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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件第6回口頭弁論(その14)
矢野が送っていたメール

 矢野がマスコミに対しては「他殺の証拠」として「ファイナルメッセージ」が録音されたテープを提供した一方、警察には提出しなかったことについては、まだ警察から要請されていないという言い訳もできないではない。しかし、東村山署が事務所と自宅をみせてほしいと申し入れたにもかかわらず拒否したとなると積極的な捜査協力拒否である。

 朝木はTBS「ニュースの森」の取材にはテレビカメラを入れ、自宅の靴箱を撮影させているし、事務所内の映像もある。ところが警察の捜査には協力しないとはどういうことを意味するのか。はっきりした理由はわからないが、少なくとも遺族の対応は不自然とみられても仕方があるまい。もちろん矢野も朝木もそのことを十分に自覚しているのか、「東村山署から捜索の申し入れはなかった」と主張している。西村代理人は、今度は矢野と朝木のこの主張について聞いてきた。



西村代理人  それでは、あなたはしばしば否定していますけれども、矢野さんも朝木大統さんも直子さんも、東村山警察から朝木さんの自宅とかあるいは草の根市民クラブの事務所を、これをとにかく捜索させてくれというふうな申出をいっさいなかったと、したがって断ったこともなかったと、それは間違いないですか。

千葉  警察は捜索という言葉は使っておりません。任意捜査ですから、家の中、事務所をみせてくださいと申し入れました。

代理人  そういうこともないといっているのです。

千葉  いや、あります。先生がお出しになった矢野調書がありますね、私が提出しました甲号証で、矢野氏の調書の中でも入っています。そういう要請があった、それから私の出した乙骨さんの調書、その中でも、その件については私の主張に沿ったことは証言しております、2人とも。申し入れをしたと、それを断ったということが。



 千葉は尋問(平成21年11月11日)に先立つ平成21年10月29日付準備書面で、「週刊新潮」裁判における乙骨正生の供述と「聖教新聞」裁判における矢野自身の供述(「西村修平事件第5回口頭弁論その2」参照)を書証として提出し、東村山署が「草の根」事務所と朝木の自宅を見せてくれるよう要請した事実および矢野と朝木大統がそれぞれ申し入れを拒否した事実を述べている。これに対して、西村代理人が千葉の準備書面を矢野に見せたところ、矢野が代理人にメールを送ってきたという。メールには次のような記載があった。

〈甲26(乙骨調書)、甲5(矢野調書)、甲20(千葉陳述書)それぞれどのような証拠が提出されているか、不明ですが、千葉の主張する「証言」を当方がしている事実はありません。〉

 矢野が西村代理人にこのようなメールを送ってきたということは、代理人から少なくとも千葉の準備書面と証拠説明書が送られているということである。証拠説明書には、その証拠がどのようなものであるかが明示されている。すると矢野が、千葉が準備書面で示した証拠について「それぞれどのような証拠が提出されているか、不明ですが」と述べるのは不可解である。仮にわからなかったとしても、矢野が警察の要請を拒否したかどうか重要と考えているのなら、代理人にその書証が何なのか、また何が書かれているのかを確認すればよい。また代理人も、矢野が「不明」といっているのならただちに説明すればよかろう。

 矢野が仮に乙骨の供述内容を知らなかったとしても、自分自身が供述した内容を知らないことはあり得ない。代理人にしても、矢野の調書は千葉から提出されているのだから、矢野が「東村山署から立ち入り調査の要請があったこと」を認めていないのかどうかは容易に確認できる。千葉が提出した調書を確認すれば、申し入れの存在を否定する矢野の主張の方がおかしいことはすぐにわかるのではあるまいか。

 矢野は「東村山署は立ち入り調査の要請もしていない」とする主張を真っ向から否定する確かな証拠を提出されたために、その証拠がどのようなものか「不明」とすることで具体的な反論を避けようとしていることも明らかだろう。代理人は、裁判所が尋問の供述に基づいて作成した調書の方が信用できないというのだろうか。

