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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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アニマルポリス請願事件 第1回
 平成21年12月21日、「二本松アニマルポリス」の女性から東村山市議会議長に対して「朝木明代議員殺害事件に関する請願」が提出された。請願の提出に必要な紹介議員は「草の根市民クラブ」の矢野穂積だった。請願人の欄にはアニマルポリスの本名が記載されているが、実際に請願文を議会事務局に持参したのは矢野だった。

 その趣旨を聞くと、矢野と朝木直子が東村山市議会本会議などでことあるごとに口にする「朝木明代議員殺害事件」「何者かによって駅前のビルから突き落とされ、殺害された朝木明代議員」などという文言が議事録副本から削除されるのは、事実からみても不当な扱いであり、是正されるべきである――というものだという。

 確かに議事録副本の矢野らの発言から「殺害事件」という文言を探すことはできない。議事録を読んだだけでは、削除された文言があったことも、ましてその内容がどんなものだったかを知ることは不可能である。したがってアニマルポリスは、矢野が議場で「朝木明代議員殺害事件」と発言したのを傍聴席で聞いたことがあったか、あるいは当該発言をした当事者、すなわち矢野と朝木からその発言内容を知らされたということになる。ところでアニマルポリスは福島市在住で、少なくとも私はこの5年以内に議場内でアニマルポリスをみかけたことはない。

卓抜な行動力 

 アニマルポリスは矢野や朝木と密接な関係にある右翼グループ「行動する保守」の裁判の傍聴に平成21年冬ごろから何度か訪れている。「行動する保守」関連の裁判はすべて騒乱を避けるために多くの裁判所職員が駆り出され、厳重な警戒態勢を敷くのが通例である。

 東京地裁立川支部では職員が事前に傍聴人の持ち物などをチェックし、開廷5分前になるとようやく法廷のドアが開錠され、1人ずつ順番に整然と入廷させる。だから、早く着いた傍聴人は入廷が許可されるまで法廷前の廊下で待たされるわけだが、その日、「行動する保守」一行の中にいた1人の女性が近づいて声をかけてきた。みかけたことのない顔だった。

 女性の表情や目の色から、なにか尋常とは異なるものを秘めているように感じた私は、とっさに女性に背を向けた。しかし女性はすっと前方に回り込み、「取材をお願いします」と話しかけてきたのだった。

 やはり普通ではなかった。通常、名前も名乗らず、どこの誰なのか、取材内容が何なのかもいわないような相手の取材に応じる者はいない。まして「行動する保守」一行の中の1人とあっては、とうていまともな話のできる人間ではないと判断するほかない。私はやむなく、女性を追い払うために「取材はお断りします」と強い調子で通告した。すると女性は、おとなしく「行動する保守」一行の中に戻っていった。

 しかし、この女性の傍若無人の行動は私に対してだけではなかった。その後、女性は千葉に対しても法廷内で下から顔を覗き込み、また「食事をしませんか」「いつなら空いてますか?」などとたたみかけた。やはり最初に私が感じた尋常とは異なる印象は間違っていなかったようだった。

 この女性を2度目に見かけたのは平成21年12月18日、千葉が浦安の行政書士を提訴していた裁判の法廷だったと記憶している。口頭弁論は午前中に行われ、行政書士と女性らはその足で東村山に行き、東村山警察署の前で記念写真を撮ったり、あるいはビラ撒きなどをしていたことがわかった。この女性が福島市在住のアニマルポリスという人物であると知ったのはその後のことである。アニマルポリスはこんなことをするために、わざわざ福島からやってきたのだろうか。常識では考えられない行動力というほかなかった。

 アニマルポリスが請願人となり、紹介議員の矢野が「朝木明代議員殺害事件に関する請願」を提出したのはその3日後のことである。浦安の行政書士と矢野はその半年以上前から親密な関係にあり、行政書士が議会傍聴に訪れた際には「草の根」の議員控室に長時間にわたって滞在していたことも判明している。矢野、朝木とそれほど親密な関係にある行政書士がアニマルポリスを伴って東村山を訪れた際に2人に引き合わせた可能性はあろう。その席で請願提出に関する相談がなされたのではないかと私はみている。

まったく別の資料を提出

 さて、アニマルポリスが平成21年12月21日に提出した請願の内容は以下のとおりである。



朝木明代議員殺害事件に関する請願

請願の趣旨
1.朝木明代殺害事件における「殺害」という文言を、理由なく、発言取り消しの扱いとし、会議録副本から削除した理由を、東村山市議会本会議において、速やかに説明を行うよう、議長へ求めます。

