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著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)
現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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CONTENTS
【草の根市民クラブ関連事件】
万引き被害者威迫事件名刺広告強要事件
選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件少年冤罪事件
創価問題新聞事件朝木直子・傍聴人「撮影」事件
ネット版「東村山市民新聞」裁判 


【りんごっこ保育園関連】
りんごっこ保育園問題とは何か
(第1部)
りんごっこ保育園問題とは何か
(第2部)
食中毒騒動退園事件保育士虚偽申告事件
民改費過請求事件 


【多摩レイクサイド関連】
東村山市議の捏造放送と著作権侵害裁判関連


【久米川東住宅関連】
管理費等不払い裁判「電波障害」事件


【右翼関連】
西村修平「街宣」名誉毀損裁判右翼を煽動した東村山市議
西村修平「婚外子」差別発言裁判東村山市議会議長誹謗中傷事件


【その他関連】
まえがき大田述正事件
大田述正裁判宝島裁判
佐藤真和議員関連 
東村山市議会議長誹謗中傷事件 第4回
街宣ツアーの締め括り

 右翼らが公表していない街宣現場は東大和文化会館以外にもう1箇所あった。右翼らは6月14日午後3時50分ごろ、創価学会東村山文化会館前での街宣を終え、エンドレステープを流しながら久米川町へと向かったらしい。川上隆之東村山市議会議長宅の前に到着したのは午後4時過ぎである。右翼らがそこを街宣場所に選んだのは偶然だったのだろうか。

 右翼Mが街宣を開始したのは午後4時10分ごろ。右翼Mは冒頭で創価・公明批判を行い、「朝木明代は創価学会に殺された」「創価学会は殺人者の集団」などとする街宣を行った。ここまでは直前の東村山文化会館前で行った街宣とほぼ同じ内容である。しかしそれから先は、これまでにない内容だった。右翼Mはこう続けたのである。



 創価学会は暴力団も持ってるし、創価学会は右翼の街宣車だって自由に動かせるんだ。そんなことは常識になってます。だからみんな怖いんです。怖くて誰も文句がいえないから、こうやって、川上隆之、りっぱなおうちに住んでるじゃないですか。

 えー? さんざん私腹を肥やし、国民の血税でもって肥え太り、屋上から三色旗も垂れ流して、この久米川に住む住人を見下ろし、見下し、威嚇してるんじゃないですか。

 これがまさに創価学会、犯罪者集団。近所の嫌われ者です。さあ、とっとと出てきて下さい。そうですね、みなさん、わかります。はいはい、じゃ、そろそろお願いしましょうね。とっとと出てきて下さい、川上さん。

 川上さーん、川上さーん、出てきて下さーい。

 川上隆之、犯罪者、出てこーい。

 犯罪者、川上隆之、出てこーい。



 右翼らが川上議長の自宅前に街宣車を停めたのは偶然ではなかった。彼らは街宣の最後の場所に川上議長宅前を選んだのである。

 内容についてはあらためて検討するまでもない。「私腹を肥やし」「住民を見下ろし」「近所の嫌われ者」、極め付きは「犯罪者、川上隆之」。万引きを苦にして自殺した朝木明代の転落死を「創価学会の犯罪」と断定し、続けて「犯罪者、川上隆之」と呼んだということは、この右翼Mは「川上が朝木明代を殺害した犯人だ」といっているのだろうか。近隣住民が「朝木明代の転落死に川上が関与していたのか」と誤解する可能性もないとはいえまい。川上議長を標的にした明白な誹謗中傷であり、高倉良生都議が名誉毀損で告訴した街宣内容に勝るとも劣らない個人に対する名誉毀損ではあるまいか。

 万引き被害者に対する度重なるお礼参りなど、朝木明代の万引き隠蔽に関与した矢野穂積にとって、矢野のいいなりになって虚偽宣伝の先兵を買って出た「何も考えない」右翼の存在は重宝この上ないものだろう。矢野と朝木は自分の手を汚さずにすむのだから。

 ただ、いかに「何も考えない」右翼とはいえ、度を越しては矢野・朝木にとってもプラスにはならない。矢野と朝木が名誉毀損を構成しないように注意深く断定を避けているにもかかわらず、「朝木明代の転落死は創価学会の犯罪」と本音を包み隠さず暴露、断定してしまっては、デマ情報の出所である矢野と朝木にも累を及ぼさないともかぎらない。 

 右翼Mの6月23日付ブログによれば、創価学会がこの日の街宣をめぐり、東京地裁に街宣活動禁止を求める仮処分申請を行ったようである。これで終わればよいが、創価学会が次の手段に出た場合には当然、矢野も朝木も「『何も考えない』右翼が勝手にやったこと」ではすまされまい。

10日前の匿名電話
 
 さて、右翼はなぜ川上議長個人を標的に選んだのか。その理由はわからないが、川上議長の身辺にはすでに、この日の街宣の伏線とも考えられる出来事が起きていた。6月3日夕方、川上議長の自宅に非通知の電話がかかってきた。



川上  川上です。

相手  川上隆之か。

川上  そうです。

相手  9月1日を忘れるな。

川上  何ですか?

相手  お前は殺人犯だ。来年の9月1日で時効になると思ったら、大間違いだ。ただではすまないぞ。覚悟しておけよ。いいか、わかったか。



 内容的には妄想のたぐいであるものの、口先だけはなかなかの凄味である。当惑した議長が何のことかと聞こうとしても、相手は名前も名乗らないまま一方的に同じ内容を繰り返すので議長は電話を切ったという。

 その直後にも続けざまに何度も非通知電話がかかってきたが、議長はもう電話には出なかった。「9月1日で時効」とは「朝木明代殺害事件」のことを指しているのだろうが、そんなことを急にいわれても議長がすぐにそれと理解できるわけがない。

 電話の主の「ただではすまない。覚悟しておけよ」というセリフが具体的に何を意味するのかはわからない。ただ、「来年の9月1日が時効」とは矢野の妄言に踊らされた右翼らがしきりに騒いでいる話であり、電話の「お前は殺人犯だ」というセリフと右翼Mの「犯罪者、川上隆之」という街宣での発言は、いずれも川上議長を名指しで犯罪者であると断定している点において共通している。

 脅迫電話もまた右翼によるものと断定するものではないが、少なくとも電話の内容をみるかぎり、脅迫電話の主は「右翼−妙観講−矢野・朝木」周辺の人物であるとみるのが自然ではあるまいか。いずれにしても、当事者からすれば、右翼Mのこの日の街宣は10日前の脅迫を実行したものでもあったのである。

 右翼らが川上議長宅前で行った街宣は約10分間。短時間だが、きわめて印象深いセリフを残し、午後4時20分過ぎ、右翼らの街宣車は再びエンドレステープを流しながら住宅街へと去っていった。右翼らはこの街宣のもようも公表していない。「何も考えない」右翼らにしても、さすがに自分からわざわざ不法行為の証拠を残すことはないと考えたのか、あるいはただなんらかの防衛本能が働いただけなのかは定かではない。

 こうして右翼らの、朝の9時に始まった東村山周辺の名誉毀損・誹謗中傷の旅は終わった。「何も考えない」右翼らにとってさぞ中身の濃い、達成感に満ちた1日だったのではないかと想像する。それはそれでよいが、ただ彼らの街宣の性質上、中身が濃ければ濃いほど責任の度合いも大きくなる。それが一般社会の常識であることも十分肝に銘じておくべきではあるまいか。

(了)

