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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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久米川東住宅管理費等不払い裁判一審判決(第1回)
 平成20年9月24日、久米川駅東住宅に住む東村山市議、矢野穂積と認可保育園りんごっこ保育園の園長高野博子(同居)ら3世帯の住人が管理費(月7000円)と長期修繕積立金(同1万円)の不払いを続けているとして同住宅管理組合が矢野・高野らを提訴していた裁判で、東京地裁八王子支部(木下秀樹裁判長)は矢野・高野らに対して連帯して76万円払い余、他の2名に対してそれぞれ約75万円と約116万円(不払い分全額)の支払いを命じる判決を言い渡した。

 久米川駅東住宅は東京都住宅供給公社が昭和43年に開発した大規模団地で、そのうち336戸は積立分譲方式となっており、平成15年9月21日、区分所有者による管理組合総会が開かれ、管理組合が正式に設立された。その際、管理費(月額7000円)と長期修繕積立金(同1万円)の額が出席者の圧倒的多数で決議されている。

 東村山市議、矢野穂積(草の根市民クラブ)と高野博子は同団地の分譲棟に1室の所有権(それぞれ50%ずつ保有)を持っており、管理組合の組合員である。ところが矢野は、この総会の招集自体が役員らによる一方的なものだとして総会の延期を申し立てて総会には出席せず、管理費等の決議も無効であるなどと主張した。
 
 通常、適法に開かれた総会における決議事項は、仮に総会に出席してその議案に賛成しなかったとしても決議には従うのが民主主義のルールであり、現実に336名の区分所有者のうち矢野と高野ら4名を除くすべての住人が滞りなく管理費等を納入している。しかし矢野と高野は、管理組合が発足した平成15年10月以降平成19年9月までの48カ月間(訴訟での請求範囲=その後も状況は変わらない)、管理費等1万7000円を1度も支払っていなかった。

 このため管理組合が矢野と高野(および他2名の区分所有者)に対して不払いの管理費等の支払いを求めて提訴していたのが今回の裁判である。                                 (宇留嶋瑞郎)

総会決議の適法性は最高裁で確定

 平成19年9月に管理組合が提訴したのにはもう1つのきっかけがあった。矢野は平成15年9月の組合総会から約2年後の平成17年8月、「総会の成立および決議は無効」などとして管理組合を提訴していた(つまり、この提訴理由が管理費不払いの理由に共通するものとみられる)。

 その裁判で矢野は、組合側は総会の開催通知を団地外居住者に送付していないとか、委任状に不正があるとか、あるいは出席集計が捏造であるとか、また管理費および長期修繕積立金の額には根拠がなく、管理委託会社の選定にあたっても理事長と利害関係のある会社を選んだ上、勝手に高額の契約を結び、住民の管理費を浪費しているなどと主張していた。

 矢野の主張に対して東京地裁八王子支部は平成18年7月5日、総会の適法な成立を認め、総会での決議事項についても適法に議決されたものと認定して矢野の主張をことごとく排斥。東京高裁も同年12月26日、矢野の控訴を棄却。平成19年5月29日には最高裁が矢野の上告を棄却している。つまり、この時点で平成15年9月に開かれた管理組合総会の成立および同総会における決議内容についても裁判所のお墨付きが与えられたことになる。管理組合は最高裁の決定を待って矢野・高野ら3名の区分所有者に対して提訴に踏み切ったのである。

 したがって常識的な判断の範囲においては、提訴された矢野が管理費等の支払いをあくまで拒んだとしても矢野の主張が容認される可能性はきわめて低く、話し合いによる和解にせよ判決にせよ、最終的に矢野と高野が4年分の管理費等を納めさせられることになるのは提訴の時点ですでに時間の問題とみられた。運命共同体ともいえる同じ共同住宅の住人でありながら4年間にわたり管理費等を支払わず、総会の決議をめぐって裁判を起こし、敗訴してもなお自ら支払おうとはせず、ついには裁判という最終手段によらなければ管理費等の回収ができないこと自体、常識ではとうてい考えられないことというほかない。

 もちろん、東村山市議会議員である矢野とりんごっこ保育園の園長である高野が月々1万7000円の管理費等を支払えないほど経済的に困窮していたことはあり得ない。総会で決議された管理費等には4000円足りないが、矢野は「管理組合側が受領しない」という理由で毎月1万3000円を法務局に供託していたのである。

 4000円足りないのだから、管理組合としてこれを管理費等であると認めることはできないのは当然だが、矢野の側に支払いの意思があったのなら、わざわざ法務局に供託などせず、管理費等の窓口となっている公社か、矢野の自宅から徒歩1分の管理組合に直接その意思表示をすればよかろう。

 そもそも供託とは、支払いの意思表示をしているのに相手方が受領しないとか、相手方の居場所がわからないなどの理由があってはじめて認められるものである。しかし、管理組合側が矢野の支払い意思を確認していながらあえて受領を拒否する理由もそのような事実もなかった。管理組合は管理を委託している公社に矢野への督促を依頼するとともに、管理組合自身も内容証明を送付するなどして支払いを促したが平成15年10月以降提訴まで、矢野からはただの1度も支払いの意思表示を受けたことはなかったのである。すると、矢野の供託理由も正当なものとはいえなかったということになる。

 ただ矢野が、4000円足りないとはいえ供託していたという事実は、共同住宅で暮らす上で管理費等が必要であること自体については矢野も十分に認識していたことをうかがわせる。しかしなお、矢野にはすんなりと支払いたくない矢野なりの理由があったということらしい。問題は、矢野なりの理由なるものがはたして法律的にあるいは社会通念として容認されるべきものなのかどうかということである。


(その2へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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