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第2次「行動する保守」事件 第26回
「離れろ!」と警告したとする主張に対する反論

 私が「行動する保守」Aを提訴している裁判の重要な争点は、私の提訴が時効を過ぎた不適法なものであるかどうかという点と、東村山駅前街宣の際、「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と撮影を拒否する意思表示を行った事実があったかどうかという点にあると私は考えている。とりわけ「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したにもかかわらず私が撮影を続けていたとして、そもそも私の取材に違法性があるなどと主張している点に関しては、事実の捏造による姑息な言い逃れというほかない。

 第3回口頭弁論(前回)において、裁判官から私に対して「離れろ!」と警告したとする時間帯について聞かれた「行動する保守」Aは、当初の「街宣終了後」という主張から一転、「街宣開始前」の午後3時30分ころであると答えた。街宣開始前に私は写真など取っておらず、本件写真が撮られたのは私が「行動する保守」Aに対して「『内部告発』をした人物に直接会ったのか」と聞いた場面である。

 そのとき「行動する保守」Aは「会った」と答えた(のちにそれも嘘だったことを「行動する保守」A自身が自白している)。平成20年9月1日に行われた東村山駅前街宣の日、「行動する保守」Aが私に対して発したのはこの一言だけである。

 しかし「行動する保守」Aは、私に対して「離れろ!」と警告したとする時間帯は変更したものの、警告したとする主張だけは維持した。そこで私は最後に提出した準備書面で、この点に関する「行動する保守」Aの主張が捏造であることについてあらためて主張した。



(「行動する保守」Aが「離れろ!」と警告したとする主張に対する私の反論)

 被告が原告に対して「離れろ!」と警告したとする状況と時間帯に関する被告の主張は以下に詳述するとおり、そのときどきの都合によって変遷しており、……被告の主張はとうてい信用できない。原告に対して「離れろ!」と警告したとする被告の主張の変遷を時系列で整理すると以下のとおりである。

①「平成20年9月12日付」及び「平成20年10月11日付」被告ブログの記載(=以下、「主張1」という)

 平成20年9月12日付被告ブログでは〈我々が一度たりとも、創価学会とつるむライターに罵声を浴びせ、写真を撮るななどと文句を言ったことはないのです。〉と記載、平成20年10月11日付被告ブログでは〈次回からは遠慮させて頂こうと思っています。〉と記載して、平成20年9月1日に行った東村山街宣の際、被告が原告に対してなんらのクレームもつけていないことを明言し、平成20年9月5日付ブログでは原告に対して「離れろ!」と警告したなどとは一言も記載していない。



②「平成21年3月13日付」被告ブログの記載(=以下、「主張2」という)

 ところが被告は、平成21年3月13日付被告ブログにおいて次のように記載する。

〈参加者の中には余り近距離から、それも何枚も撮られて良い気持ちがしない人もいます。そのような人から「撮るな、何故撮っている?」と抗議の声が上がるのを聞きました。それでも宇留嶋氏は撮影を止めようとしません。浦安の行政書士ともう1人の参加者の2人が宇留嶋氏に詰め寄っていました。行政書士は「あなたが撮るならこちらも撮るよ」と言ってカメラを向けていた。

 これ以上のトラブルになるのを避けるために、私が宇留嶋氏に近づいて「離れろ!」と言ったのが下記の写真(筆者注=本件で私が肖像権侵害を主張している写真)です。〉
 
 このときの状況は、訴外行政書士が「あなたが撮るならこちらも撮るよ」といい、その後、被告が原告に対して「離れろ!」といったことになっていることが明らかである。

 なおここで被告がいう訴外行政書士が原告に対して「あなたが撮るならこちらも撮るよ」といった場面は、訴外行政書士の陳述書5ページに記載されている。その時間帯は行政書士の陳述書によれば、上記訴外行政書士の発言は乙6(筆者注=「行動する保守」Aが提出した行政書士の発言の反訳)の直前で、かつ「午後5時以降」(筆者注=行政書士の陳述書による)である。したがって、平成21年3月13日付被告ブログにおいて被告が原告に対して「離れろ!」といったとする時間帯は「午後5時30分過ぎ」である。



③本件答弁書の記載(=以下、「主張3」という)

 被告が原告に対して「離れろ!」といったとする状況について被告は、本件における答弁書では以下のように記載している。

〈原告宇留嶋は、訴外行政書士といった複数の参加者から、氏名を名乗らないのであれば取材は拒否するという抗議及び意思表示を直接受けたにも関わらず、盗撮及び無断撮影を繰り返した。そこで、被告瀬戸は、執拗に付きまとっていた原告宇留嶋を一部の参加者から引き離すため、原告宇留嶋に「離れろ!」と言ったのである。〉

