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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「創価問題新聞事件」最高裁判決 第3回
 上告理由書のもう1つの主張の柱は明代の万引き事件に関してである。矢野と朝木はこう主張している。

本筋を離れた主張



〈原判決は、1995年7月22日付捜査報告書に貼付された防犯ビデオ写真(捜査時写真)と再現写真(乙31=万引き事件当日の明代の服装であるとするキャッシュコーナーの写真、乙32=同じ服装のファミレス駐車場で撮影したカラー写真)について、以下のように、証拠の評価を誤った違法があり、ひいては事実を誤認したものといわざるを得ず、また、これが単なる事実認定上の問題にとどまらず、法律判断を誤り、判決に影響することは明らかであって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとなることは明らかである。〉



 矢野と朝木は東京高裁判決のどの部分が「証拠の評価を誤り」、「事実を誤認した」と主張しているのか。彼らは続けて原判決を引用し、それに対する反論を以下のように述べる。



〈すなわち、原判決は、以下のとおり判示している。

「東村山署は、本件窃盗被疑事件の書類送検後に、明代が本件窃盗被疑事件が発生したとされる時刻前に銀行のキャッシュサービスコーナーに寄ったことについて裏付け捜査をし、銀行の監視カメラにより明代を斜め後方から撮影した白黒の映像(写真)を入手し、捜査資料として追送致した。これに対し、控訴人らは、その写真の閲覧ができなかったため、控訴人朝木において明代が当日着用していたとする服装を着用して再現写真(乙31)なるものを撮影、作成した。

 そして、……(S新聞事件)において平成12年2月7日に実施された○○(万引き被害者)の被告本人尋問において、○○(万引き被害者)は、明代の服装について、グリーングレーのパンツスーツに黒の襟の立ったチャイナカラーのブラウスに黒っぽいバッグを持っていた、監視カメラの写真と上記再現写真とは服装の雰囲気が違うような気がするなどと供述した。また、同日に実施された被控訴人(千葉)の証人尋問において、被控訴人は、上記再現写真は監視カメラの写真と服が同じか断定できないが、雰囲気としてよく似ている、監視カメラの写真の服装等と○○(万引き被害者)の供述はほぼ一致していた、……などと供述した。

 なお、控訴人ら(矢野、朝木)は、平成10年3月3日にも、明代の服装の再現写真(乙32)なるものを撮影、作成しているが、2枚の再現写真の服装が同一であるとは判定できない。

 原判決の前記判示のうち、太字傍線部2箇所は全く客観的事実に反する。すなわち、「控訴人らは、その写真の閲覧ができなかったため、」と原判決は断定するが、これは、全く客観的真実に反する。このことは、「監視カメラの写真(捜査時写真)」が1995年7月22日付け捜査報告書に貼付されていた事実を申立人らが知っていることは、すでに申立人らが「監視カメラの写真(捜査時写真)」を現認した事実を示す明らかな証左であって、その記憶に基づいて「再現写真」が撮影されたことも明らかなのであって、この再現写真によって、洋品店主○○が目撃した「チャイナカラー」のブラウスを着用した「万引き真犯人」と「監視カメラの写真(捜査時写真)」つまり「再現写真」に写った朝木明代議員の服装は一致しておらず、朝木明代議員は「万引き犯」でないことが……判明したのである。〉(下線は矢野



 さらに矢野と朝木は、監視カメラの写真(捜査時写真)を見たとする状況について次のように主張している。



〈朝木直子は、同年(平成7年)11月、同地検支部で本件朝木明代議員関係事件に関して事情を担当信田検事に話した際、同検事が1995年7月22日付前記「捜査報告書」に貼付された「写真」(「捜査時写真」)に映った朝木議員の服装を閲覧させたため、見入ることができ、その後も別の検察官から、控訴人矢野、同朝木はこの写真(「捜査時写真」)を見せられたので、朝木明代議員の「万引き事件」当日の服装は鮮明に記憶に残った。〉



 つまり矢野と朝木は、捜査報告書に貼付された「監視カメラの写真」を「閲覧」していて、それを鮮明に記憶できたのだから、彼らがその記憶に基づいて作成した「再現写真」の明代の服装は「監視カメラの写真」と同一なのだといいたいらしい。

 矢野と朝木が検察官から「監視カメラの写真」を見せられたことはおそらく事実だろうと私はみている。そうでなければ、白黒にすれば「監視カメラの写真」によく似たものになる「再現写真」を作ることはできない。検察官は明代の万引きが事実で、言い逃れできるものではないことを彼らにわからせるために、被害者の供述と一致した「監視カメラの写真」を見せたのではないかと私は推測している。

