がいう「不正使用」とは何なのか。

 それが何かをうかがわせるのが、平成28年11月30日、朝木の一般質問終了後の傍聴席で清水が会員らに声高に話していた内容である。休憩に入った直後、清水は朝木が市長に「なぜ告発しないのか」と詰問しているところに割り込んで、市長に対して「市長、首が飛んでも仕方がないですね」などとすごむと、「市長に毒づいてきた」などといいながら傍聴席の会員たちのところに戻ってきた。

 朝木はその後も市長に対する抗議を続けていたが、しばらくして市長が議場を退出すると、朝木も清水のそばにやってきた。傍聴席には寿会会員以外にも東村山市民がいたが、朝木としみずは傍聴席で以下のような会話を繰り広げたのである。



(山川が主張する朝木及び清水による不法行為)

「この中にね、鯛焼きまで補助金で。私たちの税金で鯛焼きまで」(朝木)

「鯛焼きでしょ、チャーシューメンセットでしょ、それからバーミヤンでしょ、7月の2日と5日にね、リンガーハットとバーミヤン。横領で、あじさい館の下見に行ったら2回も食べてるの」(清水)

「食べてるよ、よく。痩せたでしょう、寿会の会計離れて。だいぶ飲食費が少なくなって」(清水)

 清水の発言に対して、朝木は「ふだんの行いが悪いからね、みんな怒って、みんな協力してくれるんです」と応じ、あたかも山川が常日頃から不実な行動をする人物であるかのように吹聴すると、さらに清水はこう続けた。

「写真だって何だって会の金でやってて、飲食だって全部寿会の金で食べてたんだから、いっぱい貯まってるわよ」(清水)



 朝木は一般質問で「(山川が)不正使用」という文言は使用していないものの、領収書綴りに多摩湖寿会が支出したものとしてファミリーレストランや市内外の寿司店、中華料理店の領収書が多数貼ってあることを指摘し、これらが補助対象経費になるのかを質していた。傍聴席における2人の会話によれば、朝木が議会で問題視した飲食費の支出が山川の個人的な飲食に対するものであるということになるのだろう。「山川は自分の個人的な飲食費を寿会の支出として計上し、食費を浮かせていた」と。清水はその具体的な食事場所を挙げるとともに、食費以外にも個人的な写真の現像代などにも寿会の予算を使っていたと吹聴していた。

他の「会計の方」も傍聴に

 周囲には寿会会員以外に、他の「老人会の会計」(清水がそう呼んでいた)を務めている人物もいた。おおかた清水から「今日は山川による寿会の横領事件に関する質問があるから聞きに来てください」とでも誘われたのだろう。

 清水と朝木の発言によって、この人物もまた「やはり山川は寿会の金を横領したのか」という思いを強めたとしてもなんら不思議はない。当然、この「老人会の会計の方」も他の老人会に知り合いがいるだろうから、この「会計の方」を介して他の老人会関係者へと伝播する可能性は否定できない。

 こうした状況にかんがみ、山川は上記の朝木と清水の発言が「山川が寿会のカを横領した」との事実を摘示するもので、「複数の傍聴人の前の聞こえよがしに行ったものであり、……原告の社会的評価を著しく低下させた」と主張している。

発言の存在自体を否定

 上記の山川の主張に対して清水は次のように主張していた。



(山川が主張する朝木及び清水による不法行為に対する清水の反論)

「平成28年11月30日の東村山市議会本会議後の休憩中、被告清水と被告朝木が委員会室の出口に向かおうとした渡部市長の前に立ち塞がり、『告発すべきだ』と詰め寄ったり、『市長、首飛んでも仕方がないですね。お気の毒に』などと毒づいた事実はない。」

「被告清水は、本会議後に傍聴席で、被告朝木と、当日の市側の答弁について納得がいくものではなかった旨話し合ったことはあるが、その具体的な内容について詳細に記憶しているものではないし、そもそも単なる会話であって、……原告の『社会的』評価を低下させるものではない。」



 傍聴席にいた私は確かに聞いたと記憶している。しかし、清水は原告が主張する会話、発言の「事実はない」と否定するとともに、仮に原告が主張するような事実があったとしても、「『不特定または多数人に対するもの』でない単なる会話によって、原告の『社会的』評価が低下することはない」、また真実性・相当性があり、名誉毀損は成立しないと主張していた。

 その時、傍聴席には少なくとも清水以外の寿会会員数名と、他の「老人会の会計の方」がいた。彼らはいずれも老人会の関係者であり、清水と朝木の話を真に受け、それを老人会の他の会員たちに伝達する可能性が高い。東村山市内の老人会は50を数える。「元市議会議員の山川が多摩湖寿会の金を横領した」という話がいったん老人会の一般会員たちに広まってしまえば、それがどこまで広がるのか見当もつかない。

 発言自体の名誉毀損性とともに、発言の伝達性を裁判所はどう判断するのだろうか。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第44回
朝木と清水の最終目標

 平成28年11月30日に行われた東村山市議会で、朝木直子は市長に対して繰り返し「山川を横領で刑事告発すべきだ」と主張した。しかし、渡部尚東村山市長は「横領であるとは断定できない」として、告発はしないと答弁した。朝木と清水は、今回の山川による不適切な会計処理問題をめぐり、これがたんなる不適切な処理ではなく横領という犯罪として社会的に評価させることを最終目標としていたのだろう。それが実現できれば、山川はもちろん公明党も「犯罪者集団」として堂々と宣伝することが可能になるという筋書きではなかったのだろうか。
 
 朝木明代の万引きとそれを苦にした自殺をめぐり、朝木直子と矢野穂積は保身のために、根拠もなく創価学会の陰謀と主張した。当然、創価学会はそれに対して反撃し、矢野らは多額の損害賠償金を支払わされることになった。しかし、朝木らは自らまいた種であるにもかかわらず創価学会・公明党を逆恨みし、目の敵にしていることは周知のとおりである。

 しかも、山川との裁判で敗色濃厚となっていた(現実に矢野と朝木に対して50万円の支払いが命じられた)。そこへ清水から「山川が寿会の金を横領した」という情報がもたらされた。

 朝木と矢野は、矢野が明代と始めた高齢者を対象とした昼食会を、多摩湖ふれあいセンターで定期的に開催している。参加者の中には多摩湖寿会の会員もいたから、「山川が寿会の金を横領した」という情報はすんなり朝木のもとに入ってきたのではあるまいか。朝木としては、願ってもない反撃のチャンスが舞い込んだということだったのだろう。

 清水は清水で、一般質問の際の傍若無人の振る舞いをみると、本当に山川が「横領をした」と思い込んでいる様子がうかがえる。そこへ途中から、もともと山川には恨みを持っている朝木が参入したことで、清水の思い込みはより強固なものになったのではあるまいか。こうして、少なくとも清水と朝木の間では、最終的に山川を犯罪者に仕立て上げることが目標となっていたものと思われる。