 ここで被告がいう「原告宇留嶋は、訴外行政書士といった複数の参加者から、氏名を名乗らないのであれば取材は拒否するという抗議及び意思表示を直接受けた」とする場面は行政書士陳述書の5ページに記載されている。平成21年3月13日付被告ブログにおける説明とは若干状況が異なり、時系列では上記「主張2」よりも前である。ただ時間帯としては「午後5時30分前後」であり、一応、誤差の範囲にとどまる。

 ここまでの段階で被告は、被告が原告に対して「離れろ!」と警告したのは訴外行政書士らが原告に対して抗議した後であり、その時間帯は「午後5時30分前後」であると「主張2」及び「主張3」を合わせて2度主張していることが明らかである。



「行動する保守」Aは「何も文句はいっていない」という「主張1」から「主張2」「主張3」へと主張を変遷させている。

 私は「行動する保守」Aの答弁書の「主張3」に対して準備書面1で、本件写真が撮影されたのは本件街宣が始まる前すなわち「午後5時30分前後」よりもはるかに前の時間帯であること、また「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告した事実は存在しないと主張した。

(つづく)
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第2次「行動する保守」事件 第27回
反訳に「行動する保守」Aが初めて登場

 答弁書に対して私が反論すると「行動する保守」Aは、今度は次のように主張した。



④第2準備書面における「行動する保守」Aの主張(=以下、「主張4」という)

〈原告宇留嶋は、本件街宣から引き続いた故朝木明代東村山市議の追悼集会において、既に本件街宣中に原告宇留嶋の無断撮影に抗議していた訴外行政書士及び訴外群馬から再び抗議を受けた。午後5時37分のやりとりは以下のとおり。

行政書士  何かご発言があればどうぞ。

訴外群馬  あれ? 取材しなかったでしょうね? 取材拒否って言ったんですから。

 訴外群馬は、本件街宣中に原告宇留嶋へ取材拒否を明言していた。

行政書士  あれ~、創価のライターさん、何か反論があればどうぞ。

 行政書士は、本件街宣中に原告宇留嶋が無断撮影を続ける場合は、逆に、原告宇留嶋を撮影してそれを公開すると予告していた。

訴外群馬  だけど、電池がもったいないんだよな、電池が。俺、電池がもったいないから止すから。

 訴外群馬は、行政書士と同様に、原告宇留嶋への撮影を予告していたが、原告宇留嶋は撮影する価値がないとして取りやめた。

「行動する保守」A  あんまり相手にしないで。

「行動する保守」Aは、本件街宣中に、参加者の無断撮影を続ける原告宇留嶋に対し、「離れろ!」と警告した。しかし、原告宇留嶋は構わず無断撮影を続けていたため、本件街宣から引き続いた追悼集会でトラブルが生じないよう、相手にしないよう参加者へ注意を促した。〉

〈ア・イ(筆者注=「行動する保守」Aが証拠提出した「朝木直子の演説風景」と上記行政書士や「行動する保守」Aらの発言を含む動画に基づく「行動する保守」Aなりの主張)のとおり、本件街宣の複数の参加者が、原告宇留嶋に対し、黙示的又は明示的に撮影拒否・取材拒否をしていたのは明らかである。それは、原告宇留嶋の執拗な無断撮影が、複数の参加者にとって不快であることを察知した「行動する保守」Aが、乙5及び6(筆者注=「朝木直子の演説風景」と上記行政書士や「行動する保守」Aらの発言を含む動画)に先立ち、原告宇留嶋へ「離れろ!」と警告した結果である。

 つまり、「行動する保守」Aが原告宇留嶋に対し、「離れろ!」と警告したのを見ていた参加者の一部が、自ら原告宇留嶋へ撮影拒否又は取材拒否の意思表示をしたのである。もちろん、「行動する保守」Aの警告前に撮影拒否又は取材拒否をした参加者もいた。〉



 今回初めて「行動する保守」Aの生発言が登場した。しかしそれは私に対して「離れろ!」と警告したものではない。したがって、この反訳は「離れろ!」とする発言があったことを直接的に証明しようとするものではないようだった。

 なおこの反訳の正確性については私も動画を見て確認した。「行動する保守」Aの声はやや遠くから聞こえるものの、発言内容はこのとおりだった。
 
180度変遷した主張

 これら「行動する保守」Aの主張に対して私は次のように反論した。



(「主張4」を含む「行動する保守」Aの主張に対する反論)

 被告は「主張4」において、原告に対して「離れろ!」と警告したとする時間帯については曖昧にしているものの、〈乙5及び6に先立つ〉ものであると明言している。行政書士による反訳によれば、「乙5」とは「午後5時10分頃」のことであり、被告は原告に対して「離れろ!」と警告したのは「乙5」より前の時間帯であると主張していることになる。「乙5」の状況が訴外朝木による街宣中のものであることは明らかであり、「乙6」を含む行政書士らが原告に対して取材拒否の意思表示を行ったのが訴外朝木の街宣終了後であることも明らかである。