請願の理由
1.最高裁で本年7月14日に確定した朝木明代議員殺害事件に関する最新の判決では、「朝木明代議員事件は“他殺”と考えうる相当な理由がある」と判示されていますので、市議会が、司法の最終判断に従わないことは許されません。

2.先の2009年8月30日の選挙を機に、国民は、朝木明代殺害事件への関心を強く持ち続けています。貴議会においても最高裁判決に従い、事実を正確に取り扱うべきです。



 第1回目の請願審査は平成22年2月15日、午前10時から市議会委員会室で行われた。この日の審査では、請願人の主張だけでは請願の根拠である「平成21年7月14日最高裁判決」の事実およびその内容が確認できないから、請願人に資料の提出を求めるべきという意見が委員から出され、審査が継続されることになった。

 翌2月16日、議会事務局は資料の提出を求める文書を送付した(本来なら、請願が提出された時点ですぐに資料を請求すべきだったとは思うが)。文書では第2回審査が行われる1週間前の「3月2日まで」に資料を送付するよう求めていた。ところが3月3日にアニマルポリスから電話があり、「今開封したところ」だという。議会事務局が送付した文書は遅くとも2日後には着いているはずである。するとアニマルポリスは2月18日から3月2日まで留守だったということらしい。結局、アニマルポリスから東村山市議会に資料が届いたのは第2回審査の前日、3月8日のことだった。

(つづく)

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アニマルポリス請願事件 第2回
 審査前日に資料が届いたのでは当然、委員に資料が配布されるのは委員会当日ということになろう。これでは委員が審査までに資料を十分に吟味、検討することは難しい。そうなれば当然、審査は継続となる可能性が高まる。ところがさらに問題があった。アニマルポリスから送られてきた資料は「請願の理由」に記載している判決とは別物だった。この結果、委員会はこの資料を検討の対象にすることさえできなかったのである。

 アニマルポリスが送ってきた資料とは東京高裁平成19年9月26日判決だった。創価学会が乙骨正生と矢野を提訴していた「フォーラム裁判」の判決である。この裁判は雑誌に掲載された発言をめぐるもので、一審は乙骨と矢野の不法行為を認定したが、東京高裁は名誉毀損自体がないとして創価学会の請求を棄却。最高裁も創価学会の上告を受理しなかった。

 この資料が請願に記載した根拠とは別物であることはともかく、アニマルポリスが送付してきたということは、この判決もまた「明代が殺害された」とする根拠と考えているものと理解できよう。しかしこの判決が「明代の他殺」を認定したものかといえば、たんに矢野らの発言は「『朝木明代殺害事件』に創価学会が関与したと断定するものとは読み取れず、創価学会の名誉を毀損するものではない」とするものにすぎなかった。したがって判決で東京高裁は、矢野らの発言の真実性・相当性についてなんらの判断もしていないのである。

説明もいっさいしない不思議

 この判決をどう読めば「裁判所が他殺と認定した」と読めるのか。常識的に考えれば、なんらかの説明があってしかるべきケースである。しかし委員によれば、アニマルポリスから送られてきた資料には具体的な説明はいっさいなく、わずかに判決文の端に「○○ページ○○行目」というメモ書きがあり、該当箇所に下線が引かれていただけだった。

 下線部は、明代の遺体の上腕内側部に残されていた皮下出血の痕が他人につかまれた痕であると矢野が主張している部分だった。アニマルポリスは矢野が主張しているというだけでそれが客観的にも認められた事実だと考えたのか。あるいは判決文に記載された矢野の主張部分が裁判所の認定であると読み違えたのか。いずれにしても、真実性・相当性をいっさい判断していない「フォーラム裁判」で東京高裁が上腕内側部の皮下出血の痕を「他殺の証拠」などと認定するはずもないし、他の関連裁判においてもそのような認定がなされた例はただの1件もない。

 ここまでの状況を見ただけでも、アニマルポリスが請願の「根拠」(判決)をまったく整理できていないというだけでなく、自分が送付した判決の内容についてもほとんど理解できていないとしか考えられなかった。これはいったいどういう請願人なのか。

 議運としては「まともな根拠も提出せず、審査に値しない」としてただちに不採択の結論を出すこともできたのではないか。しかし、ことは議会の意思決定に関わることであり、一定の時間はかかっても正否を明確にすることが重要だろう。そう主張していたのは佐藤真和である。3月9日開催された第2回議会運営委員会は、「送付された資料が請願に記載されたものとは異なる」という理由で、再度請願人に対して資料の送付を求めることとし、継続審査とした。

