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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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右翼を煽動した矢野穂積の虚偽説明 第7回
被害者の供述と矛盾しないSさんの証言

 矢野は警察が銀行の防犯カメラに映った明代の姿を確認したのが書類送検後だったこと、およびSさんの事情聴取をしていなかったことをもって「ろくな捜査をしないまま書類送検した」などと主張している。注意していただきたいのは、矢野のこれらの主張がいずれもアリバイを崩されたあとのものであり、被害者の証言が明代の「服装」の点において「食い違いがある」と強弁するためのものにすぎないということである。

 通常、人が犯罪行為を目撃したときに最初に認識するのは「行為」と「風貌」である。とりわけその犯罪者が顔見知りだった場合には、それが誰だったか(顔)を忘れることはない。警察が目撃情報によって犯罪者を特定するための最も重要かつ基本的な要素は「誰が、何をしたか」なのである。被害者はファッションの専門家だったから、明代と至近距離で対峙した際に明代の服装を細部にわたって克明に記憶したが、普通ではそうはいかないし、服装の記憶はあくまで副次的な要素にすぎない。

 その点において、東村山署は書類送検までに被害者自身と現場に居合わせた目撃者2名に対する事情聴取を行い、被害者に対しては明代の事情聴取の際にマジックミラー越しの面通しを行うなど十分な特定作業を行っていた。矢野と明代による被害者に対するお礼参りの事実が明らかになり、明代の主張するアリバイも崩れていた。書類送検後には、銀行の防犯カメラに映った明代の静止画像を被害者が確認し、万引き事件当時の明代の服装(静止画像は白黒で、明代の服装は白っぽく写っていた)、髪形、持ち物(黒いバッグ)が酷似していたことも確認している(画像が不鮮明であるため100%の断定はできなかった)。そのような状況においてSさんの証言はどのような意味合いを持つだろうか。

 野田峯雄のレポートの中で、Sさんが明代の服装以外に直接見聞した事実として述べているのは、「前方の道路端で2人の女の人が何やら言い合っていた」という状況と、「そばにいた女性が『あれは朝木市議だ』といった」ということである。Sさんのこの部分の供述は、「(被害者が)明代を追いかけて行って問い詰めた」「店にいた客も『あれは朝木市議だ』といった」という被害者の供述となんら矛盾しない。被害者も店にいた客も、明代の顔を知っていたから万引き犯が明代であると供述したのである。

 矢野はSさんの証言の「犯人は黒いスーツを着ていた」という部分のみを取り上げて「だから万引き犯は明代ではない」と短絡的に主張するが、目撃者Sさんの「犯人は黒いスーツを着ていた」という証言の信憑性は、被害者や2人の目撃者が「犯人は明代」と証言していること、防犯カメラに映った白っぽいスーツを着た女性の画像を確認した被害者が「明代によく似ている」と証言していることなど、それまでの捜査結果をふまえた上で総合的に判断しなければならない。

 万引き当日の明代の服装が白黒映像で見た場合に「白っぽいスーツ」だったことは防犯カメラの静止画像から明らかで、仮にSさんの記憶に間違いがなく、Sさんが目撃した人物が実際に「黒っぽいスーツ」を着ていたとすれば、明代は万引き犯ではないということになる。しかし、被害者や2人の目撃者の証言、さらに防犯カメラの映像からは明代のスーツに関するSさんの記憶は誤りだったと判断するのが自然である。また、「黒」という部分に関しては被害者の「黒いチャイナカラーのブラウスを着ていた」「黒いバッグ」という供述からすれば、ブラウスの「黒」を「黒っぽいスーツ」と混同した可能性が高く、服装を「黒」と認識した点においては被害者の証言と一致しているとみることもできよう。

 むしろ東村山署は、(服装以外の)万引き事件当日の状況についてのSさんの証言は被害者や2人の目撃者の証言と矛盾せず、とりわけ店のそばにいた女性が「犯人は朝木市議だといっていたのを聞いた」とする証言を重視し、Sさんの証言を明代の万引きの事実を裏付けるもの、少なくとも明代が万引き犯であることを否定するものではないと判断し、供述調書を追送致していた。この東村山署の判断が合理性を欠くものとはいえないだろう。また、確認できた範囲の証人の供述をすべて送致している点において東村山署の捜査姿勢が明代を意図的に陥れようとするものと見ることはできず、「捜査が不十分」(矢野)といえるものでもないことがわかるのではあるまいか。その一方、矢野は「聖教新聞」裁判で野田峯雄が矢野に宛てたレポートを証拠として提出し、「明代は万引き犯ではない」と主張したが、東京地裁は矢野の主張を斥けている。

法廷ではいっさいしなかった主張

 矢野は、平成20年11月16日のシンポジウムの時点で、内心では「万引き犯のスーツは黒だから明代は犯人ではない」と主張するにはSさんの証言だけでは弱いと考えていたのではあるまいか。しかし、被害者も「黒だった供述していた」といえばSさんの証言はがぜん説得力が増すことになる。だから矢野は、「黒っぽいグリーングレーのパンツスーツ」を着ていたなどと、被害者の法廷での供述を捏造したのであると理解できよう。
 
 これは単純な捏造だから、矢野のシンポジウムでの発言と調書を照合するだけで簡単に確認できる。真相を究明しようという気がありさえすれば、主催者の右翼にもそれほど困難な作業ではあるまい。

 右翼らが被害者への襲撃事件で批判にさらされていたという状況の中で、矢野が右翼とその支援者たちの支援を失わないために、なにか説得力のある説明をしなければならないという心理状態にあっただろうことは推測に難くない。私には、これほど明らかな虚偽を述べたことで矢野は逆に自ら明代の万引き犯の汚名を逆にますます確かなものとしてしまったように思える。右翼が調書を確認するとすれば、(単純な間違いではない)矢野の捏造をどう評価するのだろうか。


(その8へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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