ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

『聖教新聞』事件 第40回
詭弁に加担した代理人

 再び被害者から「違う」と断定された代理人はとうとう詭弁に走ってしまう。

 代理人は「再現画像」とともに朝木がベージュのスーツを着て正面から撮影したカラー写真を示し、2つの写真に写ったスーツが同じものであることを被害者に確認させた。だからといって「再現画像」と本物の「静止画像」との同一性が立証されたわけではないが、その上で代理人は、被害者に「ちょっと聞いていてもらいたいんですが」と前置きしたあとこう説明した。

代理人  ……その写真(筆者注=矢野が作成した「再現画像」)はその(筆者注=本物の「静止画像」)再現ですから、そのものではありませんが、そうすると、その防犯カメラに撮影された写真(筆者注=矢野が作成した「再現画像」)というのは、朝木さんそのものであることは間違いがないんです。ということは、その写真とあなたが見た人物とが同じ服装をしている、あるいは同じ特徴を持っているということがあってはじめて、あなたがいっている朝木さんが朝木明代さんだということがいえるわけなんですね。

 代理人はなんらの客観的な根拠もなく、強引に、「再現画像」が本物の「静止画像」そのものではないが、「再現画像」に写っている服装は本物の「静止画像」に写ったものと同じだといっているようだった。代理人とて、この理屈がとんでもないごまかしであることを知らないはずがあるまい。ところがこの代理人は、本物と同一という裏付けがないことが明らかであるにもかかわらず、被害者の目撃した服装と「再現画像」の服装が一致してはじめて明代が犯人といえるなどという詭弁を弄したのである。弁護士として恥ずかしくはなかったのだろうか。

 ただ、ここまで矢野の主張に沿った理屈を述べたあと、代理人はむしろ「再現画像」の信憑性に問題があることに気づいていることを告白するかのような質問をするのだった。代理人はこう聞いたのである。

代理人  そうすると、あなたが事情聴取を受けたときに見せられた写真の特徴は、あなたが見た犯人だというその人の特徴と一致したということなんですね。

 これでは、「再現画像」のスーツと被害者の証言するスーツとは異なるとする矢野の主張、および本物の「静止画像」のスーツと「再現画像」のスーツは同一であるとする主張のいずれにも反することになる。もちろんこの質問に対して被害者は、なんらの迷いもなく「そうです」と答えた。

 すると代理人はさらにこう聞いた。

代理人  だけども、少なくとも今お見せした148号証の1(=「再現画像」)、あるいは140号証の1(=朝木がモデルのカラー写真)、この服装とは違うということなんですね。

 被害者は「違います」と答えた。2つのやりとりを聞くかぎりでは、矢野の代理人はあたかも被害者の主張を引き出そうとしているようにも聞こえた。

完璧に否定された「再現写真」

 いずれにしても、この2つのやり取りで矢野の代理人が被害者から念入りに確認したのは以下の3点である。



(矢野の代理人が尋問で被害者から確認した内容)

①被害者が見た万引き犯の服装と東京地検が保有している「静止画像」に写った明代の服装が一致してはじめて明代が万引き犯といえること。

②被害者は東村山署で「静止画像」を見せられて、万引き犯の服装と静止画像の明代の服装が同じであることを確認したこと。

③被害者は矢野が作成した「再現画像」と本物の「静止画像」とでは服装に違いがあると供述していること(=矢野が作成した「再現画像」はニセモノという趣旨)。

④また「再現画像」の服装についても被害者は万引き犯の服装とは違うと供述していること(=同上)。



 ここまで聞けば、代理人にも被害者が「再現画像」をニセものといっていることは理解できただろう。しかし代理人はさらに、「再現画像」の信憑性のなさをダメ押しする質問を行う。代理人は万引き犯の服の色について被害者が証言する「グリーングレー」が「緑っぽいグレー」であることを確認した上で、朝木がモデルとなって撮影したカラー写真を示してこう聞いた。

