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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件第2回口頭弁論
 平成21年2月4日、警視庁東村山警察署元副署長、千葉英司が、「創価学会の四悪人の1人である千葉が朝木明代殺害事件を隠蔽した」とする趣旨の発言などによって名誉を毀損されたとして右翼団体代表の西村修平を提訴していた裁判の第2回口頭弁論が東京地裁八王子支部で開かれた。この日も右翼らはJR八王子駅前で街宣活動を行い、その足で法廷に向かったという。

 集まった支援者は30名程度(正確に数えたわけではないので主催者発表とは誤差があるかもしれない)。支援者たちは幟のたぐいを持っていたと聞くが、目撃者によれば法廷あるいは裁判所の入り口で職員に預けさせられたもようである。なお傍聴席には5名ほど、支援者とも取材者とも若干雰囲気の異なる人たちもいた。行政書士は家が遠いためか、この日は来なかった。

 平成20年11月13日に開かれた第1回口頭弁論で、西村側は矢野絢也元公明党委員長の手記(乙1)を書証として提出、本件といったい何の関係があるのかと原告側を当惑させたが同日、西村側代理人は「膨大な証拠があるので次回提出する」と述べており、第2回口頭弁論でどんな主張を展開するのか注目されていた。
 通常の裁判では、準備書面や書証は口頭弁論の1週間前に提出するのが常識である。ところが、第1回口頭弁論から正月休みを除いても優に2カ月の準備期間があったにもかかわらず、前日までに西村側からの書面はいっさい提出されなかった。

提出された「膨大な書証」

 ところが口頭弁論当日、代理人は厚さ10センチにも及ぼうかという「膨大」な量の書証を持参していた。さすがは「膨大な証拠がある」と豪語しただけのことはあったのである。では、西村側が提出した書証とはどんなものだったか。詳しくみてみよう。

乙2の1~24 東村山市民新聞35号~41号、同43号~47号、同49号~51号、同54号~57号、同59号~60号、同62号、同速報版№095、同67号
乙3の1 「放火現場の撮影写真」
乙3の2、3 矢野穂積の診断書
乙3の4 襲撃された矢野穂積の写真
乙3の5 ○○所有の軽トラックの写真
乙3の6 95年7月29日付読売新聞「東村山市議殴られ怪我」
乙4の1 野田峯雄の矢野宛連絡メモ
乙4の2 ○○(万引き被害者)の証人調書
乙5の1 中央三井信託銀行東村山支店のキャッシュコーナーでの写真
乙5の2 同上
乙5の3、4 亡朝木明代議員の平成7年6月19日の服装と同じ服装した朝木直子の写真
乙6 FORUM21の2004年1月15日号
乙7 「創価学会を折伏する!」
乙8の1 草野敬の陳述書
乙8の2 事件現場ビル1階モスバーガー店主の共同記者会見
乙9の1 ○○(防衛医大医師)の陳述書
乙9の2 同上 救急救命及び死亡時の説明
乙10 日本音響研究所所長鈴木松美の鑑定書
乙11 司法解剖鑑定書
乙12 平成7年8月27日付読売新聞「3日に宗教シンポ」
乙13の1 レジ・ジャーナルの謄写・閲覧について(依頼書)
乙13の2 証人等目録
乙13の3 文書送付嘱託申立書
乙13の4 送付依頼書
乙13の5 株式会社アレフの弁護士中田康一宛レジ・ジャーナルの謄写閲覧についての回答書
乙14の1 龍年光の陳述書
乙14の2 昭和56年11月16日付聖教新聞
乙15 97年5月5日付国会タイムス
乙16 野中広務「差別と権力」(魚住昭著)
乙17 月刊現代04年6月号
乙18 月刊現代04年2月号
乙19 週刊新潮96年5月2・9特大号
乙20 読売ウィークリー04年2月1日号
乙21 週刊文春 平成7年9月14日号
乙22 平成7年9月8日付夕刊フジ