 そのことを如実に物語るのが、平成28年12月議会で東村山市長に「告発しないのか」と追及した朝木の一般質問であり、「告発しない」と答弁した市長に対し、休憩中にも朝木が執拗に「告発すべき」と迫り、清水が「首が飛んでも仕方がない」とすごんだことだろう。これは、東村山市に告発させ、山川を犯罪者に仕立てるという当初の目論見が崩れたことに対する不満の表われでもあったのではあるまいか。朝木はこれまで、そのために3度も議会で質問を積み重ねたのだった。

奇怪な案内文

 平成28年の時点では、東村山市に告発させることはできなかった。しかし2人とも、それぐらいで山川に対する犯罪者呼ばわりをあきらめるような潔さは持ち合わせていないようだった。朝木の議会での質問から1カ月後、年が明けた平成29年1月7日のことである。山川の自宅に手書きで「山川様」と宛名書きのある案内文書が投函された。

 見ると、それは「新年会開催のご案内」と題する寿会会長清水澄江名義の文書だった。本文には、新年の挨拶に続いて、およそ新年会の案内にはそぐわない、次のような驚くべき文言が記載されていた。



(山川が主張する清水による不法行為⑥)

「前会計山川昌子氏の会計会費の不正使用・着服につきましても、説明しご理解を賜りたく、より多くの参加を切にお願いし、お待ち申し上げます。」



 上記の記載について、山川は「『原告が寿会の会費を着服した』との事実を摘示するものであり、被告清水は上記文言を記載した案内文書を寿会会員宅に投函することにより、原告の社会的評価を著しく低下させた。」と主張している。

 思い出されるのは平成28年8月、東村山市が前役員と現役員を集めて会合を開き、東村山市の担当者が「帳簿外の保管金は返還されており、問題はない」との判断を示した際、清水が「納得できない」とした上、「山川が横領したと触れ回って、東村山を堂々と歩けなくしてやる」と言い放った(山川と前副会長の主張)ことである。「東村山中に『山川は寿会の金を横領した』との事実を広めたい」という趣旨において、「(横領の証拠を)全市に配ったらいいじゃない」という清水の発言(平成28年11月30日に行われた朝木の一般質問の途中になされた発言)と共通している。

 新年会の案内状に「前会計山川昌子氏の会計会費の不正使用・着服」と書いて会員宅に投函する行為は、寿会会員に対して「触れ回る」のも同然である。寿会の「新年会開催のご案内」と書いてあれば、会員ならばただのビラよりも高い確率で読まれることが予測できよう。文字に書かれていれば、案内状を捨てない限りは残るから、たとえばその会員が来客に「こんな話があるそうだ」と読ませる可能性も生じよう。清水は「触れ回る」のと同じ効果を期待して、新年会の案内状に上記の文言を入れたということだろう。

かなり苦しい言い訳

 この文言によって名誉を毀損されたとする山川の主張に対し、清水は「被告清水が市に原告を告訴・告発させるという思惑を抱いていたことはない」と主張した上で、上記の記載について次のように説明している。



(山川が主張する不法行為⑥に対する清水の反論)

 東村山市議会における質疑や、多摩湖町にも広汎に頒布されていた東村山市民新聞などにより、平成28年の年末ころには、寿会会員から同会会長である被告清水のもとに本件横領について問い合わせが多数寄せられる事態となっていた。このため、寿会会長である被告清水としては、同会会員らに、被告清水らが把握している客観的な事実経緯や対応について説明する必要があった。このために送付したものが、平成29年1月7日の「新年会開催のご案内」である。

 上記の状況を踏まえれば、「前会計山川昌子氏の会計会費の不正使用・着服につきましても、説明しご理解を賜りたく、より多くの参加を切にお願いし、お待ち申し上げます。」との記載は、必要なものであって、何ら不法行為を構成するものではない。



 こう述べた上で、清水は「原告の横領の摘示があったとしても、名誉毀損は成立しない」と主張していた。「真実性・相当性がある」との趣旨のようだった。

「同会会員らに、被告清水らが把握している客観的な事実経緯や対応について説明する必要があった。」といいながら、この「案内状」に記載されているのは、「山川が寿会の金を不正使用・着服した」という結論のみであり、この主張が事実に反することは明らかである。客観的な証拠があるのなら、新年会の案内に「山川は横領した」と記載したとしても、「異例ではあるが、会長として必要と判断した」と主張すればすむ。

 常識ある清水の代理人としては、「新年会の案内状」に「山川が着服した」などと記載するのは、さすがにやり過ぎと感じたのではあるまいか。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第43回
傍聴席での発言

 山川が主張する多摩湖寿会会長、清水澄江による名誉毀損は、これまで見てきたところでは、不特定多数の一般市民に対して直接なされたものではない。しかし、平成28年11月30日以降、「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする主張を、清水は明かに不特定の一般市民に向けて立て続けに繰り返すようになる。

 清水が最初に不特定の一般市民の前で「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする趣旨の主張をしたのは平成28年11月30日、朝木の一般質問が行われている最中だった。この日の一般質問は、東村山市役所にある本会議場が改装工事に入っていたため、いつもは常任委員会などが開かれる委員会室で行われた。本会議場に比べれば部屋全体が狭いのはもちろん、傍聴席もだいぶ手狭だった。ただそのぶん、発言者の声はよく聞こえた。

 その委員会室で行われた朝木の一般質問の途中、清水は傍聴席から周囲によく聞こえる声で次のように発言したのである。



(山川が主張する清水による不法行為⑤-(1))

 平成28年11月30日、朝木が一般質問で「何十件もあるんだから、不正計上が。……横領の証拠が」と発言したときのことである。朝木のこの発言に呼応するように、清水はこう発言した。

(1)
「全市に配ったらいいじゃない」



 清水が何を「全市に配ったらいい」といっているのかといえば、いうまでもなく、その直前に朝木が発言した「横領の証拠」以外にはない。すなわち清水のこの発言は、「山川は多摩湖寿会の金を横領した」との事実を前提にしていることは明らかで、その「証拠」を全市にばらまき、山川の「犯罪」を「全市に周知すべきだ」と主張しているものと理解できた。

 同じ朝木の一般質問の際、清水はさらに傍聴席で次のように発言した。



(山川が主張する清水による不法行為⑤-(2))

 東村山市健康福祉部が朝木の要求(平成28年9月議会)に基づいて行った多摩湖寿会会計に対する再調査の結果、東村山市は過去5年間に多摩湖寿会に交付した補助金の一部について返還を求める方針を固めた。朝木の質問に対して健康福祉部がその具体的な金額を答弁した直後のことだった。清水は傍聴席から再び次のように発言した。

