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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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万引き被害者威迫事件 第13回
素性を明かさない「取材」

 前回紹介した矢野の録音によるパート店員との会話記録によれば、明代の最初の取り調べが行われた日に彼らが被害店を訪問したのは2回であり、「脅し」と受け取れる発言も存在しない。しかし矢野にとって弱いのは、威迫発言があったとすればそれはただちに明代の犯人性を裏付ける証拠となるのに対して、仮に威迫発言がなかったとしても、それが明代の無実を晴らす証拠とはなり得ないということだった。

 矢野が提出した店員との「会話記録」の内容に基づいて具体的な尋問が行われたのは2回しかない。その1つは平成12年2月23日、東京地裁八王子支部で行われた万引き被害者を原告とする『東村山市民新聞』裁判における尋問である。この尋問で被害者の代理人弁護士は「訪問回数」ではなく、「取材」目的で来たはずの矢野と明代の行動や発言の不自然さを追及している。

 パート店員の証言によれば矢野と明代の訪問回数は3回だった。ところが矢野は「会話記録」を提出し、2回しか行っておらず威迫発言もしていないと主張した。その結果、尋問では回数が問題とされたが、本質的に重要なのは回数そのものではなく、この日に矢野と明代が店員に対して「何を言ったか」なのである。矢野の言い分を聞こう。

被害者代理人  これはテープの反訳ということで、原告の店にあなたがいらっしゃって取材されたというときの店員とのやりとりが書いてあるものなんですけれど、それでよろしいわけですね。

矢野  そのとおりです。

代理人  この反訳文で見ていきますと、あなたは最初に、来店した目的つまり取材ということをおっしゃってませんね。

矢野  私の目的は経営者ないしは店長の○○さん、○○さんという名前もわからなかったわけですから、経営者の方、責任のある方に取材をしたいということで、それをまずその方にお会いをするという作業をしたのが最初の経過だと思いますが。

代理人  この反訳文をずっと読んでいきますと、……店員が「失礼ですが、どなた様ですか」といったのを受けて、あなたが……「ちょっと取材」というようなことで、取材目的で来たという部分のやりとりはここの部分しかないんですか。

矢野  そのあとにありますよ。

代理人  午後7時ごろとなってますから、この日2回いらっしゃってるんですよね。

矢野  そうです。

代理人  7時ごろにいらっしゃったときの取材目的で来たというやりとりはこれだけじゃないんですか。

矢野  だから、帰る前にもう一度出直すという趣旨でその目的を伝えたということです。店主の方本人じゃないから、そういうふうに伝えて、伝えておいていただきたいという趣旨ですからね。

 普通は、名前を名乗り、次に来訪目的を告げるのが取材の順序である。ところが矢野は、最初に店主の名前を聞いておきながら、自分たちのことについては名前を聞かれても名乗ってもいない(最後まで2人は身元を明かさなかった)。さらに「どなた様ですか」と聞かれても、矢野は「ちょっと取材」と話をそらして名乗らなかった。つまり矢野は、「どなた様ですか」と聞かれなければ、自分たちの聞きたいことだけを聞いて、用件もいわずに立ち去った可能性もあるということである。きわめて自己中心的な態度であり、これはどうみても尋常な取材姿勢とはいえまい。

 一般論としては、相手や状況によっていきなり質問を突きつけた方がいいと判断する場合もないわけではない(その場合でも、名前を聞かれて答えないということはない)。しかしこの会話記録を見るかぎり、この「取材」がそのような状況にあったものとは見えない。来訪目的が「取材」であることを最後に伝えたのは、この会話が「店主に会うための作業」で、「店主にそう伝えておいていただきたいという趣旨」だったなどと矢野は供述するが、矢野も明代もこれが「何の」取材なのかは明らかにしていない。「店主に会うための」会話だったのならなおのこと、自分たちが何者なのか、何のための取材なのかを明確に伝えておかなければならない。とすれば、何の取材なのかも素性も明らかにしない矢野と明代の態度は、やはり客観的に見て「取材」に行ったものと理解することはきわめて難しいというほかなかった。


(第14回へつづく)

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