テーマ:右翼 - ジャンル:政治・経済

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東村山市議会議長誹謗中傷事件 第3回
東村山文化会館前の街宣

 6月14日朝の9時30分ごろ、東村山駅前を旅立った異様な街宣集団の一行がどこをどう巡ったのかは明らかでないが、彼らが創価学会の東村山文化会館に立ち寄ったこと、またそこでの街宣内容については当事者のブログで公表されている。まず右翼Mの街宣を聞こう。



 創価学会のみなさん、今こそ、この創価学会というカルト集団への帰依を払拭してまともな日本人になってください。(そうだ、そうだ)

 創価学会というのは、犯罪者の集団。殺人部隊さえ持った集団だ。なぜ宗教法人法によって守られていなければならないんでしょうか。(そうだ)

 創価学会は14年前、朝木明代東村山議員の死に対し、きちんとした説明をしなければなりません。(そうだ、そうだ)

 当時、市議会における公明党・創価学会の不正を追及していた朝木明代市議が、駅前のビルから突き落とされて殺されました。殺人罪の時効、あと1年で時効になります。今こそこの、薄汚い創価学会の犯罪に対し、われわれ国民が市民が、集団の声、鉄槌を下していかなければなりません。(そうだ、そうだ)

 創価学会というのが殺人者の集団であるということは、公明党の委員長であった矢野絢也氏もきちっと証言しております。(そうだ、そうだ)

 当時の公明党最高顧問であった藤井富雄氏は、矢野公明党書記長のもとに行って、「今、創価学会が、にとって都合の悪い人間を殺害しようとしているけれども、そんなことをしたら創価学会としてマイナスイメージになるから止めた方がいいんじゃないか、秋谷創価学会会長に進言してくれ」という相談をもちかけている。これはまぎれもなく、創価学会が殺人部隊を持っているということを物語っています。(そうだ)
 
 この矢野書記長のもとに行ってそのすべての詳細を書いたメモ帳を強奪した。まさにこれは犯罪、強盗、盗人の集団ということがいえます。

 創価学会はこの日本における最大、最悪の犯罪者集団。とっとと日本から出て行け。(出て行け〜)

 創価学会の犯罪を許すな〜。(許すな〜)

 カルト教団、創価学会、解散しろ〜。(解散しろ〜)

 創価学会は殺人をやめろ〜。(やめろ〜)

 創価学会、公明党の宗教法人、許さないぞ〜(許さないぞ〜)

 創価学会は朝鮮に帰れ〜(帰れ〜)

 犯罪者集団、創価学会を許すな〜(許すな〜)

 創価学会、日本から出て行け〜(出て行け〜)。(別の右翼)在日カルトは出て行け〜。



 右翼Mの主張を要約すれば、

「14年前、朝木明代議員はビルから突き落とされて殺されたが、これは薄汚い創価学会の犯罪である」

「創価学会は最悪の殺人者、犯罪者の集団である」


 ということになろうか。もちろんこの声は近隣に響き渡った。明代の「万引き冤罪」と「他殺」を主張する矢野と朝木がこの右翼Mにどう説明したのかはわからない。しかし、駅前での街宣に続き、ここまで明確に「創価学会の犯罪」であると断定する根拠はどこにあるのか。聞き捨てにできる内容ではあるまい。

 続いて、もう1人の右翼がマイクを握った。



 公のみなさまの益になるから、ですから税法上も優遇され、さまざまな特恵を受けております。しかしこの、カルト宗教創価学会、極悪カルト創価学会のこの平和会館、創価学会員でない一般人が使えますか、使えません。

 さらに、宗教は本来政治的な活動をしてはならないのに、見てください、こんなに公明党のポスター、太田昭宏、谷村孝彦、ベタベタベタベタ貼って、あなた方は宗教法人法に違反しております。(そうだ、違反してるぞ、創価学会)

 宗教法人法は宗教法人法に違反する団体、あるいは反社会的行動をする団体は、法人格を剥奪する、裁判所が解散命令を出せることになっているんです。(解散しろ〜、創価学会)81条に基づいて創価学会に解散命令を出させましょう。(出させましょう〜)

 数々の嫌がらせ、犯罪行為をやってきた創価学会に宗教法人を名乗る資格はありません。(ありませ〜ん)

 極悪カルト創価学会を、日本から叩き出せ〜(叩き出せ〜)。

 中から聞いてるカルト信者、出てきて国民に謝罪しろ〜(謝罪しろ〜)

 われわれは極悪カルトを認めないぞ〜(認めないぞ〜)

 創価学会は解散しろ〜(解散しろ〜)



「創価学会の会館が一般人に使えないのはおかしい」「宗教団体は政治活動をしてはならない」などという発言についてはたんなる法律の誤解あるいは無知として黙殺することもできよう。しかし、「宗教法人法に違反する団体」「反社会的行動をする団体」「数々の嫌がらせ、犯罪行為をやってきた創価学会」「極悪カルト」という発言は、右翼Mの街宣内容を短く言い換えたにすぎず、容認できるものとは思えない。

公表されない街宣

 この日の街宣活動のうち、右翼らが公表したのはここまでである。右翼らは隣の東大和市にある創価学会文化会館前でも街宣車を停め、街宣活動を行っている(街宣の時刻は東大和が先だったと思われる)。その内容は東村山文化会館前での街宣内容と同じようなものと推測するが、私が知る範囲ではその街宣風景は公表されていないようである。

 東大和文化会館前での街宣では東村山では起きなかったトラブルが発生したとも聞いている。やはり何か、公表するには不都合なことがあったのだろうか。

 さて、右翼らはこうして東村山と東大和の創価学会文化会館前で街宣活動を行ったが、右翼らの街宣の旅はまだまだ終わらなかった。狂信とはおそろしいというほかないが、右翼らにデマを吹き込んだ矢野と朝木にとって、これほど単純で御しやすい連中もそうはいないというところだったのではあるまいか。

(つづく)

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東村山市議会議長誹謗中傷事件 第2回
公明党都議が右翼Mを告訴・告発

 公明党の機関紙『公明新聞』(6月20日付)によれば、公明党の高倉良生都議会議員は6月19日、右翼Mが同都議を犯罪者などとする街宣および同趣旨のビラを配布したとして名誉毀損罪で警視庁に告訴した。また、東京都中野区議会公明党議員らも同日、右翼Mの行為が公明党を「犯罪者集団」とするなど、高倉都議を落選させることを目的とした公選法の虚偽事項公表罪に当たるとして警視庁に告発した。

 右翼Mは6月20付ブログにおいて、この告訴・告発について「警視庁が受理したかどうかが、書かれていない」などと記載している。公明都議らは告訴・告発をしたが、これは一方的な記載に過ぎず、警視庁が受理したかどうかはわからないといいたいらしい。

 確かに記事の限りではそういえるのかもしれない。ただ、この件を報じているのは当事者が所属する公党の機関紙である。告訴・告発事件の情報については、捜査に関わる問題だから慎重な扱いとなるのが通常で、公表する以上は当然受理されたものと理解していいだろうし、また公表することについて警視庁の了解を得ているとみてよかろう。

 ひるがえって、矢野が発行し右翼と妙観講が配布・宣伝活動に関与した『北多摩市民新聞』はどうか。矢野のビラの場合は谷村都議を「犯罪者」とまでは断定していないものの、「口利き疑惑」はそのような疑惑が存在しなかった場合には「虚偽事項の公表」に該当すると判断されかねない。矢野と朝木が配布活動にまで参加していた事実を公表した妙観講信者に対し、自分たちの名前を削除するよう申し入れたとしてもなんら不思議はない。