 被告は「主張2」及び「主張3」において、いずれも被告が原告に対して「離れろ!」と警告したのは「乙6」を含む行政書士らが原告に対して取材拒否の意思表示を行った後であると主張してきた。ところが「主張4」において被告は、原告に対して「離れろ!」と警告した結果、行政書士らが原告に対して取材拒否の意思表示を行ったものであると、それまでの主張を180度変遷させた。



⑤裁判官に対する被告の答弁

 平成24年9月11日、裁判官の質問に対して被告は、〈原告に対して「離れろ!」と警告した〉のは「本件街宣が始まる直前」か「始まった頃」と答弁した。原告が街宣中の被告に話しかけることは不可能だから、本件写真が撮影されたのは「本件街宣が始まる直前」以外にはない。いずれにしても被告は、原告に対して「離れろ!」と警告したとする時間帯が「午後3時30分前」であることを認めた。すなわち被告は、「主張2」及び「主張3」と2度にわたって主張していた時間帯が虚偽であることを認めるに至った。



 裁判官の質問に対する回答が「行動する保守」Aの、私に対して「離れろ!」と警告したとする最後の主張である。それに対して私は「行動する保守」Aの主張の変遷を記載した上で次のように主張した。

〈被告が原告に対して「離れろ!」と警告したとする主張は、「主張1」(本連載第26回参照)から内容的にも変遷に変遷を重ねている上に、その時間帯もそのときどきの都合(私の反論)に合わせて操作していることが明らかである。この点においても被告が原告に対して「離れろ!」と警告したとする主張には信用性がなく、被告の主張は事実の捏造にほかならない。〉

 はたして裁判所は「行動する保守」Aの度重なる主張の変遷をどう判断するのか興味深いところである。

(つづく)
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第2次「行動する保守」事件 第28回
ただの誹謗中傷と挑発

 ところで「行動する保守」Aは、「相手にしないで」と発言した場面(本連載第27回に反訳を紹介)と朝木直子の街宣風景の2本の動画を証拠提出し、私が「行動する保守」A以外の参加者からも取材を拒否する意思表示をされていたと主張している。朝木の発言とそれに呼応して参加者が口々に発した私に対する「意思表示」は以下のとおりである。



(朝木街宣中の参加者の発言)

朝木  私がここで演説している間にも、え~、私の目の前にも、え~、いつも嫌がらせをしているライターの方、そして、嫌がらせをしている市会議員の方も、え~、周りにいるようであります。

参加者  出てこーい!

参加者  出てこーい!

参加者  出て来いよ!

参加者  おい、出てこーい!

参加者  出てこーい!

参加者  人殺し~!

参加者  出てこーい!

参加者  ウルシマ出てこーい!

参加者  出てこーい!

参加者  出てこーい!

参加者  根性があるなら出て来い!

参加者  創価学会の手先!



 動画の内容と「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したとする事実の関連性は明確ではない。いずれにしても朝木街宣中の参加者の発言は、発言というよりも朝木の演説に対する参加者の反応にすぎないように思える。またこれらの参加者の発言は私を誹謗中傷し、威圧し、挑発しようとするものであっても具体的に取材を拒否する内容でないことは明らかである。もちろん私はこのとき、かまわず撮影を続けた。

行政書士が重視しなかった発言

「行動する保守」Aの「あんまり相手にしないで」いう発言に関しては、行政書士は私が提訴した裁判で同じ場面の反訳を提出している。行政書士が反訳を提出したのは、私が参加者などから取材を拒否されていたと印象づける趣旨だった。しかしその反訳には、「行動する保守」Aの発言は記載されていない。

 どういうことなのか。「あんまり相手にしないで」という発言はむしろ、「行動する保守」Aがこの日、私に対してなんらかのクレームをつけようとする気持ちがなかったことを表しており、行政書士としても最初は「行動する保守」Aの発言は彼らの主張にとってプラスにならないと判断していたものと理解できた。

 また「行動する保守」Aは、行政書士らが私に取材拒否の意思表示をした最後の場面を再現した上で、〈「行動する保守」Aが原告宇留嶋に対し、「離れろ!」と警告したのを見ていた参加者の一部が、自ら原告宇留嶋へ撮影拒否又は取材拒否の意思表示をしたのである。〉と主張している。

 行政書士は私から提訴された裁判で訴外群馬とともに、彼らが私に対して撮影を拒否する意思表示をしたとする陳述書を提出した。行政書士と訴外群馬は陳述書で以下のように記載している。



(私の取材に関する行政書士の記載)