代理人  この服装は、グリーングレーですか。

被害者  いえ、私はそうは思いません。

 この供述をやや曖昧と受け取ったのか、代理人はさらに聞いた。

代理人  グリーングレーではないんですね。

被害者  はい。

 明代のスーツの色は「ベージュ」だったとする矢野の主張を代理人は信用しており、カラー写真を見せることで被害者の供述になんらかの変化が生じる可能性があると考えたのだろうか。しかし被害者の供述に変化がなければ、最後の質問は、被害者の主張するスーツの色を再確認するためだけのものになってしまおう。その心中は定かでないが、矢野の代理人はこれだけ聞くと「再現画像」に関する質問を切り上げた。

 万引き事件当日、明代が着ていたのは「ベージュ」のスーツだったとする矢野の主張が事実と仮定すれば、被害者は「グリーングレー」と証言しているから明代は万引き犯ではないということになる。ただその前提として、矢野が作成した「再現画像」と本物の「静止画像」に写った明代のスーツの同一性が確認されていなければならない。しかし、そもそも矢野は両者の同一性を立証しておらず、被害者は両者の同一性を否定した。

 矢野の代理人はこの尋問で、「再現画像」と本物の「静止画像」のスーツが同一であるかのように説明し、被害者から「同じ」という供述を引き出そうとしたようにみえる。しかしそれでも被害者は同一性を否定したのである。

 この尋問の風景が、裁判官の目にどう映ったのか。判決の重要な要素の1つであることだけは間違いないと思われた。

(つづく)
TOP
矢野穂積(草の根市民クラブ)が9月議会を「全休」
3月から早退繰り返す

  東村山市議、矢野穂積と朝木直子(いずれも「草の根市民クラブ」)が年4回(3月、6月、9月、12月)発行している政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』が、平成27年6月分に限ってはひと月遅れの7月31日付で発行された。3面の記事によれば、矢野は〈3月末から3カ月間〉入院したというから、6月末から7月の頭に退院して7月末の発行にこぎつけたということだろうか。

 矢野は3月議会から6月議会にかけて早退や遅刻を繰り返している。すると6月議会については入院先の病院から議会に出席していたようである。確かに当時、矢野は自宅とは反対方向(東村山駅方向)から市役所に歩いているのを目撃されている。市役所から東村山駅を過ぎてさらに北に向かうと入院可能な病院がある。

 退院して体調は回復したのだろうか。9月1日に開かれた東村山市議会9月定例会の初日、矢野は10数分も遅刻して本会議場に入ってきた。その足元はフラついており、どことなく痩せたようにみえる。その様子入院先の病院から議会に通っていた6月から改善されたようにはあまり感じられなかった。

 それでも7月31日付のビラでは〈関係者には大変ご心配をおかけした〉などと記載している。たまたまその日にかぎって調子が悪かっただけかもしれない――そう思っていた。

「9月定例会を休む」との届出

 ところがそれから1日の休みを挟んで開かれた9月3日の本会議では、朝木を通して事前に「矢野さんは今日は欠席する」との届出があった。そのとおり、矢野はこの日、終日会議を欠席した。6月議会では午前中は出席して午後早退したことはあったが、会議を終日欠席することはなかった。終日欠席するとは、まだ体調が戻っていないのだろうか。

 翌日の9月4日になって、矢野の体調があまり思わしくないらしいことがはっきりした。矢野は朝木を介して、今度は文書で「9月4日以降の9月定例会を全休する」との届出を、診断書を添えて提出したのである。なお、届出書には「出席できる場合には出席することもある」旨の記載もあったという。

 東村山市議会会議規則第2条には、〈議員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。〉と規定されている。矢野は会議規則に従い、議長に欠席する旨の届出をしたわけだが、その「理由」が、添付された診断書ということになる。

 診断書の内容(病名)までは開示されないが、矢野がビラで自ら明らかにした入院の原因と同じとみるのが自然だろう。その上に、肋骨を骨折したという話も聞こえている。足の衰えから転倒でもしたのだろうか。ただ「何者かによって突き倒された」とは主張していないようである。

 9月4日からは一般質問が始まった。矢野は9月8日に質問に立つ予定で、すでに通告書も提出していたから、多少無理をしてでも一般質問だけには出席する可能性もあると思われた。しかし9月8日も、開会前に議長から矢野が欠席する旨のアナウンスがあり、矢野はこの日も出席しなかった。

