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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第3回
                           ★第1回から読みたい人はこちら



最後の発言者

 では、「人種差別撤廃条約の実施状況に関する要望・意見」を求める外務省主催の意見交換会で、西村はどんな意見を述べたのか。意見交換会は自由人権協会やNGO関係者の発言に始まり、最後に挙手をしたのが西村だった。西村の発言をみよう。



西村  15番の西村と申します。今回の日本政府の対応状況を見ましたところ、非常におおむねよくできていると思います。まずもってこの人種差別撤廃っていうこと自体にですね、われわれの日本のような単一民族国家としてふさわしくない。細かい表現は非常に日本政府が批准しているっていう状況からして受けざるを得ないっていう、そういう立場を理解した上で非常によくできている。この不当な勧告に対してはそれなりにサティスファクションがあると思います。



 本連載第2回で説明したとおり、「人種差別撤廃条約」がいう「人種」とはたんに肌の色や骨格など身体的特徴の違いをいうのではない。「日本は単一民族国家だから人種差別撤廃ということ自体ふさわしくない」という西村の発言は、そもそもここでいう「人種」の意味をはき違えたもののように思える。

「日本は単一民族国家」という主張についても、08年6月6日、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択され、政府は「アイヌ民族は先住民族である」との認識を示している。したがって、あくまで西村が「日本は単一民族国家」と主張することはアイヌ民族に対する礼儀を失することになるまいか。

 これまで「人種差別の撤廃」に携わってきた人権NGO関係者にとって西村の発言は、冒頭部分からしてかなりの違和感があったことは間違いなかろう。続く西村の発言はさらに意見交換会の趣旨からはずれ、街宣さながらの内容となる。

予想だにしなかった「チマチョゴリ事件」



西村  6ページなんですけれども、その中の6ページの韓国朝鮮人、主に児童・学生を対象とした暴力行為にかかるというところですね。まあ、あの閣議決定により策定された「人権教育・啓発に関する基本計画」とうんぬん外国人に関する人権問題を掲げ、その中には在日韓国、朝鮮人等をめぐる問題を位置づけている。これが非常に不可解でしてね。日本社会でこの在日朝鮮人、韓国人にですね、そんな不当な差別が今の日本で行われているかどうかってことです。

 この暴力っていうのはつまり、一番具体的な例でいえば、例のチマチョゴリの引き裂き事件、切り裂き事件なんですよね。ご存じのようにチマチョゴリというのは、ちょうどこの分厚いハンカチのようですね。これだけをきれいにカッターナイフで切るってことはまず不可能なんですよ。しかも満員電車の中でカッターナイフで切るといったら、肉体へずぶりと突き刺すくらいでなきゃ、これ傷つかないものです。ということは、一連のチマチョゴリがあれだけきれいに裂かれたっていうのは完全なでっち上げなんですよ、これが。

 このことが毎日新聞の○○(実名)っていう女性記者がいます。これは今たしか、新聞労連の委員長なんですね。その方に、私は直接毎日新聞に乗り込んで、現実にこれができるかどうかを問いただしたことがありましたけど、この○○記者は逃げましたね。

 これは、だいたいこのような事件があった場合、在日朝鮮人協会が刑事告発するはずが、それはしない。ただマスコミを呼んで「暴力を受けた」と、実態のない、そういう実態のないものに基づいてですね、この在日韓国、朝鮮人をめぐる問題としていますが、余計なことだと思いますので、これは削除していただきたい。

 あと一つはですね、さきほどここの旧植民地の方がですね、娘さんの就職が大変差別を受けたっていいますけど、あなたはまあ日本人じゃない、日本国籍を取得していないわけですからね、これね、っていうことは当然これは区別されるんですよ。区別はこれ、けっして差別じゃない。日本人だったら1人で保証人でもいいかもしんないけども、日本人でなかったらそれ以外の保証人、これ全然区別で、(差別でも)なんでもない。



「人種差別撤廃条約の実施状況に関する要望・意見」を求める意見交換会において、まさかチマチョゴリ切り裂き事件の話が出てくると予測した人権NGO関係者は少なかろう。当然ながら、主催する外務省もようやく口を挟んだ。しかし、ここから意見交換会には不穏な空気が流れ始める。



外務省課長  今回、条約の報告書に関する意見交換っていうことで。

右翼  だから今、発言に対する……。

課長  個別のケースについてはやめていただけないでしょうか。

西村  な、な、何ですか。

課長  個別のケースを議論しているっていうことはございませんので、報告書の観点からご発言いただければと思います。

西村  だって、この方は報告書に関係のないことを発言していた。だったら、なんであんた、その発言を注意しなかった。だから、当然私も発言する権利がありますよ。私もね、会社関係で在日朝鮮人雇っていますけどね。能力で雇いますけれど、在日朝鮮人で差別なんて、そんなことしないですよ。

 たまたまあなたの娘さんは能力かなんかでその会社に適合しなかったから、そりゃ就職を断られたかもしんないし、あんたが旧植民地出身でこられたもんだから、そんな差別……。

原告  ちょっと誹謗中傷でしょう。

課長  個別のケースについての発言は……。



 西村が「会社関係で」在日朝鮮人を雇っているとは意外だが、それはともかく、原告が即座に「ちょっと誹謗中傷でしょう」と西村の発言を遮ったのは、西村が一方的に在日外国人の娘に能力がなかったと決めつけたからだろう。すると原告のこの一言を機に、西村の発言はますますあらぬ方向へ向かったのである。冷静さを失った、といえばいいのだろうか。

(つづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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