 原告宇留嶋は、私と訴外群馬による複数回の取材拒否及び撮影拒否の警告を無視し、私を含む参加者らの無断撮影等を続けました。

 その結果として、私は警告どおり原告の姿を撮影して公開することを複数回に亘り通告しました。加えて、撮影の際には、私が「何かご発言があればどうぞ。」と原告に対して伝えました。原告は弁明・反論の機会が充分にあったにもかかわらず、私との名刺交換を無礼に拒否したときのような明確な拒否の言葉も何ら発しませんでした。……

(訴外群馬の記載)

(朝木の)演説も終わり、朝木明代元市議が突き落とされた現場へ向かう前に、行政書士が宇留嶋氏に何か写真を撮らないよう話していました。私も彼に近づいていって「撮らないでくれ」と言いました。

 更に現場へ移動中にも、私は改めて宇留嶋氏に撮影拒否を伝えました。

 行政書士は「撮るなら私も撮りますよ。」「撮影するなら私も撮った写真を公開しますよ。」と宇留嶋氏に念を押しましたが、彼はそのまま私たちのあとをつけてきました。

「向こうが撮るならことらも撮ってやる」と行政書士は撮影を始めました。私も撮ろうとしましたが「電池が勿体ないから止めた」と言って撮影をやめました。



 2つの陳述書は本連載第27回で紹介した反訳の内容と合致しており、主張内容は別にして、この陳述書が現実に起きた事実に基づいたものであることだけは認めることができる。その趣旨はいずれも、行政書士が私の写真を撮影・掲載する以前に、私が彼らから撮影拒否の意思表示を受けていたにもかかわらずそれを無視したと主張するものである。

 一方、「行動する保守」Aは「主張4」(本連載第27回)において、行政書士らは「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告した事実に基づいて撮影拒否の意思表示をしたと主張している。すると行政書士らが私との裁判に陳述書を提出するに際して、「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告していたとする事実も記載した方がよほど説得力を増すと思われる。

 ところが上記のとおり、2人とも陳述書に「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したなどという話はいっさい記載していない。そのような事実がなかったということと理解するのが合理的といえるのではあるまいか。つまり今回「行動する保守」Aの書面を代筆したと思われる行政書士は、本件裁判でかつて自分自身が作成・提出していた陳述書の内容とは矛盾する主張を行い、それによってかえって「行動する保守」Aの足を引っ張ってしまったということになろうか。

(つづく)
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第2次「行動する保守」事件 第29回
 私が肖像権を侵害されたとして「行動する保守」Aを提訴していた第2次裁判で平成24年11月13日、さいたま地裁川越支部は「行動する保守」Aに対して1万円の支払いを命じる判決を言い渡した。なおこの日、法廷には公安3名が傍聴に訪れ、傍聴席の後方ではいつもどおり裁判所職員2名が警戒にあたったが、「行動する保守」Aもその弟子も、支持者らしき人物も法廷には姿をみせなかった。

 判決主文は以下のとおりである。



(主文)

1 被告は、原告に対し、1万円及びこれに対する平成21年3月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求を棄却する。

3 訴訟費用は、これを100分し、その1を被告の、その余を原告の負担とする。

4 この判決は、第1項に限り仮に執行することができる。



「受忍すべき限度を超える」と認定

 判決文によれば、本件の争点は、

 本件(写真の)掲載行為は不法行為に該当するか。

 消滅時効の成否。

 ――の2点である。争点に対して裁判所はどんな判断をしたのか。まず、「争点1」に対する「行動する保守」Aの主張は以下のとおりだった(判決文)。

(「行動する保守」Aの主張)

〈原告は、本件街頭宣伝活動(筆者注=平成20年9月1日に行われた「東村山駅前街宣」)現場において、氏名を名乗らず、物陰からの盗撮及び無断撮影を繰り返し、不当な取材活動を行った。また、(行政書士ら)複数の本件街頭宣伝活動参加者から、無断撮影を続けるなら逆に原告の行為を撮影して映像を公開するという抗議及び意思表示を受けた後も無断撮影を繰り返した。したがって、原告は、原告の容ぼうの撮影及び当該映像の公開に対し、黙示の承諾をしていた。

 仮に承諾していないとしても、原告自身、本件街頭宣伝活動参加者に対する不当な取材活動及び後日の出版によって、被告を含む多数の肖像権を侵害していること、ジャーナリストには自身の肖像権だけを振りかざしたり、逆取材を拒否したりすることはできないという一定の職業上の受忍義務があると解すべきであることなどに鑑みれば、本件掲載行為は原告の受忍義務の範囲内にある。〉

 これに対して裁判官はまず、私に受忍義務があったかどうかについてこう述べた。



(受忍義務について)

 被告は、本件記事において、原告を「創価御用ライター」とした上で本件写真を掲載しており、その内容が直ちに原告の社会的評価を低下させるものとはいえないものの、このような本件掲載行為の態様等に鑑みれば、原告が被った人格的利益の侵害は、社会通念上受忍すべき限度を超え、不法行為法上違法であると認められる。



