ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

「創価問題新聞事件」最高裁判決 第1回
 東村山市議、矢野穂積と朝木直子(草の根市民クラブ)が運営していたインターネット「創価問題新聞」の記事によって名誉を毀損されたとして、千葉英司元東村山警察署副署長が損害賠償などを求めて提訴していた裁判は、平成21年7月3日、最高裁が矢野と朝木の上告棄却を決定、彼らに10万円の支払いを命じた東京高裁判決(平成21年1月29日)が確定した(控訴審までの経緯の詳細については「創価問題新聞事件」を参照)。

東京高裁の認定

 東京高裁はこの裁判の「真実性及び相当性の証明の対象となる事実は、本件転落死が殺人事件であること、及び明代が万引きをしていないこと(本件窃盗被疑事件がえん罪であること)である。」とし、矢野と朝木の主張を検討している。

 控訴審で矢野と朝木が主張した内容は主として、

①転落死については司法解剖鑑定書に記載された明代の上腕内側部の皮下出血の痕は「他人につかまれた」ものであり、「他殺」である。

②万引きについては「真犯人の服装と明代の服装が異なる」、「明代が万引き犯でないことを裏付ける目撃者がいる」ことなどから「冤罪」である。

③「潮事件」判決、「FMひがしむらやま事件」判決から、「他殺」と「冤罪」には真実性・相当性が認められる。

 というものである。これらについて東京高裁は、次のように述べて矢野と朝木の主張を排斥している。あらためて東京高裁の判断を確認しておこう。



転落死

真実性
〈司法解剖鑑定書には、本件損傷が他人と争ってできた可能性があることをうかがわせる記載はなく、本件損傷の存在からは、鈴木医師(鈴木庸夫=山形大学名誉教授。矢野と朝木が司法解剖鑑定書の「鑑定」依頼した法医学者)の意見書に記載されているとおり、その生成原因として、明代が他人ともみ合って上腕を強くつかまれた可能性があることが認められるだけであり、明代が他人に突き落とされて本件転落死したことまで推認できるものでないことは明らかである。〉

〈また、鈴木医師が控訴人らの鑑定嘱託を受けて作成した鑑定書には、本件損傷が生じた原因について、「自分で強く掴むとか、救急隊員が搬送する際に強く掴むとか、落下の際、手すりにより生じたことも、落下の途中で排水縦パイプに衝突して生じたこととか、落下して地面のフェンスとか、排気口との衝突で生じたこともあり得ず、従って、他人と揉み合った際に生じたことが最も考え易い。」とされているところ、……(それらの)可能性を否定する根拠も十分なものでないといわざるを得ず、鈴木医師の鑑定書の上記記載は採用することができない。〉

〈司法解剖鑑定書の記載に加えて、……明代の転落前後の状況(明代が転落前に人と争った気配はないこと、明代が転落後に意識があるのに、救助を求めていないこと、明代が落ちたことを否定したこと、明代が転落箇所から真下に落下していること等)を併せ考慮すると、明代が他人に突き落とされたもの(他殺)ではないことがうかがわれる。〉

〈以上によれば、本件転落死が殺人事件であると認めることは到底できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。〉

相当性
〈控訴人らは、鈴木医師の意見を求める前の上記掲載当時、本件損傷のような皮下出血があることを知っていたことから、本件損傷の存在から、これが加害者ともみ合うなどして争った際についたものであり、本件転落死は他殺であると信じたものと認められるが、本件損傷の存在からは……その生成原因として、明代が他人ともみ合って上腕を強くつかまれた可能性があることが認められるだけであるところ、控訴人らは、明代の転落前後の状況として、その提起した……別件訴訟の結果により、(明代が転落前に人と争った気配はないこと、明代が転落後に意識があるのに、救助を求めていないこと、明代が落ちたことを否定したこと、明代が転落箇所から真下に落下していること等)の事実を知っていたのであるから、これらの事実を無視又は等閑視して、本件損傷の存在から、本件転落死が他殺であると信じるについて相当の理由があったということはできない。〉

万引き

真実性
〈控訴人らが明代の服装として作成した再現写真と明代の監視カメラの写真について、(万引き被害者)は、服装の雰囲気が違うような気がすると供述し、被控訴人(千葉)は、服が同じか断定できないと供述しており、控訴人らは、明代の服装の再現写真として同一とは判定できないものを作成しているところ、控訴人らは、アリバイの裏付資料としてアリバイを裏付けることのできないレジジャーナルを提出するなどしていることに照らすと、明代の服装の再現写真なるものは必ずしも採用することができず、他に本件窃盗被疑事件の真犯人の服装と明代の服装が異なることを認めるに足りる証拠はない。〉

〈また、○○の目撃内容は、明代が本件窃盗被疑事件の犯人であることをうかがわせるものであり、明代が万引きをしていないことを裏付けるものということはできない。〉

〈(万引き被害者は)……明代が万引きをしたことを明確に供述しており、控訴人らが提起した別件訴訟においても、いずれも(万引き被害者)の供述に信用性を疑わせるものはないとされている。〉