 事件の当事者である矢野が紹介議員としてついていながら、請願人が審査に値する資料も提出せず、なんら具体的説明もしないというのはきわめて不可解である。もちろん請願人であるアニマルポリスが上京して議会運営委員会を傍聴することも、委員会での意見陳述を申し出た事実もない。
 
 請願提出後のアニマルポリスの対応はどうみても消極的というほかないが、裁判所では千葉の顔を覗き込み、私に対してもしきりに「取材」「取材」と追いかけた特異な積極性と行動力はどうしたのだろうか。「根拠を具体的に示せ」といわれたとたんに逃げ腰になるのは、創価学会の関与を匂わせる発言を繰り返しながら、法廷では「そんなことはいっていない」と逃げ回る矢野、朝木や行政書士の応訴姿勢にも似ていよう。

紹介議員自身ができた異議申立

 かつて朝木明代は、本会議中の発言を削除されたことを不服として何度も東村山市議会を提訴している(「議会の自律権の問題」としていずれも却下されている)。つまり今回の発言削除をめぐっても、矢野と朝木は自ら裁判に持ち込むこともできたのである。それがなぜ、アニマルポリスという第三者を介した請願というかたちをとったのかという根本的な疑問がある。

 仮に今回の請願がアニマルポリスが自発的に提案したのだとしても、遠い福島に住み、一連の裁判のことも知らず、資料も持っていない女性にわざわざ請願人になってもらうよりも、矢野と朝木自ら提訴する方がよほど手っとり早いし現実的でもある。しかし、仮に提訴しても、かつての朝木明代の経験、さらに転落死事件関連裁判の状況からすれば、請求が認容される可能性はきわめて低い。そのことは矢野と朝木自身が知悉するところである。

 矢野と朝木は平成20年8月以降、「行動する保守」一行を煽動して「朝木明代は創価学会に殺された」と騒がせながら、常に自分たちだけは安全な場所に身を置いてきた。するとあるいは今回の請願も採択されることを期待したのではなく、むしろ請願の提出によって「行動する保守」一行を刺激し、市役所前での街宣などの騒ぎにつながることを期待したのではないかという見方もできよう。その場合には、請願人にはなんらの知識も能力も必要ない(実際にアニマルポリスは、「請願の根拠」とは異なる資料を送ってきただけである)。

 この間、アニマルポリスは何度か上京していた。請願提出後、運の悪いことに、私は霞が関の東京地裁でもアニマルポリスと遭遇している。私が法廷前の廊下の突き当たりで開廷を待っていると、それらしい女性がやってきた。目が合ってはまずいと思った私はとっさに気づかないフリをしたが、アニマルポリスは見逃してくれなかった。アニマルポリスは私の前に仁王立ちすると、両腕をバッと横に広げたのである。私には「逃がさない」という意思表示のように見えた。

 開廷が迫っており、アニマルポリスはそのまま法廷に入っていったのでなんとか難を逃れたが、さすがに矢野と朝木の妄言を信じ込み、「行動する保守」一行や浦安の行政書士と行動をともにするだけのことはあると、私はただ感心するほかなかった。もちろんアニマルポリスは、矢野と朝木の本心を知るよしもないのだろう。

 なお、第2回審査までに、本来の当事者である矢野と朝木は傍聴には来なかった。その事実こそ、今回の請願の本質と目的を物語っているような気がした。

(つづく)

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アニマルポリス請願事件 第3回
 東村山市議会からの「資料を提出してほしい」との2回目の要請に対して、アニマルポリスが資料を送付してきたのは3月23日である。今度は間違いなく、請願にある平成21年7月14日付最高裁決定調書とともに最高裁が追認した東京高裁判決が添付されていた。いずれも正本の写しは裁判当事者しか入手することはできない。したがって、アニマルポリスが送付してきた最高裁決定と東京高裁判決の写しは矢野の提供によるもの以外ではあり得ない。

 アニマルポリスが2度目の請求でやっと送付してきた資料とは、千葉英司東村山警察署元副署長が矢野、朝木の共著『東村山の闇』の記載をめぐって提訴していた裁判の最高裁決定調書と東京高裁判決である。東京高裁は明代の転落死を「他殺」とする矢野らの主張について「控訴人ら(矢野と朝木)が本件転落死につき他殺の可能性を示す証拠があると信ずるについて相当の理由がなかったとはいえないというべきである。」などとして千葉の請求を棄却する判決を言い渡していた。この判決について矢野と朝木は「朝木の転落死について『他殺』と認定された」と主張し、最高裁決定後、矢野らの主張を鵜呑みにした「行動する保守」らが最高裁前で街宣活動を行ったことは記憶に新しかろう。

