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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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りんごっこ保育園保育士虚偽申告事件 第1回
 認可保育園が守るべき最低基準の中でも、保育士の数は園児の安全に直結する問題である。したがって国の認可を受けた認可保育園が保育士の数をごまかすなどということはあってはならない。平成20年3月には東京都認証保育所であるじゃんぐる保育園が、長期にわたり規定の保育士を確保していなかったなどとして認証取消となった例もある。

 同じ時期、東京・東村山の認可保育園、りんごっこ保育園(高野博子園長)でも平成20年2月以降保育士数が国基準を下回っているとされていた問題で、東京都は同年9月10日行った現地調査などの結果、同保育園で一時期保育士が不足していたと結論付け、同保育園に対して行政指導を行っていたことが平成21年3月までに明らかになった。

実態解明までに1年を要した不思議

 認可保育園とは保育面積や保育士数などの国最低基準を満たした保育園に対して都道府県などが認可を与えるもので、国や都道府県、実際に保育を委託する地方自治体が交付する補助金によって運営されている。そうである以上、認可保育園は常に最低基準を確保し、問題が発生した場合にはただちに改善しなければならないし、指導・監督権限を持つ官庁から問い合わせがあった場合には誠実に対応する義務がある。もちろん虚偽報告など論外である。

 一方、市民の保育を委託する自治体の側にも、認可保育園になんらかの問題が発生したことを認知した場合には当該保育園に対してただちに報告を求め、必要な改善指導を行う責任があることはいうまでもない。

 国最低基準の中でも保育士の不足は園児の安全に直接の影響を与えかねない。一人の保育士が同時に見られる園児の人数にはおのずと限界がある。保育士数が最低基準を下回った状態にあったことが原因で誤飲事故などを見落とす可能性もある。つまり保育士の不足は園児の安全を脅かす事態であるといえる。

 したがって保育士数の不足はただちに改善しなければならないきわめて重大な問題であるということになるが、今回行政指導が行われたりんごっこ保育園の場合、保育士数が国基準を下回ってから行政指導が行われるまでに約1年もの時間を要したのはいったいどういうことなのかという当然の疑問が生じよう。

保育士不足が明らかな「職員名簿」
  
平成20年2月、東村山市議・矢野穂積(草の根市民クラブ)と同居する高野博子が経営するりんごっこ保育園で3名の保育士が退職し、それをきっかけに保護者の間に動揺が広がり、転園希望者が相次いでいることが同年3月5日、東村山市議会本会議における佐藤真和市議の質疑を通して明らかになった。

 平成20年2月当時、りんごっこ保育園の定員は77名で、最低必要な保育士数は10名だった。同保育園はそれまで最低基準の10名の保育士しか確保していなかった。したがって、同年2月1日現在で同保育園は3名もの保育士が不足していることになる(乳児が6名以上の場合には看護師1名を保育士1名とみなすことができるという規定に照らしてもなお2名が不足している)。

 りんごっこ保育園の保育士不足を認知した所管の東村山市保健福祉部は同園に対して電話で事実確認を行ったようだ。それに対して2月8日、高野から「職員の構成」と題する平成20年2月1日現在における同園の職員名簿がファックスで送付された。それによれば、園内における「職名」(資格ではない)保育士は9名。この段階で高野が保育士不足を認めたわけではない。したがって高野は、この名簿の提出によって「職員は不足していない」と主張したものと理解できた。

 しかし東村山市保健福祉部がこの名簿を精査すると、内1名は「育休中」で、さらに1名は幼稚園教諭の資格は持っているが保育士の資格は保有していないことがわかった。つまり名簿上は看護師1名を保育士とみなせば充足しているように見えるが、実質的には看護師1名を保育士とみなしてもなお2名が不足している状態にあった。

