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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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右翼を煽動した矢野穂積の虚偽説明 第8回
目撃されていた「チャイナカラーの黒のブラウス」

 万引き事件当日の明代の服装の問題は、矢野と明代がアリバイを主張するためにニセのレシートを提出したものの、それが他人のものであることが見破られたためにアリバイ主張をあきらめ、万引きを否定するための次なる手段として持ち出したものにすぎない。そもそも明代は取り調べの際に「事件当日の服装は覚えていない」と供述しており、書類送検までにはなんら争点とはならなかったのである。むしろ明代が当日の服装を覚えていれば、明代の犯人性はより確かなものとなっただろう。

「聖教新聞」裁判で白黒で映せば本物に近いものになる偽物のスーツを用意した矢野は、スーツだけでなく被害者が証言した「チャイナカラーの黒のブラウス」についても平成12年2月7日の尋問で次のように否定している。



矢野側代理人  (被害者が供述している)チャイナカラーの黒のブラウス、これはあなたの記憶あるいは御遺族の話で、(明代が)持っていたという話は聞いたことがありますか。

矢野  ああいう派手なものを着るような方ではありませんし、このスタンドカラーというんですか、詰め襟みたいに立っていて、しかも斜めに切れているというような、そういうものを、朝木さんは議員ですし着ません。見たことがありません。



 矢野はこう供述し、明代は「議員だから」チャイナカラーのブラウスなど着ないと主張した。しかし、そもそも裏付けのない偽造写真を提出したあとの供述では裁判官が矢野の供述を信用するはずもなかった。

 ところで、スーツの下に着るブラウスがチャイナ服タイプというのは見る人が見れば印象的なのだろう。実は、明代がこのブラウスを着ているのを見て「しゃれた服を着ているな」と思ったという人物が東村山にいた。その人物によれば、万引き事件以前に一度見かけ、万引き事件当日にも東村山駅で「チャイナカラーの黒のブラウス」を着た明代を見かけたという。もちろん、その人物が誰であるかを明らかにすることはできない。

提出されないことを前提にした尋問

 ブラウスに関しては被害者が矢野と朝木を提訴した裁判における平成12年2月23日の尋問でさらに次のようなやりとりがあった。まず、原告である被害者に対する矢野側からの反対尋問。



矢野側代理人  防犯カメラから(明代が)チャイナカラーのシャツを着ていたのはわかりましたか?

被害者  その襟だと、私は判断しました。

代理人  その判断の根拠は襟だけですか?

被害者  はい。

代理人  後ろからの写真で、チャイナカラーであることはわかるんですか?

被害者  いえ、わからないと思います。



 確かに、後方から見て襟が立っているというだけでは、それがチャイナ風のブラウスかどうかはわからない。防犯ビデオの静止画像は明代が機械操作をしている写真で、前方から映したものではない。矢野側の代理人はその点をついたのである。このやりとりをふまえ、続く矢野に対する本人尋問では次のようなやりとりがあった。



矢野側代理人  警察で見せられたものは後ろ姿しかないわけでしょう?

矢野  だから警察としては、一連の流れで写っているはずですから、前から映る写真もビデオではあったんではないかと。

代理人  当然あるわけですよね。

矢野  なぜこういうものだけになっているのかがわかりません。

代理人  ところがわれわれには見せてくれないと。

矢野  そうですね。

代理人  ○○さん(被害者)にも見せてくれない。

矢野  (捜査書類に)貼りつけてないわけですから、捜査自体除いているということです。

代理人  目撃者がチャイナカラーを着ていたんだということであれば、この再現写真を正面から撮ったものを出せば一発でわかるわけでしょう。

矢野  そのとおりだと思います。



 この尋問では矢野と代理人が、裁判官に対して「正面から撮った映像があるはずだ」という仮説、憶測を前提に、なにか東村山署が真実究明に関わる重要な写真を意図的に隠蔽しているかのように印象づけようとしていることがうかがえる。自らの主張が認められないと自覚したときに、今度は相手の主張や証拠の欠点を探し出し、そこに論点をすり替え、自らの主張を押し通そうとする矢野の得意とする手法である。

母親を演じた朝木直子

 明らかな根拠もなしに、矢野がここまで大胆に、あたかも東村山署や東京地検八王子支部が証拠を隠蔽したかのような主張ができるのには理由がある。民事裁判に刑事事件の証拠が出てくることはないからである。矢野がシンポジウムで主張した「再現写真」が本物かどうかは、地検の捜査資料にある静止画像と照合すれば一目瞭然だろう。しかし、地検が保管している静止画像が民事の法廷に出てくることはない。そのことを知悉しているからこそ、矢野は直子に白黒で映せばよく似た色調になる偽物を着せ、「万引き事件当日の明代の服装」と称して法廷に提出することができたのである。

 徒労に終わったとはいえ、矢野が「聖教」裁判であらゆる手段を尽くして明代の万引きを隠蔽しようとしたことだけはおわかりいただけよう。ただ、矢野と朝木の裁判での努力は逆に彼らの特異性を際立たせた。

 いかに捜査機関が刑事事件の証拠を民事の法廷に出すことはないことを知っていたとしても、万引きを隠蔽するために偽物を実の娘に着せ、それをわざわざ同じ防犯カメラで撮影して「再現」するなどという手の込んだ芸当は普通の良心を持った人間にできることではない。矢野の目的を知りながら亡き母親のスーツを着、ショートカットのかつらまでかぶり、キャッシュディスペンサーの前で母親役を演じた娘の心境もまた、常人にはとうてい推し量ることはできない。


(その9へつづく)
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