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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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西村修平事件第6回口頭弁論(その17)
鍵を入れた思惑

 矢野と朝木が騒ぐ「なくなった鍵」がおしぼりケースに入れられた時間帯と場所は絞られた。では、発見状況はどうだったのか。鍵はおしぼりの間に入れられており、店員が鍵を発見したのはおしぼりの出し入れの際である。つまり、たまたま店員が鍵周辺のおしぼりを取り出すかなにかしたために発見されたのであり、偶然性が高い。鍵をおしぼりの間に入れた人物は、すぐには発見されないことを想定していたか、そうもくろんでいたと推定できるのではあるまいか。

 店員が触ったおしぼりが鍵の近くでなければ、現場では発見されないままリネン業者あるいはクリーニング業者へと運ばれ、転落現場とは無関係の場所で発見された可能性もある。その場合には、鍵がいつ、どこで、誰によって入れられたのかを確定することはより困難となる。あるいはそのまま鍵は永遠に発見されず、矢野と朝木の主張する「疑惑」がよりいっそう深まる結果になった可能性さえあろう。

 鍵をおしぼりケースに入れた人物にとって、鍵を入れた時間帯と場所も、靴が発見されていないのと同様に確定されない方が都合がよかったのだとすれば、初動捜査が終了したその日のうちに、しかも転落現場の2階で発見されたことは予定外だったということになるのではないか。鍵を入れた人物は、自分に疑いが向けられる可能性をまず警戒するだろう。それなりの口実を用意しておかなければならないと考えるだろうし、警察がどこまで事実をつかんでいるのか見極める必要があるとも考えるだろう。

 鍵がないと騒ぎながら、矢野と朝木が鍵の確認に出向くまでに3日を要し、ただの確認にすぎないにもかかわらず弁護士まで連れて行ったのはなぜなのか。また鍵の確認に行ったのが「9月14日だった」とする千葉の供述が「虚言癖」と主張する一方で、矢野はなぜ受領の日を具体的に述べないのか。通常、遺失物の受け取りには受け取った者が自分自身で受領証に日付と署名・捺印をするはずで、偽造でもしないかぎり、その日付は一応客観的なものと判断できる。その客観的に証明できる日付を千葉が偽っていったいどんな利益があろうか。

 しかも、「他殺の重要な証拠」と位置付けている鍵について、電話の会話を漏れなく録音するほど注意深い矢野と朝木が、まさかその重要な鍵受領の日付を記録していないはずがない。たったそれだけのことをなぜ矢野は明らかにしないのか。また西村代理人は、そのことを不審には思わないのだろうか。

 この間の矢野の対応はきわめて不可解というしかないが、さらに不思議なのは、矢野の口ぶりが何の利害関係もない発見者が鍵の隠匿に関与していたかのように聞こえることである。矢野はいったいどんな根拠があって発見者があたかも鍵の隠匿に関与していたかのような書き方をするのか。もちろん発見者に何か不審点があるとする客観的根拠も矢野は示していない。

婉曲にアリバイを主張

 矢野が「発見者が鍵の隠匿に関与している」と主張したいのだとすれば、それは何のためなのか。そう主張することによって、鍵をおしぼりケースの中に入れたのは自分ではないと婉曲に主張しようとしているのだろうか。とすればなおのこと矢野は、鍵受領の経緯を明確に説明すればよかろう。

 明代が転落直前に事務所に本当に立ち寄っていないのか否か、矢野が明代のバッグの中身を見たとき問題の鍵は本当に入っていなかったのか否か。その真相はいまだ客観的には解明されていない。何の根拠も示さないまま発見者が何か不審であるかのように書き、「千葉の虚言癖」とまで論難しながら鍵受領の日付を明確にしないという姿勢では、矢野はかえって疑いを持たれることになるのではあるまいか。

 なお、矢野は「東村山市民新聞」ホームページで千葉の「(鍵は)警察犬が帰った後に置かれた可能性がある」とする準備書面の記載を取り上げ、〈「警察犬が帰った後」というのは「2日午前1時ころ死亡の確認された朝木明代議員の遺体」がようやく東村山警察に搬送されたころなのである。〉とし、「警察犬が帰った後」の時間帯を明代の遺体が東村山署に搬送された時間帯、すなわち「午前3時20分ごろ」に限定しようとしているようにみえる。この時間帯、矢野は朝木らとともに東村山署にいたはずである(少なくとも転落現場にはいない)。

