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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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久米川東住宅管理費等不払い裁判一審判決(第3回)
 平成19年11月25日に開催された組合総会で新理事長が選出されたが、「理事長が交代すれば支払う用意がある」としていた矢野ともう1人の住人(A)は、それでも支払いの意思を示さず、和解協議でも双方の歩み寄りが期待できる状況とはならなかった。

1人の住人が応訴態度を一変

 平成20年に入ると、原告被告双方が書面を提出して主張をぶつけ合う通常の口頭弁論に移った。その過程で1人の被告住人が応訴姿勢を180度転換するという出来事があった。管理費等の支払いを請求されていた3人の区分所有者(矢野と高野博子は2人で1人分)のうち、Bは平成20年1月31日開かれた口頭弁論では裁判官に対して管理組合側の主張を全面的に認め、反論もないと述べていた。このため管理組合側は、Bについては矢野ともう1人の住人とは分離して話し合いによる解決の方法も検討していたほどだった。

 ところが2月21日に行われた口頭弁論でBは、一転して前回法廷で陳述した内容を翻し(法律用語でいえば「自白の撤回」というらしい)、全面的に争う趣旨の準備書面を提出したのである。Bに何が起きたのか、確かなことはわからない。しかし以後、管理組合が話し合いをしようと訪ねてもBはいっさい会おうともせず、手紙を入れてもなんらの回答もなかった。それがどんな理由によるのかは定かでないが、いずれにしてもBにはなにか重大な心境の変化があったようだった。

 一方矢野は2月21日、準備書面を提出。管理費等の支払いを求めて管理組合が提訴したこと自体について、理事会の議決があったかどうかについての求釈明を申し立てた。第1回口頭弁論において「(次回総会で)理事長が交代すれば支払う用意がある」と述べていた矢野が、なぜ提訴そのものの適法性を問題にするのか理解に苦しむところだった。蒸し返しといえばいいのか、あるいは裁判の遅延を狙ったものだろうか。

1人はその後の支払いについて同意

 平成20年5月27日に行われた口頭弁論で、裁判官は結審を考えていたようである。口頭弁論は11時に始まったが法廷にはまだ被告住人のAしか来ていなかった。裁判官から事情を聞かれたAはこう答えた。

「矢野さんは少し遅れるとのこと。Bさんについては、矢野さんなら事情がわかるかもしれない」

 応訴態度を一変させた住人は矢野といっしょに来るということなのだろうか。矢野とBが出廷するまでの間、裁判官はAに今後の方針について聞いたが、その中でAは意外なことを口にした。Aは、

「さきほど銀行引き落としの手続きをしてきた。7月分ぐらいから引き落としが始まると思う」

 Aは平成20年7月以降の管理費等については銀行引き落としで支払うことにしたと述べたのである。支払いの手続きをしたということは管理組合が決議した管理費等の適法性を認めたということで、すなわちAはA自身に支払い義務があることを認めたということにほかならない。しかし、それから先のAの主張は不可解だった。裁判官が「今後のことはそれでいいですが、これまでの分はどうなりますか」と聞いたのは当然だが、これに対してAはこう述べたのである。

「何より14・6%の遅延損害金が納得できない」

 この発言の前提には管理費等については支払う意思があるということと理解できる。管理費等の支払いを延滞した場合に14・6%の延滞利息が発生することも総会で議決したことである。Aの主張がいかに自分勝手な言い分であるかがわかろう。Aはさらに「遅延損害金だけは納得できない」と繰り返したが、裁判官はもう相手にしなかった。

裁判官の温情を理解できなかった住人

 口頭弁論開始から15分後、Bが入廷し、やや遅れて矢野も入廷してきた。矢野はこの日、新たな準備書面を提出した。裁判官はまず矢野の隣に座ったBに、応訴方針を転換したことについて聞いた。

裁判官  Bさんは当初原告の請求を認めるとしていた答弁を前回の書面で撤回したわけですが、その考えに変わりはありませんか。(前回書面の主張を)変えてもかまわないんですよ。

 原告の請求を認めれば話し合い解決が可能になるが、争うということになれば判決はやむを得ない。勝訴の可能性は限りなく低い上に、判決となれば差し押さえなどの法的強制力も発生する。前言を翻して和解による解決を拒否した矢野やAとは違い、裁判官はBについては話し合いによる解決をさせた方がいいと判断して、助け船を出したのだろう。しかしBには裁判官の心遣いを理解できなかった。Bは一瞬逡巡の表情を見せたものの、「従来どおり主張します」とのみ答えたのである。

 この日裁判官は、矢野については準備書面の提出を認め、その内容については次回検討することとなった。本来なら裁判官はこの日に結審したいと考えていたようである。しかし矢野が準備書面を提出したため、もう1回口頭弁論を開くことにしたようだった。こうして裁判は平成20年7月29日結審となった。


(その4へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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