1年前の主張

 ところで、ほぼ1年前に発行された平成26年6月30日付『東村山市民新聞』第182号には〈公明市議、4カ月長期欠席を続ける〉との記事があり、矢野は次のように主張している。



(ビラ第182号の記載)
 
 公明・小松賢市議が今年3月議会の2月28日から4カ月以上も長期欠席を続けており、6月市議会も……結局、1日も会議には出席しなかった。むろん、報酬は毎月うけとっている。

 欠席が続いているのに、診断書が提出されたのは、6月市議会が始まってからで、それまでは欠席理由さえ明らかにされてなかった。

 過去にも長期欠席していた自民・伊藤順弘市議は……任期を2年残して途中辞職している。

 途中で辞職するとすれば、小松市議には気の毒な話だが市議というのは、公職だ。



 要するに矢野は、「長期欠席するのなら辞職すべき」と主張しているのである。矢野は平成26年9月30日付第183号でも〈公明市議、半年以上長期欠席を続ける〉とタイトルを変えてほぼ同じスペースで同様の主張を行い、「辞職すべき」との批判を繰り返した。

 市議会議員は市民の負託を受けた存在であり、第三者がその出処進退について軽々に口にすべきものではない。そのことを前提にいわせてもらうと、上記の主語を「矢野」に入れ替えれば、「終日の休み」と「早退」の違い、また期間の差こそあれ、9月議会を初日に出席しただけで全休する矢野自身にそのまま跳ね返ってこよう。

未来を予見したかのような記載

 平成26年12月15日付第184号になると矢野は、1面で〈公明・小松市議、10カ月もの長期欠席〉として同様の批判を繰り返し、さらに3面では次のように主張している。



(ビラ第184号の記載)

 仮に病欠の場合、10カ月もの長期にわたって、欠席しているのだから、尋常な状態ではない。会議出席が中心の公務ですらできないとすれば、はやく職を辞して、治療に専念すべきだろう。



 小松は平成27年4月の市議選には立候補しない道を選んだ。政治家らしく自ら引退を決断したのである。

 一方、矢野は平成27年3月末から6月まで入院して病院から議会に通い、さらに9月議会は初日に出席しただけであとは全休するという。〈10カ月もの長期〉というわけではないが、「尋常な状態」なのかどうか。

 というよりも、この記事はまるで9カ月後の自分を予見していたかのようでさえある。ただ矢野の場合は、病気だけでなく、公選法違反で朝木直子とともに告発された身だというおまけ付きではあるが。

(了)
TOP
政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成27年第186号)--その1
衝撃的なトップ記事

 平成27年3月末から3カ月間入院していたという矢野は、通常なら東村山市議会定例会の終了後(6月定例会後なら6月中)に発行している『東村山市民新聞』を、ひと月遅れの同年7月31日付で発行した。退院直後に発行したと思われる最新のビラ第186号はいつにもまして他の議員らに対する攻撃的傾向を露にしているように感じられた。

 とりわけ1面トップは、〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉〈創価、元市議らが仲介して〉〈言葉巧みに、一般市民から、借りて1860万円も返さず〉という衝撃的な見出しの「告発」記事である。タイトルからすれば、「公明市議が1860万円の詐欺に関与した」という記事であると理解できる。

 何があったというのだろうか。記事を要約すると以下のとおりである。

「東村山市内のある女性が元公明党市議Y(筆者注=記事は実名)の紹介で創価学会員のマッサージ師Mと知り合い、Mの仲介でMの妹Sに3年間で2140万円を貸すことになった。しかし返済してくれないため被害者は返済を求めて東京地裁立川支部に提訴し、毎月30万円ずつ返済することで和解が成立したものの、返済は1年で滞り、1860万円が返金されていない。

 被害者はYに相談したり、Mを介して督促したが状況に変わりはない。」

 こう説明した上で矢野はYについてこう非難している。

〈Y元公明市議は口では被害者女性の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが、結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。〉

