ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

西村修平事件第6回口頭弁論(その9)
千葉反対尋問(3)

 西村代理人は「黒のブラウスは上か下かわからない」と強弁して裁判官の失笑を買ったが、それでも何事もなかったかのように論点を変えて尋問を続けたのは、内容はともかくさすが弁護士だけのことはあると感心させられた。素人ではとてもこうはいくまい。

 さて、続く尋問も矢野と朝木が作成した「再現写真」に関するものだった。西村代理人は、今度は万引き被害者が「再現写真」を見せられて「違うようだ」と答えたことについて千葉を追及した。はたして千葉を追い込むことができたのか。



②「再現写真」の真偽

代理人  これは○○さん(万引き被害者)の供述調書ですが、(矢野作成の「再現写真」)を示すと、これはおそらく、この訴訟で出ている写真ではないかと思うのですが。

千葉  さっきと同じ写真ですね。

代理人  あなたがいうその服装の特徴というのは、この写真と比べてどうですかと、これに対して、(万引き被害者は)ちょっと違うような気がしますと、――中略――この写真(「再現写真」)は北海道拓殖銀行の同じ店舗で、同じキャッシュコーナーで、改めて再現写真として撮影した写真なのですが、これは同じ防犯カメラに撮っている、だから、こちら側から捜査機関に対して、あるいは今回の訴訟の中でもそうですが、この防犯カメラに写った写真が捜査記録の中にあるはずだから、それを出してほしいといっているのですが、出してこないと、やむを得ず再現写真を撮ったと、その写真なのです。あなたが記憶に残っている、あなたの見せられた写真の服装の特徴と違うのですかといったら、(万引き被害者は)違いますと、こういってますね。

千葉  はい、そのとおりですね。

代理人  そのとおりですねというのは、とにかく、朝木さんはこの洋服しか着ていないのですけれども。



「服装は憶えていない」と供述

 西村代理人は矢野と朝木が作成した「再現写真」が「捜査時写真」と同一であると思い込んでいるようである。しかし、同一であるという以上はその根拠を示さなければなるまい。



千葉  今お示しになった証拠(「再現写真」)ですね、その写真は朝木さんが当日万引き当日に着ていたという確たる根拠はあるのですか。

代理人  万引き当時着ていたということは、それはお母さん(明代)から聞いているから、知っている、こういうことです。

千葉  お母さんは、警察では、当時の服装について聞かれ、服装は記憶にないと申しておりました。

代理人  そういうふうにいっておったといっても、それは警察の記録で、それを出してないから、こちらはわかりませんよ。

千葉  それはそうですね。「再現写真」というものについては、先生のご質問が警察の押収した写真じゃなくて、あくまでも矢野さんたちがお出しになった再現写真ですね。それに基づいているわけですね。

代理人  というのは、警察が押収したのを出してくれないものだから、本来ね。

千葉  そうすると、その「再現写真」は、私が出した高裁判決もありますけれども、あれは○○さん(万引き被害者)が矢野さんたちを訴えた裁判でも判決書に書かれていますけれども、その「再現写真」なるものは、朝木さんが万引き当時着ていたものと同一視はできないというように判示されると、私は記憶しています。



「再現写真」が「捜査時写真」と同一であるとする根拠を逆に聞かれた代理人は、またしてもたちまち馬脚を現した。朝木は「再現写真」の明代の服装についてこれまで「お母さん(明代)から聞いているから、知っている」などと供述したことは一度もない。明代が取調室で「当日何を着ていたかは憶えていない」と供述していたことは『週刊新潮』のコメントとも一致している。矢野と朝木は地検で見せられた「捜査時写真」を記憶し、撮影したと何度も供述している。実際には、白黒写真にすれば「捜査時写真」に近い色調になるベージュのスーツを捜して撮影したのである。

 少なくとも「お母さんから聞いていた」という代理人の説明は朝木自身のそれまでの主張とは食い違っているが、これはどういうことなのか。朝木が代理人に対してそれまでの主張に反する説明をしたとは考えにくい。なぜなら、朝木が明代から服装について聞かされていたとすれば、明代は捜査機関に対してもその服装を提出していなければならない。西村代理人はそのことに気がつかなかったのだろうか。

5年も提出しなかった矢野

 ところで、矢野がこの「再現写真」なるものを法廷に提出したのは平成12年2月7日のことである。朝木が地検で「捜査時写真」を見たのは、それから5年前の平成7年12月。矢野と朝木が『聖教新聞』を提訴したのは平成8年8月7日だから、矢野と朝木にその気があれば、提訴した時点でこの「再現写真」を法廷に提出することも可能だった。仮にこの「再現写真」が「捜査時写真」と同一で、矢野がすみやかに法廷に提出していれば、4年に及んだ『聖教新聞』裁判の終結も早まったかもしれないし、明代の万引き犯の汚名もそれだけ早くそそげたかもしれない。にもかかわらず矢野と朝木は、なぜそれほど重要な「証拠」を5年近くも提出しなかったのか。矢野が「再現写真」を提出した日、私は東京地裁で矢野にこう聞いた。