一線を踏み超えた街宣

 しかし右翼らは、妙観講信者のブログからなぜ矢野と朝木の名前が消えたのかについて、特に疑問を感じることはなかったのだろう。6月12日のビラ配布に続き14日の日曜日にはビラ配布に加えて右翼Mが東村山に街宣車で乗りつけ、東村山市周辺で街宣活動を繰り広げた。

 右翼Mらが街宣のスタート地点に選んだのは、平成20年9月1日、右翼M自身が万引き被害者の店に押しかけたときと同じ西武新宿線東村山駅東口だった。朝の9時、右翼Mは次のような街宣を行った。



 えー、そぐそこのビルの階段、廊下から、当時、公明党・創価学会の不正というものを糾弾しておりました女性市議会議員が転落死いたしました。この事件を担当の東村山警察署は、たんなる自殺というふうに片づけましたが、これは明らかに創価学会による犯罪なんです。

 こういった創価学会による犯罪、殺人事件というものを野放しにしておいてはいけないということで、われわれ、特にこの東村山に住むみなさん方にお伝えしております。

 創価学会、非常に狡猾であります。この朝木明代市議会議員が自殺したんだというストーリーを作るために、殺害する2カ月前、すぐそこにあります○○(洋品店名)という女性用の洋品店があります。そこで万引きをしたんだという事件をでっち上げました。(そうだ)朝木明代市議が万引きして警察に捕まったことも「苦にして自殺したんだ」というストーリーまで作り上げた。これが創価学会の狡猾なやり方なんです。(そうだ)

 この創価学会・公明党によってこの東村山は牛耳られているんです。(そうだ)議会もそうです。みなさん方の市民生活すべてが、創価学会によって牛耳られて平穏な生活ができない状態にあるということ。みなさん方はお感じになっていると思います。われわれはこうした創価学会の犯罪、不正、こういったものを正していこうということで本日この東村山駅前、そして東村山市内に入って、みなさま方に街宣(?)活動をさせていただいております。

 創価学会というのはまさに犯罪者の集団なんです。(そうだ)宗教といいながらも宗教のかけらもない、金儲けの集団である。宗教法人をカサに着ながら、金儲けをやって日本の国を牛耳って、やりたい放題で犯罪のオンパレードであります。(そうだー)

 みなさん、宗教法人法というのをご存じでしょうか。宗教法人には基本的に税金がかけられておりません。これは基本的には、神社・仏閣・お寺のような、みなさん方市民の生活の憩いの場となるような鎮守の森のような状況、そういったところに対しては○○に入っていける、国民の心の平安を維持するという意味でもって、お寺とか神社、そういったものには固定資産税がかけられておりません。

 創価学会もそうなんです。本来なれば宗教というのは、国民の心の平安を維持するために必要なもんです。だから税金がかけられていない。しかしながらどうでしょうか。創価学会の施設、大きな鉄の扉で閉じて仕切られて、一般人がまったく近づくことができない。その創価学会の施設の中で、金儲け、謀略、殺人予備行為、政界工作、こういった犯罪が行われている。宗教法人法の名の下に、創価学会が保護されている。おかしいじゃないですか。(そうだ)

 われわれ一般国民の素朴な感情をもって、創価学会の犯罪、徹底して糾弾していかなければならないと思っています。今日は夕方まで目一杯、この東村山市内でもってわれわれ、活動させていただきます。どうぞご理解、ご協力のほどお願いします。



 矢野・朝木も右翼Mが信じてやまない古参右翼も、「創価学会を批判していた朝木明代市議は、何者かによって殺されました」とはいっても、「明らかに創価学会による犯罪」とまでは決していわない。そう断定すれば、たちまち名誉毀損に問われることを十分に認識しているからである。

 この右翼Mは、これまでの矢野・朝木や先輩右翼の街宣から本当に朝木明代が「創価学会に殺された」と信じ込んでいたのだろう。あるいは、先輩右翼のいう「(東村山署が他殺であるにもかかわらず自殺として隠蔽したとする)内部告発者の存在」などという、いつまでたってもその詳細を明らかにできないデマ話によって、すっかり信じ込まされたのだろうか。

 右翼Mがどの時点で矢野と朝木の情報操作にたぶらかされたのかは不明であるものの、「朝木明代は創価学会に殺された」と信じ込んでしまった結果、デマの発生源である矢野も朝木も、さらに「内部告発者の存在」などというデマ話によって支援者を巻き込んだ古参右翼も慎重に踏み越えないように注意していた一線を簡単に踏み越えたのである。なにか彼には、そう断定できるだけの独自の証拠でもあったのだろうか。確たる証拠があれば別だが、矢野・朝木、古参右翼が提供した「材料」以外に確たる証拠がないとすれば、右翼Mは創価学会から不法行為の責任を問われてもなんら不思議のない立場に自らを立たせてしまったということになる。

 右翼Mらのこの日の街宣活動に東村山市会議員の矢野穂積と朝木直子が合流したという事実は確認されていない。矢野と朝木が右翼らと行動を共にしたくないと考えたとしても、それはむしろきわめて賢明な判断というべきだろう(もちろん、右翼Mのこの日の行動の直接的な発端となったのが矢野による「北多摩市民新聞」の発行であることはいうまでもなかろう)。

「何も考えない」右翼

 しかし、すでに矢野と朝木のデマにすっかり乗せられてしまった右翼らが、いま東村山駅前で行った街宣が右翼Mにとって何を意味するかについて理解することは難しかったのだろう。右翼らは街宣車のスピーカーから右翼Mが事前に作成したと思われるエンドレステープを流しながら、東村山周辺街宣の旅に出発したのだった。



 諸悪の象徴、創価学会を追放しましょう。
 
 殺人罪の時効まであと1年。14年前の朝木明代市議会議員の転落死は自殺ではありません。事件を担当した東村山警察署、担当検事もカルト教団関係者(カルトです)。これで公正な捜査ができるのでしょうか。(できません)

 今こそ創価学会の犯罪を暴き、東村山に安全な暮らしを取り戻しましょう。(取り戻しましょう)もう許さない、創価学会の横暴を。

 創価学会・公明党による議会の私物化をやめさせましょう。創価学会の被害者は声を上げて立ち上がりましょう。(立ち上がりましょう)

(カッコ内は別の右翼。それ以外は右翼Mの声)



「行動」と「思考」はなにも対立する概念ではないが、彼らにとって「行動する右翼」とは「何も考えない(考えられない)右翼」ということなのだろうか(「調べない右翼」ともいうらしいが)。エンドレステープの内容もまた、まさに「朝木明代は創価学会に殺された」と主張するものにほかならなかった。彼らが正義の「行動」と信じ込んでいるらしい街宣の旅は、理性的な判断において実は創価学会に対する不法行為(名誉毀損)拡大の旅だった。

(つづく)

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東村山市議会議長誹謗中傷事件 第1回
削除された記事

 平成21年6月8日、「創価学会の集団ストーカー日記」なるブログに「日護会・北多摩地区周辺をポスティング!」と題する記事が掲載された。それによると、このブログ主は、

「東大和市周辺地域を、日護会の黒田代表一行7名と矢野穂積市議、朝木直子市議と合同で配布」(記載1)

 したという。日本語として不完全な文で、これだけでは何を配布したのかわからない。彼らが配布したのは『北多摩市民新聞』(発行人・矢野穂積)なるビラである。さらにブログによれば、その日の午後には、