 矢野の記載によれば、Yは見出しのとおり、詐欺行為の「共犯」ということになろうか。

 また記事は、「被害者が金を貸した直接的な相手であるSが東京都内でも別の女性から8000万円を詐取したとして懲役2年半の実刑判決を受けて服役している」とした上で、Yについて再びこう非難している。

〈Yは、こういった詐欺行為を働く人物達と懇意にし、被害者を放置したままだ。〉

 Sが実刑判決を受けて服役しているのは事実らしいが、YはそのSとも懇意にしており、だから被害者を放置しているという。矢野の記載によれば、このYは詐欺師に等しいように受け取られよう。

 さらに矢野は3面でも〈本山破門「ご本尊」放棄の政治集団化の先は、「詐欺集団」?〉〈新興宗教の衣を脱ぎ捨てた集団〉と題して再度事件を取り上げ、〈こういう人たち(=Yら)が公明党の議員というのですからあきれます。〉と結んでいる。この記事では「Yだけでなく創価学会・公明党とは、このような『詐欺行為』を平気で行う集団だ」と主張を拡げているのだった。

 少なくとも仮にYに関する矢野の主張が事実とすれば、被害者は詐欺の共犯としてYを告訴あるいは直接返金を求めるべきだし、矢野も朝木も被害者から相談された立場として回収を支援しなければなるまい。

Yの証言

 Yが1860万円の詐欺事件に関与したというのは事実なのか。さる9月1日、議員控室前ロビーで9月定例会の開会を待っていると、偶然にも別の用事で議会を訪れていたYに会った。そこでビラ186号に記載された「詐欺事件」について取材させてもらうことができた。

「Yさん、『詐欺事件に関与した』と書かれてますが」

 そう話しかけると、Yは困惑の表情を浮かべてこう答えた。

「(私に関する部分は)全部ウソなのよ」

 具体的にどういうことなのか。

 Yによると、被害者がSに2140万円を貸し、いまだ1860万円を返してもらっていないというのは事実だった。しかし、「Yが詐欺に関与した」などという事実は断じてないという。だいいち、YがMを被害者に紹介した事実はない上に、被害者がMの妹であるSに多額の金を貸して、何かおかしいと感じて最初に相談に行ったのがYだった。Yはそのとき初めて、被害者が金銭トラブルに巻き込まれていることを知った――というのである。

 それだけではなかった。被害者から相談をもちかけられたYは、被害者とMを伴って東村山署に相談に行った。すると、「それは詐欺に当たるので弁護士に相談した方がよい」とアドバイスされたという。そこで被害者に知り合いの弁護士を紹介し、貸金の返済を求めて提訴した。その結果、毎月30万円ずつ返金することで和解が成立し、一部が返金されたというのだった。

 つまりYの証言によれば、Yは被害者から相談され、貸金を取り戻すために尽力したのであって、詐欺に関与したなどとはとうていあり得ない話ということになる。詐欺に加担したというのなら、被害者とともに東村山署に相談に行ったとき、被害者がYの責任を訴えたとしてもおかしくないが、そのような事実はない。また返金訴訟を起こした際に、Yもまた被告として訴えられていなければならないが、その事実もない。それは和解調書からも明らかだろう。

 そうなると、「詐欺に元公明市議が関与した」とするビラ第186号の記事は、Yと創価学会に関する記載についてはまったくの虚偽ということになるのではあるまいか。記事をめぐりなんらかのかたちで責任を追及された場合、矢野と朝木は「Yは詐欺に関与した」とする事実を立証しなければならないが、はたしてそれができるのだろうか。

(つづく)
TOP
政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』を読む(平成27年第186号)--その2
佐藤にも八つ当たり

 退院したばかりで虫の居所でも悪かったのかどうか、ビラ186号の攻撃の矛先は元公明党市議だけでなく、矢野が誹謗中傷を続けてきた佐藤真和(「ともに生きよう! ネットワーク」)や大塚恵美子(同)にも向けられている。安保法案をめぐり市議会野党が協力して市民に向けた意思表示を行おうとしていた際、矢野の発案したやり方に佐藤や大塚が同調しなかったことが、どうもその発端らしかった。

