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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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西村修平事件第3回口頭弁論
 千葉英司元東村山警察署副署長が名誉を毀損されたとして右翼団体代表、西村修平を提訴していた裁判の第3回口頭弁論が、平成21年4月22日、東京地裁立川支部で開かれた。傍聴者は西村の支援者が別の右翼を含めて約30名。この日も口頭弁論に先立ち、彼らは午後12時過ぎから立川駅前でこの裁判の不当性を主張するなどの内容の街宣活動を行った。その内容はともかく、彼らの結束力の強さにはあらためて感心させられ、あるいは若干の違和感を覚えた。

 傍聴人の入廷前、係官が西村の支援者らに対し、法廷内に写真を持ち込まないよう注意した。前回の口頭弁論では前列中央に座った支援者2人がA4サイズほどの朝木明代の遺影を掲げていたため、係官から遺影をしまうよう命じられるという出来事があった。このため係官が事前に注意したものと理解できた。

 ただ、支援者らは遺影の持ち込みが認められないことをすでに学習していたらしく、10センチ四方ほどの大きさのバッジ状のケースに入れた写真を用意していた。その数10個以上はあったように見えた。経費としてはこちらの方がかかるのではないかと思うが、彼らにとってはそれほど朝木明代に対する敬意が深いということなのだろう。

 万引きという普通ではかなり恥ずかしい犯罪を犯し、だからこそ嘘の主張を続けた明代にこれほどの敬意を示すことがどれほど滑稽なことか、彼らは気がついていないらしい。洗脳と思い込みは彼らをここまで悲惨な状況に追いやったということだろうか。彼らをおだて上げた矢野穂積と朝木直子、情報を精査することによって軌道修正する機会は十分にあったにもかかわらず、矢野の情報操作に赤子の手をひねるようにたやすく乗せられた指導者の責任も小さくない。

今回も膨大な書類を提出

 前回の第2回口頭弁論で西村は数百枚に及ぶ未整理の書証と称するものを提出して原告を当惑させたが、今回提出した書類は口頭弁論に提出する書面としての体裁が整っていた。平成21年4月22日付準備書面は添付書類約80ページを含めて約100ページ。証拠説明書は前回未整理のまま提出した分の説明を含めて31ページ。書証は乙33まで。乙23~乙33の内容は以下のとおりである(乙22までは前回紹介)。

乙23  週刊新潮「創価学会に占領された東村山市役所の歪み」
乙24  週刊文春「創価学会脱会者3000人大調査」
乙25  階段手すり付近の構造図(朝木直子作成)
乙26  丹後ちりめん無地レース使いマオカラー
乙27  「創価学会・公明党の犯罪白書」(山崎正友著)
乙28  「怪死」(乙骨正生著)
乙29  衆院特別委員会議事録
乙30  参院特別委員会議事録
乙31  潮裁判判決
乙32  「東村山の闇」(矢野穂積・朝木直子著)
乙33  東村山の闇裁判控訴審判決(原告千葉=矢野・朝木逆転勝訴判決) 

 準備書面ではざっと、①朝木明代の議会活動②朝木明代の創価学会批判③万引き事件④転落死事件⑤政教分離問題――などについて主張していたが、現段階では具体的な紹介の必要はないように思われる。

 千葉が名誉を毀損されたと主張している西村発言をあらためて確認しておこう。平成20年9月1日、西村は東村山駅前の街宣で「創価学会の4悪人 千葉英二(ママ)副署長」などと記載したプラカードを指差しながら次のように演説した。

〈東村山署須田豊美刑事係長、千葉英司副署長、この2人が朝木明代さんの謀殺事件を自殺として覆い隠す、物事を握りつぶそうとした張本人。須田豊美刑事係長、千葉英司副署長、さらにこの事件を取り上げた東京地検八王子支部の吉村弘、信田昌男、この2人は紛れもしない創価学会の執拗、筋金入りの学会員。須田豊美、千葉英司も同じ穴の狢。この4人が一体何をしでかして朝木明代さんの謀殺を自殺事件に仕立て上げようとしたか〉