 しかし、西村代理人は続けて「本人はそんなことはいった覚えが全然ないといっていますけれども」と食い下がったものの、「お出しください、その私の書証を。違うとおっしゃるならば」と千葉に反論されると、この点に関する追及をあっさり切り上げた。自らの供述を記録した調書の内容を否定する矢野の主張が信用できるというなら、千葉の目の前で調書を示し、千葉に指摘させればよかろう。しかし代理人はそうはしなかった。

 なぜなのか。代理人は千葉に指摘されるまでもなく、矢野調書の内容を認識しており、千葉の反論に乗って調書を出すことによって千葉の主張を裏付けてしまう結果にしかならないことがわかっていたのだろう。

目撃者の公表を求めた西村代理人

 その代わりに代理人は再び、当時東村山署が通話記録を確認していなかったこと、警察犬が明代の臭跡をたどれなかったことを根拠に、東村山署が明代の転落死直前の動きを把握していなかったのではないかと千葉を追及した。そんな状況で、どうして自殺(「他殺」ではない)と断定できるのかという趣旨である。これに対して千葉は目撃証言によって当夜の明代の動きはほぼ把握できていると供述した。すると代理人は、今度は千葉のいう目撃証言の信用性に疑問を呈した。



代理人  目撃者証言というけれど、それはあなた方がそういうだけであって、目撃した証言の内容はこちらはわかりませんから、どういう人間なのか、またどういう内容の証言をしたのかをまったくわかりません。

千葉  目撃者は誰かということは、警察は発表しないのが原則でございます。

代理人  それは刑事事件についての問題でしょう。

千葉  民事事件でも同様でございます。

代理人  警察は発表しないで、そして目撃証人がいるといってただその主張をするだけだったら、それが証拠として価値があるのかどうかというのは相手方はまったくわからないではないですか。

千葉  いや、地検の捜査結果でも目撃者がいたということになっているのではないですか。私が示したのが、別件の裁判で判決はそうなっているのでしょう。警察の捜査だけではないですよ、地検の捜査でもわかっているのですよ。



 西村代理人は警察が発表し、東京地検も認めている目撃証言が信用できないという。その上、刑事事件では目撃者を公表しないことを認めているにもかかわらず、民事では公表すべきだと主張している。

 目撃者の証言に価値があるのは、利害関係のない第三者によるものだからである。弁護士である代理人は、刑事事件で利害関係のない目撃者を公表しない理由が、証言者の保護にあることは十分に理解しているのだろう。仮に関係者に目撃者が特定された場合、目撃者にお礼参りなどの危害が加えられる可能性があるし、その場合には証言内容が曲げられる可能性もある。つまり、目撃者を公表しない目的は証言者の保護とともに事実の歪曲ないしは隠蔽という不正義が行われることを防ぐことにある。警察が目撃者を公表したのでは報復を恐れて証言する者もなくなろう。

 民事裁判だからといって目撃者保護の大原則が変わる理由はない。すでに万引き被害者が矢野と明代から脅され、転落した明代の身を案じて声をかけたファーストフード店員が朝木から難詰されている東村山事件においてはなおさらそうである。捜査指揮官である千葉もまた亀井静香や白川勝彦による政治圧力を受けている。むしろ目撃者を公表すれば、矢野と朝木がお礼参りに行く蓋然性がきわめて高いとみるべきだろう。捜査機関がこれ以上新たな被害者を増やすようなことをするはずがあるまい。

 東村山事件では、証言に対する警察の判断について地検が異論を差し挟んでいるのならともかく、地検も警察の判断を追認し、裁判でも警察の捜査に違法はないと認定している。そのような状況で、西村代理人の目撃者とその証言内容を明らかにしなければ信用できないという主張に説得力があるとも思えなかった。

 代理人は千葉の供述を聞くとそれ以上は反論せず、尋問を終えた。裁判長は目撃者については一言も言及せず、千葉に対して「これ(陳述書)はあなたの言い分をお書きになったものということでよろしいですか」とだけ確認し、尋問は終了した。

(つづく)
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