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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件第6回口頭弁論(その8)
千葉反対尋問(2)

代理人の独自の主張


(前回までの)代理人の尋問が「誘導」だったかどうかはともかく、「写真に写った明代の上着の色は白っぽいもので、被害者だけでなく目撃者も明代の服は黒だったと証言しているから、明代は万引き犯ではない」と確信をもって主張する西村代理人の質問に千葉はどう答えたのか。続く尋問を見よう。



千葉  ○○さん(万引き被害者)は、この服が黒だと一言もいっていませんよ。

代理人  ○○さん(万引き被害者)は、この服は黒でない。

千葉  いや、○○さん(万引き被害者)は、犯人の上着が黒いと申しておりませんよ。

代理人  いっていますよ。

千葉  見せてください。いってないはずですよ。

代理人  (万引き被害者の調書を示す)あとスーツ、それはいわずもがなの確認ですが、それは犯人とあなたが思っていた人がチャイナカラーのブラウスを着ていたという意味ですね。ええ。朝木さんが黒のチャイナカラーのブラウスを着て、パンツスーツを着ていました。だから、これを黒いブラウスを着ていたということになるのではないですか。



 万引き被害者は明代の服装について、「黒いチャイナカラーのブラウス」を着ていたとは証言しているが、スーツについて「黒」だったとはいっていない。千葉が反論すると、代理人は明確に「被害者は『犯人の上着が黒い』といった」と重ねて主張している。この代理人は何を根拠に被害者が「黒い上着」と証言しているというのだろうか。

 代理人の尋問は「誘導」ではなく、イトーヨーカドーの方向から見ていた目撃者が「黒い服を着ていた」と証言したから、その証言に引きずられて万引き被害者の証言の内容をたんに勘違いしただけなのか。しかしそれにしては、いったん「スーツ」といいかけながらスーツの色には言及せず、ブラウスの色だけに注目しようとするのもいかにも不自然である。

 このような不自然な主張が千葉に通用すると西村代理人が少しでも考えたとすれば、その見通しは甘すぎたというべきである。代理人の不自然な主張は、次の千葉の反論によって不自然さを通り越し、あまりにも常識はずれの突飛なものへと追い込まれる。



千葉  (黒いブラウスは)上着の下に、でしょう。

代理人  いや、そうじゃなくて。

千葉  いや、上着の下ですよ。

代理人  上着の下とは、ここには何も書いてないです。

千葉  そうですか。警察の調書では、上着の下に黒っぽいものを着ておったと、それから、黒いバッグを持っていたと、そういう供述なのですよ。それで、○○さん(目撃者)が、黒っぽいという服装をしていますね。そのときに、刑事や私の判断は、○○さん(目撃者)が見たのは黒っぽいバッグ、それからブラウスも黒だったことから、目撃者に往々にしてある見間違いがあってもやむを得ないと、○○さん(目撃者)が黒っぽい服装だと見間違えてもやむを得ない見間違いであると、私も刑事も認定しましてね。それで○○さん(目撃者)の調書は、朝木さんを犯人と名指しした○○さん(万引き被害者)の供述を裏付けるものとして扱っておりますよ。

代理人  扱っておりますよといっても、あなたは民事事件で、その調書というものを全然出してないのですよ。

千葉  はい。

代理人  あなたはうそをいっているのか、本当をいっているのか、われわれはちょっともわからない。ただ、あなたがそういっているだけで、そういうのだったら、ここに、下に黒いブラウスを着て、その上に何かの別の色のスーツを着ていたと、こう書かなければならないのだけれど、黒のブラウスと、こういっているから、それはそういうことじゃないかと思ったのです。ただ、問題はこの正面の現金送金機の部屋に入ってくる正面を撮れば。

千葉  (代理人が提示した万引き被害者の調書を示して)先生、ここに書いてあります。グリーングレーのパンツスーツといっているでしょう。

代理人  ですから、グリーングレーのパンツスーツに、黒のチャイナカラーのブラウスでしょう。このブラウスというのが、要するに、下か上かということがわからない。

千葉  はあ、ブラウスは下に着るものでしょう。と、私は解釈しますけれども。私はよくわかりませんが、この中に着るのがブラウスであって、ここでいう、○○さん(万引き被害者)がいうのは、パンツスーツというのは、男でいう背広のことじゃないですか。私もちょっと認識不足ですからね、確信はありませんが、私はそういうふうに解釈しております。



 ブラウスをスーツの上に着るとはどういうファッションだろう。ブラウスをスーツの下に着るか上に着るか、西村代理人が本気でわからないといっているわけではあるまい。また千葉に指摘されるまで、明代のスーツの色がグリーングレー(白っぽい上着)であることを認識していなかったということもないだろう(明代の上着がグリーングレーであると被害者が証言していることに気づいていなかったとすれば、代理人としてはその方がよほど恥ずかしいことである)。

 つまり代理人は、そのことを十分に認識しつつ、尋問では意図的に「黒いブラウス」を強調することで目撃者の「黒っぽい上着」という証言の信憑性を認めさせる方向に持っていこうとしていたということではないかと私はみている。千葉は代理人の意図をとっくに見抜いていながら、上着が「グリーングレー」(白っぽい上着)であること、「黒いブラウス」が上着の下に着るものである(当たり前)とはあえてただちに反論せず、じっと西村代理人の出方をうかがっていたようにみえる。

 明代の万引き捜査を指揮した千葉が上着の色とブラウスの色を混同するはずはなく、千葉から「(黒いブラウスは)上着の下に、でしょう」と一気に核心をつかれた西村代理人は「ブラウスが上着の下に着るものか上に着るものかわからない」という独自の主張をしなければならない状況に追い込まれた。その時点で代理人の負けである。千葉が「ブラウスは下に着るものでしょう。と私は解釈しますけれども」と反論したとき、それまで双方のやり取りを黙って見ていた裁判官も、千葉の主張にうなずきながらわずかに表情を緩めた。

 ただ、傍聴していた「行動する保守」の一行がこのやりとりの意味を理解できたかどうかについては保証の限りではない。

(つづく)
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