 千葉が名誉を毀損されたと主張しているのは、西村が「千葉を『創価学会の4悪人』と呼んだこと」「千葉が他殺事件を自殺として覆い隠した」「千葉が殺人を自殺に仕立て上げた」と主張した点である。したがって、西村が発言内容の真実性・相当性を主張しようとすれば、①千葉が「創価学会の4悪人」であるとする根拠②「千葉が他殺事件を自殺として覆い隠した」とする主張の根拠③「千葉が殺人を自殺に仕立て上げた」とする主張の根拠――でなければならないことになろう。ところが、西村の大部にわたる準備書面のどこを探しても上記名誉毀損発言に関する直接的な記載はなかった。

 西村は準備書面で、明代の万引きが「冤罪」で転落死が「他殺」であると疑われる理由を長々と述べている。西村が「冤罪」と「他殺」を疑うことについてそれなりの理由があり、東村山署の捜査結果について疑義を表明することは自由だろう。西村は第3回口頭弁論に先立って立川駅前で街宣活動を行っているが、その中でこう主張している。

「われわれ一国民がね、当然、この朝木明代さんの謀殺事件は限りなく転落ではなく突き落とされた他殺事件じゃないか、このように思うのはもっともであって、それを私は昨年の9月1日、朝木明代さんの亡くなったその命日にあたる日に、東村山署、警察署の前で私は、この事件はあと2年でもって時効になる、みなさん、この事件を風化させてはならないと訴えてきたわけであります」

 このような発言内容に対して提訴するのは不当だと西村は訴えているわけだが、この内容なら千葉が提訴することはなかっただろう。

 しかし、西村自身も答弁書で認めているように平成20年9月1日の街宣内容はたんに「朝木明代さんの謀殺事件は限りなく転落ではなく突き落とされた他殺事件じゃないか」と主張したものではなく、第3回口頭弁論の日に西村が行った街宣内容は事実に反している。西村が第3回口頭弁論当日の街宣で、なぜ9月1日の街宣内容とは異なる事実を前提に不当な提訴と主張したのかは私にはよくわからないが、東村山署の捜査結果に疑義を表明することと、千葉に対して「創価学会の4悪人」という雑言を浴びせ、「千葉が他殺事件を自殺として覆い隠した」、「千葉が殺人を自殺に仕立て上げた」と断定することとは次元が異なろう。

 少なくとも今回提出された準備書面には千葉に対する上記3点に関する主張・立証はない。しかし西村にはプロの代理人もつき、仲間の右翼も「東村山署は殺人犯の存在を確認していながら捜査をしなかった」とする内部告発者と「会った」と主張しているから、いずれは千葉の主張する名誉毀損発言に関する立証がなされるのだろう。そのあかつきには、多忙を押して毎回裁判所に足を運ぶ支援者たち、それから珍しい「明代バッジ」制作者の労苦も報われよう。

直接的な主張はわずか3行

 西村が第3回口頭弁論で提出した準備書面における真実性・相当性の主張は千葉が問題とする西村の発言内容とは直接には関係しないように思える。しかし、膨大な準備書面のうち1ヶ所だけ不法行為の成否の判断に直接的に関わる主張があった。末尾の3行である。西村はこう主張していた。

〈被告の批判は、朝木市議事件の捜査機関としての東村山警察署の機関としての副署長の捜査指揮を批判したもので原告個人を対象としてのものではない。よって原告の請求は失当として棄却されるべきである。〉

 西村の発言は捜査機関としての東村山署に対する批判にすぎず、個人としての千葉に向けられたものではないという主張である。この主張が認容されれば、千葉に対する名誉毀損そのものがなかったということになるが、はたして裁判所が西村の発言内容をどう判断するのか注目される。

 さて、口頭弁論終了後、法廷内で千葉は西村の代理人に対して「書証はまだ出されるんですか」と聞くと代理人はこう答えた。

「朝木さんと相談します」

 朝木もまた矢野穂積との共著『東村山の闇』で「千葉が殺害事件を隠蔽して自殺として処理した」とする趣旨の記述をしている。これまで提出した膨大な書証の中にはいっさい含まれていないものの、右翼の「内部告発」証言とともに、今後西村が「朝木さんと相談」の上、「千葉が他殺事件を自殺として覆い隠した」、「千葉が殺人を自殺に仕立て上げた」とする西村の発言内容を直接的に立証する証拠を提出するのかどうか、きわめて興味深いところである。

(宇留嶋瑞郎)
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