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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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創価問題新聞事件 第10回
狭められた包囲網

 さて、矢野は「レシートを間違えた」ことを前提に、店に行ったもののジャーナルはすでに警察が押さえていて確認できなかったと言い訳しているが、取調官はもう矢野には付き合わず、やんわりと包囲網を狭めていった。とぼけた調子が悪くない。



取調官  それとね、それとね、たとえば、ええ、まあ、時間は少しずらしてもいいんだけど、これ、これは時間は関係なくね、今、あの、まあ、矢野先生がいうには2時40分ごろ、あるいはまあ、もっとさかのぼってね、もっとさかのぼって、あの、これ、もう1つ、これ見せてもらったんだけどさ。

矢野  ああ、キャッシュ(銀行振込明細書)の……。

取調官  キャッシュのね。

矢野  これ……。

取調官  これ、何分だ、これ、なんだ、14分か……。

矢野  14分? ん?

取調官  12分か。(銀行振込の時刻は)2時12分でしょ。

矢野  ああ、ああ。

取調官  ね、そうすと、朝木さん、朝木先生にもいったの。先生、これは、「行き」に寄ったんですか、「帰り」に寄ったんですか。

矢野  うん。

取調官  そしたら、「行き」だっていうんですよ。

矢野  たぶんそうだろうと思うけど、私は。時間的にそういうふうに考える以外にないんだから。

取調官  ないんでしょ、普通考えてね。だから、そう聞いたの。そしたら、間違いなく「行き」だと。ああそうですかと。

矢野  うん。



 取調官は捜査を指揮していた副署長の千葉英司から、矢野にはまず好きなようにしゃべらせろと指示されていたようである。これまでの取り調べで、まず矢野は、万引き事件の時間帯に矢野と明代がレストランで食べたのは「レギュラーランチ」ではなく「日替わりランチ」であると自白した。その上で、取調官はその時間帯について明代が提出した銀行振込記録を出してもう一度確認したことがわかる。

逃げ道をふさがれた矢野

 明代が銀行に立ち寄ったのがレストランからの「帰り」ではなく「行き」であることを認めさせた取調官は、さらに矢野を追い詰める。



取調官  そしたら、これ(銀行振込)に「行き」に寄ったっちゅうことになると、これよりは、ドンキーに行ったの、遅いってことですよね。

矢野  そうなりますよね。

取調官  ね、ね、そうですよね。

矢野  うん、うん。

取調官  2時12分より、遅いってことですよね。そうすると、もう1ついっていたのは、先生は2時12分より遅くドンキーに行かれた。さらに矢野先生よりはちょっと遅い。

矢野  ちょっと遅い、と思いますね。

取調官  うん、まあ、それいい。まあ、それ、わかってるから、いいと思いますよ。

矢野  ええ、いいですよ。



 取調官は矢野に対して、①「明代が銀行に立ち寄ったのがレストランに行く途中であること」、②「『日替わりランチ』を食べたのは銀行に立ち寄ったあとであること」、③「『日替わりランチ』を食べたのは銀行に立ち寄った時間である『2時12分』よりもあとであること」の3段階に分けて聞いている。矢野はこの3点の確認に対して「そうなりますよね」「うん、うん」「ええ、いいですよ」といずれも認めている。

 つまりこの時点で矢野は、「午後2時12分以降」に「『日替わりランチ』を食べた」ことについてはもうどうにも否定のしようがない状況に追い込まれているということになる。

 そうしておいて取調官が矢野に突きつけたのが「2時12分の時点では『日替わり』は売り切れていた」という事実だった(本連載第4回)。矢野が「ええっ? ウソっ!」と慌てふためいた理由もおわかりいただけよう。こうして千葉の捜査指揮のもと、矢野と明代は2度にわたり、みごとなまでにアリバイ工作を崩されたのだった。

「反訳」を提出した矢野の意図

 矢野は7月12日の書類送検について「だまし討ち」などと主張している。アリバイを否定された明代が、取調室を退去する際「正しいレシートを探してきます」といい、それに対して取調官が「ではそうしてください」と応じたたんなるやりとりをもって、その段階ではまだ書類送検はしないという意味であると明代と矢野が勝手に思い込み、にもかかわらずその日のうちに書類送検したことが「約束」に反するという趣旨らしい。

 矢野はこの取り調べの反訳書をアリバイを立証する目的と称して裁判所に提出したが、これには東村山署による書類送検が「だまし討ち」だったと主張する意図もあったようである。前回の取調記録の「レギュラーランチ」の部分を「日替わり」に改竄したのも、明代が7月12日の段階で「日替わり」を主張していたことにするためだった。そうすることで、明代が「レギュラー」のレシートを提出したのもたんなる「間違い」だったと思わせ、正しいレシートをもらいに行ったがすでに警察がすべてを押収していて探すことができなかった――すなわち東村山署は明代が「無実」を立証しようとするのを妨害した――というストーリーを組み立てることが矢野の狙いだったように思える。

 東村山署の書類送検を「だまし討ち」と批判するなら、その前提にはまず、明代が最初から「日替わり」を主張していたという事実があり、さらに矢野と明代が「日替わりを食べた」という事実がなければならない。しかし、この取調記録の内容からみても明代が当初は「レギュラーランチだった」と主張していたことは明らかで、万引きの時間帯に「日替わり」がないはずがないという期待と思い込みに基づく矢野の主張も、客観的事実を突きつけられ、アリバイ工作の事実を矢野もまた自ら証明する結果となった。

 つまり、「日替わり」にしたところで「レギュラー」にしたところで、明代は最初からありもしないレシートを「探してきます」といったわけで、どちらが「だまそう」としていたかは明らかである。少なくとも「だまし討ち」なる文言は、2度も虚偽のアリバイ主張を崩された者のいうべき言葉ではあるまい。

 千葉は反訳書の改竄を暴くとともに、この反訳書が明代と矢野の主張するアリバイが崩されている事実を証明するものにほかならないとする陳述書を提出した。2度アリバイを崩された矢野としてはどうしても千葉の陳述を認めるわけにはいかない。そこで矢野は反訴に及んだが、ついに取り調べを記録したテープを提出することはできなかったのである。


(その11へつづく)


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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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