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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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りんごっこ保育園民改費過請求事件 第5回(最終回)
                           ★第1回から読みたい人はこちら


 さて、東村山市が送付した「最後通告」を受け取った高野が9月10日までに過請求分83万9800円を返還したのかといえば、高野はまたも返還しなかった。高野はこのまま返還に応じず、東村山市が返還請求訴訟を提起するのを待つのか。仮にこのまま法廷に持ち込まれれば高野に勝算はないように思えた。東村山市も負ける要素がないと踏んだゆえに「最後通告」を突きつけたのである。

質問に答えなかった矢野

 返還期限から1週間が過ぎた9月17日、東村山市議会の委員会室で市議会決算委員会が開かれていた。傍聴席の1つ隣の席に、高野の同居人であり、りんごっこ保育園の運営委員でもある市会議員の矢野穂積が座っていた。またとない機会なので、私は矢野にこう聞いた。

「矢野先生、民改費は返したんですか?」

 矢野は「税金も払っていないやつに答える必要はない」といった気がするが、残念ながら記憶が定かではない。高野が返したか、返さないのか、同居人である矢野が知らないことはあり得ない。しかしいずれにしても、高野が民改費を返還したかどうかについて、矢野はいっさい答えなかった。

 質問の仕方や状況にもよるが、回答しないのも1つの回答とみなすことができる場合がある。私の矢野に対する取材の経験からいえば、矢野が私の質問に答えないときは、そのほとんどが都合が悪くて答えられないのだろうと推測できるケースである。では、今日の矢野の反応をどう理解すべきかと私は考えた。

 そもそも今回の誤請求は規定以外の職員を対象として計算したことによるもので、故意はなく単純な過失だったとしても高野が過請求分を受け取ることのできる法的根拠はない。つまり、過請求分は不当利得と解釈することができよう。

 すると、常識的に判断すれば、高野が過請求分を返還しないというのは社会的に容認されることではあるまい。当然、高野が最後まで返還しなければ東村山市は法的手段に訴えることとなり、記者会見も行われ、マスコミで報道されることになろう。高野の立場がますます悪くなるのは目に見えている。したがって高野が「返還しない」のなら、矢野にとって好ましい状況とはいえず、私の質問に答えないことも理解できる。

 一方、高野がすでに返還していたとすれば、高野は過請求の事実を認めたことになる。ただ、返還の要請があった時点ですぐに返還に応じていたのなら、誰からも非難されることはない。誰にでも過誤はある。むしろ東村山市の事務処理も最小限度ですむから、すみやかに返還に応じたことを評価されるかもしれない。(認可申請以来の行政に対する高野と矢野の異常な敵対姿勢を知る者からすれば、すみやかに非を認めたという点において間違いなく評価しよう)。

 しかし、仮に返還したとしても、4月下旬の返還要請に対して不誠実きわまる言い訳を重ねた事実、自分の「誤請求」に起因するにもかかわらず、いったんは「法的根拠を示さなければ返還できない」などと、あわよくば過請求の責任を東村山市(すなわち東村山市民)になすりつけ、過請求をまんまとせしめようとした事実を消すことはできない(高野が返還しなければ、東村山市民は二重の被害を受けることになる)。

 高野が返還したとすれば、それは高野が返還に応じたという事実だけでなく、高野の不遜かつ狡猾なたくらみが東村山市の毅然とした姿勢の前に不調に終わったことをも意味する。平たくいえば、(高野の背後にアドバイザーがいたとすれば、その人物も含めて)高野の負けである。

 すると、この間の普通では考えられない異常な経緯をふまえれば、高野が返還していたとしても矢野にとってすでにその事実も堂々と明らかにできる状況にあるとはいえないことになろう。つまり矢野は、高野が返還しようが返還していなかろうが、私の質問に対して正面から答えたくない状況にあったと理解できるのではあるまいか。

観念した高野博子

 はたして高野は返還するのかしないのか。その答は私が矢野に質問してからほどなくして明らかになった。東村山市保健福祉部によれば、高野は9月16日、保健福祉部を訪れ、担当職員の指示のもと返還手続きをすませたという。返還期限の9月10日を6日も過ぎていたことは、東村山市がすぐに提訴することはないとみたのだろう。なかなかのふてぶてしさだが、私が矢野に質問した日の前日、高野はすでに過請求分を返還していたことになる。もちろんその事実を矢野が知らなかったことはあり得ない。

「草の根市民クラブ」は故朝木明代(万引きを苦に自殺)をはじめ、矢野もまた東村山市の公金使用のあり方について、その内容とやり方はともかくとして、きわめて厳しい立場をとってきた。その矢野が、認可保育園の補助金の過請求についてなんら議会で発言することもなく、過請求分を返還したかどうかさえ自ら明らかにしないとは不可解というよりない。この矢野の態度は、高野との同居人としての私的関係、さらにはりんごっこ保育園運営委員としての個人的立場を市議会議員としての公的立場よりも優先したものといわれても仕方あるまい。

 高野が過請求分を返還したのは、裁判になれば勝算はないと判断したということだろう。食中毒騒動事件をはじめ平成20年2月に発覚した保育士不足問題などにおける高野の対応をみれば、東村山市が法的手段を取ると言明しなければこれほど早く返還が実現したとは思えない。

 それでも、東村山市保健福祉部は通常の相手なら1回の説明で解決できる問題、それも本来の業務以外の問題を解決するために半年もの時間を費やしたという事実は軽くない。高野という特異な認可保育園経営者1人のために延べ何人の職員が、どれだけの時間とエネルギーを割いたか。半年という時間をかけて東村山市が得たものは何もない。財政上のマイナス分がゼロに戻っただけであり、そのために職員が費やした労力と時間は完全にマイナスのままなのである。

(了)
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テーマ:社会 - ジャンル:政治・経済

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