 タイトルはこうである。

〈実際は、親公明の戦争法案に、反対でないのに、本音隠して、野党系の街頭行動に「参加」!〉

〈佐藤まさたか市議、野党系のふりして本音隠す〉

 佐藤は安保法案に反対する街頭活動に参加している。当初は佐藤も法案反対の意思を市民に伝え、その理由を訴えるために矢野や共産党、民主党議員らと協調する予定だった。ところが矢野らは佐藤や大塚の知らないところで、彼らの顔写真と名前入りのビラを作成して市内に新聞折り込みすることを決定した。これに対して佐藤は、顔写真や名前を入れる必要はないし、駅頭などで市民に直接手渡せばよいとして、このビラの作成に関しては参加しないことにした。

 それだけのことだった。ところが矢野は、佐藤が彼らのビラに参加しなかったことをもって、〈佐藤市議の本音が、まる見えになった。〉つまり「佐藤は、本音のところでは安保法案に賛成なのだ」と主張しているのである。とんでもなく短絡的な決め付けというほかない。

 さらに3面では大塚市議にも言及し、〈生活ネット大塚市議は与党? 野党?〉とのタイトルで次のように記載している。

〈生活者ネットの中央の組織は、戦争法案反対の姿勢を貫いているが、……東村山では……(法案に反対する)議員の顔写真入りでチラシの新聞折込を……したが、……大塚市議は佐藤市議と一緒にこれに加わらなかった。

 佐藤市議は与党の公明党市議らと同じ行動をとった。ここでも、本音は与党・公明党と同じ立場のようだ。〉
 
「ビラに参加しない」という点において佐藤は公明党と同じ行動をとったということにすぎない。「矢野のビラに参加するかしないか」ということと、「法案に賛成か反対か」をイコールで結んでしまうとは冷静かつ合理的な判断とはいえまい。
 
弱々しい書き出し
 
 ところで矢野は、4面で〈矢野議員3カ月入院、続くいやがらせ〉と題する短い記事を掲載し、その中でわずか14行、矢野と朝木が公選法違反容疑で告発されたことに対する反論らしきものを述べている。ただ論理の混乱が著しく、何がいいたいのかよくわからない。矢野はこう述べている。

〈草の根のストーカーのような行動をとっている人物らがいやがらせをしているが、この市民新聞が松島大臣の団扇と同じだというのは、思い込みにも程がある話だ。

 市民新聞は、営利目的で発行している新聞ではないが、「有価物」をタダで一般市民に配布している(寄付している)などと、表現や言論の自由を知らず、勝手な解釈をばらまいている。つける薬がないものか。〉(筆者注=ビラではこれだけで14行分)

 矢野と朝木は今年4月に執行された東村山市議選の1カ月前、選挙を有利にすることを目的に「定期購読料1部150円」と明記した『東村山市民新聞』第185号を市内に無料配付した。上記記事では、それが公選法の禁じる「寄付行為」に当たるのではないかとして告発された(告発人は千葉英司と私ほか1名)ことについて一言の説明もない。いきなり「市民新聞が団扇と同じというのは思い込みにも程がある」などといわれても、事情を知らない読者には何のことか理解できまい。「草の根のストーカーのような行動をとっている人物ら」というのが誰のことなのかも不明である。

 そんな冒頭から弱気が透けて見えてしまう記事であっても、矢野としては何か言い返しておかなければ気がすまなかったのか。あるいは、告発受理を報じた『読売新聞』多摩版を読んだ支持者から問い合わせでもあり、反論したフリでもしておかなければしめしがつかなかったというところだろうか。

 いずれにしても、矢野が一応であろうと「反論」しているので、告発した側としても矢野の反論に再反論しておこうと思う。

支離滅裂な反論

 矢野はわれわれが〈市民新聞が松島大臣の団扇と同じだ〉といっていると主張している。われわれは「有権者に無料配布されたものという点では同じだが、『市民新聞』の配布主体が発行主体と同一であること、ビラが特定の選挙を意識したものであるという点において大臣のうちわとは異なっており、公選法に違反している」と主張している。ただ反論全体を読むと、矢野は公選法に踏み込んで反論しようとしているのではなく、「『東村山市民新聞』は『うちわ』などとは違い、言論の自由が保障されたもので一緒にするな」といっているだけのようでもある。