(2)「彼女から返してもらえばいいのよ」

「みんな山川さんの懐に行ってるから、全部返してもらえばいい」



 市が多摩湖寿会に対して返還を求めようとしている額は「すべて山川の懐に行っている」、つまり返還を求める額は「すべて山川が着服した」と、清水は主張しているのだった。清水の声は傍聴席の一般市民のみならず、傍聴席のすぐ前に座っている市役所職員たちすべてに聞こえるほどの大きさだった。

 もちろん市役所の職員も一般市民であり、その口を介して清水の主張が市内に広がる可能性を否定することはできない。したがって、上記清水の発言によって社会的評価を低下させられたと山川は主張していた。

発言の存在を否認

 山川の主張に対して清水は次のように主張していた。



(山川が主張する清水による不法行為⑤に対する清水の主張-(1))

 被告清水が、平成28年11月30日の東村山市議会において、傍聴規則に反し、傍聴席から傍聴人のみならず少なくとも市役所職員全体に聞こえる音量で原告の主張するような発言をした事実はない。

 東村山市による会議録にも、質疑中、あるいは質疑の合間の、発言者不明の発言なども記載されているが、原告の主張するような発言の記載はない。……原告の主張する音量での発言があれば、会議録に記載があって然るべきであるが、そのような記載はない。



 議員の質疑や市側の答弁については会議録に記載されなければならないが、傍聴人の不規則発言が必ず記載されることはない。したがって、東村山市が発行した会議録に清水の発言が記載されていないことをもって、清水の発言がなかったことの裏付けとすることは難しいのではあるまいか。

 私はその場で清水の発言を確かに聞いたのだが、清水はその事実をなかったことにしようというのだろうか。また清水は、次のようにも主張している。



(山川が主張する清水による不法行為⑤に対する清水の主張-(2))

 原告の主張する発言がなされたとしても、発言の内容は、事実の摘示ではなく、隣席の傍聴者との会話ないし被告朝木の発言や健康福祉部長の答弁を受けての意見の表明にすぎず、不特定多数の者に対し「原告が寿会の金を着服した」との事実を摘示するものではない。



「(横領の証拠を)全市に配ればいい」というのは、文言だけを見れば朝木の発言を受けての「意見の表明」かもしれないが、「全市に配る」のは「横領の証拠」なのだから、発言の意味するところが「山川は寿会の金を横領した」とする事実を前提にしたものであることに変わりはあるまい。この発言の評価は分かれる可能性があるかもしれない。

 しかし、もう一方の「みんな山川さんの懐に行ってるから、全部返してもらえばいい」とする発言の中で「懐に行ってる」とは「山川が着服した」という意味にほかならない。すると、少なくともこの発言に関しては、「山川が着服した」という事実の摘示であると評価できるのではあるまいか。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第42回
なくなっていた領収書
                 
 原告が主張する多摩湖寿会会長、清水澄江の不法行為とそれに対する清水の主張の紹介を続けよう。原告が次に主張しているのは、原告が寿会の会計を務めていた当時、領収書綴りに貼付していた領収書がなくなったことについてである。清水は領収書がないことを理由に「山川は架空の支出があったことにし、着服した」と主張している。しかし山川は、山川が新役員に領収書綴りを引き継いだ時点で、清水が「ない」と主張している領収書は存在していたと主張し、その領収書がなくなったのは清水の管理に問題があったためだと主張しているのである。

 その領収書とは、清水が「研修旅行で入浴していないにもかかわらず、山川は入浴したことにして1万円を着服した」と主張している「おくたま路」における入浴料の領収書である。この領収書が領収書綴りの中にないことを山川が知ったのは、朝木が平成28年11月22日付で提出した一般質問通告書の記載によってだった。

 記憶と違うと山川は不審に思い、東村山市健康福祉部に依頼し、確認のために領収書綴りの該当ページをファックスで送信してもらったところ、領収書を貼ってあったと思われるスペースと会計帳簿に対応する領収書番号「№44」という数字は記載されていたが、領収書だけはなかった。しかも、当たり前だが、東村山市健康福祉部は領収書綴りにいっさい加工はしていないとのことだった。そうなると、領収書がなくなったのはいつなのか、誰がこの状態にしたのかは定かでないものの、その時期はおのずと限られると山川は判断した。



(原告が主張する清水澄江の不法行為④)

 被告朝木が「『入浴料』の領収書がない」と主張した「入浴料」は補助対象経費として計上され、当該領収書綴りは平成26年4月に東村山市社会福祉協議会による監査を受けたが、その際に本件領収書がないという指摘は受けていない。すなわち上記監査の時点では本件領収書は補助対象経費の領収書として当該領収書綴りに貼付されていたことが明らかである。すると遅くとも、被告朝木が平成28年11月22日付一般質問通告書に「『入浴料』の領収書がない」と記載したときには、被告朝木の主張が事実とすれば、本件領収書は領収書綴りからなくなっていたということになる。

 寿会会長である被告清水は、監査を通った時点で公文書となった寿会の平成25年度の領収書綴りを原状のまま保管・管理する義務がある。ところが被告清水は、本件領収書がなくなれば領収書綴りの効用を害するという結果の発生を十分に予測できたにもかかわらず、保管・管理について必要な注意を怠り、……何者かによって領収書綴りから本件領収書を剥ぎ取って空白状態に加工されるという異状事態を生じさせた。……公文書を毀棄することは上記規則(「東村山市老人クラブ運営費の補助に関する規則」)に違反する行為であり、被告清水の過失責任は免れない。

 被告朝木からひがしむらやまし議会で「原告は1万円の入浴料を架空計上し、着服した」と断定された原告は、無実の証拠である本件領収書を紛失されたことにより、行方不明の本件領収書を探すため奔走したのであり、原告は身体的にも精神的にも甚大な苦痛を被った。



「入浴料」の領収書がなくなっていることについて山川はこのように主張していた。これに対して寿会会長、清水澄江は次のように主張した。



(上記不法行為④に対する清水の主張)

 ……そもそも、「おくたま路」において入浴の事実がなく、入浴料の支払いがなかったため、「おくたま路」から領収書は発行されていないのである。……「おくたま路」は「改修中入浴止め」の状態であったから、入浴はできず、入浴料の支払いはなかった。

 ……原告の主張はそもそも存在しない本件領収書について、毀棄や管理義務違反をいうものであって、理由かないことは明白である。



 山川は「おくたま路」で入浴したことについて、当時寿会副会長だった会員の陳述書を提出していた。確かに「おくたま路」の当日の来客対応記録に「入浴止め」と記載されているのは事実だった。。実際に当日、寿会も当初、入浴を断られた。しかしこの副会長らが「なんとかならないか」と交渉した結果、まだ工事に取り掛かる前であり、前日の湯も残っているということで、入浴ができるようになったと供述していた。しかし清水は、そのことについても否定し、「(前副会長の)供述に信用性はない」と主張していた。