今度は「保育士は補充した」と主張

 そこで東村山市保健福祉部は同年2月13日、同保育園を訪問して事実確認を行い、認可権限者である東京都子育て支援課と協議の上、平成20年2月18日付で「りんごっこ保育園職員等の改善について(通知)」と題する指導文書を送付した。つまり東村山市と東京都は、2月8日に高野が提出した職員名簿は虚偽であるか少なくとも保育士数を満たしていることを証明するものとは認めなかったということになる。文書には「改善を要する事項」として次のように記載されている。

〈児童福祉施設最低基準第33条第2項及び保育所設置認可等事務取扱要綱の規定のとおり、保育士資格を有する職員を現在より3名以上配置し、園全体で10名以上の保育士有資格者を確保すること。〉(なお、看護師1名を保育士1名とみなすことができるため、保育士の不足数は実質的に2名)

 ところがこれに対して同年2月20日、園長の高野は東村山市に対して「事務連絡(常勤職員等について)」と題する2月18日付の文書をファックスで送付してきたのである。文書にはこう記載されていた。

〈本年2月1日付をもちまして、下記の者を採用し、同日付で当園の常勤職員として発令いたしておりますので、取り急ぎ通知いたします。

 なお、2月18日付貴殿名義の文書については、国の通知にも反する認識が前提となっており、違法なものとしてお受けいたしかねます。したがって、遺憾ながら返上させていただきますので、念のため、併せてお伝えいたします。〉

 その上で、文書には「2月1日付」で採用したとする2名の保育士の氏名が記されていた。

「職員名簿」と申告内容に明らかな矛盾

 しかしこの「事務連絡」と称する文書と高野が2月8日に東村山市に送付した「職員の構成」を比較すると2つの文書には明らかな矛盾があった。高野は「事務連絡」で「2月1日付で2名の保育士を採用した」と書いている。しかし2月1日付「職員の構成」には平成20年2月1日付で「保育補助」として保育士資格取得前の大学生2名を採用したことになっているものの、2月1日付で採用された2名の保育士の名前は記載されていないのである。

 いったいどちらが本当なのか。あるいはどちらも虚偽なのか。これまでの経緯からすればいずれにしても、高野の言い分は文書だけではとうてい信用できないものとしかいいようがなく、行政による指導を拒否するためのものと受け止められても仕方ない文書と判断するほかなかった。

 それ以上に不可解なのは、東村山市が指導文書を送付する前の2月13日に同園を訪問した際、高野はなぜ保育士を2月1日付で採用した旨を説明しなかったのかということである。少なくとも東村山市が送付した文書にその旨の記載はないし、保健福祉部が「2名の採用」を確認したとすれば、指導文書にある「3名」足りないということにはなるまい。

 この間の保健福祉部とりんごっこ保育園のやりとりを総合的に判断すれば、どうみても高野が保育士不足の事実を隠蔽するために次々に彌縫策を重ねていたようにしか見えない。保健福祉部の確認以後、高野はこれまで2度にわたり保育士不足を否定したことになるが、仮に高野の対応が保健福祉部の指導を逃れようとするものであるとすれば、すでにこのこと自体、認可保育園設置者としての資質を疑わせるものにほかなるまい。

(この間の詳細は「りんごっこ保育園問題とは何か 第1回」「同 第2回」でも触れた)

(宇留嶋瑞郎)


(その2へつづく)

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りんごっこ保育園保育士虚偽申告事件 第2回
提出されなかった「改善計画書」

 高野は平成20年3月5日にも「職員はすでに配置済み」「2月18日付文書を直ちに撤回せよ」などとする文書を東村山市に対して送付している。3度目の否定である。東村山市が送付した改善指導に誤りがあるというなら詳細に説明すればよく、高野がなぜこれほど「返上」や「撤回」にこだわるのか理解しがたい話だった。東村山市の指導文書に疑義を唱えるのなら、園児の安全が確保されていることを示し、東村山市を納得させてからでも遅くはあるまい。

