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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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西村修平事件第6回口頭弁論(その6)
西村反対尋問(5)

 これまでの千葉の尋問で、西村が東村山街宣の前になんら独自の調査もしておらず、その後も自分では何も調べていないこと、すなわち矢野と朝木の宣伝を鵜呑みにしてきたことが浮き彫りになった。続く尋問では、矢野が西村に提供した資料の重大な欠陥が指摘された。



⑦司法解剖鑑定書について

千葉  他殺であると主張する根拠は何か。

西村  山形大学名誉教授の「鑑定書」と声紋鑑定だ。2人ともその分野の権威だから、明らかにこれは他殺だと、そういうふうに結論する。

千葉  司法解剖鑑定書は証拠にならないのか。

西村  他殺の根拠になる。

千葉  (西村が提出した書証「司法解剖鑑定書」を示す)この写真(鑑定書に添付された明代の遺体の写真)を見ているか。

西村  はい。

千葉  この写真から、「他人がつかんだ痕」がどこにあるかわかるか。

西村  資料があまりにも不鮮明で、確認できない。

千葉  確認できませんね。この不鮮明な写真について、もっときれいな写真はないのかと疑問に思わなかったか。

西村  思わなかった。法医学の権威が見解を出しているから、写真を見るまでもない。この写真はコピーのコピーだから不鮮明だ。この写真からはわからない。私はあくまでも鈴木教授の文書によって判断した。

千葉  では、文書のどこに「他人がつかんだもの」という表現があるか。

西村  文書にはないが、上腕内側部の皮下出血は他人がつかまなければできない。

千葉  この文書のどこに書いてあるかと聞いている。

西村  書いてないです。

千葉  朝木直子は「司法解剖鑑定書には証拠能力がない」と主張していたが、知っていたか。

西村  知らない。



 西村の供述で重要なのは、西村自身が提出した司法解剖鑑定書に添付された写真が「あまりにも不鮮明」だということである。

 明代の司法解剖鑑定書には遺体を特徴づける16枚の写真が添付されている。「顔面の状態」「胸腹部の状態」「背面の状態」「右胸腹部の損傷」「右腰部、右臀部及び右大腿部の損傷」「頸椎の損傷」「右肋骨前面の骨折の状態」「左肋骨骨折の状態」「右肋骨背面の骨折の状態」「肺損傷の状態」「下肢の状態」「左足部内側の損傷」「左脛骨及び腓骨の骨折」「右下腿部の縫合創」「右足背部の損傷」「右腓骨骨折」の16枚である。

 これらの写真は鑑定書の記載に対応するもので、特に死因に結びついたと推測できる損傷のひどい箇所を選択して添付したものとみられる(この中には、矢野らが問題にする「上腕内側部の内出血の状態」は含まれていない。仮に鑑定医が上腕内側部の内出血が他人の介在を示すものだと判断したとすれば、写真に含まれていなければならない)。したがって、写真は鑑定書の記載内容を視覚的に補足するものと考えられるから、写真は損傷の状態を視覚的に確認できる状態のものでなければならないのは当然で、鑑定医が鑑定書を作成した段階では鮮明なものだったはずである(視覚的に確認できないような写真なら、添付する意味がない)。

 ところがこの裁判で西村が提出した司法解剖鑑定書の写真は、西村自身が正直に供述するように、とうてい遺体の損傷の状況を確認できるようなものではなかった。西村がそのような状態に加工する理由があるとは考えられず、西村が矢野からもらった時点で損傷の判別ができないようなものだったとみていいだろう。なぜなら、これまで矢野は「聖教新聞」裁判など他の裁判でもたびたび司法解剖鑑定書を書証として提出しているが、いずれの写真も西村がいうように「あまりにも不鮮明」なものだったからである。

 その「不鮮明さ」をわかりやすくいえば、昔のアナログコピー機で何度もコピーのコピーを重ねて劣化した状態である。矢野がなぜそのような劣化写真を付けたのかはわからないが、西村に渡した写真が不鮮明だったということは、朝木が山形大学名誉教授に鑑定資料として送ったのもこの不鮮明な写真だったと推測される(そうでなければ、西村にだけ不鮮明な写真をつける合理的な理由はない)。西村は写真が不鮮明だから、鈴木名誉教授の「文書の内容」だけで判断したというが、逆にいえば鈴木名誉教授もまた司法解剖鑑定書の記載と自らの経験のみによって「司法解剖鑑定書の鑑定」を行ったということになろう。