「東大和駅付近に移動する為に、朝木市議に迎えに来て」(記載2)

 もらったという。

 このブログ主は日護会会員であり、日蓮正宗妙観講の信徒であると自己紹介している。するとこの日の配布メンバーは右翼と妙観講および東村山市議の矢野、朝木という顔ぶれだったことになる。

 ところが2日後の6月10日、冒頭に紹介した記載1は、

「東大和市周辺地域を、日護会の黒田代表一行とで配布」

 と訂正され、記載2は、

「東大和駅付近に移動する為に、迎えに来てもらう」

 と訂正された。訂正後の記事では、当初の配布メンバーから矢野と朝木の名前が消えている。つまり、『北多摩市民新聞』なるビラを配布したのはブログ主である妙観講信者と右翼一行だったということになっていることがわかる。

 しかし記事の「訂正」はこれで終わりではなかった。それから5日後の6月15日ごろ、この妙観講信者の6月8日付記事は、記事自体がブログから削除されたのである。いったいブログ主あるいはその周辺で何が起きたのか。矢野・朝木の名前を削除し、最終的に記事自体を削除したのはブログ主自身の判断によるものか、あるいは誰か第三者の意向によるものだったのか、また削除の理由は何だったのか。

 一連の訂正から削除の流れを振り返ると、まず矢野・朝木がビラ配布に参加した事実が消されたのは矢野・朝木の意向によるものであるとみるのが自然だろう。とすれば、矢野、朝木はそれ以外の事実を公表することについては容認したということになる。当日同行した右翼も、同行者が誰だったか、とりわけ矢野、朝木が参加したことにはまったく触れていないものの、ビラ配布の事実については自ら公表している。

 注意すべきは、この妙観講信者の記事は削除されたが右翼の記事は削除されていないという事実だろう。これは不思議なことではあるまいか。では、右翼の記事にはなく、妙観講信者の記事にあったものとは何か。ビラ配布に妙観講信者が参加していたという事実ぐらいしか思いつかない。

 いずれにしても、その理由はともかく、訂正から削除という2段階を踏んだ動きの背景には、それぞれの段階でそれぞれの利害関係者あるいは組織の意向が働いたとみるのが自然なのではあるまいか。

朝木明代関連記事はすべて虚偽

 右翼などによれば、右翼・妙観講・東村山市議の矢野、朝木が一体となったビラ配布活動は東京都議選北多摩1区内で複数回に及んだ。故朝木明代の万引きを苦にした自殺を(創価学会が関与した)殺人事件と印象づけようとするビラの内容からみて、その目的が、目前に迫った東京都議選における公明党の選挙戦を少しでも不利に導こうとするものであることは明らかだった。ビラの内容が虚偽だった場合、公選法に抵触するものとなりかねまい。

 ビラの内容を簡単に検証すれば、まず「新銀行東京 公明・谷村都議に口利き疑惑」については谷村都議自身が明確に否定している。では、残りの朝木明代の万引きと自殺に関する記載はどうか。

 朝木明代関連記事の内容は、明代の万引きと自殺を捜査した当時の千葉英司東村山警察署副署長が『東村山の闇』(矢野・朝木共著)の内容をめぐり提訴していた裁判、雑誌「フォーラム21」の内容をめぐり創価学会が提訴していた裁判、さらに月刊タイムス裁判に関する記事の3本である。

 まず、千葉との裁判について矢野はビラで、

〈「万引き苦に自殺」とした東村山署・千葉英司元副署長の捜査は不十分で誤りだったことが判明した。〉

 と記載している。しかし判決は「矢野がそう疑ったことには相当の理由がなかったとはいえない」と消極的に認定しているにすぎず、裁判所が「千葉英司元副署長の捜査は不十分で誤りだった」などと認定した事実はない。

「フォーラム21」裁判についてはこう記載している。

〈(判決は)創価側(信者)に事件関与の疑いが「否定できない」とした検察官発言に、はっきりと言及している〉

 矢野はあたかも判決が「検察官発言に言及したこと」が勝訴理由であるかのように記載している。しかし判決は、雑誌の記載には創価学会に対する名誉毀損はないと認定したにすぎず、判決が「検察官発言」が事実であると認定した事実などどこにもない。

 また月刊タイムス裁判に関しては、

〈「万引き苦に自殺した」ということは真実ではない、ということが確定した〉

 などと記載しているが、裁判所は「亡明代の死亡直前の言動、死体の状況及び関係者の供述を総合考慮すると、亡明代が自殺したことを裏付ける事情が存在することは確かである。しかしながら、……上記亡明代が自殺したことを裏付ける事情をもって、自殺を推認するに足らず、他に亡明代が自殺したと認めるに足りる証拠はない。」としたにすぎず、「万引きを苦に自殺」が真実ではないと認定した事実はない。

 むしろ東京地裁は「万引きを苦にした自殺」については東村山署の捜査結果に基づくものであるとし、表現の相当性を認定している。この点について矢野と朝木は上訴しておらず、そのまま確定している。少なくとも、朝木明代の万引きと自殺に関するビラの記載内容がすべて虚偽であることがわかろう。

矢野と朝木に利用される右翼

 ビラに記載された3件の裁判の当事者である矢野が、その記載内容が虚偽であることを知らないとは考えられない。しかし、矢野の情報操作と「朝木明代の転落死は他殺だったとする内部告発があった」と主張する古参右翼の話を信じ切ってこのビラの配布に従事した右翼と妙観講信者にとっては、ビラの配布活動がなにか社会貢献活動ででもあるかのような錯覚に陥っていたのかもしれない。

 だから、配布活動の様子をブログで詳細に記載した妙観講信者は、矢野と朝木から該当個所の削除を要求され、さらに記事自体の削除を要求されてさぞがっかりしたのではないかと推察する。しかし、ブログの記事をめぐる不自然な動きがあっても、右翼周辺や当の妙観講信者が矢野の主張する(創価学会が関与した)「万引き捏造と他殺説」に疑問を感じた様子はまったくうかがえない。

 むしろ右翼は、ビラの配布を重ねることによってますます錯覚の度を増したようにみえる。当初は土日に限られていた配布活動は6月10日前後には平日にも行うようになり、この右翼は仲間の右翼Mらとともに6月14日には街宣車を使用した街宣活動を東村山市内とその周辺で行ったのである。

(宇留嶋瑞郎)

(つづく)

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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第3回
                           ★第1回から読みたい人はこちら



最後の発言者

 では、「人種差別撤廃条約の実施状況に関する要望・意見」を求める外務省主催の意見交換会で、西村はどんな意見を述べたのか。意見交換会は自由人権協会やNGO関係者の発言に始まり、最後に挙手をしたのが西村だった。西村の発言をみよう。



西村  15番の西村と申します。今回の日本政府の対応状況を見ましたところ、非常におおむねよくできていると思います。まずもってこの人種差別撤廃っていうこと自体にですね、われわれの日本のような単一民族国家としてふさわしくない。細かい表現は非常に日本政府が批准しているっていう状況からして受けざるを得ないっていう、そういう立場を理解した上で非常によくできている。この不当な勧告に対してはそれなりにサティスファクションがあると思います。



 本連載第2回で説明したとおり、「人種差別撤廃条約」がいう「人種」とはたんに肌の色や骨格など身体的特徴の違いをいうのではない。「日本は単一民族国家だから人種差別撤廃ということ自体ふさわしくない」という西村の発言は、そもそもここでいう「人種」の意味をはき違えたもののように思える。