 東村山市としては市長の名において市民の子供を預かり、りんごっこ保育園に保育を委託している以上、子供の安全を確認できないような施設に保育を委託することは許されない。このため東村山市保健福祉部は部長名で平成20年5月1日、高野に対して2月18日付通知に対する回答(改善計画書の提出等)を早急に提出するよう求める内容の「改善計画書等の提出について(通知)」と題する文書を送付、回答提出期限を同年5月16日(厳守)とした。

 しかしこれに対して高野は誠実に回答しようとするどころか、逆に同年5月15日、「保健福祉部長名義の文書について(質問書)」と題する文書を送付してきたのである。文書には次の2項目を含む4項目の質問が記載されていた。



1 東京都保育所指導監査所管および保育所管からは本件に関して何ら指摘等はないが、にもかかわらず保育所設置認可権者(指導監督所管)でもない市保健福祉部長が、本年2月18日付けで前記文書等により、直接の改善指導等ができるとする法令上の根拠は何か。

2 保健福祉部長名義の本年2月18日付前記文書で、当園の保育士配置数が、児童福祉施設最低基準が定める必要数を3名不足しているとした根拠は何か。



 事実上の回答拒否であり、保育士が最低基準を下回っていたとの指摘に対する4度目の否定である。かつてりんごっこ保育園は食中毒が疑われる事件が発生した際、園児を病院に連れて行った母親を園内に配布したビラで責め立てるなどし、事実上の退園に追い込んだが、何があっても非を認めず、それどころか問題を指摘した者を追及するきわめて特異な体質は今回の件でも共通している。これでは園内で何が起きても、高野が誠実に対応することはあり得まい。はたしてりんごっこ保育園が、国が認可した認可保育園として東村山市が市民の保育を委託する保育園としてふさわしいといえるのか。

保育士不足を6度否定

 さて、もちろん東村山市は高野からの「質問書」に対応しなかった。こうして平成20年2月18日、東村山市保健福祉部が高野に送付した「通知」はそのまま無視されるかたちとなったまま、同年9月10日、東京都福祉保健局指導監査部による定期監査を迎えることになった。保育士不足をめぐり、半年以上にわたって東村山市が改善報告を求めていた問題に指導監査部はどんな結論を出したのか。

 指導監査部は監査の結果を十分に検討した上で数カ月後に正式な結果を通知するが、暫定的な見解を園側に残していくのが普通である。保育士不足が疑われた問題については東村山市保健福祉部、東京都子育て支援課の見解は「不足していた」ということで一致している。ところがこの問題に関して指導監査部は、暫定的ながら次のような見解を示していたのである。

〈保育士の退職に伴い、平成20年1月18日から3月22日までの期間においては、保育士が1名不足しているが、看護師が配置されており、保育士とみなすことができることから、職員の配置基準は満たされている。保育士の退職等に備え、必要な保育士有資格者を配置することにより、最低基準に示された職員配置を行うこと。〉

 指導監査部がその時点での見解とはいえ、それまでの東京都と東村山市の共通認識に反する判断をしたのかはわからない。指導監査部がなんらの理由もなく、子育て支援課と真っ向から対立する見解を示すことは考えられない。立ち入り調査において高野が「保育士は不足していない」とする趣旨のなんらかの説明をした結果であると推測できた。5度目の否定である。

 高野と同居する運営委員の矢野は、指導監査部が暫定判断を示したのち、インターネット「東村山市民新聞」で次のように勝利宣言を行った。



〈都の定期監査で、りんごっこ保育園は、児童福祉施設最低基準の上で特に問題なしの結論の講評と文書交付で終了〉



 ここで矢野は「最低基準」としか記載していないが、最低基準が問題とされたのは保育士不足の問題以外にはない。つまり矢野は、ここでも「保育士は不足していなかった」と主張していることになる。6度目の否定だった。


(その3へつづく)

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りんごっこ保育園保育士虚偽申告事件 第3回
                           ★第1回から読みたい人はこちら