 裁判官はこう述べた上で、「行動する保守」Aが裁判で主張した内容について具体的に検討している。とりわけ重要と思われるのが、「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したと主張している点である。

「警告した」とする主張を排斥

「行動する保守」Aは当初は私に対してなんらの抗議もしていないことを自ら認めておきながら、私が浦安の行政書士を提訴したあと急に、私に対して「離れろ!」と警告した(にもかかわらず宇留嶋は撮影を続けた)などと主張を変遷させ、裁判中にも時間帯について変遷を重ねたという経緯がある。しかしこれまで見てきたように、「行動する保守」Aは私に対して「離れろ!」と警告したとする事実だけは撤回していない(本連載第26回、第27回参照)。

「行動する保守」Aが私に対して「離れろ!」と警告したとする主張が事実認定されるかどうかは、私の取材・撮影行為に違法性があったかどうか、すなわち本件写真の掲載について私の側に受忍義務が発生するかどうかに関わってくる重要な論点である。仮に裁判官が、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張を信用した場合には、私の請求を棄却する可能性がある。

 では裁判官は、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張についてどう判断したのか。



(私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張に対する判断)

〈前記1(4)の本件ブログ(筆者注=「行動する保守」Aの平成20年9月12日付及び同年10月11日付ブログ)の記載内容からすると、被告としては次回以降は取材を拒否する旨を述べているものと解するのが自然(である)〉

〈本件写真が撮影された午後3時30分すぎころに、被告やその他の本件街頭宣伝活動参加者が原告に対して取材拒否を申し入れ、仮に原告が取材を続行するのであれば被告側も撮影をすることを告げた上で本件写真を撮影したことを認めるに足りる証拠もない〉

 裁判官は直接的には述べていないものの、上記認定は、私に対して「離れろ!」と警告したとする「行動する保守」Aの主張を排斥したということである。

 裁判官はそのほかにも、

〈本件街頭宣伝活動が東村山駅前という公共の場で不特定の一般市民に向けて行われていることからすれば、これに対して写真撮影を含めた取材活動を行うことは一応許容されているものとみることができる〉

〈原告は被告に対して自分の氏名等を明かした上で取材を行っていること(なお、原告が氏名を明かしていたことは、本件街頭宣伝活動参加者が原告を「ウルシマ」と呼んでいることからも推認される〔乙5の1・2=筆者注=行政書士が撮影した動画〕)〉

 などの理由を加え、原告には受忍義務があったとする「行動する保守」Aの主張についてこう結論付けた。

〈原告が本件写真の掲載について黙示に承諾をした事実は認められないし、原告において自己の容ぼうを撮影、公開されることが受忍すべき限度内にとどまるとの被告の主張は失当であるといわざるを得ない。〉

「争点1」について裁判官は「不法行為に該当する」と判断したということである。

「消滅時効」も否定

 では「争点2 消滅時効の成否」についてはどうか。この点についても裁判官は〈被告は、時効消滅を主張するが、原告が本件訴訟が提起された平成24年4月20日の3年前より前に本件掲載行為について知っていたことを認めるに足りる証拠はない。〉などと述べて、時効に関する「行動する保守」Aの主張は「採用できない」と結論付けた。つまり争点1、2のいずれも「行動する保守」Aの主張を斥けたことになる。

 その上で裁判官は損害賠償の認容額について、〈本件街頭宣伝活動参加者から取材は拒否する旨の通告があったこと〉、それでも私が雑誌に「行動する保守」Aが写った写真を掲載し、彼らの街宣活動が〈「デマ宣伝」に乗せられたものであったなど批判的な意見を述べていること〉、〈本件写真の別の掲載行為についてはすでに別の裁判において被告に損害賠償の支払(筆者注=10万円)が命ぜられていること〉などのいっさいの事情を考慮すれば1万円が相当であるとした。

 この判決が確定するかどうかは現時点ではわからないが、平成20年9月1日に行われた東村山駅前街宣の際、私に対して「離れろ!」と警告したなどとする「行動する保守」Aの主張を認めなかったさいたま地裁川越支部の判断の意味は小さくないと私は考えている。「行動する保守」Aの主張は事実の捏造に基づくものであることを認定したに等しいからである。「行動する保守」の重鎮としてはあまりほめられた話ではないのではあるまいか。

(了)
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佐藤ブログ事件 第7回
 東村山市議、佐藤真和のブログに投稿されたコメントをめぐり、東村山市議の矢野穂積と朝木直子(いずれも「草の根市民クラブ」)が佐藤を提訴していた裁判は平成24年11月9日、最高裁が矢野と朝木の上告を棄却する決定を行った。これによって、矢野らの請求を棄却した東京高裁判決(平成23年12月21日)が確定した。