 これによって矢野は何をいいたいのか。〈「警察犬が帰った後」というのは「2日午前1時ころ死亡の確認された朝木明代議員の遺体」がようやく東村山警察に搬送されたころ〉とすることで、その時間帯に自分は転落現場にはいなかったので鍵を置くことはできないということをいいたいのではないか。自分にはアリバイがあると。

 しかし、「警察犬が帰った」のは「明代の遺体が東村山署に搬送されたころ」ではなく午前7時30分前後である。「警察犬が帰った後」を普通に読めば、「帰った後」とはある特定の時刻を指すのではなく、「警察犬が帰った後」から鍵が発見されるまでの長い時間帯を指すことは明らかである。したがって、矢野がそれを鍵が置かれた時間=「明代の遺体が東村山署に搬送されたころ」とあえて限定するのはやはり、自分が置くのは不可能と印象づけるためであると理解するほかないのではあるまいか。

鍵がないことを早くから知っていた不思議

 ところで、人がビルから飛び降り自殺をした際、飛び降りた場所に靴を脱いで揃えておくことがある。だから明代の場合も、靴を履いていなかったため初動捜査で靴の行方を入念に捜索した。言い換えれば、通常の状態なら靴は当然履いているもので、明代は裸足だったから靴がないことがすぐに判明したということである。たとえば仮に明代がふだん眼鏡をかけていたのに転落現場になかったということなら、眼鏡が捜索の対象になったかもしれない。

 しかし矢野と朝木が騒ぐ鍵については、その鍵がないために自宅や事務所に入れないという事情があったわけでもなく、すぐに「ないのはおかしい」と気づくようなものだろうか。乙骨正生の『怪死』には、次のようなきわめて興味深い記載がある。早朝の6時に矢野から「朝木さんが殺されました」と連絡を受けた乙骨が東村山署に駆けつけた直後、矢野から説明を受けたときのもようである。



〈(検察官の検死の前に)以下、矢野氏は、私の問いかけに答えて、
①略
②しかし、履いていた靴がなく、所持していたはずの鍵も見つからないなど不自然かつ疑問点が多い。以下略〉



 身内が突然の不審死を遂げた場合、遺族は悲嘆にくれていて、所持品のことになど考えが回らないのが普通だろう。矢野は遺族でないから比較的冷静だったとしても、靴は別にして、霊安室で遺体に対面しただけで明代が鍵を所持していないことなどどうしてわかるのだろうか。千葉は、矢野から警察に対して明代の所持品についてなんらかの確認があったという話は聞いていない。だから東村山署も初動捜査の際、鍵を捜索するという意識はなかった。矢野だけが鍵がないことを知っており、意識していたことになる。

 また仮に矢野が、明代が鍵を持っていないことに気がついたとしても、それが事務所や自宅などを入念に探した後なら「鍵がない」と騒いでも、その態度がおかしいとはいえないかもしれない。あるいは9月3日、朝木は東村山署からパンツスーツ、時計など明代の遺品の返還を受けている。その中に持っているはずの鍵がなく、鍵がないのはおかしいと言い出したのならまだわからないでもない。

 ところが矢野は、どこもまだ詳細には探していない段階ですでに明代が「鍵を持っていない」と騒いでいたというのである。矢野自身も、初動捜査終了直後の現場の状況について最近の「東村山市民新聞」にこう記載している。



 このため、カギ束・靴など朝木明代議員の所持品が未発見ということが知られていたから、報道だけでなく、一般市民も現場階段を多数が上り下りし、……



 一般市民までが知っていたかどうかは別にして、マスコミが靴だけでなく鍵もないことを知っていたとすれば、警察はその時点では鍵がないことなど知らないのだから、その情報源は矢野以外にはない。遺品も返してもらっていない段階で、矢野はなぜ明代が鍵を持っていないことを知り得たのだろうか。

(つづく)
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