東京都指導監査部の結論

 東京都指導監査部が監査当日の暫定判断をそのまま結論とするということになれば、平成20年2月以降、東村山市が東京都と協議の上、りんごっこ保育園に対して行ってきた改善指導も誤りだったことになる。まだ結論が出ていない段階ながら、子育て支援課と指導監査部の見解に齟齬が生じている点について東京都指導監査部に取材すると、

「9月10日時点での見解は結論ではない。詳細についてはお答えできない」

 とした。

 東京都指導監査部が正式な監査結果を出したのは平成21年に入ってからである。保育士不足の問題について指導監査部は9月10日とは異なる結論を出していた。「『助言』」事項」〈在籍児に見合う職員数は配置すること〉として指導監査部は次のように結論付けた。

〈保育士の退職に伴い、平成20年1月18日から1月31日までの期間については、保育士が1名不足していたが、看護師を保育士とみなすことにより、職員の配置基準は満たされていた。1月31日付で保育士2名が退職したため、翌2月1日付で2名の保育士を採用したが、うち1名が実際に勤務を開始したのは2月25日であり、同24日までの間、みなし規定によってもなお保育士1名の実人員の配置が不足していた。同25日以降については、職員の配置基準が満たされた。

 2月中の職員配置については、同月中に必要な保育士が補充され、以後改善が図られている。2月25日から出勤した保育士が実際に勤務を開始するまでの状況については、2月1日付けにて採用されていることから、雇用のない欠員だったのではなく、施設長からは、職員の家庭事情(介護)により出勤できなかった旨、説明があった。〉

 9月10日の現地調査から結論を出すまでに何があったのか、指導監査部がいかなる調査をしたのかはわからない。しかし少なくとも「助言」の記載内容から読み取る限り、その間に指導監査部がなんらかの調査を行い、高野からも事情聴取していたことは明らかである。

事実上、虚偽申告を認めた高野園長

 高野は2月1日に採用した職員のうち1人が実際に勤務したのは2月25日からであると説明している。高野はそれまで6度にわたり否定していた保育士不足の事実を認めたことがわかる。つまり、高野と矢野の1年間に及ぶ主張はすべて虚偽だったという結論になる。

 園児の安全に直結する保育士の人数について所管に対しても誠実な回答、改善をしない認可保育園が、市民や保護者に対して誠実な対応をすることも期待できるだろうか。食中毒騒動、補助金返還問題、今回の保育士不足の問題に共通しているのは、りんごっこ保育園が自分たちに都合の悪い事実はすべて隠蔽しようとする保育園であるということである。

 平成21年3月議会で東村山市長が東京都指導監査部が「助言」を行ったことについて触れると、高野と内縁関係にあり、りんごっこ保育園の運営委員でもある矢野穂積は「法律的根拠はどこにある」などと噛みついた。「助言」とは「口頭指摘」「文書指摘」と並ぶ歴とした行政指導である。指導監査部は児童福祉法の規定に基づいて定期監査を行い、必要な改善指導を行っているにすぎない。

 行政指導には行政処分と違って法的強制力はない。しかし、指導監査部は園児の安全を最優先に考えて行政指導を行ったのであり、認可保育園としては指導を真摯に受け止めるべきで、強制力や法的根拠とはまるで次元の異なる話である。要するに、そんな受け止め方しかできない市議会議員であり、園長であるがゆえに、1年もの間、言い逃れを繰り返してきたのだと理解すべきだろう。

終わりのない「りんごっこ保育園問題」

 りんごっこ保育園が保育士不足の事実を隠蔽していたことは結論が出た。東京都指導監査部によれば保育士不足は解消したという。しかし、いまだに矢野穂積が「法的根拠はあるのか」と行政指導を受け入れようとしていないことからも明らかなように、りんごっこ保育園の保育士不足をめぐる問題は、たんに保育士が充足していたか充足していなかったかという問題なのではなく、この保育園の持つ根本的な不誠実さの問題というべきなのである。

 その意味で、保育士不足が解消されても、本質的な問題である「りんごっこ保育園問題」は、この保育園が認可されている限り解消することはないのだということを、行政も市民も認識する必要があろう。

(了)

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