 矢野と朝木が問題としたのは次の3件のコメントである。



コメント1(平成19年6月29日付)

 ……(矢野と朝木らは)トラウマの原因と全く関係ない他人を攻撃(=八つ当たり)する事で、心の虚無を埋めようとする方々とお見受けしました。心理学では「共依存」? 「境界性人格障害」「攻撃性人格障害」「パワーゲーム」など幾つかの名を付けて分析・対処方法を研究しているはずです。

コメント2(平成19年7月6日付)

 私も、○○さんの見解は正しいと思います。草の根の人たちは病気なんです。他人を攻撃することで、自己のアイデンティティを保っているんですから。まあ、昔から住んでいる市民なら、みんな知ってることですが。

コメント3(平成19年6月29日付=投稿されたコメントに明らかな差別用語と判断できる文言が含まれていたため、佐藤の責任で修正したのちに再掲載したもの)

 矢野・朝木両市議が発行する東村山新聞(筆者注=「東村山市民新聞」の誤り)は、一読しただけで○○と判ります。この2人が市議として存在することが東村山の大問題ではないでしょうか。○○さんが挙げておられる心理学上の分類に「サイコパス」も追加させてください。



 コメント2、3はいずれもコメント1に対する感想であり、触発された意見である。矢野と朝木はこれらの投稿および、佐藤自身が第三者のコメントを修正して再投稿したことによって著しく名誉が毀損されたとして、佐藤に対し計300万円の支払いなどを求めて提訴していた。

佐藤は「特定電気通信役務提供者」であると認定

 この裁判では、コメント内容の評価以前の問題として、矢野は佐藤がプロバイダ責任制限法が定める「特定電気通信役務提供者」ではないから同法は適用されない――すなわち佐藤は名誉毀損にあたる投稿を放置して不特定多数の読者の閲覧に供した点において、いずれのコメントについても佐藤に不法行為責任があると主張していた。

 インターネット上の掲示板におけるコメントについては、そのすべての責任を無条件に設置者やプロバイダに負わせるべきではないという趣旨でプロバイダ責任制限法が制定されている。同法の適用を受けるのは特定電気通信役務提供者と認められる者である。本件において佐藤は、佐藤が同法にいう特定電気通信役務提供者に該当すると主張していた。

 まず東京地裁立川支部は、佐藤のブログ掲示板についてプロバイダ責任制限法が適用されるものであるかどうかについて検討し、次のように述べた。

〈プロバイダ責任制限法2条3号にいう特定電気通信役務提供者とは、特定電気通信設備を設置又は所有している者である必要はなく、特定電気通信設備を他人の通信の用に使用させていれば足りると解される。〉

 東京地裁は、佐藤が特定電気通信役務提供者であり、ブログ掲示板がプロバイダ責任制限法の適用を受けるものと認定したということである。

 また矢野は佐藤が修正した「コメント3」について「佐藤が修正したものを投稿したのだから、佐藤による発信である」(趣旨)と主張していた。この点について東京地裁はこう述べた。

〈本件……修正投稿は、……差別的用語の部分を削除するためにそのような形態を採ったものであり、プロバイダ責任制限法3条1項の適用上、被告ブログ掲示板の管理者である被告が発信者となる場合には当たらないというべきである。〉

 ここまでの段階で東京地裁は、佐藤のブログ掲示板がプロバイダ責任制限法の適用を受けるものであること、また上記3つのコメントはいずれも佐藤以外の読者による投稿であると認定したのである。

3つのコメントに対する評価・認定

 その上で東京地裁は、それぞれのコメントの内容について以下のように認定している。



(コメント1に対する評価・認定)

 パーソナリティ障害は、精神病ではないとはいえ、精神医学で取り扱われ、治療の対象となっているものであるから、その指摘が名誉毀損となるか否かの観点からは、やはり病気の一種であり、その指摘は事実の表明と認めるべきである。

(コメント2に対する評価・認定)

 上記「病気」の付加は、原告らが病気の一種であるパーソナリティ障害等を有するとの事実を表明したものと認めるべきである。

(コメント3に対する評価・認定)

 ……サイコパスが人格障害とほぼ同義と解されていることからすると、(コメント1)と同様に、原告らがパーソナリティ障害等を有するとの事実を表明するものと認められる。



 問題とされた3つのコメントについて東京地裁立川支部はこのように認定した。雑誌などの名誉毀損裁判では、上記のような記載によって提訴された場合、ただちにその真実性・相当性が問題となる。

 しかし東京地裁は、プロバイダ責任制限法における特定電気通信役務提供者の場合には、〈名誉毀損における真実性及び相当性についても、当該特定電気通信役務提供者が真実性及び相当性が存在しないことを知っていた(筆者注=同法3条1項1号)か、知ることができたと認めるに足りる相当の理由があること(筆者注=同2号)〉の立証が必要であると述べた。この判示によれば、投稿者本人が損害賠償責任を負った場合でも、特定電気通信役務提供者の責任が問われないこともあり得ることになる。