「日本は単一民族国家」という主張についても、08年6月6日、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択され、政府は「アイヌ民族は先住民族である」との認識を示している。したがって、あくまで西村が「日本は単一民族国家」と主張することはアイヌ民族に対する礼儀を失することになるまいか。

 これまで「人種差別の撤廃」に携わってきた人権NGO関係者にとって西村の発言は、冒頭部分からしてかなりの違和感があったことは間違いなかろう。続く西村の発言はさらに意見交換会の趣旨からはずれ、街宣さながらの内容となる。

予想だにしなかった「チマチョゴリ事件」



西村  6ページなんですけれども、その中の6ページの韓国朝鮮人、主に児童・学生を対象とした暴力行為にかかるというところですね。まあ、あの閣議決定により策定された「人権教育・啓発に関する基本計画」とうんぬん外国人に関する人権問題を掲げ、その中には在日韓国、朝鮮人等をめぐる問題を位置づけている。これが非常に不可解でしてね。日本社会でこの在日朝鮮人、韓国人にですね、そんな不当な差別が今の日本で行われているかどうかってことです。

 この暴力っていうのはつまり、一番具体的な例でいえば、例のチマチョゴリの引き裂き事件、切り裂き事件なんですよね。ご存じのようにチマチョゴリというのは、ちょうどこの分厚いハンカチのようですね。これだけをきれいにカッターナイフで切るってことはまず不可能なんですよ。しかも満員電車の中でカッターナイフで切るといったら、肉体へずぶりと突き刺すくらいでなきゃ、これ傷つかないものです。ということは、一連のチマチョゴリがあれだけきれいに裂かれたっていうのは完全なでっち上げなんですよ、これが。

 このことが毎日新聞の○○(実名)っていう女性記者がいます。これは今たしか、新聞労連の委員長なんですね。その方に、私は直接毎日新聞に乗り込んで、現実にこれができるかどうかを問いただしたことがありましたけど、この○○記者は逃げましたね。

 これは、だいたいこのような事件があった場合、在日朝鮮人協会が刑事告発するはずが、それはしない。ただマスコミを呼んで「暴力を受けた」と、実態のない、そういう実態のないものに基づいてですね、この在日韓国、朝鮮人をめぐる問題としていますが、余計なことだと思いますので、これは削除していただきたい。

 あと一つはですね、さきほどここの旧植民地の方がですね、娘さんの就職が大変差別を受けたっていいますけど、あなたはまあ日本人じゃない、日本国籍を取得していないわけですからね、これね、っていうことは当然これは区別されるんですよ。区別はこれ、けっして差別じゃない。日本人だったら1人で保証人でもいいかもしんないけども、日本人でなかったらそれ以外の保証人、これ全然区別で、(差別でも)なんでもない。



「人種差別撤廃条約の実施状況に関する要望・意見」を求める意見交換会において、まさかチマチョゴリ切り裂き事件の話が出てくると予測した人権NGO関係者は少なかろう。当然ながら、主催する外務省もようやく口を挟んだ。しかし、ここから意見交換会には不穏な空気が流れ始める。



外務省課長  今回、条約の報告書に関する意見交換っていうことで。

右翼  だから今、発言に対する……。

課長  個別のケースについてはやめていただけないでしょうか。

西村  な、な、何ですか。

課長  個別のケースを議論しているっていうことはございませんので、報告書の観点からご発言いただければと思います。

西村  だって、この方は報告書に関係のないことを発言していた。だったら、なんであんた、その発言を注意しなかった。だから、当然私も発言する権利がありますよ。私もね、会社関係で在日朝鮮人雇っていますけどね。能力で雇いますけれど、在日朝鮮人で差別なんて、そんなことしないですよ。

 たまたまあなたの娘さんは能力かなんかでその会社に適合しなかったから、そりゃ就職を断られたかもしんないし、あんたが旧植民地出身でこられたもんだから、そんな差別……。

原告  ちょっと誹謗中傷でしょう。

課長  個別のケースについての発言は……。



 西村が「会社関係で」在日朝鮮人を雇っているとは意外だが、それはともかく、原告が即座に「ちょっと誹謗中傷でしょう」と西村の発言を遮ったのは、西村が一方的に在日外国人の娘に能力がなかったと決めつけたからだろう。すると原告のこの一言を機に、西村の発言はますますあらぬ方向へ向かったのである。冷静さを失った、といえばいいのだろうか。

(つづく)

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朝木直子・傍聴人「撮影」事件
 比較的平穏に審議日程を消化していた平成21年度東村山市議会6月定例会で、一般質問の最終日となった6月5日、「草の根市民クラブ」の朝木直子に対し、議長がわざわざ時間を割いて公人としての振る舞いについて苦言を述べるという珍しい出来事があった。                            (宇留嶋瑞郎)

傍聴は市民の侵されざる権利

 一般質問の初日である6月2日12時過ぎ、議会が昼の休憩に入ったため2人の傍聴人が1階に降りてきた。すると市役所正面玄関付近で朝木直子が傍聴人2名に対してカメラを向けたというのである。傍聴人の1人は大声で「写真を撮るな」と抗議したが、朝木はすぐにはカメラを引っ込めようとはしなかった。傍聴人が2度、3度と抗議すると、朝木はようやくカメラをしまい、無言のまま、その場を離れた。朝木の歩いていった先には同じく「草の根」の矢野穂積が待っていた。矢野はこの出来事の一部始終を見ていたのだろう。

 傍聴人2名はただちに議会事務局に抗議した。これを知った議会は事態を重視、その日のうちに会派代表者会議を開いて対応を協議したが、自民、公明だけでなく共産党もまた「議員としてあってはならない行為」ということで意見が一致したという。この結果、東村山市議会は傍聴人2名に対して文書でくわしい経緯を提出するよう要請した。

 市民の議会傍聴は、市民の代表である議員によって構成される議会で、どのような問題がどのように審議されているかを市民が直接に知る機会を保証するきわめて重要な権利である。傍聴を希望する市民は傍聴にあたり、傍聴規則に従うことを求められる以外になんらの制限も受けることはないし、その目的や身分を問われることもない。目的を問うこと自体、傍聴の自由を制限することにつながることは明らかである。

 議会には政治的立場を異にする会派が存在しており、ある会派にとっては政治的主張を異にしたり、中には敵対関係にある市民が傍聴に訪れることもあり得る。そういう状態を受け入れるのが民主主義であり、敵対する者が傍聴に来ることを阻止するようなことは許されない。

 朝木が傍聴人にカメラを向け、傍聴人が写真を撮られることを拒否しているにもかかわらずカメラを向け続けた行為は、傍聴人に対する嫌がらせであり威迫行為である。東村山市議会に傍聴に行けば議員(とりわけ矢野と朝木)から写真を撮られるかもしれないということになれば、市民の議会傍聴に行こうという意欲を萎縮させかねない。すなわち、実際に撮影したかどうかにかかわらず、議員が傍聴人にカメラを向けるという行為は民主主義の根幹を脅かすものにほかならない。

傍聴人にカメラを向けたのは2度目

 実は、「草の根」が傍聴人に対してカメラを向けたのはこれが初めてではない。平成15年6月議会でも矢野が議場内から傍聴席にカメラを向け、当時の渡部議長(現市長)から追及され、厳重注意を受けたことがある。

 このとき矢野は、「何のことだ」「写真など取っていない」などと反論。議会としても強制力をもってカメラを調べることまではできないため、議長がデータの削除を要求するとともに、2度とこのようなことをしないようにと口頭で注意するにとどまった。