 ただ、検察官が彼らに「監視カメラの写真」を見せたということが東京高裁判決のいう「閲覧」にあたるかどうかは別問題だろう。通常、裁判書類の「閲覧」という場合には手続きが必要で、刑事裁判書類の場合には公判終了後に限られる。明代の万引き事件は「被疑者死亡により不起訴」で終結しているから当然、「閲覧」の対象とはならない。通常の手続で刑事訴訟記録を閲覧できた場合には、当事者や代理人であれば捜査記録のコピーすることもできる。したがって、矢野と朝木が本当に「捜査時写真」を検察官から見せられたとしても、それは厳密な意味での「閲覧」とはいえず、東京高裁の「写真の閲覧ができなかった」とする認定は必ずしも誤りとはいえないことになる。

地検に「本物」を提出しなかった不思議

 また、矢野と朝木が検察官から見せられたことをもって「閲覧」したといえたとしても、彼らはなぜたんに「記憶にとどめる」だけでなく、「監視カメラの写真」をコピーすることを要求しなかったのか。弁護士もついているのだから、彼らが本気で服装の違いを訴えたいのなら「明代の無実を証明するため」としてコピーを要求し、それが「再現写真」と同一なのであれば、その「ベージュ」のパンツスーツを地検に提出すればよかったのではあるまいか。

「ベージュ」の上着には、裾が紐で絞れる構造になっているという特徴があり、ブラウスにも襟の立ったチャイナカラーという特徴がある(彼らの「再現写真」のブラウスは襟の立っていない普通の形状のブラウスで、明らかな違いがある)。それを「監視カメラの写真」と照合し、一致すれば、平成7年の段階で明代の無実が証明でき、「自殺説」を否定する重要な材料となっただろう。

 しかし、これまでの訴訟記録のどこを探しても、矢野と朝木が検察官に対して「監視カメラの写真」のコピーを要求したという話はまったく出てこない。また、朝木がそのスーツを着て写真撮影したのは平成10年3月3日である。この間になぜ3年以上の時間を要したのだろう。

 さらにその「再現写真」を公にしたのが、その2年後の『聖教新聞』裁判の被害者に対する尋問の場だったのはなぜなのか。裁判は平成8年に始まっていた。「再現写真」が本物だというのなら、裁判の途中で彼らの主張する「明代の服装」を明らかにすることに何の支障もあるまい。しかし矢野と朝木は、万引き被害者に対する尋問の日まで「再現写真」を明らかにはしなかった。これは不思議なことではあるまいか。

 いずれにしても、重要なのは朝木が母親の明代に扮し、矢野が撮影させた「再現写真」が本当に万引き事件当日の明代の服装だったかどうかである。矢野と朝木が地検で「監視カメラの写真」を仮に見ていたとしても、「再現写真」の服装が「監視カメラの写真」の服装と同一だったという客観的な裏付けはどこにもない。むしろ、法廷で「再現写真」を見せられた万引き被害者はその同一性を否定している。

 矢野と朝木は「監視カメラの写真(捜査時写真)」=「再現写真」とする強引かつ一方的な前提のもとに、「再現写真」を被害者が否定したことをもって「明代の服装は万引き犯の服装とは異なる」と主張している。しかし、そもそも「監視カメラの写真(捜査時写真)」=「再現写真」という主張にはなんらの裏付けもない。したがって、被害者が「再現写真」の服装が事件当日の明代の服装ではないと証言したことは、たんに「再現写真」がニセ物であるという以上の意味を持たないのである。

 したがって、東京高裁の「閲覧ができなかったため」という認定が仮に「見ていない」という趣旨だったとしても、「再現写真」がニセ物であるという判断にはなんらの影響も及ぼさない。「見た」ものとその「再現写真」がただちにイコールであるという保証がどこにあろうか。矢野と朝木は東京高裁の「閲覧ができなかったため」などという文言をあげつらう前に彼らの「記憶」が間違っていないことを立証しなければならない。

 はっきり記憶したというのであれば、万引き当日の明代の服装を矢野と朝木はなぜただちに探し出し、地検に提出しなかったのか。彼らが主張するベージュのスーツには特徴があるのだから、探すのはそう難しくはなかったはずである。本物と主張するにもかかわらず、そのスーツを地検に提出しなかった事実もまた「再現写真」がニセ物であることを示している。

(つづく)
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