分離されていた出金伝票

 ところで、山川は領収書綴りに領収書を保管・整理するにあたり、帳簿に記載された№と同じ領収書№を記載した場所に当該領収書を貼付し、その上にその領収書の内容(支払い先と金額)を記載した出金伝票を貼り付けている。すると、「入浴料」の領収書はなかったが、その出金伝票はどうなっているのか――。

 そう考えた山川はすぐに健康福祉部の担当者に問い合わせた。すると、担当者は「出金伝票はありますよ」といって該当する伝票をファックスで送ってくれた。その出金伝票には、「支払い先 おくたま路」、支払額の欄には「入浴料 500円×20名 10000円」と記載され、会計担当の山川と当時の寿会会長の承認印があった。

 健康福祉部の担当者によると、出金伝票は他の出金伝票とともに、出金伝票だけがまとめられたものの中にあったという。山川は領収書を領収書綴りに貼り付け、その上にその領収書に対応する出金伝票を貼り付けていたから、健康福祉部に寿会の会計帳簿類が提出された時点で、領収書綴りの中から出金伝票が剥ぎ取られ、出金伝票だけでまとめられていたということになる。会計帳簿類は、誰の手によるものかは定かでないものの、社協の監査を受けた際の状態(原状)とは少なくとも異なる状態になっていたことだけは確かなようだった。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第41回
「東村山を歩けないようにしてやる」

 これまで朝木の認否と主張を見てきたが、では、朝木に情報を提供した多摩湖寿会会長、清水澄江の認否と主張はどうなのだろうか。原告が主張する清水の不法行為は7件である。

 平成28年8月17日、多摩湖寿会で発生した不適切な会計処理問題について市側の見解を説明するための会合が、寿会の新役員7名、山川を含む旧役員4名、市の担当部署から4名が出席して開かれた。

 会合でまず東村山市の担当課長から、寿会会長の清水が「山川が不正な経理をして多摩湖寿会の金を懐に入れた」と主張している点について、「私的な保管金は返却されており、寿会会長が受領した時点で示談が成立しているので和解したことになる」との弁護士の見解を伝えた。さらに担当課長は、市としても「市からの補助金は正しく使われており、帳簿が整っているのでなんら問題ない」と判断していると述べた。

 これに対して清水は次のように発言した。



(原告が主張する清水澄江の不法行為①)

①「私は納得できません。悪いことをしていたのに、いけしゃあしゃあと。1円でも人の金をごまかせば不正なんだ。不正をしたと東村山中を触れ回って堂々と歩けないようにしてやる」



 市の担当者が上記の説明をしたものの、清水はこれに納得しなかった。多摩湖寿会は山川が上記の「保管金」を返却したことをもって「今後、金銭的なことは申し立てない」、つまりこの日をもって会計問題を終結させることを、清水をはじめとする新役員と山川を含む旧役員の双方が確認する書面を作成しようとしていた。

 しかし、会長である清水だけが市の説明に「納得がいかない」といって譲らなかった。そこで新役員の一人が「どうすれば納得するのか」と聞くと、清水は「山川さんが務めている社会福祉協議会や日中友好協会、東村山市文化協会の会長、多摩湖ふれあいセンターの役員を降りれば、誓約書に署名・捺印する」といい出したのである。

 今回の会計問題と、山川が東村山市で多くの組織・団体の役員を務めていることとは、どう考えても無関係である。どういう理由かはわからないが、清水には、山川にただ保管金を返還させただけでは不満だったということになろう。会計問題をきっかけに、山川の社会的立場を引きずりおろそうとしているようにもみえる。

「役職を降りろ」という清水の要求が理不尽なものであることを山川がわからなかったはずはない。そう要求する清水の心中も薄々ながら感じるところがあったという。しかし、山川が清水の要求を容れなければ、いつまでたっても収拾がつきそうになかった。いうまでもないが、その会合に集まっているのはすべて高齢者である。

 また山川には、清水の要求を容れなければ、本当に「東村山を歩けなくされるのではないか」という不安も募った。このため山川は、不本意ではあったが、最終的に清水が要求した役職を辞任することを誓約書に入れることを受け入れたのだった。

山川は訴状で次のように主張している。



(原告が主張する清水澄江の不法行為②)

②「原告を脅して誓約書を作成せざるを得ない状況に追い詰めて提出させたものであり、上記被告清水の行為は強要罪に該当する不法行為である。上記不法行為により、原告は不本意な誓約書を提出させられ、甚大な精神的苦痛を受けた。」



 誓約書の作成にあたって清水が不合理かつ不当な要求をしたことは、計算なのか冷静さを失った一時の感情にまかせたものかどうかは別にして、少なくとも清水が会計問題に乗じて山川の社会的信用を低下させようとしたようにみえる。

「誓約書」に反する申告

 ところで同日、清水澄江と寿会副会長を甲とし、前会長の加藤幸雄と山川を乙として交わされた誓約書の末尾には、「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言がある。ところがその後、朝木が再三にわたって「山川は寿会の金を横領した」とする趣旨の質問を行った。

 この質問が清水の主張と情報提供に基づくものであることは明らかだった。「横領した」とは「寿会の金を盗んだ」という意味であり、誓約書に記載する「金銭的な内容」に関する申し立てにほかならない。清水は自ら署名・捺印した誓約違反を犯していることになる。

 清水は誓約に違反したのみならず、市会議員である朝木や担当所管という公務員に対して「山川は寿会の金を横領した」と申告した行為は虚構犯罪申告に当たるとして、山川は次のように主張している。



(原告が主張する清水澄江の不法行為③)

③「被告清水は、『不正したと東村山中触れ回って堂々と歩けないようにしてやる』と予告したとおり、まず被告朝木へ上記(1)の申告(筆者注=『山川は寿会の金を横領した』とする申告)を行い、被告朝木から被告矢野及び被告天目石へと伝播し、朝木、矢野、天目石の3被告による原告に対する名誉棄損の被害が拡大された。また、被告清水から上記申告を受けた岩崎係長から原告は何度も横領の有無について恥辱的な事情聴取を受け、甚大な精神的苦痛を受けた。」



 たんに多摩湖寿会内だけではなく、少なくとも市議会議員である朝木に情報を提供し、それに基づいて朝木が議会で取り上げ、所管に「再調査」を要求した。これを受けて所管が山川らに対して事情聴取を行い、その結果について朝木が議会で質問することによって「山川は寿会の金を横領した」とする清水の主張がそれなりの影響力を持つに至ったことは明らかであるように思われる。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第40回
裁判とは無関係の事実

 山川が主張するその他の違法行為に対する朝木らの主張をみよう。次は、『東村山市民新聞』に「山川は詐欺事件に関与した」とする記事を掲載したため、山川が朝木らを提訴していた裁判に提出した陳述書の記載についてである。朝木は上記裁判に提出した陳述書において一通り「詐欺事件」に関する供述をしたあと、「また、追記ですが」と前置きし、次のように記載した。