 矢野が何のために傍聴人を撮影しようとしたのかはわからないものの、矢野にしても朝木にしても、傍聴人にカメラを向けることなど何とも思っていないのだろう。

見識示した東村山市議会

 2名の傍聴人から当日の状況を詳細に記載した文書が議長の手元に届いたのは6月4日である。議会は再び代表者会議を開いた。その代表者会議では共産党が一転して当初の意見を翻し、「議会として何もする必要がない」と主張したという。しかし共産党以外は、議会としてなんらかの見識を示すべきとする意見が大勢を占めた。こうして、川上隆之(公明)議長が注意を与えることになったのである。

「注意」は午後4時35分ごろ、代表者会議で「議会として何もする必要がない」と主張した共産党、田中富造の質疑終了をもって休憩とし、休憩中に行われた。川上議長の発言は以下のとおりである。



 朝木議員に申し上げます。先日、傍聴に来ていた複数の人から議長宛に手紙や要望書をいただきました。

 その内容は、傍聴して市役所を出たところで、いきなり朝木直子議員からカメラを向けられた。あまりにも突然で何の断りもなく、非常に失礼だ。

 議会として会議中の出来事ではありませんので懲罰の対象にはなりませんが、市議会内外にかかわらず、議員として、そして公人としての自覚を持って行動していただくよう一言申し上げておきます。



 いかに議場外の出来事であるとはいえ、傍聴人から訴えがあったにもかかわらず、議会としてなんらの対応もしなければ、東村山市議会は朝木の常識では考えられない行為を黙認したということにもなりかねない。議場外の出来事ということで議会としてやりにくい面をもあったと思うが、なにより傍聴人を萎縮させ、議会から市民を遠ざける朝木の行為に対して議会としての良識を示した今回の決断は評価できよう。

 しかし問題は、朝木と矢野が議長の苦言をどう聞いたかである。矢野と朝木はまさか本会議場で取り上げられるとは考えていなかったのか、傍聴人にカメラを向けたことを否定せず、あからさまな反論もしなかった。しかし、かといって2人に反省の素振りはみじんもなかった。朝木は終始ニヤニヤしたまま「(議場外だから)関係ないでしょ」「余計なお世話」などと小声でうそぶき、矢野も独り言のように「(議場外だから)関係ないだろ」「法令違反だ」「よくもやったな」などと敵愾心をむき出しにした。

 行為そのものの本質ではなく、形式論(行為の場所など)のみで反論しようとしているところはまさに「草の根」らしいが、議場で「よくもやったな」などというセリフはめったに聞けるものではあるまい。議長の苦言に対する彼らのこの反応こそ、矢野と朝木の特異な本質をみごとに現していよう。

(了)


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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第2回
 ところで、西村による婚外子差別発言および個人に対する名誉毀損発言がなされたとされる「外務省主催の『あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約』の政府とりまとめの意見交換会」とはどのような趣旨で行われたものだったのか。

意見交換会の趣旨

「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」(以下、「条約」)は1961年12月21日、第20会期国連総会において全会一致で採択され、1961年1月4日に発効した。日本においては1995年11月21日に衆議院、12月1日に参議院のそれぞれ本会議おいて全会一致で批准され、12月15日に146番目の締約国となり、翌1996年1月14日に発効している。

 なお条約のいう「人種」とは、人を骨格・皮膚の色・毛髪の形など身体形質の特徴によって分類することのみならず、民族や部族的出身や、世系と表現されるカーストやカースト類似の特定集団あるいは特定の身分(過去にそうであったことを含む)とされる集団の出身、特定言語や文化圏あるいは異なる歴史的背景等の出身、公的市民登録(日本においては戸籍等)によって異なる存在であることを明示されているなどの幅広い概念である。

 したがって、条約が撤廃を目指そうとする「人種差別」とは、特定の集団や特定の集団の一員であることで一般とは異なるカテゴリーに分類されることに基づくあらゆる区別、制限または優先を意味する。つまり条約のいう「人種差別」とは「黒人」「白人」「朝鮮人」「日本人」といった一般に認識されている「人種」のみを指すのではなく、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権および基本的自由を認識し、享有しまたは行使することを妨げ、または害する目的または効果を有するものすべてを指しているのである。(西村はこの件に関連して「日本に人種差別はない」と主張しているが、西村が条約のいう『人種』の意味を理解していたかどうかは保証のかぎりではない)。

 条約は第9条において、「この条約の諸規定の実現のためにとった立法上、司法上、行政上その他の措置に関する報告を、委員会による検討のため、国際連合事務総長に提出することを約束する。」としている。すなわち日本政府は、政府報告書を作成することで、条約の国内実施のために必要な「立法上、司法上、行政上その他の措置」等を洗い出し、国内の「立法上、司法上、行政上その他の措置」を条約に合致させる責務を負っている(「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と定めた憲法第98条2項に基づく)。
 
 平成19年8月31日に外務省本省内で行われた「『あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約』政府報告に関する市民・NGOとの意見交換会(第2回目)」(正式名称)は、まさに条約の国内実施のために政府が人権NGOとの間で建設的対話を行う場として設定されたものである。意見交換会を主催した外務省も、意見の募集要項に「人種差別撤廃条約の実施状況に関する要望・意見であること。」と明記している。

参加NGOは国連への協働が前提

 ちなみに国連はNGOについて、1968年5月23日の国連経済社会理事会決議1296において、「国連の活動を支援するとともに、自らのねらいと目標、ならびに、その能力と活動の性質および範囲に従い、国連の原則と活動に関する知識を向上させることを約束する」存在として規定し、NGOに国連憲章、世界人権宣言等の理念が共有されていて、国連の目指すところと協働することを想定している。また、NGOには国連憲章第71条による国連との協議資格が理事会決議の規定に従って付与されることとなっている。

 したがって意見交換会を主催した外務省も、会に出席する市民・NGO側は人種差別撤廃条約がどういうものであるのかを理解しており、その国内実施のための建設的意見を用意してくるものと想定し、あるいは期待もしていただろう。つまり参加NGOには「あらゆる形態の人種差別の撤廃」を目指すという共通の前提があるものと認識されていたと考えてよかろう。

 言い換えれば、この意見交換会では、発言は自由ではあるものの、その内容においては自ずと一定の枠組があったということになる。たんにいいたいことをいえばよい、というような場では決してなかったのである。

 意見交換会とはそもそもそのような性格のものだった。そこに西村や右翼らも参加していたわけである。


(第3回へつづく)

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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第1回
 外務省が主催した意見交換会(平成19年8月31日)での発言によって名誉を傷つけられたとして、同意見交換会に出席していた女性が「主権回復を目指す会」代表の西村修平に対して220万円の支払いを求めて提訴していた裁判の第2回口頭弁論が平成21年5月14日、東京地裁で開かれた。     (宇留嶋瑞郎)

原告の主張と異なる裁判報告

 この裁判について同日、西村は「主権回復を目指す会」のホームページにおいて次のように説明している。

〈主権回復を目指す会の西村修平代表は平成19年8月、外務省主催の「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」の政府とりまとめの意見交換会で私生児(婚外子)は人種差別に該当しない旨を述べた。この席上、西村修平代表は婚外子を私生児と呼んだ。さらに 私生児が嫡子と区別(差別)されるのは当然だと意見を申し立てた。

