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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件第6回口頭弁論(その10)
千葉反対尋問(4)

 これまでの西村代理人による千葉に対する反対尋問を聞いていて感じさせられるのは、尋問というものはただ聞きたいことを聞けばそれでいいというものではないということである。相手の供述に対する反論や矛盾を突くための十分な論拠や材料を持っていなければ、かえって相手の主張を固めさせるだけという結果になる。西村代理人は続けて転落死事件に関する尋問を行ったが、十分な準備はできていたのだろうか。

 代理人はまず、転落現場周辺で警察犬が明代の臭跡をたどれなかったことなどについて聞いた。代理人の質問の意図は、「警察犬が臭跡をたどれなかったということは、明代は歩いてビルまで行ったのではない」と主張するところにあったのだろう。これに対して千葉は、「警察犬は優秀だが、すべて結果が出るものではない」と答えた。続く尋問から見ていこう。



④初期捜査の状況

西村代理人  あなたは、これは自殺のあれは高くて、ただす点はないと、こういう判断を非常に早い段階からしていましたね。この警察が平成7年9月2日、現場付近の捜索を終わった、その直後の段階から、あなたはそういうふうなコメントをしているのではないですか。

千葉  そうです。

代理人  しましたね。

千葉  はい。

代理人  朝木さんは靴を履いていませんでしたね。

千葉  そうです。

代理人  それから、あなたの想定するシナリオでは、朝木さんは自宅にかぎをかけて、そうして、落下ビルまで歩いてきたか、あるいは自転車に乗ってきたか、いずれにしても自力で来たと、こういう想定でしょう。

千葉  私は想定では捜査しておりません。

代理人  じゃ、何かの原因がなければ、朝木さんはどうしてその落下ビルまで行ったのですか。そういうことを、あなたは何も考えないで自殺だといったのですか。

千葉  「何も考えない」ということでお答えしますが、先生は初期捜査というのをご存じで質問されていますか。

裁判長  質問に答えてください。

千葉  私は捜査規範にのっとった初動捜査を完了したのちに判断をしました。その判定にも、私の1人だけではなくて、主体は警察官のうちの専門官、検死官といいます。法医学の研修をした警察官です。その法医学を研修した検死官も呼んでおります。鑑識も呼んでおります。もちろん、臭気がつかめなかったのですけれども、残念ながら結果は出なかった警察犬も応援を求めて、捜査は殺人事件並みの指揮態勢をとって、現地で私が初期捜査の指揮をしました。

 その結果、朝方になって関係幹部が集まりまして、聞き込み捜査、検死の結果、目撃者の会話、それから検死官の意見等々も拝聴しながら意見を求めましたところ、全員一致で他殺ではないという鑑定、事件性は薄いという判定になりまして、私も同感でございました。そういった判定の下に、警視庁関係課と連絡の上、広報案文も本部警視庁との協議の上、署長の決裁を得て、初期捜査を終わった、その結果に基づいて広報したのが、事件性は薄いと広報したのであります。以上です。

代理人  あなたは大勢集まってみなさんの意見が事件性は薄いといったというのだけれども、なぜ事件性が薄いかという内容についての説明は実は今何もないのですよ。

千葉  陳述書で申し上げております。



 東村山署が初動捜査を終えた平成7年9月2日早朝、千葉は「事件性は薄い」と広報した。「事件性は薄い」とする判断は現場に立ち会った捜査関係者の一致した見解であり千葉の独断でないことは、千葉がこれまで何度も述べてきたとおりである。広報にあたっては警視庁本部および署長の決裁を得ている。

 千葉が「何も考えないで自殺と判断した」というのなら、当時捜査に当たった検死官や検事にも調査し、「何も考えなかった」とする言質を取った上でなければなるまい。むしろ初動捜査状況に関する千葉の供述は、捜査とその判断および広報がきわめて慎重に行われ、組織として十分な手順を踏んで行われていたことをうかがわせるものであり、一連の経過において千葉個人の責任が問われる要素があるとは考えにくい。当時、自民党国会議員が国会で、警視総監や署長をさしおいて副署長の千葉を名指しで非難したことこそきわめて異例といえるのではあるまいか。白川勝彦による宗派調べに続く千葉に対する揺さぶりの一環と理解するよりなく、いずれも背後には矢野と通じていた当時の自民党組織広報本部長で、かつて警察官僚だった亀井静香の暗躍があったと私はみている。

 さて、西村代理人は「なぜ事件性が薄いかという内容についての説明は実は今何もない」といいながら、なぜか千葉が陳述書で詳細に述べた「事件性が薄い」根拠について聞くこともなく、続けて司法解剖鑑定書に記載された明代の上腕内側部にあった皮下出血の痕について聞いた。



⑤上腕内側部の皮下出血の痕 

代理人  その(上腕内側部の皮下出血)確認をしているにもかかわらず、これは他殺ではないと、皆さんが一致してそういうふうな判定をしたのですか。

千葉  主に検死官の意見ですね。専門家ですから。私も死体を見ておりますから、数多く見ていますから、私も同感であると認識しました。

代理人  法医学の常識として、そういう上腕の内側のそういう変色というのは、犯人ともみ合ったときに強くつかまれて、そうして生じたものであるというのが、要するに法医学の常識ではあるというふうに聞いていますけれども、その検死官というのは、じゃ、違った考え方なのですか。

千葉  いや、先生のご質問がちょっと私は誤解しているのかしれません。上腕の内側に変色痕があれば、即、それが争ったものというのは、捜査の常識とはなっておりませんが。

代理人  そういう可能性が非常に強いということをいっているのですよ。

千葉  可能性としてはあると思います。「ただし」がつきます。



 遺体の上腕内側部に皮下出血があったというだけで、ただちに他人からつかまれたものと断定できるなどという捜査の常識はあり得ない。千葉のいう「ただし」がつくとは、他人からつかまれた可能性はあるが、皮下出血の状況、形状、遺体の状態、現場の状況などを総合的に検証した上でその皮下出血がどのように形成されたのかを判断するのが捜査である、という意味である。

 それが捜査の常識であり、この程度の常識を西村代理人ほどのベテラン弁護士が知らないはずがない。西村代理人の論理は矢野のコピーそのもので、すでに何度も排斥された矢野の詭弁をそのまま繰り返すようでは、千葉を窮地に追い込むのは難しいのではないかと思われた。

(つづく)
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