「この『多摩湖寿会』において平成24年度から平成27年度にわたり、被控訴人山川が一人で務めていた『会計』業務において、経費の二重計上や会費等の未納入などにより、42万4500円の不正処理による不足金が現役員の調査により本年6月に発覚しました」

「会員から集めた福祉募金が行方不明になっている」

「被控訴人山川は42万4500円を多摩湖寿会会計から抜き取ったことを認め返金した」

「多摩湖寿会現役員はすでに弁護士をつけ、詐欺あるいは横領による民事裁判および刑事告訴の準備をしている」

 ―― 「詐欺事件」の当事者は多摩湖寿会とは無関係の人物であり、当然、朝木らがそれまでの過程で「多摩湖寿会」との関連を主張した事実もない。上記の陳述書における記載が、裁判で問題となっている「詐欺事件」と無関係の事実であることは明らかだった。

 原告の主張に対して朝木らは、訴訟においては、立証活動の過程で名誉毀損的言辞があったとしても、ただちに不法行為が成立するものではないとする原則を述べた上で次のように主張している。



(朝木らの主張)

④ 陳述書における記載

(1)被告朝木の上記陳述書の該当箇所は、原告の主張の信用性が低いことを裏付ける事情の1つとして記載されたものであり、訴訟における主張と十分に関連性を有するから、立証行為として許容されるべきで、不法行為を構成するものではない。

(2)また「山川は多摩湖寿会の金を横領した」との事実については議会質問の項で主張したとおりであり、真実性・相当性がある。(趣旨)



 朝木らは、議会質問の項においては「福祉募金を盗んだ」との事実についてはなんらの主張・立証もしておらず、少なくともその部分については真実性・相当性が立証されたとはいえまい。

発言自体を否定

 では、上記の陳述書を提出した日、裁判所の廊下で朝木が山川に対して「福祉の金を奪って大泥棒だな、大泥棒、大泥棒」と発言したと山川が主張している点についてはどうだろうか。



(朝木の主張)

⑤ 裁判所での発言


(1)原告の主張は事実無根であり、上記の発言をした事実はいっさいない。また、この件について陳述書を提出した訴外千葉や訴外宇留嶋は朝木に対する訴訟や刑事告訴を繰り返してきた人物であり、両名の供述は到底信用できない。

(2)仮に原告主張の事実があったと仮定した場合においても、議会質問の項で述べたとおり、真実性・相当性があり、不法行為は成立しない。(趣旨)



 山川が主張する裁判所内での朝木の発言内容および、朝木の声を聞きつけた裁判所の書記官が廊下まで様子を見に出てきたとする説明は具体的である。はたして事実関係について裁判所はどう判断するのだろうか。仮に朝木の上記発言の事実が認定され、不法行為に当たると判断された場合、朝木は議会質問において「福祉の金を奪って大泥棒だな」とは発言しておらず、議会質問の項ではなんらの主張・立証もしていないから、真実性・相当性が認定されるとはいえないのではあるまいか。

傍聴席での会話

 朝木の最後の主張は、平成28年11月30日の一般質問終了後、休憩時間中に傍聴席で行われた朝木と多摩湖寿会会長、清水澄江との会話の内容に関してである。休憩に入り、朝木と清水は市長に「なぜ告発しないのか」と詰め寄ったあと、傍聴席で次のような会話を交わした。傍聴席にはまだ数名の市民が残っていた。

①「この中にね、鯛焼きまで補助金で。私たちの税金で鯛焼きまで」(朝木)

②「鯛焼きでしょ、チャーシューメンセットでしょ、それからバーミヤンでしょ、リンガーハットとバーミヤン。横領で、あじさい館の下見に行ったら2回も食べてるの」(清水)

③「食べてるよ、よく。痩せたでしょう、寿会の会計離れて」(清水)

 これらの発言は、山川が寿会の予算を個人的な食事に流用していたという趣旨である。上記③の清水の発言に、朝木は次のように応じた。

「ふだんの行いが悪いからね、みんな怒って、みんな協力してくれるんです」

「山川は日ごろから不実な行動をしていることをみんな知っているから、今回の件でも皆さんが証言に協力してくれている」--朝木は傍聴席に残った市民の前でそういっているのだった。これを受けて清水はさらにこう決めつけた。

「写真だって何だって会の金でやってて、飲食だって全部寿会の金で食べてたんだから、いっぱい貯まってるわよ」

 --山川は、本来は個人で支払うべきものについても寿会の会計から支出し、その分、自分の懐を肥やしている――清水はこう主張しているのだった。つまり、「山川は寿会の金を着服した」と主張しているに等しいといえるのではあるまいか。

 山川が上記の発言によって名誉を毀損されたと主張したのに対し、朝木は次のように主張している。



(朝木の主張)

⑥ 議会休憩中の会話

(1)朝木が休憩中に、この日の「山川を告発しない」との市の答弁について納得がいかない旨の私的な会話をしたことは事実であるが、このような会話は原告に対する不法行為を構成しない。

(2)上記(1)の会話は私的な会話にすぎず、大声で話したという事実もない。この点、訴外宇留嶋は誇張して主張しており、宇留嶋の供述は信用できない。

(3)仮に原告が主張するような会話がなされ、傍聴人に聞こえていたとしても、その内容には真実性・相当性があり、不法行為を構成しない。



 朝木はまず原告が主張する発言の存在そのものを否定している。しかし、山川の主張する会話の内容は具体的であり、かつ山川が主張する朝木と清水の発言内容はそれまでの主張となんら矛盾しない。会話の存在についても、裁判所がどんな認定をするのか、興味深いところである。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第39回
「不適切な処理」と「横領」の間

 議会での発言等に関する朝木らの主張の紹介を続けよう(以下、朝木らの主張はいずれも趣旨)。



(3)地方議会議員による正当業務行為

 民主主義と地方自治という憲法の基本理念に照らし、地方議会を構成する議員には可能な限り自由な言論が保障されるべきである。地方議会の議員はその発言によって結果的に個別の市民の名誉が侵害されたとしても、ただちに当該議員がその職務上の法的義務に違背したということはできない。

 同年(筆者注=平成28年)11月30日の東村山市議会定例会一般質問において、市側から「多摩湖寿会の会計において補助金の返還命令に至るような不適切な状態があった」、「前会計(原告)は、経費の二重計上を認めている」旨の答弁がなされた。二重計上が意図的になされたことは明らかであったこと等から、被告朝木はこれ刑法上の横領罪に該当する行為であることを指摘し、東村山市の財政の健全化を図ろうとしたものである。したがって、被告朝木および矢野の各行為は不法行為を構成するものではない。



