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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件第6回口頭弁論(その13)
千葉だけだった「白黒」コピー

 転落現場の真上に残されていた手の跡について西村代理人は当初、その存在そのものを疑問視した。しかし、代理人は最終的に手の跡の存在だけでなく、それが明代のものであることについても認めざるを得ない状況に追い込まれた。

 手の跡があったとする千葉の主張を裏付けたのが、西村の「他殺説」を裏付けるために提出した雑誌「リバティ」のコピーだった。ただ、千葉が西村から受け取ったのは白黒コピーで、カラーなら写っている手の跡を確認することができるが、白黒では確認できない。千葉は尋問の途中で西村代理人の持っているコピーが白黒ではなくカラーであることに気づき、代理人のコピーによって手の跡が確かに存在したことを認めさせたのである。

 裁判で提出する証拠は、裁判所だけでなく相手方にも公平に確認できるものでなければならない。今回の場合のように、西村の持っている証拠では手の跡が確認できるが、千葉が受け取った証拠では確認できないということは許されない。

 では西村代理人が裁判官に提出したコピーが白黒だったかというとそうではなく、裁判官に対してはちゃんとカラーコピーを提出していたことが判明している。つまり、千葉に渡したものだけが白黒だったのである。これはどういうことだろうか。

 裁判官用のコピーも白黒だったのなら、千葉のコピーが白黒だったとしてもまだわからないではない。しかし、裁判官用のコピーをカラーにしたのなら、もう1枚カラーコピーを取ればいいだけの話で、千葉に渡すコピーだけが白黒というのは手間からしてもむしろ不自然だろう。すると、千葉に渡したものだけが白黒だったことにはなんらかの意図があったのではないかと疑われてもやむを得まい。

 西村代理人が「リバティ」のそのページに手の跡の写真があることを知らなかった可能性がないわけではない。しかし少なくとも、代理人に「リバティ」を資料として提供した矢野はそのページに手の跡が写っていることを知っているし、千葉がそれを自殺の根拠の1つであると主張していることも知っている。西村との裁判でも千葉が「リバティ」の写真を自殺の裏付けと主張すると矢野が考えたとしても不思議はない。

 朝木明代関連裁判で矢野と朝木は、万引き当日の明代の服装の写真を捏造し、万引き被害者に対するお礼参りの際の会話記録を変造した(威迫発言がなかったことになっている)。また西村裁判で提出された司法解剖鑑定書の写真はこれまでの裁判同様、とうてい遺体の状態が(内出血の状態など)確認できるような品質ではない(「救急隊」裁判で東京都が提出した司法解剖鑑定書の写真は鮮明で、上腕内側部のアザがどのようなものか確認できるものである)。

 西村代理人が白黒なら手の跡が確認できないことを認識していたとすれば、千葉には白黒のコピーを渡したことは証拠の加巧(隠蔽)に近い。手の跡に関する尋問の最後で西村代理人は「警察は捜査資料を出さないから公平な裁判ができない」とする趣旨の主張をしたが、捏造や変造した証拠を提出することをどう考えるのか。

提出されない録音テープ

 さて、手すりの手の跡が明代のものであることを認めざるを得なくなった西村代理人はその後、どう尋問を継続したのだろうか。



西村代理人  朝木明代さんは、平成7年9月1日の(午後)9時13分には、自宅から草の根市民クラブの事務所へ電話をかけているということは、これはNTTの通話記録がありますから、これは調べましたか。

千葉  調べています。

代理人  そうすると、9月1日の9時13分には自宅にいたということははっきりしていますね。

千葉  だれかいたことは事実ですね。

代理人  だれかいたことは事実というよりも、朝木さんがそこから電話をかけているということは、NTTの通話記録に出ているのだから。

千葉  いや、NTTの通話記録には、だれがかけたとは書いてありません。その時間に局番に電話したという記録が、私は見ているのです。そこには朝木さんが電話したというものはどこにも書いていません。

代理人  それはNTTの記録には、だれがということはないけれども、通話の内容を聞いたら、だれの声かわかるでしょう。その通話は、あなたは聞いていないのですね。捜査としては。

千葉  矢野さんが提出されていませんもの、その録音テープをわれわれに。

代理人  それでは大事なものですから、警察のほうで、それはひとつ提出してくれといわなかったのですか。

千葉  応じませんね。

代理人  応じませんって、そんなことをいわれたことなんかないといっていますよ。

千葉  大事な証拠を、いわれなければ出さないのですか。

代理人  警察の刑事捜査だから、それは押収できるでしょう。

千葉  なんで、押収って、先生、押収とは何でしょう。令状でやるものでしょう。捜査令状でやるものを押収というのではないですか。



 代理人は明代の自殺当夜の電話記録を持ち出したが、数十本にのぼる電話記録をつぶさに検証するでもなく、取り上げたのは9時19分の「ファイナルメッセージ」でもなく、その前にかかり、矢野が受話器を取れなかった発信記録についてだった。しかも、9時13分に明代が自宅にいたことを立証したところで、それがどんな「真相究明」につながるというのか。

 案の定、代理人は9時13分に明代と思われる人物が草の根事務所に電話をかけてきたことの意味を追及するでもなく、尋問は警察が「それを調べたかどうか」へと流れていった。「真相究明」ではなく「警察の捜査状況」に難癖をつけるしかなくなった様子がうかがえよう。これは「捜査が不十分」であるとする矢野の主張に沿ったものでもあった。

 矢野のいう明代の「ファイナルメッセージ」については、矢野は「他殺の証拠」と主張してTBSには録音テープを提供したが、警察には提出していない。西村代理人は「警察は押収できた」と主張するが、事件性がない(殺人事件ではない)と判断している東村山署が捜査令状を取ることはないし、捜査令状がなければ押収することはできない。「明代は殺された」と主張する同僚と遺族が「重大な証拠」をマスコミには自発的に提供する一方、警察にはいっさい提出しないことを、代理人は不自然とは考えないのだろうか。

(つづく)
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