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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第6回
 平成21年11月4日午後3時から、被告である西村修平と原告に対する本人尋問ならびに西村側証人である右翼に対する尋問が東京地裁で行われた。傍聴席は7、8割程度が埋まったがそのほとんどが西村の支援者と思われた。

 この裁判で西村は、意見交換会では婚外子の問題における一般論を述べただけで、原告個人に対する誹謗中傷発言はしていないと一貫して主張している。また、原告が提出した意見交換会の議事録にある原告に対する発言は西村の同志である年配右翼の発言であるとして、この年配右翼自身が西村の主張を認める陳述書を提出している。したがって、この裁判の最大の争点は西村による原告個人に対する誹謗中傷が本当になかったのかどうかであり、原告側の西村に対する尋問もその点が大きなポイントになると私はみていた。

 当然、西村による原告に対する誹謗中傷発言がなかったとすれば原告の請求はその前提を失うこととなり、請求は棄却されるだろう。逆に、原告に対する誹謗中傷そのものの存在を否定する西村の主張が排斥されれば、不特定多数の前で他人を「私生児」呼ばわりすることが名誉毀損に当たるかどうかについての判断がなされ、名誉毀損に当たると判断された場合には原告の請求が認容される可能性が高まろう。

鮮明になった矛盾点

 この日の尋問に際して、原告側は新たな証拠を提出した。平成20年4月16日、「行動する保守」と称する右翼が、外務省での意見交換会後に原告が西村の発言をめぐり法務省に人権侵害の訴えを行い、西村が法務省から呼び出された経緯を聞くインタビューを企画した。このインタビューにはのちに西村側証人として出廷することになる別の右翼も出席して発言している。原告側が提出したのはこのインタビューの反訳である。インタビューには2つの注目点があった。

 反訳によればまず、西村は意見交換会における自分自身の発言について、次のように述べている。



西村  それはやっぱりあの、村田さんを告発したという○○(実名=原告)という方がですね。自分はあの結婚しないと。それで、婚外子(私生児)がいて、その要するに私生児ですね。彼女は私生児とは言いません。最初、婚外子、婚外子というから、……よくわからなかったですけど、話聞いてて、自分は要するに結婚しないで独身のまま子どもを産んだから、その子どもがたとえば幼稚園に入って、小学校に行くにあたっていろんな差別受けている、これが人種差別だ。とおっしゃっていたんで、私はそれは…えーと私生児ってのは当然、結婚しないで産んだ子供だから、私生児は社会的に当然差別されるし区別されますと。

 ましてやあなたが産んだ子どものあなたが、あなたの相手がもし結婚してる人であったらこりゃ完全に不倫であってね、あなたがその子供の民法上のなんかいろいろな相続とかなんかを要求したらそりゃ大変な、相手の家庭に対して亀裂をもたらすことなんだと。だから当然ね、そういう不倫の末に生まれた子供は社会的に差別されて、社会をそのー、円滑に運営する上では、では、そりゃ人間の知恵なんだ。あなたが差別されたくないって言うなら、ちゃんとしっかりした結婚して子供を生みなさいと、こう言ったわけでして。



 この裁判で西村は、意見交換会における発言内容は婚外子問題に関する一般論にすぎず、原告に対する具体的な発言(「私生児」など)はしていないと主張している。しかし、この日原告が提出したインタビューの反訳をみると、西村自身が原告に対して具体的な発言をしていることを認めているように聞こえる。

 これは少なくとも、裁判における婚外子問題に関する一般論を述べただけという答弁書の主張とは矛盾するし、さらに「公聴会(意見交換会)での私の意見は一般論であって、○○(=原告)の存在そのものを知らないなかで、○○本人を「婚外子」と決めつける意図などもとよりなく、そのようなことも出来ません」とする陳述書の記載ともだいぶニュアンスが違うように思える。この点について原告代理人が西村にただすと、西村はインタビューの内容については「よく覚えていない」と答えるにとどまった。

 なお、最近になって、原告に対して「『私生児が』などの発言をしたのは自分だ」などとする陳述書を提出した年配の右翼は、「行動する保守」のインタビューの中で法務省に呼び出された話はしても「私生児」発言についてはなぜか一言も触れていない。これもまた不思議なことではあるまいか。

自らのスケールを示した西村

 もう1点は、意見交換会終了後に西村が近づいてきて「おまえは何人不倫の子を産んだのか」という言葉を投げつけたと原告が主張している点について、西村がインタビューで原告の主張とむしろ符合する発言をしていることである。「行動する右翼」から意見交換会に出席した感想を求められた西村は次のように述べている。



西村  そうですね、まあ、めったにまあそういう極左系の人たちとかね、そういう在日朝鮮人のかなりエキセントリックな人たちの話聞く機会なかったんで、そこでまあ普段思っている思いのたけを彼らに浴びせつけましたよね。その会議(筆者注=意見交換会)終わった後も、個別に捕まえて、ずいぶん締め上げたので、僕としては非常に痛快極まりなかったんですけども。ただそれが、個人的なですね、ああ気持ちよかった、言ったというレベルに置いてしまったんでは、これは社会運動として発展できないのであって。



 原告代理人が注目したのは「その会議終わった後も、個別に捕まえて、ずいぶん締め上げた」とする箇所である。「ずいぶん締め上げた」とは原告に対して「おまえは何人不倫の子を産んだのか」という言葉を投げつけた場面のことをいっているのではないか、とも受け取れよう。そうだとすれば、インタビューにおける西村の発言の流れは、原告に対する「私生児」発言、さらに意見交換会終了後に西村が原告に対し「おまえは何人不倫の子を産んだのか」という言葉を投げつけたとする原告が主張する事実経過と大きな齟齬はない。

 原告代理人は西村に対し、「ずいぶん締め上げた」とは原告に対して「おまえは何人不倫の子を産んだのか」といったことを指しているのではないかと追及した。すると西村は「ずいぶん締め上げたというのは原告のことではない」とはいわず、誰もが予想しなかった供述をした。この点も思い出さないままの方がよかったと思うが、西村はインタビューでの発言は「意見交換会で発言したことを自慢したかっただけで、締め上げたというのは嘘」(趣旨)と供述したのである。

「主権回復を目指す会」代表の西村修平という男は、「締め上げた」などという嘘をついて自慢するほどつまらない、小さい男なのか。インタビューは動画でインターネット上(スティッカム)で公開されているが、嘘をついてまで自慢したかったという「行動する保守」のリーダーの1人を支援者はどう見るのか。

 このとき、傍聴席は静まりかえっていたという。残念なことに、この西村の供述が事実であろうと姑息な言い逃れであろうと、西村という右翼のスケールのほどを示すものであることに変わりはないのである。

 それはともかく、裁判官はこの日の西村の供述とインタビューでの発言のどちらが嘘であると判断するだろうか。西村の供述が、「おまえは何人不倫の子を産んだのか」という原告に対する発言を否定するためのその場しのぎの嘘であるとみる余地は十分にあるような気がする。

(つづく)
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