 また朝木と矢野は、議会質問等が公益目的に出たものであると主張している。

 では、肝心な真実性・相当性についてはどうだろうか。



(4)真実性・相当性

①不正な会計処理を示す客観的根拠資料が存在すること、②原告が多摩湖寿会における唯一の会計担当者であったこと、③原告自身、二重計上を認めていること、④市も不適切な会計処理との認識を抱いていること、⑤原告が多摩湖寿会に42万4500円を返還したこと、⑥原告の弁解が不合理であること。



 朝木らは上記の6項目を理由に「山川は寿会の金を横領した」とする主張には理由があると主張している。なお、上記の朝木らの主張のうち、「真実性・相当性」の⑥について、山川は「会計に不適切な処理があったことは認めるが、それは多摩湖寿会50周年記念事業の費用の一部として充当するためで、現金で保管していた。もとより横領・着服の意思はなく、またそのような事実もない」と主張している。

 山川は朝木らが問題とする会計処理に「不適切」な点があったことを認めている。しかし、「不適切」だったことと、「横領・着服」はまったく別次元の話なのではあるまいか。

「犯罪行為」と断定

 朝木らが次に主張したのは市議会だよりにおける記載についてである。



(朝木らの主張)

②ひがしむらやま市議会だよりへの掲載

(1)地方議会議員による正当業務行為

 ひがしむらやま市議会だよりは、東村山市議会議長を発行責任者として、議長が議員の中から委嘱した委員によって構成される東村山市議会広報広聴委員会によって編集・発行されるものである。被告朝木は上記規定及び運用に従い、平成28年9月7日に開催された東村山市議会定例会一般質問における質問及び答弁の一部をまとめた原稿を作成したにすぎない。かかる行為は正当な職務行為だから、原告に対する不法行為を構成しない。

(2)社会的評価の低下

 ひがしむらやま市議会だよりにおいて原告の氏名や住所は特定されておらず、このような記載によって原告の社会的評価が低下するものではない。

(3)真実性・相当性

議会での発言等と同様に、真実性・相当性の法理が妥当する。



 朝木が原稿を作成し、市議会だよりに掲載された記事には次のような記載がある。

「公金横領の調査はしたか?」

「多摩湖寿会における当市元副議長による不正会計に対し、公金横領が強く疑われるにもかかわらず」

「不正に抜き取られた金員」

「犯罪行為に目をつぶるようなものだ」

 これらの記載はどうみても「多摩湖寿会の金を横領した」と断定しているように思えるが、会計処理に不適切な点があったとして、それがどんな理由によって「横領した」ことになるのか、朝木の主張は不十分であるように思えてならない。

ビラを「公的なもの」と主張

 議会での発言等とは異なり、「山川」の名前を特定し、「横領した」と断定した『東村山市民新聞』第188号の記事(「認否」の項の⑩)についてはどんな主張をしているのだろう か。

 山川が問題としている記載は以下のとおりである(一部)。

「元公明市議が横領! 老人クラブから」

「創価・公明市議が4年間にわたり」

「元市議が老人クラブから横領」

「山川昌子・元公明市議が、……会予算の2割以上を横領していた。」

「老人クラブ(「多摩湖寿会」)を舞台に山川昌子・公明党元市議が前代未聞の横領事件を惹き起こしたが、本人は未だに、これを否定するかのような態度をみせている。」

「研修旅行先で会員20人が入浴したとして入浴料1万円が研修費(公費)として計上されていることにも驚きますが、調査の結果、入浴したとされている日はその入浴施設は改修工事中で、『入浴の事実自体があり得ない』ことも明らかになっています。」

「会員から集めた『福祉募金』も行方不明になっている……」

「山川元市議の私的な飲食費と思われる経費が多くみられます。」

 原告が名誉毀損であると主張するこれらの記載について、朝木らは次のように主張していた。



③『東村山市民新聞』第188号への記載

(朝木らの主張)

(1)被告朝木及び被告矢野は、地方議会議員として、その議員活動を紹介する目的で同新聞を発行し、行政や地域の問題等について市民に情報報提供を行っているところ、……これは、被告朝木及び被告矢野による上記新聞の発行は正当な業務行為として不法行為を構成しないと考えるべきである。

(2)上記行為が仮に正当業務行為として違法性が阻却されない場合においても、上記の通り本件には真実性の法理ないし真実相当性の法理が妥当する。

『東村山市民新聞』が「正当業務行為」であるとは、この政治宣伝ビラが公的な性格を持つものであるという主張だろうか。いうまでもなく、『東村山市民新聞』が東村山市議会と何らかの関係があるなどあるはずもなく、したがって、その発行が議員としての「正当業務行為」であることはあり得ない。朝木らが「山川は詐欺事件に関与した」とデマ記事を掲載した件では、東京高裁が同ビラについて「(朝木らの)政治活動の状況を地元有権者に伝えることを目的とした政治広報紙」であると認定している。またこれまでのあまたの裁判で、さすがの矢野も朝木でさえ、このビラが「公的なもの」であるなどと主張したことは1度もない

 すると、『東村山市民新聞』の記事をめぐる争点は真実性・相当性ということになろうが、ここで朝木らがその根拠として主張しているのは、「二重計上があったこと」「不適切な会計処理があったことを認めていること」など、「議会質問」の項における主張と同じだった。しかし、『東村山市民新聞』には「入浴もしていないのに入浴したとしてその1万円を着服した」、「福祉募金を盗んだ」(いずれも趣旨)という具体的な事例も適示されているから、当然、その点に関する立証も必要となるのではあるまいか。

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第38回
珍しい認識

 朝木らは認否に続いて、山川が主張するそれぞれの名誉毀損事実がいずれも不法行為を構成しないとし、それぞれについて具体的な理由を述べている。

 民事訴訟において名誉毀損とは、①不特定多数に対して、②事実を適示して、③他人の社会的評価を低下させること――とされている。ただし、①適示事実について真実であるとの証明があるとき、または真実であると信じるに足りる理由があると認められる場合、②公共性があると認められる場合、③公益性があると認められる場合――の3つの条件をみたす場合については違法性が阻却されるというのが判例である。

 山川は朝木と矢野の議会での発言やビラの発行などによって「山川は多摩湖寿会の金を横領した」と主張し、それによって名誉が毀損されたと主張している。朝木の代理人弁護士は最初に次のように主張していた。

「名誉毀損に基づく損害賠償請求の一般的要件は①被告が原告の社会的評価を低下させる事実を流布したこと、②故意又は過失、③損害の発生及び額、④前記②と③の因果関係――であるが、原告からこれらの要件事実について十分な主張・立証がなされておらず、原告の主張には理由がない。」(趣旨)