 以上である。しかし、西村側代理人は「膨大な」書証を提出しただけで証拠説明書(その書証によっていかなる事実を立証しようとするのかについてそれぞれの趣旨等を記載した書類)を提出しなかった。

 通常、書証には「証拠説明書」を付さなければ書証として受領されない。この日、西村側が提出した「膨大な」証拠は正式には受領されなかったということである。こうして第2回口頭弁論は、西村側が書証と称する書類を提出し、次回期日を決めただけで、実質的な審理としてはなんら進展のないまま、わずか5分で終了した。

弁護士の発言にも責任

 西村側の代理人は、ベテランであるにもかかわらずなぜ正式に受領されないような書証を提出したのだろうか。2カ月半もの十分な時間を与えられて準備書面も作成できず、何らの書類も提出できなかったのでは恰好がつかない。だから、形だけでも提出したことにしなければならなかったとみるのが自然なのではあるまいか。

 しかし、西村修平は右翼として街宣する以上は何らかの根拠を持っていたのではないのか。とすれば、その範囲においてなんらかの主張を準備書面にまとめ、その真実性なり相当性なりを裏付ける書証を提出すればよかったのではないかという気もする。

 西村の同志である右翼によれば、この代理人自身が右翼や支援者に向かって「私は西村さんが追及したこと(創価と千葉英司の関係、故朝木による万引き事件が創価による『でっち上げ』であるとした見解)は事実であると確信しております。それは事実であると考えるに至る客観的な事由はあったからです」と述べたともいう。弁護士は依頼者に過大な期待をさせるような発言をしてはならないことを、この代理人が知らないはずはない。だからこの代理人は根拠もなく説明したわけではあるまい。とすれば、代理人はその「確信」を準備書面にまとめ「客観的な事由」である書証を証拠説明書を付して提出すればよかったはずである。

 こう考えると、西村や代理人が能書きだけで準備書面も作成せず、書証と称するものしか提出しないとはどういうことなのか、きわめて不可解というほかない。裁判手続き上は何も提出しなかったに等しい第2回口頭弁論の様子からは、西村側のあわてぶり、混乱ぶりしか伝わってこない。

注目される右翼の戦略

 西村側にもそれなりの訴訟戦略があるのかもしれないので軽はずみな評価は慎まねばならないが、2月4日提出された書証はすべて矢野がこれまでの裁判で提出したもので目新しいものは何1つなく、矢野が朝木事件でこれらの書証によって勝訴した例はただの1度もない。質より量で勝負しようとしているわけではあるまいが、それ以前に、これらの書証によって「創価学会の四悪人の1人である千葉が朝木明代殺害事件を隠蔽した」という事実を立証できるとも考えにくい。

 代理人によれば、「まだ入手していない証拠がある」とのことである。それが何なのか、入手したとして、どれほどの証拠価値を持つものなのかどうか。いずれにしても、「千葉が朝木明代殺害事件を隠蔽した」という事実を立証するのは容易ではなかろう。わずかに可能性があるとすれば、西村の同志である右翼が他殺の根拠と主張する「内部告発」しかないように思える。万が一、右翼が「内部告発」の事実を証言しないまま敗訴ということになれば、右翼の責任は免れまい。

 ただ裁判所はブログとはちがって、右翼が「内部告発」について証言したとしてもそれは伝聞にすぎず、証拠能力は認められない可能性が高い。したがって右翼は「内部告発者」自身を法廷に連れてきて「内部告発者」自身によって証言してもらう必要があるが、その「内部告発」者にしても「人から聞いた」では相手にされまい。

 もちろん、右翼はその「内部告発者」に「会った」といっているのだから、意図は不明だが、最後の切り札として登場させる戦略なのかもしれない。「内部告発者」を登場させないまま西村敗訴ということにでもなれば、右翼は西村だけでなくカンパをしてくれた上に毎回遠路八王子まで傍聴に来てくれた多くの支援者たちをも裏切ることになりかねまい。次回口頭弁論(4月22日東京地裁立川支部)以降の西村側の主張・立証が注目される。

(宇留嶋瑞郎)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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