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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)  第20回
議会を壟断した市長の思惑

 土地・園舎の原資はすべて1億3500万円の借金、その大半を補助金(国民の税金)で返済し、完済後はめでたく自分のものになるという、公金による私有財産形成の巧妙なカラクリと、子供を後回しに返済を最優先した施設と保育計画――。このような認可保育園を東村山市議会は容認するのか。りんごっこ保育園をめぐり議会の良識が問われた東村山市議会の補正予算審議は平成16年9月30日、市民が誰一人として思いつきもしなかった醜悪な幕引きを迎えた。――


「こんなかたちで議会の意思を封じ込めることは許されない」

「早く議会を再開しろ」

 平成16年9月30日午後12時、東村山市議会を傍聴に詰めかけた50人近い東村山市民は、市民の意思を付託したはずの議会に対するたとえようのない無力感と怒りに打ち震えた。 

 りんごっこ保育園への予算支出を審議する東村山市議会は、予定から6時間30分遅れの9月30日午後8時にようやく実質審議が始まった。しかし10時40分過ぎ、渡部尚議長(現東村山市長)が「休憩」を宣言して議場を退出したまま、会期の時間的終期である9月30日午後12時までに会議を再開しなかった。会期の延長を決定しないまま終期を過ぎれば時間切れとなり、議会は議決をしないまま終了するという規定に基づき、議会が議決すべき議案を議決しなかったものと市長がみなせば、(それが正当なものであるかどうかは別にして)市長の判断で予算を執行できるのである(専決処分)。

開園日を和解事項に盛り込んだ真意

 りんごっこ保育園の認可をめぐり、施設長高野博子から提訴されていた細渕一男東村山市長が議会の意向を無視して和解に向けた合意を成立させて以降、議会をはじめ市内のあらゆる反対を押し切っても保育の実施に踏み切ろうとしているのはすでに明らかだった。

 和解に向けた合意内容とは、

①高野は損害賠償請求を取り下げ、認可再申請を行う。
②東村山市は10月1日開園に向けた事務を進める。
③東京都は認可する。

――というものである。

 これに従って東村山市は8月15日発行の市報で園児募集を行い、9月15日の段階で59名の入園児が決定、9月23日、りんごっこ保育園はすでに入園説明会を行っていた。

 一般に行政が予算執行を伴う施策を決定するには予算の裏付けが必要である。予算を支出するには、義務的経費を除いて議会の承認(議決)がなければならない。りんごっこ保育園の予算もまた義務的経費ではなく議会の議決を必要とした。仮に合意どおりに東京都が認可決定を出したとしても、東村山市議会で予算が承認されなければ東村山市は予算の支出ができず、りんごっこ保育園について認可保育園としての保育の実施はできない。認可権限を持つ東京都の担当者も、仮に認可を出して保育の実施ができなかったとしても、それは東村山市の事情でやむを得ないとする見解を述べていた。法律的には「認可」=「保育の実施」ではないのである。

 ところが、なぜか市長は和解に向けた合意事項の中に、予算の裏付けがないにもかかわらず「10月1日開園」という項目を盛り込むことに同意していた。開園日が決まれば当然、8月には園児募集を行い、入園児の審査もしておかなければならないことになる。

 いかに認可権限を持つ東京都が認可したとしても、実施者(東村山市)の判断を抜きに開園させるなどということは地方自治の本旨に反しよう。地方自治体の意思を無視して保育の実施を強制するなど、今の時代にできるはずがないし、法律的にも不可能なのである。

 裁判所で東京都が認可することに同意したことに基づき、東村山市がそれをただちに保育の実施を意味すると即断したところに、東村山市の地方自治体としての主体性のなさ、地方分権に対する認識の顕著な遅れをみごとに顕していた。

 しかし、これがもともと細渕市長の狙いだったのなら、開園日を先に決めたことにも相当の理由があったことになる。本来、東村山市は予算の裏付けを得た上で開園日を決定し、入園募集を行うべきだった。しかしその後の行政の動きは、既成事実を先行させることで議会の動きを制限する意図だったことを示していた。

保健福祉部次長の虚偽説明

 平成15年3月、りんごっこ保育園の認可計画が関係者にさえ情報開示されないまま水面下で進められてきたこと、その保育環境が劣悪であることを理由に議会が予算を否決したのち、同12月には、このような混乱を防止し、東村山の保育の水準を守ることを目的として市長の委託により東村山市は「東村山市私立保育所設置指導指針」(=ガイドライン)を策定している。その中には、認可保育園申請までには児童育成部会で慎重に検討することなどの条件が盛り込まれている。当然、今回の認可申請もガイドライン策定後のことであり、その適用を受けることになる。

 しかし、児童育成部会にはかれば園庭や定員の問題が出て、改善を迫られることは必定であり、それに応じなければ開園は認めないとする結論が出る可能性が高かった。そこで行政は、今回の申請は新規の申請ではなく「再申請」だとする詭弁によってガイドラインの適用をすり抜けようとした。

 児童育成部会の委員の質問に対して保健福祉部次長は当初「再申請」と説明したが、東京都の見解は「新規の申請」であることが明らかになった。すると次長は、今度は「三者(高野、東村山市、東京都)の代理人で協議している」と意味不明の説明をしたものである。しかし、東京都に「協議」の事実があるかどうかを確認すると、そのような事実は存在しなかった。つまり東村山市は、議会や市民に虚偽の説明をしてまで10月1日の開園を押し通そうとしていたことがわかる。


(第21回へつづく)



(つづく)
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