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著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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宝島裁判判決
 別冊宝島の記事によって名誉を傷つけられたとして警視庁東村山警察署元副署長千葉英司氏がジャーナリストの乙骨正生氏らを提訴していた裁判で、東京高裁は平成19年10月18日、千葉氏の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 問題となったのは、平成18年8月1日に宝島社が発行した「別冊宝島 日本『怪死』事件史」の中の乙骨氏が執筆した「東村山女性市議『自殺』事件 鑑定書は何を語るのか 自殺と最終判断された人気市議“転落死”事件の闇」と題する記事。

 故朝木明代の転落事件については平成7年12月22日、警視庁東村山署が「犯罪性はない」として捜査を終結、平成9年4月には東京地検が「自殺の疑いが濃い」とする結論を発表しており、また多くの民事裁判において「他殺」を主張していた故朝木の同僚市議、矢野穂積氏、故朝木氏の長女、朝木直子氏らの訴えはすべて排斥されている。すなわち、故朝木氏の転落死事件は「自殺」というのが刑事・民事ともに共通する結論となっている。

 ところが同記事は、まずリードで、

〈世紀末の宗教の狂気を象徴するオウム真理教事件が明らかとなったのは1995年のことだった。その95年、オウム真理教事件とは次元を全く異にするとはいえ、日本における宗教と政治の関係、あるいは宗教と警察や検察との不可解な関係を浮き彫りにしたもう一つの怪死事件があった。〉

 として、おりしも95年当時日本社会を震撼させたオウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件と松本サリン事件を東村山市議・朝木明代の転落死事件とオーバーラップさせ、朝木市議の死があたかも宗教がらみの殺人事件であるかのように、また「宗教と政治の関係、あるいは宗教と警察や検察との不可解な関係を浮き彫りにした」と断定して、あたかも特定宗教団体と捜査機関との間に「不可解な」関係があるかのように読者を導いた上で、事件を捜査した東村山署や東京地検が特定宗教団体の意向を汲んで「他殺」の証拠を隠匿して自殺扱いしたかのように記載していた。

 千葉氏は記事中に「特定宗教団体の政治的影響下にあって公平な捜査機関としての能力を失った」東村山署の捜査責任者として登場しており、千葉氏は裁判で、記事は「千葉がそのような東村山署の一員であるのみならず、本件事件の捜査指揮官として、あるいは広報担当の副署長として事実の隠蔽に積極的に加担した」かのような印象を与え、社会的評価を著しく低下させられたと主張していた。

 一方、被告である宝島社及び乙骨氏は、「記事は東京地検と警視庁の捜査に対する疑問を呈したものにすぎず、原告に対する名誉毀損表現はない」と主張、真実性・相当性についてはいっさい主張しなかった。

 これに対して一審の東京地裁は、提訴からわずか約半年後の平成19年6月8日、「本件記事は、朝木市議の転落死に関する東村山署の捜査について、一定の証拠に基づき疑問を呈したものに過ぎず、人心攻撃に及ぶなど、論評としての域を逸脱したものではない」「原告に対する名誉毀損には該当しない」などとして千葉氏の請求を棄却していた。

 東京高裁もまた千葉氏の請求に対する判断(千葉氏に対する名誉毀損があったか否か)としては一審の判断を追認するものとなった。しかし、東京高裁は記事の本質とその意図について次のように指摘した。

〈本件記事は、全体の構成及び文脈から判断すると、本件転落死事件について控訴人が東村山署の副署長としての立場で公表した「事件性が薄い」との捜査上の見解を紹介した上で、その見解について遺族や関係者から重大な疑問が投げ掛けられ、疑惑が強まっていたにもかかわらず、東村山署や東京地検が「不可解な」対応に終始し、結局、「自殺の疑いが強く、他殺の確証は得られなかった。」として捜査を終結させたとして、その捜査姿勢を批判した記事であると解されるが、他方で、本件記事が、本件雑誌の「日本『怪死』事件史」特集(「真相を闇に葬ったのは誰だ!」とのサブタイトル)において、その闇に葬られた事件の一つを紹介するものとして執筆されていること、本件記事の冒頭に「東村山女性市議「自殺」事件(1995年)」、「『鑑定書』は何を語るのか 自殺と最終判断された人気市議“転落死”事件の闇」との大見出しが付されていること、本文の中でも、「公明党タブーと市議の関係」、「宗教法人法改正問題」及び「密会ビデオ」といった中見出しの下、本件転落死事件と政治との関係を暗示するかのような段落を独立に設けていること、その結びの文章において「世紀末における宗教と政治、そして宗教と警察や検察の不可解な関係を炙り出した朝木市議の転落死事件。その背景は実に複雑怪奇である。」と記述していることを総合すると、本件記事は、その全体的な印象としては、一般読者に対し、宗教と警察や検察との間に不可解な関係が存在し、そのために、本件転落死事件において特定の宗教団体に配慮した不正捜査が行われたのではないかとの疑念を抱かせかねない内容の記事であると言わざるを得ない。〉

 乙骨氏の記事について東京高裁が「本件転落死事件において特定の宗教団体に配慮した不正捜査が行われたのではないかとの疑念を抱かせかねない内容の記事である」と指摘したことの意味は小さくない。

千葉英司氏の話
多くの民事裁判ですでに結論が出ているにもかかわらず、客観的判断の及ばない法廷外で、いまだに疑惑記事を繰り返す乙骨氏の姿勢には強い怒りを覚える。彼には、疑惑報道の陰でいったい何人の市民が傷ついたか想像もできないのだろう。その意味で、証拠を意図的にねじ曲げて事実に反する疑惑を蒸し返そうとする乙骨氏の手法に対して裁判所が厳しい姿勢を示したことは評価できるものと考えている。

テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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