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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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創価問題新聞事件 第4回
提出された反訴状

 提訴から7カ月後、訴因に対する実質的な答弁はいまだなされず、平成15年9月18日、矢野と朝木がその代わりに提出したのが反訴状だった。請求額は本訴における千葉の請求額と同額の400万円。千葉の請求が容認されても、矢野と朝木の請求が容認されれば相殺となる金額である。

 矢野と朝木が訴因として問題にしたのは、彼らの議席譲渡を追及し、矢野の繰り上げ当選無効判決を勝ち取った「『草の根グループ』の議席の私物化を許さない会」(以下、「許さない会」)がビラの記載をめぐり提訴されていた裁判に提出した陳述書の内容だった。矢野と朝木はこの陳述書の内容によって名誉を毀損されたと主張していた。

 反訴状によれば、矢野と朝木が名誉を毀損されたと主張しているのは、平成7年10月7日、東村山署が明代の万引き事件(アリバイ関係)をめぐり矢野に対して行った取り調べの内容に関する箇所だった。取り調べに際して、矢野の代理人弁護士である中田康一から東村山署に対して双方録音を条件に行うよう申し入れがあり、東村山署はこの要求を受け入れたという経緯がある。

取調室でみせた動揺

 矢野はこの録音に基づく(と称する)反訳書を裁判に提出していたが、千葉は「許さない会」裁判でその反訳書に改竄があると指摘していた。ではどんな改竄がなされていたのか、該当個所を具体的にみよう(7月12日の取り調べで、万引き事件が発生した時間帯に明代が矢野と食べたと主張して提出した「レギュラーランチ」のレシートが他人のものであることを指摘され、明代がそれまでの主張をすべて撤回したあと、矢野は地検八王子支部の取り調べで「食べたのは『レギュラーランチ』ではなく『日替わりランチ』だった」と主張を変遷させた。以下の会話は、矢野が「明代が7月12日に提出したレシートは間違いで、食べたのは『日替わりランチ』」と主張しようとしていることを前提にお読みいただきたい)。



(ここでは、矢野と明代がレストランに入ったのが平成7年6月19日午後2時12分以降であることを前提としたやりとりがなされている)

取調官  ただ、2時12分の時点では、「日替わり」がないんです。

矢野  ええっ? ウソっ!

取調官  ホントなの。だから、私がそれを、先生(朝木明代)に聞いたの。

矢野  ウソだ。

取調官  先生、そうなんですよ。先生(朝木明代)、ホント、どうなんですか。2時12分の時点では、「日替わり」はありませんよ、と。売り切れてますよ、と。



 ここまでの反訳のうち、「先生(朝木明代)」となっている部分は「先生(矢野)」が正しい。矢野は自分が直接聞かれたことになってはなにかまずいと感じたらしい。続くやりとりをみよう。



矢野  じゃあ、ちょっと待って。仮に、それが正しいとするよね。そうしてもね、あの、それ以外にもあるの、こっち。その、たとえばね、その2時12分より前に食べたか、後に食べたかって問題があるでしょ。その問題あるんだけど、私はね、後に食べたというふうに考えるのが自然なんですよ。それはもう1つの事情があるんだけど。

取調官  うん、うん。

矢野  つまり、あの事務所にいない、2人ともいないわけ。つまり、一緒に行動取ってるわけだから、朝木さんだけが、ほら。

取調官  私も一緒だと思ったの。と、思ってるんですよ。だから、

矢野  あの、なんで。「ない」っていうのは本当なの? それ、ちょっと、わかんないな。

取調官  いや、ホントなの。それは。

矢野  私は、確かに。

取調官  私はあの日のカード(=店側の注文伝票と支払い伝票)、全部調べたの。

矢野  それはおかしいよ。

取調官  いやいや。おかしくない。あの日のカード全部調べたら、もうね、すでにね、ええ、たとえば1時半ごろ入ったとしても、ああ、2時に入ったとしても、この時間に入ったとしても。