 これが名誉毀損に当たるとして○○(実名)西村修平代表を相手に220万円の損害賠償を請求する訴訟を起こした。〉

 内容は別にして、意見交換会における西村の発言が上記のとおりのものだったとすれば特に誰かを特定して個人の名誉を傷つけるものではないような気がする。

 では、原告は訴状でどんな主張をしているのか。原告は事実関係について次のように主張している。

〈原告は、自らが当事者として婚外子差別問題に取り組んでいることを述べた上、日本国内において婚外子差別が温存され、日本政府は国連から差別解消を求める勧告を出されていることを述べたが、その際、被告は原告の発言を妨害しつつ、婚外子について「個人の不倫の関係で生まれたアレだ。不貞の子どもでしょう。」「世界の常識だ。不貞の子どもは差別される。」と発言した。(発言1)

 また、原告に向けて「何回でも言ってやる。私生児が! 私生児が!」と今日では差別語として認識されている「私生児」という言葉を投げつけた。〉(発言2)

〈原告が法務省官房秘書官……に対して……、その差別語がこの意見交換会の席上で発せられたことに対する見解を問うていると、被告は原告に近寄り「おまえは何人不倫の子を産んだのか?」などという言葉を投げつけたうえ、さらに「何度でも言ってやる。訴えてみろ。裁判でも何でも受けて立ってやる。」などと言い放った。〉(発言3)

 その上で原告は、上記発言1については事実摘示部分は原告の名誉を毀損し、発言2については〈原告に向けて私生児という言葉を連呼する行為であり、やはり原告の名誉感情を著しく侵害する侮辱行為〉、発言3については〈原告を意図的に傷つけるためにした行為〉であるとそれぞれ主張している。

 西村が第2回口頭弁論後にホームページで説明したたんなる婚外子に関する意見を述べたにすぎないとする内容と原告の主張との間には明らかな食い違いがあることがわかろう。意見交換会における自己の発言に対する西村の「一般論である」とする認識はともかく、裁判の報告をするのなら、「原告個人に対して向けられた発言」であるとする原告の主張は主張としてなぜそのまま正確に伝えようとしないのだろう。原告の主張は主張としてありのままに明らかにし、その上で反論すればいいだけではないのかという気がしてならない。

 原告の主張に対し西村は答弁書で、発言1(「個人の不倫の関係で生まれたアレだ。不貞の子どもでしょう。」「世界の常識だ。不貞の子どもは差別される。」)については、

〈原告の発言に対して反対の意見表明をしたもので発言を妨害したものではない。〉

 と主張し、発言2(「何回でも言ってやる。私生児が! 私生児が!」)、発言3(「おまえは何人不倫の子を産んだのか?」)については西村の発言ではないと主張している(発言3のうち「何度でも言ってやる。訴えてみろ。裁判でも何でも受けて立ってやる。」については答弁がない)。

 すると西村は、原告の主張が西村の原告個人に向けられた発言によって名誉を傷つけられたとするものであることを必ずしも理解していないわけではないようである。それがなぜホームページでは、たんに婚外子についての一般論を述べたことに対して提訴されたことになっているのか、私にはよく理解できない。

理解不能の言語

 第1回、第2回口頭弁論が開かれた当日、西村は彼を支援する右翼らとともに東京地裁前で街宣活動を行っているが、右翼らは次のように主張している。



右翼  これはですね、まさに訴訟権の濫用であります。われわれが政府主催の意見交換会でですね、これを述べてですね、なぜそれがですね、そういう民事事件に問題にされなければならないのか。

右翼の弟子  日本政府主催の意見交換会において、人種差別問題および私生児の問題について「どうぞ忌憚のない意見をお聞かせください」「どうぞ忌憚のない意見をお願いします」、そのようにいわれて忌憚のない意見を述べたというのに、それで訴えられたらたまったものではない。



 何も知らない者が彼らの主張を聞けば、なるほどこれは提訴自体が不当と考えるだろう。右翼はこう締めくくった。



右翼  しかもおかしなことにですね、この人権侵害を一緒に訴えられたMさんにはですね、裁判は提起されておりません。このことを考えると、この裏にはやはり創価学会、公明党をですね、厳しく追及してきたわれわれ行動する保守運動、そしてそのリーダーでもある西村さんをですね、なんとしても黙らせたい、そういう思惑でですね、今回の裁判が提起されたと、そういうふうに考えざるを得ません。



 西村とともに意見交換会に出席して西村と同趣旨の意見を述べたMに対しては「おかしなことに」提訴していない、と右翼はいうのだが、これはたんにMが原告個人に向けた発言をしなかったからということにすぎないのではないか。右翼のそれ以下の主張については飛躍が激しく論評不能というほかないが、この街宣に集まった30名前後の右翼の支援者たちの間からは「そうだ、そうだ」という同意の声はあがっても特に異論もなかったことを考えると、支援者たちにとって右翼の言語は理解できるものであるらしかった。

 ちなみに、この提訴について右翼は「訴訟権の濫用であります」と主張している。しかし、西村が答弁書で「訴権の濫用」を理由に却下を求めている事実はない。


(第2回へつづく)

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りんごっこ保育園民改費過請求事件 第5回(最終回)
                           ★第1回から読みたい人はこちら


 さて、東村山市が送付した「最後通告」を受け取った高野が9月10日までに過請求分83万9800円を返還したのかといえば、高野はまたも返還しなかった。高野はこのまま返還に応じず、東村山市が返還請求訴訟を提起するのを待つのか。仮にこのまま法廷に持ち込まれれば高野に勝算はないように思えた。東村山市も負ける要素がないと踏んだゆえに「最後通告」を突きつけたのである。

質問に答えなかった矢野

 返還期限から1週間が過ぎた9月17日、東村山市議会の委員会室で市議会決算委員会が開かれていた。傍聴席の1つ隣の席に、高野の同居人であり、りんごっこ保育園の運営委員でもある市会議員の矢野穂積が座っていた。またとない機会なので、私は矢野にこう聞いた。

「矢野先生、民改費は返したんですか?」

 矢野は「税金も払っていないやつに答える必要はない」といった気がするが、残念ながら記憶が定かではない。高野が返したか、返さないのか、同居人である矢野が知らないことはあり得ない。しかしいずれにしても、高野が民改費を返還したかどうかについて、矢野はいっさい答えなかった。

 質問の仕方や状況にもよるが、回答しないのも1つの回答とみなすことができる場合がある。私の矢野に対する取材の経験からいえば、矢野が私の質問に答えないときは、そのほとんどが都合が悪くて答えられないのだろうと推測できるケースである。では、今日の矢野の反応をどう理解すべきかと私は考えた。

 そもそも今回の誤請求は規定以外の職員を対象として計算したことによるもので、故意はなく単純な過失だったとしても高野が過請求分を受け取ることのできる法的根拠はない。つまり、過請求分は不当利得と解釈することができよう。

 すると、常識的に判断すれば、高野が過請求分を返還しないというのは社会的に容認されることではあるまい。当然、高野が最後まで返還しなければ東村山市は法的手段に訴えることとなり、記者会見も行われ、マスコミで報道されることになろう。高野の立場がますます悪くなるのは目に見えている。したがって高野が「返還しない」のなら、矢野にとって好ましい状況とはいえず、私の質問に答えないことも理解できる。

 一方、高野がすでに返還していたとすれば、高野は過請求の事実を認めたことになる。ただ、返還の要請があった時点ですぐに返還に応じていたのなら、誰からも非難されることはない。誰にでも過誤はある。むしろ東村山市の事務処理も最小限度ですむから、すみやかに返還に応じたことを評価されるかもしれない。(認可申請以来の行政に対する高野と矢野の異常な敵対姿勢を知る者からすれば、すみやかに非を認めたという点において間違いなく評価しよう)。