 要するにこの弁護士は、山川は具体的に発生した損害とその金額を示し、朝木の発言との因果関係を立証していないのでその主張には理由がないと主張していた。この弁護士の主張によれば、本件の場合、山川はそれぞれの不法行為ごとに社会的評価の低下について立証しなくてはならないことになるが、裁判所はそこまで要求しているのだろうか。

 たとえば新聞である人物の社会的評価を低下させる記事が掲載された場合、当該人物が新聞の読者を特定し、自己の社会的評価が低下したかどうかを確認することなど不可能である。新聞記事による名誉毀損の場合、判例では、記事が掲載され、ある人物の社会的評価を低下させる可能性が生じた時点において名誉毀損が成立するとし、社会的評価が低下した事実を具体的に立証することを求めていない。問題は、記事がある人物の社会的評価を低下させるものと判断できるかどうか、のようなのである。

 この判例に本件を照らすとどうだろうか。「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする記載や主張が山川の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。その主張が不特定多数に対してなされたことも事実である。するとやはり、朝木の主張はその時点で、山川の社会的評価を低下させたと判断すべきなのではなかろうか。実際、本件裁判で裁判官が山川に対して「具体的に発生した損害とその金額を示し、朝木の発言との因果関係を立証」するよう求めることはなかった。

 こうみると、朝木代理人の上記の主張は判例とは相いれないものとみるのが妥当といえるのではあるまいか。しかし、プロの弁護士が名誉毀損における基本的判断事例を知らないことはあるまい。代理人弁護士をつけていない山川を揺さぶるために知らないフリをした――こう理解するのが自然のようだった。

「疑惑の適示」と主張

 いずれにしても、朝木代理人は上記のような独自の主張を述べた上で、山川が主張するそれぞれの不法行為について違法性を否定する主張を行っている。具体的に紹介していこう。



(朝木らの主張)

①一般質問通告書および議会における質問(本連載の「認否」のうち、①②③⑤⑥および⑨――第36、37回)

(1)質問の意図

 原告は東村山市議会議員だった者であることなどから、悪質性が顕著であると考え、東村山市の財政(公金から支出される補助金)の健全性を追求する意図で定例会において取り上げたものである。

(2)社会的評価の低下
 
 原告の氏名や住所は特定されておらず、多摩湖寿会で発生した元市議会議員による業務上横領疑惑について追及したに過ぎない。このような態様による疑惑の適示により、原告の社会的評価が低下するものとは認められない。



 上記(2)の「社会的評価の低下」の項において、朝木らは「多摩湖寿会で発生した元市議会議員による業務上横領疑惑について追及したに過ぎない。」と主張しているが、前回、前々回で紹介した認否で上記⑤、⑥、⑨については朝木ら自身、「山川は寿会の金を横領した」と発言等したことを認めている。

 また①、②、③については、

「この元市議は42万④4500円を会計から抜いたことを認めていると聞く」(①)

「会計の不正処理を行った元市議会議員は、新年会やお祝い金、バス研修費などで集金したお金を会計収入に入れず、78件もの経費(領収書)を二重計上するなどして寿会会計から抜いた」(①)

「この元市議会議員は42万4500円を会計から抜き取ったという、このこと自体は認めております」(②)

「福祉募金の全額を着服していることが明らかとなっています」(②)

「この元市議会議員は、新年会の会費やお祝い金、それからバス研修会などで集金したお金を会計収入に入れないで着服」(②)

「経費を二重計上するなどして、寿会の会計からお金を抜き取っていました」(②)

「4年間もね、募金は盗まれるし、二重計上で会計からお金は抜かれるし、入るべきお金は入っていない」(③)

「会計がめちゃくちゃな状態でお金が盗まれていくような状態」(③)

「会計さんが自分のポケットに入れていた」(③)

「誰がどうみたって意識的にやってるんですよ。犯罪の可能性が非常に高い」(③)

「泥棒したものはね、お金返せばいいんですかっていう議論になるんですよ」(③)

 などと記載、発言している。これらの発言がたんに「疑惑の適示」といえるのかどうか。裁判官がどう判断するのかはわからないものの、「山川は寿会の金を横領した」と断定するのと「横領の疑惑がある」と主張するのでは、要求される真実性・相当性の立証にかなりの差が出てくることは確かだろう。朝木らが議会での発言等について「疑惑の適示」であると主張したことにはなんらかの意図があったとみるべきではあるまいか。

(つづく)

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多摩湖寿会事件 第37回
「大泥棒」発言を否認
 
朝木と矢野のその他の訴因に対する認否の紹介を続けよう。



(「請求原因」に対する認否2)

⑦前の事件(『東村山市民新聞』に「山川は詐欺事件に関与した」とする記事を掲載して50万円の支払いを命じられた事件)において提出した陳述書の記載(朝木)

〈訴訟当事者であった原告の供述の信用性に関わるものであり、「裁判とは無関係で主張する必要の全くない事実」ではない。同陳述書の提出により原告の社会的評価が著しく低下したことはない。〉

⑧裁判所の廊下でした発言(朝木)

〈「福祉の金を奪って大泥棒だな、大泥棒、大泥棒」などと連呼した事実はない。〉

〈この件について原告の主張と整合する陳述書を提出し、原告と協力関係にある訴外千葉英司及び訴外宇留嶋瑞郎は、長年被告朝木を敵対視し、同被告に対する民事訴訟や刑事告訴・告発を繰り返してきた人物であり、同人らの供述は到底信用出来ない。〉

⑨平成28年11月22日に提出した一般質問通告書における記載(矢野)

〈「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした」旨の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所は特定されておらず、これにより原告の社会的評価が低下するものではない。〉

⑩『東村山市民新聞』の記事(朝木及び矢野)

〈(「原告が多摩湖寿会の金を横領した」「入浴したとして着服」「福祉募金を盗んだ」等との記載)事実は概ね認め、原告の社会的評価が著しく低下したことは不知。〉

⑪『東村山市民新聞』における肖像権侵害(朝木及び矢野)

〈原告は平成23年4月まで16年間にわたり東村山市議会議員を務めた者であり、選挙ポスターや市議会だより等に公人として広く写真を掲載してきた。現在も、東村山市文化協会のホームページに会長として写真が掲載されており、写真の公表により肖像権が侵害されるものではない。〉

⑫平成28年11月30日の一般質問終了後、被告清水とともに「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする趣旨の会話を交わしたこと(朝木及び清水)

〈被告清水と被告朝木は、この日の市の答弁について納得がいくものではない旨の私的な会話をしたという範囲で認め、その余は否認。〉

〈原告の主張と整合する陳述書を提出する訴外宇留嶋の供述は信用出来ない。〉



「山川は多摩湖寿会の金を横領した」との事実について、朝木と矢野が最も力を入れた議会質問関係においてはおおむね「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした旨(あるいは、そのような「疑惑」がある旨)の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所は特定していないから名誉毀損ではない」と主張している(①~⑥及び⑨)。また適示事実に関する原告の主張を認めた場合にも、名誉毀損の成立については否認していることがわかる。