矢野  うん、うん。

取調官  もう、売り切れなの。

矢野  売り切れてないよ、それ。

取調官  売り切れ。 

矢野  たとえば、私は食べたんだから、だったら、その前になるよね。

取調官  うん、だから、前かな、と。

矢野  ちょっと待って。その、この前でもね、前でも、それが、ちょっと記憶がはっきりしないけれども。



 矢野と明代がレストランに入ったという時間帯に「日替わり」が売り切れていたという取調官の説明に対して、急に「記憶がはっきりしない」と言い出すなど矢野は動揺を見せている。しかし一方、それでもなお矢野は「それはおかしい」「売り切れてないよ」などと抵抗している様子がわかる。

リストを見せられていた矢野

しかし、次のやりとりでは矢野の発言が微妙に変化してくる。



(中略)
取調官  「日替わり」がないのに、「日替わり」食べたっていうと、逆におかしくなっちゃうわけですよ。

矢野  だから、それはね、記憶の間違いもあるの。
(中略)
矢野  なんでアリバイがね、それだけで、あるとかないとかなんないよ。

取調官  うんだから、むしろこれ、なかった方がよかったんだよね。

矢野  それは、私が、私の記憶間違いになるわけ、それだったら。彼女は忘れてたんだから。

取調官  うん。

矢野  だから、確かにあそこへ行った記憶は、どう、だったらこの前にあるの?

取調官  いやわからない、だからわからないから。

矢野  それだったら、こっちを調べないと。

取調官  どっちを?

矢野  2時12分より前の、この「日替わりの2組」を。

取調官  だから、うん、2時12分より前にはあるんだけど、それはもう12時台なの。

矢野  12時何分?

取調官  これ、「日替わり」が、「日替わり」がね、ええ、売り切れたのが12時台。

矢野  そんなに早く行ったかなあ。



 ここに至ると矢野は、矢野と明代が食事をしたという時間帯に「日替わり」が売り切れていることを認め、彼らの主張する時間帯に「記憶違い」があったとするニュアンスに変化している。

 午前中は2人とも議会にいて、午後2時ごろまで議員控室にいたと一貫して明確に述べている矢野と朝木が、間違っても12時台に「日替わりランチ」を食べることはあり得ない。ましてその矢野の口から「そんな早く行ったかなあ」などというセリフが出るとはどういうことなのか。そのこと自体異常というべきであり、矢野の混乱ぶりを示していよう。この変化の理由は何か。千葉は陳述書で次のように述べている(趣旨)。

〈矢野に対する事情聴取の状況について検証した結果、取調官が原告矢野に対して、警察が作成した日替わりランチの注文状況と品切れの事実を記載した「リスト」を提示し「『日替わりランチ』を食べたとの虚偽の主張を続けるのか」と追及した文言が削除されるなど、自説の「日替わりランチのアリバイ」に都合のいいように改竄されていることが判明した。〉

 この部分の反訳の中には、

矢野  それだったら、こっちを調べないと。
取調官  どっちを?
矢野  2時12分より前の、この「日替わりの2組」を。

 と、明らかに「リスト」を見ながらであると推認できるやりとりがある。つまり、このやりとりの前に取調官は矢野に「リスト」を提示しているはずだが、矢野が提出した反訳書には取調官が「リスト」を提示した際の発言がどこにも存在しない。これはきわめて不自然というよりなく、矢野の反訳書から取調官の発言が削除されたとする千葉の説明の方がより合理性があるように思える。

 矢野は今でもレストラン側に対してリストの提示を求めたものの拒否されたとして、そのことをもってリストの中に彼らが食べたと称する「日替わりランチ」が含まれているかのように印象づけようとしている。しかし実は、矢野はすでに東村山署において万引き当日のすべてのメニューを見せられており、彼らが主張する時間帯にすでに「日替わりランチ」が売り切れていたことを確認していたのである。その事実を否定するためにも、千葉の陳述書の内容を否定しておく必要があった。それがこの反訴のもう1つの目的だったのではあるまいか。

 ちなみに矢野は、同レストランで食事をしていたことを証明する資料を探すといっておきながら、平成7年11月、東村山署でレシートはどうなったかと聞かれると「もう頭に来たからここには来ない」と捨てぜりふを残したきり、アリバイを証明する資料はなんら提出していない。矢野は明代の「冤罪」を晴らすのではなかったのか。矢野はリストを見せられたことで、「レギュラーランチ」から「日替わりランチ」にメニューを変更したことが自らの首を締める結果にしかならなかったことにようやく気づいたのである。


(その5へつづく)
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