 しかし、仮に返還したとしても、4月下旬の返還要請に対して不誠実きわまる言い訳を重ねた事実、自分の「誤請求」に起因するにもかかわらず、いったんは「法的根拠を示さなければ返還できない」などと、あわよくば過請求の責任を東村山市(すなわち東村山市民)になすりつけ、過請求をまんまとせしめようとした事実を消すことはできない(高野が返還しなければ、東村山市民は二重の被害を受けることになる)。

 高野が返還したとすれば、それは高野が返還に応じたという事実だけでなく、高野の不遜かつ狡猾なたくらみが東村山市の毅然とした姿勢の前に不調に終わったことをも意味する。平たくいえば、(高野の背後にアドバイザーがいたとすれば、その人物も含めて)高野の負けである。

 すると、この間の普通では考えられない異常な経緯をふまえれば、高野が返還していたとしても矢野にとってすでにその事実も堂々と明らかにできる状況にあるとはいえないことになろう。つまり矢野は、高野が返還しようが返還していなかろうが、私の質問に対して正面から答えたくない状況にあったと理解できるのではあるまいか。

観念した高野博子

 はたして高野は返還するのかしないのか。その答は私が矢野に質問してからほどなくして明らかになった。東村山市保健福祉部によれば、高野は9月16日、保健福祉部を訪れ、担当職員の指示のもと返還手続きをすませたという。返還期限の9月10日を6日も過ぎていたことは、東村山市がすぐに提訴することはないとみたのだろう。なかなかのふてぶてしさだが、私が矢野に質問した日の前日、高野はすでに過請求分を返還していたことになる。もちろんその事実を矢野が知らなかったことはあり得ない。

「草の根市民クラブ」は故朝木明代(万引きを苦に自殺)をはじめ、矢野もまた東村山市の公金使用のあり方について、その内容とやり方はともかくとして、きわめて厳しい立場をとってきた。その矢野が、認可保育園の補助金の過請求についてなんら議会で発言することもなく、過請求分を返還したかどうかさえ自ら明らかにしないとは不可解というよりない。この矢野の態度は、高野との同居人としての私的関係、さらにはりんごっこ保育園運営委員としての個人的立場を市議会議員としての公的立場よりも優先したものといわれても仕方あるまい。

 高野が過請求分を返還したのは、裁判になれば勝算はないと判断したということだろう。食中毒騒動事件をはじめ平成20年2月に発覚した保育士不足問題などにおける高野の対応をみれば、東村山市が法的手段を取ると言明しなければこれほど早く返還が実現したとは思えない。

 それでも、東村山市保健福祉部は通常の相手なら1回の説明で解決できる問題、それも本来の業務以外の問題を解決するために半年もの時間を費やしたという事実は軽くない。高野という特異な認可保育園経営者1人のために延べ何人の職員が、どれだけの時間とエネルギーを割いたか。半年という時間をかけて東村山市が得たものは何もない。財政上のマイナス分がゼロに戻っただけであり、そのために職員が費やした労力と時間は完全にマイナスのままなのである。

(了)

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りんごっこ保育園民改費過請求事件 第4回
対決姿勢を鮮明にした東村山市

 これまで東村山市が高野に対して民改費の返還を求めて送付した文書は、事実上の返還請求ではあるものの、文書に対する回答期限を設けていたという意味で一方的に返還を請求するものではなく、穏当な話し合い解決を目指したものであると理解できよう。

 高野がいかに特異な保育園設置者であるとはいえ、りんごっこ保育園は一応国基準を満たした認可保育園であり、東村山市が大事な市民の子供の保育を委託している保育園である。いまさらどうかという気もするが、東村山市としてはたんに補助金を交付し交付される関係ではなく、本来信頼関係で結ばれるべき保育園と無用の争いはしたくないという思いがあったのだろう。

 しかし、「弁護士と会計士が判断できないから」という要求に応じて法律的根拠を示した文書を再送付したにもかかわらず、高野からなんらの回答もないことに対して、よくいえば鷹揚な、悪くいえばどこか腰の引けた東村山市もさすがに決断をしなければならないと考えたようである。7月14日、東村山市はこれまでの保健福祉部長名ではなく渡部尚市長名で「民間保育所運営費支弁額返還請求書」と題する以下のような文書を配達記録郵便で送付した。



民間保育所運営費支弁額返還請求書

 貴園に対し、平成16年度に交付した標記支弁額に関して、誤りのあったことが判明しました。つきましては、差額分を指定された期限までに返還してください。



1 平成16年度民間保育所運営費支弁額
(修正前)2814万2966円
(修正後)2730万3166円

2 返還金額  83万9800円

3 請求理由
 民間施設給与等改善費(以下「民改費」という)の算定に誤りがあり、加算率を8%から4%に修正したことによって民改費加算分が減額となり、この分が児童福祉法による保育所運営費国庫負担金について(昭和51年16日厚生省発児第59号の2)に規定する運営費を超えているため。

4 返還期限  平成20年7月28日



 それまでの文書と異なり、この請求書がすでに高野の意見や回答を聞くものではなく、有無をいわせず返還を求めるものであることがわかる。配達記録で送付したということは提訴を視野に入れたものであることを意味しよう。すでに遅いぐらいだが、渡部市長自ら高野の引き延ばしにずるずる付き合わない決断をしたことは評価できる。

最後通告

 しかし、高野は返還期限が過ぎても返還せず、返還請求に対するなんらかの回答もなかった。無視したという状況である。東村山市はナメられているというべきだろうか。普通の認可保育園設置者は所管に対してこのようなナメた対応はしない。

 東村山市には、この期に及んでなお、高野がたった1度の請求で素直に返還に応じるかもしれないというかすかな期待を持っていたのだろう。保育という公共事業のパートナーを最後まで信用しようとする姿勢はけっして悪いことではない。

 しかし、そのような性善主義がまったく意味をなさない相手が世の中には存在するということもまた動かしがたい事実なのである。東村山市は、(何度目かは知らないが)あらためて高野に対して常識を判断基準にすることはできないことを再確認したのではあるまいか。

 東村山市は当初の返還期限から一月後の8月27日、渡部市長名で「民間保育所運営費支弁額の返還について(最後通告)」と題する次のような文書を配達証明郵便で送付した。



民間保育所運営費支弁額の返還について(最後通告)

 このことについて、平成20年7月14日付、20東保児発第87号民間保育所運営費支弁学返還請求書を送付させていただいたところですが、返還期限の平成20年7月28日を過ぎても、下記金額が未だに返還されておりません。

 つきましては、直ちに同金額について返還をお願いいたします。

 なお、平成20年9月10日(水)までに全額返還されない場合は、法的対応をさせていただきますのでご承知置きください。



返還金額  83万9800円



 本来ならこの書面は返還期限(7月28日)を過ぎてからただちに送付していてもおかしくない。東村山市は1回目の返還請求を送付した時点ですでに「最後通告」までの流れを想定し、いつでも「最後通告」を送付できるように準備していたと思う。にもかかわらず、「最後通告」の送付が一月後だったのは盆休みを挟んだためだったか。

 ちなみに、高野がどう受け取ったかは別にして、東村山市が設定した返還期限がちょうど東京都指導監査部によるりんごっこ保育園に対する監査の日と重なったのはたまたまだろう。


(その5へつづく)


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