〈以上によれば、明代が万引きをしていない(本件窃盗被疑事件がえん罪である)と認めることはできず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。〉

相当性
〈本件窃盗被疑事件の真犯人の服装と明代の服装が異なると信じるについて相当の理由があることを認めるに足りる証拠はなく、また、○○の目撃内容は、上記説示のとおり明代が本件窃盗被疑事件の犯人であることをうかがわせるものであるから、明代が万引きをしていないと信じる相当の理由にはならない。〉

別件訴訟判決

潮事件
〈潮事件判決は、明代が本件窃盗被疑事件の犯人の可能性は相当程度に達するものと思われるが、なお明代を本件窃盗被疑事件の犯人と断定するには足りない、明代の死因が自殺であるとみる余地は十分にあるが、なお明代が自殺したとの事実が真実であると認めるには足りないとしたものであり、本件転落死が殺人事件である(明代の死因が他殺である)こと、及び明代が万引きをしていない(本件窃盗被疑事件の犯人ではない)ことが真実であるとしたものではなく(明代が万引きをし、万引きを苦に自殺したことは同判決で否定された旨の控訴人ら(矢野と朝木)が出版した書籍(「東村山の闇」)の記述は、当たらない。)、その上記説示に照らすと、控訴人ら主張の真実性を否定する趣旨であることが明らかである。〉

FMひがしむらやま事件
〈FM放送事件は、アザ(本件損傷)が他殺を疑わせる証拠となるようなものであることについての相当性について判断しただけであり、その真実性については判断しておらず、まして、本件転落死が殺人事件である(明代の死因が他殺である)としたものでないことが明らかである。〉

〈FM放送事件は、……アザ(本件損傷)が他殺を疑わせる証拠となるようなものであることについての相当性について判断したものであり、本件転落死が殺人事件である(明代の死因が他殺である)ことについての相当性について判断したものではないから、同判決を基に本件において相当性があるということはできない。〉



 平成21年1月29日、東京高裁は矢野と朝木の主張に対してこう述べ、彼らの控訴を棄却したのである。

 明代の「万引き冤罪」と「他殺」を主張していた矢野と朝木は平成8年に『聖教新聞』を提訴して以後、多くの裁判を起こしてきたものの、彼らの主張が認められた裁判は1つもない。法廷での主張をすべて排斥された矢野と朝木が、客観的立証を必要としない法廷外で「万引き冤罪」と「他殺説」を蒸し返しそうと企んだのが『東村山の闇』の出版だった(平成15年11月)。その中身はすべてそれまで裁判所で排斥されたものにすぎない。

 矢野と朝木は敗訴した裁判についても判決文の中から彼らに都合のよい部分だけを切り取って、あたかも裁判所が明代の万引きと自殺を否定したかのように主張していた。しかし東京高裁は、この点に関する『東村山の闇』の当該部分についてもわざわざ「(彼らの主張は)当たらない」と断定している。『東村山の闇』における主張も含めて矢野と朝木の主張をすべて否定したものといえる。

自殺を推認させる事実を「無視または等閑視」 

 この東京高裁判決で重要なのは、矢野と朝木の「万引き冤罪」と「他殺」の主張をすべて排斥したこととともに、矢野と朝木が明代の「他殺」を否定する(自殺を推認させる)多くの事実〈明代が転落前に人と争った気配はないこと、明代が転落後に意識があるのに、救助を求めていないこと、明代が落ちたことを否定したこと、明代が転落箇所から真下に落下していること等〉の存在を知っていたにもかかわらず、〈これらの事実を無視又は等閑視(した)〉と指摘していることである。矢野と朝木は、明代の万引きを否定するために、自殺を推認させる事実を無視しようとしたことを裁判官は見抜いたのだろう。

 事実は、矢野と朝木は明代の自殺を推認させる事実を無視しようとしただけではなかった。とりわけ転落した明代の身を案じ、「救急車を呼びましょうか?」と話しかけたハンバーガー店のアルバイト店員を非難し、明代が救急車を断った事実を握りつぶそうとしたのである。「救急車を呼びましょうか?」「いいです」という会話が、自殺を推認させるものであることを矢野と朝木が十分に認識していたからにほかならなかった。

 事件の真相究明を求めているはずの矢野と朝木が、この重要な事実を〈無視又は等閑視〉したとはどういうことか。矢野と朝木が明代の自殺を「他殺」であるかのようにみせかけるためだったと考える以外に、その目的は思いつかない。とりわけ明代の万引き事件でアリバイ工作と被害者への威迫行為に深く関与し、書類送検の原因を作った当事者である矢野穂積にとって、明代の転落死を「自殺」と認めることはできなかったのである。     
                                                          (宇留嶋瑞郎)

(つづく)
関連記事

テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

TOP