 要は、「『東村山市民新聞』は言論の自由が適用される格調高いものだから、うちわとは違うぞ」という矢野らしい独りよがりのプライドをちらつかせたということなのだろう。しかしうちわだろうと扇子だろうと、そこになんらかの主張が記載されれば、その主張は言論とみなすことができるし、その言論は言論の自由が保障される対象となることに変わりはない。したがって、単純に「団扇と市民新聞は違う」という主張自体も誤っていよう。しかもわれわれは、「ビラは団扇と同じで言論の自由はない」などと主張しているのでもない。矢野はいったい何がいいたいのだろうか。

 矢野と朝木は公選法違反容疑(寄付行為)で告発されたわけだから、「公選法違反には当たらない」とする趣旨の反論を行うべきだろう。しかし記事には不可解なことに、「公選法」の文言さえ存在しない。記事では〈「有価物」をタダで一般市民に配布している(寄付している)〉とわれわれの主張を記載しているものの、それに対する直接的な反論はなく、なぜか「言論の自由」の問題にすり替えられている。

 また矢野は〈市民新聞は、営利目的で発行している新聞ではない〉と主張しているが、この主張も趣旨不明としかいいようがない。公選法が問題にしているのはそれが「有価物であるかどうか」であって、「営利目的であるかどうか」ではない。

 つまり告発に対する矢野の反論を総合的にみると、著しく論理性を欠いた支離滅裂なものというほかない。われわれの告発が「つける薬のない(馬鹿げた)もの」で、公選法に違反していないというのなら、公選法の規定に基づき、根拠を示した上で反論すればよかろう。東京地検の取り調べがあったと仮定して、矢野は検事に対してまさか「言論の自由」などというわけのわからない主張をしたのだろうか。

(了)
TOP
『聖教新聞』事件 第41回
尋問の順序を入れ替えた主張

 これまで矢野が作成した明代の「再現画像」に対する万引き被害者と千葉の供述を、『東村山の闇』に記載された順序で紹介してきた。ただ前述したように、矢野が『東村山の闇』で記載した順序(千葉-被害者)は実際の尋問(被害者―千葉)とは逆順になっている。矢野はなぜわざわざ被害者と千葉の順序を入れ替えたのだろうか。

 普通に考えれば、尋問が行われた順序で説明していけばいいと思う。しかし矢野はあえて順序を入れ替えた。それには理由があるはずである。

 矢野が2人の順序を入れ替えた主張を最初に行ったのは本件一審における最終準備書面においてだった。まずその主張をみてみよう。矢野は先に千葉の供述を取り上げた。



(「再現画像」に関する矢野の主張①――準備書面)

 ……千葉元副署長は、……捜査記録の右写真(筆者注=本物の「静止画像」)を見た時の認識と(筆者注=「再現写真」との)の違いを「服はどうですか」と聞かれた際、同人は、

「雰囲気としてはよく似ておりますね。鮮明ですね」

 と、躊躇なく明快に供述した。

 これによって、……捜査報告書に添付された右静止写真に写った故朝木議員の服装と、……「再現写真」に写った服装との同一性が確認されることとなったのである。



 最終準備書面で、「再現画像」について矢野は、千葉が本物の「静止画像」に「似てますね」と供述したと最初に印象付けていた。しかも矢野は、千葉が「同じ」と供述したのではなくたんに「似ている」と供述しただけであるにもかかわらず、「『再現画像』は本物の『静止画像』と同じ」と供述したと強引に決め付けた。

 これ以降、矢野は「千葉が『再現画像』と本物の『静止画像』が同一と認めた」ことにした上で、それを前提に主張を組み立てている。そのためには、現実には先に尋問が行われた被害者の供述(『再現画像』と本物の『静止画像』(すなわち万引き当時の明代の服装そのもの)の同一性を否定)ではなくその後に行われた千葉の尋問を先に見せる方が、印象的にも論理的にも自然なかたちで、「『再現画像』と『静止画像』の同一性」を印象付けることができると矢野は考えたのだろう。