 したがって東京地裁立川支部は、3つのコメントの評価・認定に続き、佐藤がコメントの内容について真実性・相当性が存在しないことを知っていたかどうかを検討した。佐藤は3つのコメントの内容には真実性・相当性があると主張して多くの証拠を提出していた。

 この佐藤の主張に対して東京地裁立川支部はどう判断したのか。東京地裁立川支部はこれらの証拠を検討した結果、佐藤が3つのコメントを掲示板に表示した行為について〈被告ブログ掲示板の管理者である被告につき、同法3条1項1号又は2号に該当する事由があったと認めることはできない。〉とした上で、重ねてこう述べたのである。

〈かえって、後記イ~オに説示するとおり、原告らにはパーソナリティ障害等であることを疑わせるそれなりの言動及び行為があったものである〉

 一審の東京地裁は、むしろ佐藤にはコメントを削除しない相当の理由があったと認定したのである。

(つづく)
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佐藤ブログ事件 第8回
万引き被害者の提訴を揶揄

 佐藤が3つのコメント内容には真実性・相当性があるとして提出した証拠と記載内容は以下のとおりである。改めて紹介しておこう。

①「東村山市民新聞」第84号(1997年5月発行)

〈飛んで火に入る虫?〉〈「真犯人の指紋のついたTシャツのビニールカバーを保管もしないで、なぜ物的証拠もなしに朝木議員をTシャツ万引きの犯人扱いしたの」と指摘した本紙を女洋品店主が提訴。本人尋問ができ、逆に手間省け。〉

(筆者注)

 洋品店主(朝木明代の万引き被害者)が矢野穂積と朝木直子を提訴したのは平成9年4月1日である。なお矢野は「東村山市民新聞」では被告を「本紙」と記載しているが、万引き被害者が「本紙」を提訴した事実はない。提訴されたのは矢野と朝木である。彼らはその事実をぼかそうとしたものと思われる。

 平成7年6月19日、店主は朝木明代に万引きされたとして東村山警察署に被害届を提出、東村山署は目撃者の証言を得た上で同年6月30日、明代に任意出頭を求め、第1回目の取り調べを行った。普通なら、警察に被害届が出されたことを知った時点で観念するところである。ところが明代は警察に対して犯行を否認する一方、矢野穂積と共謀して被害者に対する威迫や嫌がらせを繰り返した。

 最初の取り調べ当日の夜には早くも洋品店を訪れ、矢野が「証拠もないのに訴えると罪になる」などと言い残した。矢野は裁判でその発言の存在そのものを否定したが、東京高裁は〈(矢野の主張は)事実に反するものと言わざるを得ない〉と矢野が店主を脅そうとした事実を認定している。その後も明代が洋品店に現れたり、執拗かつ威圧的な電話をかけるなどの嫌がらせを繰り返した。

 矢野と朝木は上記の実力による威迫行為に加えて、「東村山市民新聞」による情報操作を企てた。それが被害者が提訴した記事だった。提訴対象となった記事は以下のとおりである。



(平成7年7月19日付 第67号)

(タイトル)

〈だれの「陰謀」?〉

(本文)
〈東村山駅そばの店主が、こともあろうに「朝木議員が万引きした」などと警察に届出を出した。朝木議員には完璧なアリバイがある。警察はどう事後処理する考え?〉

※筆者注=被害者の店を明確に特定できる写真も掲載している。

(平成7年8月5日付 東村山市民新聞速報版)

〈朝木議員がこともあろうに「1900円のTシャツ」を万引きしたなどとデッチ上げた〉

〈「デッチ上げ」に暗躍しているのは創価公明集団だ〉

(平成7年8月15日付 東村山市民新聞速報版)

〈店主は聖教新聞をとっていた!!〉

(平成7年9月27日付 第68号)

(タイトル)

〈人権侵害のぬれぎぬ〉

(本文)
〈万引きの濡れ衣を着せた〉

〈「万引き」だと騒いでいる側は、以前から顔見知りの人物を証人にして証言させている〉

〈「万引き」のデッチ上げに暗躍した〉

(平成7年10月18日付 第69号)

(タイトル)

〈どちらが自作自演?〉

(本文)
〈朝木明代が「1900円のTシャツを万引きした」などととんでもない被害届を駅前交番に出した洋品店の女店主〉

〈まさか、決定的な証拠品のビニールカバーを店主や警察が処分したり、これが消えてたりしないでしょうネ。これは立派な「証拠隠滅」ですよ。〉

〈問題の女店主は……現場で朝木であることを全く確認していないのに、「犯人は朝木だ」と言いふらしているのです。〉

〈以前からの知り合いの人達の証言だけで明代を犯人扱いした女店主〉

(平成7年11月15日付 第70号)