東京地裁立川支部が明快な結論

 しかし、3回目の審査をひかえた平成22年4月28日、アニマルポリスと矢野、朝木にとってそれぞれに不都合な判決が言い渡された。千葉が「行動する保守」のリーダーの1人である西村修平を提訴した裁判で東京地裁立川支部は、「『東村山の闇』裁判において明代の他殺が認定された」とする矢野の主張について、次のように述べてこれを排斥したのである。

〈矢野及び直子らが本件転落死事件につき「他殺の可能性を示す証拠があると信ずるについて相当の理由がなかったとはいえないというべきである。」とするにとどまり、他殺の可能性を示す証拠があることが真実である旨認定するものではない〉

 またついでながら、アニマルポリスが最初に「他殺」の資料として提出した「フォーラム」裁判判決における上腕内側部の皮下出血の痕に関しても、

〈上腕部内側の皮膚変色部については、「明代の司法解剖鑑定書には他人と揉み合った際に生じることがある上腕内側の皮膚変色部が存在したことが記載されている」と記載するにとどまる。また別件訴訟の東京高等裁判所平成19年6月20日付判決(「エフエム東村山」裁判)も、本件上腕部内側の皮膚変色部が「他殺を疑わせる証拠となるようなものであること」が真実であるとは認定しておらず、矢野において、本件上腕部内側の皮膚変色部が「他殺を疑わせる証拠となるようなものであること」を信じたことについては「相当の理由があるというべきである。」とされたにとどまる。〉

 と述べて矢野と朝木の主張を否定している。「フォーラム裁判」の判決と「『東村山の闇』裁判」の判決のどっちを根拠にしようと、すでにいずれも「他殺の証拠とはいえない」と認定されているということである。6月11日に予定されている第3回審査をひかえたアニマルポリスと矢野にとってはタイミングが悪すぎたというべきだろうか。

 矢野と朝木にとっては、この判決によってアニマルポリスだけでなく「行動する保守」一行もさすがに事実すなわち矢野らの虚偽宣伝の実態に気がつくのではないかと考えたとしても不思議はない。アニマルポリスにしても、西村判決をもらえていれば、この判決が請願審査によくない影響を及ぼす可能性があることは理解できるはずである。

 アニマルポリスが西村裁判の判決をもらえたかどうかはわからないものの、情報ぐらいは入手しているのではあるまいか。アニマルポリスもそろそろ事態を理解してもいいと思うが、「行動する保守」一行がそうであるように、やはり妄想から解放されることは難しいのだろうか。

全員一致で不採択

 さて、第3回審査が行われた6月11日、委員会室にはこの日も請願人本人はもちろん紹介議員の矢野穂積も、朝木直子も姿を見せなかった。矢野、朝木にしてみれば、4月28日に言い渡された西村判決がよほどこたえていたのだろうか。あるいは当初から表に出る予定はなかったのか。

 審査では、アニマルポリスが2度目に送付してきた資料に基づき佐藤真和委員が意見を述べた。その内容は、「東村山の闇」判決で矢野の主張する「他殺が認定された」事実はないこと、また西村裁判判決でも「東村山の闇」判決に対する矢野の主張が否定されていることからも本件請願は不採択とすべきというものである(詳細は佐藤ブログ参照)。他の会派から異論は出ず、わずか10分程度でアニマルポリスの請願は不採択と決した。

 佐藤の意見に対して何らの異論も出なかったということは、つまり東村山市議会は明代の転落死が(万引きを苦にした)自殺であるという共通認識を持っているということでもあった。きわめて正常な感覚である。

 審査が終わり、私がエレベーターで降りようとすると、たまたまある委員と乗り合わせた。顔と名前はよく知っているが、ほとんど口を聞いたことのない議員である。私は「議員さんも大変ですねえ」と声をかけた。すると降りぎわ、その議員は私に向かって一言こういった。

「あれは自作自演ですよねえ」

 何のことかよくわからなかったが、私は特に問い返す必要を感じなかった。

(つづく)

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アニマルポリス請願事件 第4回
沈黙の意味

 6月18日の6月定例会最終日、本会議場で請願審査に関する委員会報告が行われ、アニマルポリスによる請願が委員全員一致で不採択になったことが報告された。当然、矢野が質疑を行うだろうとみられていた。ところが矢野は沈黙したままだった。矢野からは質問通告書が出されていなかったという。

 この請願は実質的には矢野自身というだけでなく朝木明代の名誉に関わる問題である。にもかかわらず矢野はなぜ黙っているのか。矢野を知る者からすれば、これはきわめて異例なことである。