「そんな明確な『証拠』なら、書類送検される前に出せばなおよかったですねえ」

 すると矢野は、勝ち誇ったようにこう答えたものである。

「あの頃にはまだ、写真がないからね」

 東村山署の取調室で明代本人は、偽のアリバイをスラスラ話す一方、当日の服装については「憶えていない」と供述した。朝木が東京地検で「捜査時写真」を見たのは明代の死後で、「あの頃にはまだ写真がない」という矢野の言い分は時系列的には確かに矛盾がない。

 ただ、万引き当日明代と行動をともにしていたと主張している矢野が、もし書類送検前に明代の服装を思い出し、仮に被害者の証言と食い違っていることが証明されていれば、その時点で明代の万引き容疑は晴れ、自殺に追い込まれることもなかっただろう。とすれば、矢野が本気で明代の万引き犯の汚名をそそぎたいと思っているのであれば、矢野は明代が書類送検される前に明代の服装を思い出せなかったことをまず悔やむべきではなかったのか。

 しかし矢野が、明代の服装を思い出さなかったことについてこれまで自分の不明を悔やむ素振りをみせたことはただの1度もない。この事実は何を意味するのだろう。矢野は自分が関与したアリバイ工作と被害者に対する威迫行為が明代の書類送検につながり、自殺につながったという事実から世間の目をそらせるために、明代の冤罪を主張しているにすぎないことを物語っているように私には思えてならない。だからこそ、「再現写真」の時期について辻褄が合っているというだけで得意気に振る舞えるのだ、と。

提出命令申立を却下していた東京地裁

 西村代理人は千葉に反論されて追及の手段を失うと、ふた言目には警察が捜査記録を法廷に提出しないからわからないなどと主張するが、起訴されていない事件の記録を民事法廷に提出できないことは弁護士なら熟知していよう。それよりも代理人は、『聖教新聞』裁判で矢野が裁判所に対し、アリバイを立証するためと称して警察が持っているレジ・ジャーナルの提出命令を申し立て、却下されていたことを矢野から聞かされていないのだろうか。

『聖教新聞』裁判で東京地裁は東村山署の書類送検までの捜査になんら違法はないと結論付けたが、これは被害者の証言に疑念を差し挟む余地はないと判断したということでもある。裁判には書類送検に至る東村山署の捜査状況を克明に説明した準備書面も提出されており、東京地裁は警視庁にレジ・ジャーナルの提出を命じるまでもないと判断したのである。西村代理人が「警察が押収したものを提出しないからわからない」と千葉を非難するなら、これまでの経過を精査し、論証した上でなければ、ただの逃げ口上と評価されることになろう。

 しかも代理人は、被害者が矢野と朝木を提訴した裁判で、「再現写真」と「捜査時写真」の同一性が否定されていたことも知らないようだった。代理人はまた論点を変えるほかなかった。



③最初の「万引き」の件

代理人  そういうこと(「「再現写真」と「捜査時写真」の同一性が否定されていたこと」)を、私は今ここで急にいわれてもよくわかりません。あなたは朝木明代さんが万引き犯に間違いないということは、朝木さんは平成7年前の年にも、この○○(万引き被害者の店)のところで万引きしたと、そういうことを根拠にしているといっていますね。――中略――だけれども、○○さん(万引き被害者)は、朝木さんが1年前にも万引きをしたという確実な確証を、私は何もないといっているのです。

千葉  (確証は)ありませんね。○○さん(万引き被害者)がそう認識をして、その朝木さんが見えたので、用心して見ていましたという話ですね。

代理人  あなたの話は、今の話と違うのではないですか。○○さん(万引き被害者)の話によると、朝木さんは1年前にも○○(万引き被害者の店)で万引きをしたと、したがって、今回の万引きも朝木さんが万引きをしたことに間違いないと、そういうふうな文脈であなたは話したのではないですか。

千葉  いや、私はそう申しあげていませんよ。○○さん(万引き被害者)のお話として、被害届のいきさつとして、前にも万引きされた朝木さんが来たので、注意して見ていましたという、被害者の話を紹介したのであって、捜査の結果、前年の事件は捜査しておりませんので、私がこの返答をするはずがありません。



 以上が、万引き事件に関するやりとりである。

(つづく)
関連記事

TOP