(本文)

〈まさか決定的な証拠を保管もしないで無関係の朝木議員を犯人扱いし、警察へ駆け込んだというのなら取り返しのつかない人権侵害をしたことになる〉

(平成8年6月19日付 第71号)

(本文)

〈万引きねつ造から1年〉

〈「被害届」を出した女店主は決め手もないのに「朝木議員に間違いない」などとよくぞ言ったものです〉



 上記の表現を総合すれば、「洋品店主は創価公明と結託し、朝木明代を陥れるために証拠をねつ造して万引き事件をデッチ上げた」と主張するもので、「著しく名誉を毀損するもの」であるとして店主は提訴した。被害者にとって、明代に万引きされた上に、脅した相手である矢野からさらに「万引き事件を捏造した」と宣伝されるという状況がどれほどの精神的ストレスだったか、心中を察するに余りある。

 提訴することで再び証言台に立たされる可能性もある。しかし店主はあえて提訴に踏み切った。相当の覚悟を決めたということである。これに対して矢野は「東村山市民新聞」で〈飛んで火に入る虫?〉〈本人尋問ができ、逆に手間省け〉と被害者を揶揄し、挑発したのだった。

真実性も相当性も主張しなかった矢野

「東村山市民新聞」第84号では〈(店主は)物的証拠もなしに朝木議員をTシャツ万引きの犯人扱いした〉とも記載している。するとこの記事を読んだ読者は当然、矢野が裁判で「洋品店主は創価公明と結託し、朝木明代を陥れるために証拠をねつ造して万引き事件をデッチ上げた」とする事実の真実性・相当性を主張・立証するものと考えただろう。

 しかし事実はそうではなかった。矢野は裁判で、真実性の立証対象は「原告が本件万引き事件をねつ造した事実」ではなく「本件各記事に記載され摘示された具体的事実の主要部分や論評の基礎となる前提事実の主要部分である」などと常人にはきわめて難解な主張を行い、裁判所のたび重なる求釈明にもかかわらず〈被告らとしては、「原告が本件万引き事件をねつ造した事実」が真実であること及び被告らが右事実を真実と信じるについて相当な理由があったことについては主張立証しない。〉と述べ、現実に立証しなかった。

 裁判における主張から振り返れば、〈飛んで火に入る虫?〉〈本人尋問ができ、逆に手間省け。〉などとする「東村山市民新聞」における矢野の主張はただのハッタリか万引き被害者に対する揶揄、挑発だったと評価されても仕方ないのではあるまいか。いずれにしても、朝木明代が万引きを苦に自殺を遂げたあともなお「万引き捏造」を主張し、謝罪するどころか万引き被害者をあざ笑うこの記事を、佐藤が投稿を削除しなかった理由の1つとして主張したこと、また東京地裁立川支部が佐藤の主張には理由があると認めたこともうなずけよう。

 なお万引き被害者が矢野と朝木を提訴した裁判で東京地裁は平成12年11月29日、「東村山市民新聞」の一連の記事について〈原告が、創価学会や公明党と共謀の上、本件万引き事件をねつ造して故明代を罪に陥れようとしていると主張し、右事実を摘示したものと解釈するのが相当である。〉などと認定して矢野の難解きわまる主張を排斥、矢野と朝木に対して100万円の支払いを命じる判決を言い渡し、確定している。

「鉄砲玉」にさせられた「行動する保守」一行

 余談だが、この判決から8年後の平成20年9月1日、矢野の主張を鵜呑みにした「行動する保守」と称する珍しい集団が万引き被害者の店に大挙して押しかけたことは記憶に新しい。彼らは被害者の店の前で「万引きのでっち上げを許さないぞー」「洋品店○○(店の実名)の万引きでっち上げを許さないぞー」「ブティック○○(店の実名)の万引きでっち上げを許さないぞー」「朝木明代さんの謀殺を許さないぞー」「万引きでっち上げの店○○(店の実名)を許さないぞー」「創価学会の万引きでっち上げを許さないぞー」「万引きでっち上げの店を許さないぞー」などとシュプレヒコールを繰り返した。

「行動する保守」らはこのとき、矢野がかつて同じ内容の宣伝をめぐって提訴され、真実性・相当性の主張・立証を放棄していた事実、100万円の損害賠償を支払った事実を知る由もなかったのだろう。だから矢野はもう、万引き被害者に対して「万引きを捏造した」とはいえないのである。しかし矢野の能弁に乗せられた「行動する保守」らは、矢野の身代わりとなって被害者に罵声を浴びせた。いわゆる鉄砲玉にさせられたと言い換えてもよかろう。「行動する保守」らが仮に提訴されていればどうなったかは、あらためていうまでもあるまい。

(つづく)
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