 その上で朝木と矢野は、「原告については、多摩湖寿会における公金横領を疑うに足りる十分な事情、根拠がある」と主張していた。

 なお「名指しをしていないから名誉毀損にはならない」という主張については、前後の文言等からそれが誰かを容易に特定できる場合には名指ししたことになるという判例もある。 

 朝木は質問等で「多摩湖寿会で起きた事件であること」、「平成24年から27年まで会計を務めていたこと」、「元市議会議員であること」を特定しているから、少なくとも多摩湖寿会の会員が聞けば、それが誰のことを指しているのか、すぐに理解できるのではあるまいか。名誉毀損が成立するのは「不特定多数に対して発信された場合」だが、多摩湖寿会の会員もりっぱな「不特定多数」であることに違いはない。また、それを聞いた人が少なくても、聞いた人を介してその情報が拡散される可能性が認められれば、それもやはり「不特定多数」とみなされるケースがある。

議会発言の保障範囲

 質問通告書の記載を含む議会での質問について、朝木と矢野はもう1点、重要な主張をしていた。国会議員には国会での発言について自由な言論を保障するために免責特権が認められている。地方議会議員については免責特権に関する明文規定はないが、国会議員に対する考え方と同じ理由から、地方議員の発言に関しても損害賠償責任を否定した判例がある。朝木と矢野は、上記の条文や判例に基づき、議会質問に関する原告の主張を否定していた。

 地方議会の議員の議会での発言についても自由な言論が保障されるべきであるというのはわかる。ただ本件の場合、提訴までに同種の発言が3回に及んでいること、所管する部署や東村山市が「横領があった」とは断定していないこと、朝木はその事実を認識した上で「横領」と断定していること、たんに「横領をした」と主張しているだけでなく、「入浴料」や「福祉募金」など客観資料によって証明が可能な具体的事例を挙げていることなどの点を裁判所はどう判断するのか。

 仮に「入浴料」や「福祉募金」について朝木が確かな根拠もなく「横領した」と断定したとすれば、山川が具体的な反証を行い、裁判所がそれを事実と認定した場合、その部分について別の判断がなされる可能性もないとはいえないではあるまいか。 

(つづく)
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多摩湖寿会事件 第36回
代理人分割の謎

 元東村山市議の山川昌子が、ビラや議会などでの発言によって名誉を毀損されたとして東村山市議の朝木直子、矢野穂積(いずれも「草の根市民クラブ」)や老人クラブ多摩湖寿会会長の清水澄江、武蔵村山市議の天目石要一郎を提訴している裁判の第5回口頭弁論が9月26日に迫った。平成29年1月30日に山川が提訴した後も、朝木は同年3月議会、6月議会、それからつい最近の9月議会でも、依然、「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする事実を前提にした質問を重ねている。

 朝木らの主張についてはこれまで議会質問を中心にみてきた。では、そんな朝木をはじめ、最初に「山川が寿会の金を横領した」といい始め、朝木に情報を提供した寿会会長の清水澄江は裁判でそれぞれどんな主張をしているのか。

 なお被告側は、朝木及び矢野、清水及び天目石と別々の代理人を就けている。朝木と矢野は清水からの情報を元に政治宣伝ビラや議会質問などで「山川は寿会の金を横領した」と主張し、清水は自らの判断でそう主張した。つまり、朝木と矢野は他からの情報に基づく主張で、清水は一応直接的な根拠に基づく主張であるという違いがあり、裁判における主張の仕方も違ってくることも予測される。このため、朝木・矢野と清水については別の代理人を就けたのかもしれなかった。

 別の代理人を立てていれば、万が一、双方の利害が対立した際にもスムーズに共闘を解消できるという見方もできよう。ちょうど、朝木明代の万引きを苦にした自殺を「他殺」と主張した『週刊現代』が、情報源とした朝木直子とともに提訴された際、裁判の途中で朝木が「『週刊現代』の取材は受けていない」といい始めたことで、最後は『週刊現代』と敵対したみたいに。嘘と裏切りにかけて、朝木と矢野を凌ぐ者を私は知らない。

 なお、天目石は朝木と矢野が発行した政治宣伝ビラ(『東村山市民新聞』)を自身のブログに転載するなど朝木の情報に頼っていたようにみえるが、彼の代理人がなぜ朝木の代理人と共通でないのかという点については謎である。

「誰かは特定していない」

 さて、この裁判の第1回口頭弁論は平成29年3月7日に行われたが、被告らは山川の請求を棄却する判決を求めた上で、それぞれ「事実関係、証拠資料を確認・精査したうえ、追って認否、主張する」(朝木・矢野)、「認否、反論は追って行う」(清水)とする書面を提出したのみで出頭しなかった。第1回口頭弁論に限っては、原告の都合で期日が指定されるため、被告は書面(答弁書)を提出さえすれば、代理人を含めて必ずしも出頭しなくていいことになっている(擬制陳述)。

 被告らが具体的な反論を記載した準備書面を提出したのは平成29年4月26日に開かれた第2回口頭弁論においてだった。

 山川は被告らが「『山川は多摩湖寿会の金を横領した』と主張したことによって名誉を毀損した」と主張している(「請求原因」)。この点に対する被告らの認否はどうなのか。



(「請求原因」に対する認否1)

①平成28年8月24日に提出した一般質問通告書における記載(朝木)
②平成28年9月定例会における一般質問(朝木)

〈原告の氏名や住所を特定せず、「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした疑惑がある」と指摘したにすぎず、このような疑惑の提示により原告の社会的評価が低下するものではない。〉

〈被告朝木が、「東村山市老連や社協が『お金は返金されており、過年度の会計は会計監査や総会の承認を受けているので何の問題もない』との見解を示している」と認識していたことは認める。〉

③同9月議会決算特別委員会における質問(朝木)
④平成28年11月15日と発行の市議会だよりにおける記載(朝木)

〈原告の氏名や住所を特定せず、「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした疑惑がある」と指摘したにすぎず、このような疑惑の提示により原告の社会的評価が低下するものではない。〉

⑤平成28年11月22日に提出した一般質問通告書における記載(朝木)

〈「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした」旨の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所は特定されておらず、これにより原告の社会的評価が低下するものではない。〉

⑥平成28年11月定例会における一般質問(朝木)

〈「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした」旨の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所を特定しておらず、これにより原告の社会的評価が低下するものではない。〉

〈健康福祉部長は「犯罪があったと断言することは困難」と発言したが、「二重計上等の不適切な会計処理があった」と認めているのであり、被告朝木の主張事実(「山川が横領した」との事実)をすべて否定しているものではない。〉



 議会での質問について朝木は、「名指しをしていないから『山川』とは特定しておらず、名誉毀損にはならない」と主張しているようだった。

(つづく)
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