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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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創価問題新聞事件 第13回
150ページを越える準備書面

 控訴審になると様相は一変した。明代の万引きと転落死の事実関係について一審ではほとんど踏み込んだ主張をしなかった矢野と朝木は、控訴審ではきわめて積極的に万引き「冤罪」と「他殺説」を主張したのである。書面の分量で勝敗が決まるというものではないが、矢野と朝木が控訴審の結審までに提出した準備書面はA4用紙で優に総計150ページを超えていた。

 その内容は平成15年11月に彼らが出版した『東村山の闇』以降の主張および最近の判決までも網羅したもので、現在における「万引き冤罪」「他殺」についての彼らの主張のすべてを出し尽くしたものといえた。これらは一審ではほとんど主張されていないものだった。

 裁判所は原告被告双方の主張を十分に聞いた上で、どちらの主張に正当かつ合理的な根拠があるかを判断しなければならない。したがって、内容はともかく一方の当事者から新たな主張が提出されれば、裁判所も頭から無視するわけにはいかない。なぜ一審でこの主張をしなかったのかという疑問があったとしても、東京高裁としては矢野と朝木の主張について判断しないわけにはいかなくなったのである。

 ただ東京高裁は、少なくとも矢野と朝木の準備書面の提出の仕方に関しては不快感を隠さなかった。控訴人は控訴状のほかに控訴理由書を提出しなければならないが、矢野が控訴理由書を提出したのは控訴審第1回口頭弁論のわずか数日前だった。通常、準備書面は口頭弁論の1週間前までに提出し、口頭弁論期日までに裁判官はそれに目を通し、今後の進行等を含めて検討した上で口頭弁論に臨む。しかし、数日前に提出されたのでは内容を検討することもできない。かといって無視もできないから、必然的にもう1度口頭弁論を開かなくてはならないことになる。

 控訴審の第1回口頭弁論が開かれたのは平成20年8月26日。裁判長は矢野側代理人に対してこう述べた。

「控訴理由書の提出が遅くなったのはなぜですか。控訴人はこれまでに同じ内容の裁判をいくつもおやりになったんじゃありませんか? 仕方ありませんので、もう1回弁論を継続します。被控訴人は次回までに反論をお願いします」

巧妙な審理引き延ばし

 控訴審第2回口頭弁論が開かれたのは平成20年10月16日。この日、被控訴人の千葉は事前に矢野らの準備書面に対する反論を提出したが、口頭弁論当日、矢野らは千葉の準備書面に対する反論を提出した。裁判長は矢野らの控訴理由とそれに対する千葉の反論を見て、審理を続行するかどうかを含めた判断をしようと考えていたようである。しかし、矢野から新たな準備書面が提出されれば状況は変わってしまう。それも当日提出されたのでは、裁判官も目を通す時間もなく、当日の口頭弁論で判断することは難しくなる。裁判官は明らかに不快感を隠さず矢野の代理人にこう問うた。

「あなたはなぜ当日になって準備書面を提出するんですか。前回にも準備書面を口頭弁論前に提出するようにいったはずですよ。これは警告ですからね」

 しかし、矢野側代理人はこう言い訳した。

「本日提出した準備書面は被控訴人準備書面に対する反論でして、反論の提出は早い方がいいと思いまして……」

 裁判長は矢野側準備書面に目を通しておらず、それがどんな内容なのか知らなかった。こういわれれば裁判長も代理人の主張を認めないわけにはいかない。裁判長は代理人に謝罪し、弁論はさらに続行されることとなったのである。相手の反論が提出される口頭弁論のはずが、矢野がぎりぎりに反論を提出したことで、また新たな局面に移った状態になっていたことがわかろう。矢野はこうしてさらに審理を続行させることに成功したのである。第3回口頭弁論は11月20日に開かれることになった。

 なおその1週間後の10月29日、矢野と朝木はさらに準備書面を提出。東京地検が保管している平成7年6月19日の万引き事件当日の明代の服装を特定する銀行の防犯カメラの静止画像、書類送致の際の捜査報告書の提出を求める文書提出命令を申し立てた。

 11月20日、千葉は矢野の準備書面に対する反論を提出。文書提出命令申立に対しては、「千葉は捜査書類を所持していない」として却下を申し立てた。一方矢野は、またも千葉の準備書面を前提とした反論を提出した。準備書面のやりとりという局面だけを見れば、第2回口頭弁論のときと同じ状況になったことになる。

 しかし、裁判長は矢野の意図をすでに見抜いていたのだろう。裁判長は矢野の文書提出命令申立を却下した上で「もうこのくらいでいいでしょう」と述べ、結審することを告げた。そもそも矢野が控訴審で展開した主張は1審でやろうと思えばできたことだった。控訴審で主張するのならなぜ一審でしなかったのかという根本的な疑問があった。しかも矢野が控訴審で提出した新たな証拠は、明代の遺体も転落現場も見ることなく、司法解剖鑑定書を鑑定しただけの山形大学名誉教授、鈴木庸夫の「鑑定書」なる代物だけにすぎなかった。



(その14へつづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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