 またそうすることによって、「『再現画像』と本物の『静止画像』は同一ではない」とした被害者の供述の印象を弱め、あるいは場合によっては被害者の供述を忘れさせる効果を期待したのではあるまいか。そう考えなければ、わざわざ尋問の順序を入れ替える必然性はない。

都合のいい部分だけを採用

 さて最終準備書面で矢野は、千葉が「千葉が『再現画像』と本物の『静止画像』が同一と認めた」と決め付けた上で次のように主張している。



(「再現画像」に関する矢野の主張②――準備書面) 

 また、被告○○(筆者注=被害者)でさえ、……「再現写真」のスーツと、同じスーツ等を着用して撮影したカラー写真(筆者注=朝木直子が「再現写真」のスーツを着て撮影した写真)に写ったスーツが一致することを供述した。

……

 なお、被告○○自身(筆者注=被害者)、尋問の際、右カラー写真を示された上、写っている故朝木議員のスーツの色は「グリーングレー」(筆者注=被害者が見た明代の万引き時のスーツの色)かと聞かれた際、「グリーングレー」ではないと、明快に供述をした。



 最終準備書面で矢野が、「再現画像」を使用した尋問に基づいて主張した記載は以上である。

「再現画像」によって明代のアリバイが証明されるためには、

①「再現画像」と本物の「静止画像」に写ったスーツが同一であること

②「再現画像」に写ったスーツの色(ベージュ)が、被害者が現場で目撃した犯人のスーツの色(グリーングレー)と異なっていること

 ――という2つの条件がクリアされなければならない。矢野の主張において、千葉が「『再現画像』は本物の『静止画像』と同じ」と供述したことにしたことで、まず①の条件はクリアされた。最終準備書面では、その上で被害者の、朝木直子が着用したカラー写真と「再現画像」のスーツが同じであるとした供述、およびそのカラー写真の色は犯人が着ていたスーツの色とは異なるとする供述のみを拾い上げ、「静止画像」に写った明代のスーツの色は被害者が目撃した万引き犯のスーツの色とは異なると主張しようとしていたのである。したがって、当日の明代と万引き犯の服装は異なるから、万引き犯は明代ではないと。

 被害者と千葉の供述を法廷で連続的に見ることなくこの主張だけを読んだとすれば、裁判官が矢野の主張には合理性があると錯覚しないともかぎらない。それが矢野の狙いだったのではあるまいか。しかも矢野はここで、被害者が「『再現画像』のスーツは本物の『静止画像』に写ったスーツとは違う」と供述したことについてはいっさい触れない。それに触れれば、矢野が作成した「再現画像」がニセ物であることがばれてしまい、明代のアリバイを証明するための論理がたちまち破綻するからである。

裁判官を騙そうとした矢野

 この準備書面では、千葉が「『再現画像』は本物の『静止画像』と同じ」と供述したことにしたものの、被害者については「再現画像」と「静止画像」の同一性に関する供述には触れず、「再現画像」に写ったスーツが「グリーングレーではない」と供述したことを主張するにとどまっている。「『再現画像』と本物の『静止画像』に写ったスーツが同一」で、それが「グリーングレー」でなければ、万引き犯の服装とは違うことになるからそれで十分と考えたのだろうか。

 矢野の思惑どおり「再現画像」によって明代のアリバイが認められるには、「再現画像」と「静止画像」が同一であることが認定されることが最低条件である。最終準備書面で矢野は、主張の前提に千葉の尋問を持ち出して千葉が同一性を認めたことにした。しかしそもそも、千葉の供述を「同一性を認めたもの」と断定するにはかなり無理があることは明らかである。

 その上に、裁判官は千葉の尋問の前に被害者が「本物の『静止画像』に写った明代の服装は万引き犯と同じ」と供述したこと、「『再現画像』と『静止画像』が同じではない」と供述したことなどを目の前で確認している。またそのほかにもすでに、レストランで矢野とともに食事をしていたとするアリバイが崩されたこと、矢野と明代が被害者を脅していたことなど、明代の万引きを裏付ける多くの事実の存在を裁判官はすでに認識している。その裁判官が、「再現画像」をめぐる最終準備書面の矢野の主張を受け入れるとは思えなかった。

(つづく)
TOP