 さて、西村は上腕内側部の皮下出血の痕について、鈴木「鑑定書」には「つかまれた痕とは書かれていない」ことを認めながら、それでも「他人からつかまれなければできないもの」と供述している。しかし、上腕内側部だからといって、「他人からつかまれる以外に内出血はできない(それ以外の可能性はない)」とは断定できないことは誰が考えても明らかである。

 なお、矢野と朝木は司法解剖鑑定書の記載(上腕内側部の皮下出血の痕)に基づいて「他人からつかれまた証拠」と主張する一方で、朝木は救急隊裁判で司法解剖鑑定書の信憑性を否定していた。東京都(消防庁)は司法解剖鑑定書によって救急隊員の救命措置が適切だったことを立証しようとした。これに対して朝木は、鑑定書が作成されたのが司法解剖から1023日後だったこと、鑑定人の署名押印がなされていないことを理由に「信用できない」と主張していたのである。

 矢野と朝木は、その「信用できない」と主張する司法解剖鑑定書の記載に基づいて、上腕内側部の皮下出血の痕が「他人からつかまれた証拠」と主張していることになる。どういう思考経路をたどればこのような二律背反の主張に到達できるのか、常人には理解しがたいものがあろう。



⑧「万引きでっち上げ」の根拠

千葉  あなたは私が万引き事件をでっち上げたと主張するのか。

西村  今のあなたではない、公職に就いていた千葉英司元副署長が、ということだ。

千葉  元副署長が万引き事件をでっち上げた。

西村  と思わざるを得ない。

千葉  あなたはそう断定していなかったか。「思わざるを得ない」なのか。

西村  国民には公職に対して意見を述べる権利がある。警察のでっち上げといったことは許される行為だ。



『東村山の闇』裁判では、東京高裁は千葉に関する記載を警察捜査に対する批判であるとして千葉個人に対する名誉毀損はないとした。一方、西村の表現は「創価学会の4悪人」の1人として千葉を位置付けている。はたしてこの表現を警察批判とみるのか、または千葉個人に対する批判とみるかが判断の分かれ目となろう。

 千葉は最後に「行動する保守」Aが「朝木事件の真相究明活動」に乗り出すきっかけになった(という)「内部告発」について聞いた。



⑨「内部告発」

千葉  昨年、あなたの仲間は「朝木さんを殺した犯人を特定したという警察官の内部告発があった」といっていた。この話を知っているか。

西村  ちらっと聞いたことがある。

千葉  聞いたことはある。

西村  発信はわからないが、そういう話はあった。

千葉  週刊誌(『週刊宝石』)に矢野が「転落したビルに3人の男が朝木を連れ込むのを見たという話があった」というふうなコメントをしているが、その話は聞いているか。

西村  聞いていない。

千葉 「内部告発」というのは、「警察は犯人を特定したが創価学会の検事が握りつぶした」というような話だが、そんな話は聞いていないか。

西村  発信元はわからないが、聞いている。

千葉  その顛末はどうなったのか。

西村  それは自宅に帰っていろいろメモとか見なければわからない。



 西村は「行動する保守」Aのいう「内部告発」に関して「いろいろメモとか」があるという。「東村山署は明代殺害犯を特定していた」という情報が事実なら重大である。西村はこの日の尋問に際して、なぜ「いろいろメモとか」を自宅に置いてきたのだろう。

 またそれよりも、「裁判支援」のために傍聴に来ていた「行動する保守」Aは、このやりとりをどう聞いたのか。「内部告発者に会った」という「行動する保守」Aが陳述書を提出すれば、西村の「いろいろメモとか」よりも証拠価値が(少しは)高いことは明らかである。「行動する保守」Aが結審までに「内部告発」に関する陳述書を提出しなければ、立川駅前で何度街宣しようと、西村の裁判を支援したことにはなるまい。

(つづく)
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