 だから、佐藤は矢野に「やらないの?」と聞いた。すると矢野は、

「お仲間がまた敗訴したなあ。殺人の時効も廃止されたんだよ」

 と、請願とは無関係の反応をしたという。「お仲間の敗訴」については稿を改めようと思うが、「万引きを苦にした自殺」に殺人事件の時効がどう関係するというのか。確かなのは、矢野と朝木が万引き被害者を加害者呼ばわりしていることについてだけは、すなわち彼らの道義的責任、反社会的行為に対する時効はないということである。

 さて、この佐藤と矢野のやりとりから判明したのは、矢野が委員会報告に対して質疑の意思を持っていなかったこと、どうも請願については触れたくない様子であること――の2点である。

 矢野がこの請願によって「明代は殺された」とする発言の正当性が認められることを本当に期待していたとすれば、委員会を傍聴もせず、質疑もしないのはきわめて不自然である。しかし、最初から採択を期待していなかったとすれば、傍聴に来なかったことも質疑をしなかったことも一応理解できる。矢野の対応にはそれなりの一貫性がうかがえるのである。

「やらないの?」と聞く佐藤に対して話をそらしたのも、目的はともかく、最初から本気ではなかったことを悟られまいとする思いがあったのではあるまいか。一般に紹介議員がすべての請願に対して請願人と同等の責任を負わなければならないということはないだろう。しかし、今回の請願はほかでもない明代の死因についての問題である。紹介議員であるとはいえ、明代の万引きを否定しつづけている矢野が本気ではなかったなどということは彼らの支持者に対して、「行動する保守」一行に対して、もちろんアニマルポリスに対しても許されることではあるまい。

 しかしどう見ても、矢野の一連の対応を本気と評価することはとうていできない。矢野自身もそのことをよく自覚しているからこそ、「やらないの?」という佐藤の一言に対して論点をはぐらかすしかなかった、ということなのではあるまいか。不採択の報告に対して何の質疑もしなかった矢野の対応もまた、十分に矢野の真実を物語っていよう。

 遠い福島から送料を負担し、東村山までわざわざ書類を送り届けたのは何のためだったのか、アニマルポリスもよく考えてみるべきなのではないか。その上で、できればもう二度と私の前で仁王立ちしたり、千葉の顔を下から覗き込んだりするのはやめてもらいたいものである。

 私はまだいいとしても、千葉に対する侮蔑行為は、国会議員や警視庁内部の圧力に耐えて事実を曲げなかった一警察官の職務行為をあざ笑い、否定することにほかならない。なんらの調査もしていない者が、一方的に他人の人生を否定することは許されないということを知るべきである。

きわめて不適切な発言

 余談だが、この6月定例会でも、朝木直子の発言に関して削除が検討されるという出来事が起きていた。6月3日に行われた一般質問で朝木は市長の市民税徴収の姿勢について質した。市長は「滞納については厳しい態度で臨む」方針のようだが、これについて朝木は「すべての滞納者に対して区別なく厳しい対応をするのは人としてどうかと思う」とする趣旨の発言をしたのである。

 市長は答弁で朝木が使用した「人としてどうか」との文言を問題視、議長に対してすみやかな対応を求めた。渡部市長がこれほど色をなすのはめずらしいことである。議会は行政について議論する場であり、人格を問う場所ではない。「人としてどうか」とは市長の人格に疑問を呈するものと受け取られる可能性もあり、市長が無視できないと感じたとしても無理はない。議会の場においては不穏当であり、不適切な発言であると私は思う。

 議長は答弁終了後ただちに休憩を宣言し、議会運営委員会が開かれた。再開後、議長は特に名指しはせず「発言は議会としての品位をもって行うよう注意していただきたい」とする一般的注意にとどめた。「人として問題がある」とまでは断定していないこと、またこれ以上の混乱を招きたくないという思いも多分にあったのだろうと推測している。

 議長の注意を聞いた議場内は野次が飛ぶでもなく、反応は静かだった。朝木が市長に対して「人としてどうか」と発言したことについては、議員各個や傍聴人にはそれぞれ思うところがあったかもしれない。しかし、その思いを軽々しく口に出すことは、朝木と同じ浅慮に陥ることになりかねないのだった。

 今回の朝木の不適切発言に対して一般的注意にとどめた東村山市議会の対応はやむを得まい。しかし議長の注意を聞いた議員は、その注意に重い意味が含まれていることを十分に理解したはずである。

 なお、矢野と朝木がこの東村山市議会の対応をどう受け止めたかについては定かではない。

(了)

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