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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平「婚外子」差別発言裁判 第7回
埋められた外堀

「行動する保守」によるインタビューでは、西村は外務省主催の意見交換会に出席したいきさつと目的についても自発的に述べている。意見交換会における具体的発言とともに、発言の背景、西村の心理状態がうかがえて興味深い。



西村  こういう政府主催の公聴会とか、会議にはですね、ほとんど右の方とかか保守勢力は参加する機会がなかったんですよ、というよりほとんど反応を示さなかった。そういうことで、まあ保守派のまあ女性(家族の絆を守る会岡本明子のこと)たちの方から、この公聴会に参加するということを話しまして、非常に参加する人員が少なくかつ男性の人も少ないから、ぜひともみなさんご参加をという形で、これはどうしてもね、行って、連中を牽制してやらないとね、私も非常に興味津々、当日行って、そういう思いでまあ行ったわけです。えーっと、まあ、聞きしにまさる会議の内容ですね、もう左翼にとっちゃ言いたい放題、しゃべりたい放題の席になってました。とうとう私もね、聞くに堪えかねてですね、まあいろいろ野次とかなんかを飛ばしておりまして、とうとう私の番に来ました。



 西村は、もともと意見交換会の存在を知らされたのも参加を要請されたのも「家族の絆を守る会」の岡本明子会長からだったと述べ、インタビューに同席していた年配右翼も岡本会長から要請があったことを認めている。注目すべきは、続く「連中を牽制してやらないとね。……そういう思いでまあ行ったわけです」という発言、さらに「私もね、……まあいろいろ野次とかなんかをとばしておりまして」という発言である。西村はこの意見交換会に出席する「左翼」を牽制するために参加し、実際に「牽制」のために「いろいろ野次を飛ばしていた」と認めていることになる。(その「牽制」なるものが原告に対する「私生児」という誹謗中傷だったとすれば、政治団体代表の発言としてはあまりにも軽率で幼稚としかいいようがなかろう)

 原告に対する差別発言があった事実を明らかにするために、原告代理人が意見交換会への参加のいきさつと目的という背景事情から迫ったのも鮮やかである。この点について原告代理人が西村に確認すると、西村は「岡本会長から要請はない。意見交換会が開かれることは外務省のホームページで知った」と供述し、「家族の絆を守る会」から要請された事実を否定した。すると、意見交換会参加までのいきさつについて述べていたインタビューの内容も嘘だったということなのか。

 西村の「主権回復を目指す会」の掲示板では、岡村会長はなぜ西村の裁判を傍聴もせず、支援もしないのかと、岡村会長を非難する趣旨の書き込みがある。西村にとってはなにか、意見交換会参加までのいきさつについて事実を明らかにしたくない事情があったのかもしれない。

 西村は原告が主張する問題の発言を否定したまではよかったが、仲間内のインタビュー内容まで否定したことでむしろ裁判における主張の信用性を自ら低下させてしまったのではあるまいか。いずれにしても西村は、このやりとりによって外堀も埋められたような気がしてならない。

裁判官も困惑

 この日の尋問では裁判官を困惑させる場面もみられた。原告代理人が意見交換会における西村の発言の事実確認をしたときのことである。

 西村は第1回口頭弁論期日(平成21年4月13日)に提出した答弁書に「……被告は以下のとおり抗議した。以下各人の発言を順次述べると」として自身を含む発言内容の反訳を記載している。ところが原告代理人が西村自身が自分の発言と認めて記載した西村の発言について逐一確認していくと、西村は自分自身の書面に自ら記載した発言であるにもかかわらず、

「あんたさっきの婚外子の問題でもね、何で婚外子の問題が人種差別の問題なんだよ。これ個人の不倫の関係で生まれたアレだ不貞の子供でしょう」

(原告が上記発言に対して謝罪を求めたのに対し)
「謝罪しない。世界の常識だ。不倫の子供は差別される」

 などの発言について「自分は発言していない」と主張したのである。裁判中に自らの主張を撤回することはあっても、自認していた事実関係について自ら否認するなどということはめったにあることではない。このとき陪席裁判官は裁判長に答弁書を示し、裁判長は西村が否定するたびに答弁書との相違について問いただした。裁判官もまた、西村の供述に疑問を持ったということである。

 なお西村は、これまで原告が提出したテープを確認するよう裁判長から求められていたが、「テープの声は確認していない」と答えている。一度は認めた自分の発言を否定する西村の供述に裁判官が困惑したとしても無理はあるまい。

原告代理人のダメ押し

 さて、西村側代理人は西村と年配右翼に対する尋問で、「婚外子は法的に不利益があってもやむを得ないと考えるか」とする質問を行い、これに対して両名は「仕方がない」と供述した。これは「行動する保守」による西村インタビューの内容と矛盾しない。

 そこで原告代理人は西村に対して最後に「ある人に対して『私生児』と発言することは適当だと考えるか」と聞いた。すると西村はこう答えた。「それは不適当です」。これはきわめてまっとうな考えであると評価すべきだろう。ただこれは、意見交換会において西村が原告に対して「私生児が」という言葉を投げつけていたとすれば、それは少なくとも不適切であることを西村は自認したということになる。

 あとは東京地裁が、西村が否認する原告に対する発言があったかどうかについてどう判断するか、あったと判断した場合にはそれが名誉毀損に当たるかどうかについてどう判断するかである。東京地裁はこの日の尋問をもって弁論を終結し、判決言い渡し期日を平成21年12月24日午後1時30分と指定した。

(「判決後」につづく)
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