ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

西村修平事件第7回口頭弁論(その2)
「犯人」が侵入できた可能性

 矢野と朝木によれば、彼らは以前から「創価学会」からさまざまな嫌がらせを受けており、身辺には注意を払っていたという。9月2日に搭乗予定だった飛行機の搭乗券も偽名で予約していたほどである。その明代が、自宅に帰って鍵をかけなかったということは考えにくい。すると「犯人」はどんな方法で朝木宅に侵入したのだろうか。

 明代は午後9時10分前に転落現場ビル付近を1人で歩いているところを目撃されている。その明代が事務所にいた矢野に電話をかけた「ファイナルメッセージ」は9時19分である。現場ビル付近から朝木宅までは徒歩で約5分かかる。さらに9時13分にも事務所に電話をかけているから、「犯人」はわずか2、3分で鍵も壊さずに朝木宅への侵入に成功し、朝木を脅して電話をかけさせたことになる。

 そう考えると、「犯人」グループが夜の9時過ぎという早い時間帯に、左右を住宅に挟まれた朝木宅に人目をかいくぐって一分のスキもなく侵入できる条件として最も考えられるのは、自宅に帰った明代が鍵をかけていなかった場合である。身辺を警戒していたはずの明代は、鍵をかけ忘れたのだろうか。

 その点に関して千葉の準備書面の中にきわめて興味深い記載がある。



 朝木市議の自宅の玄関鍵は暗証番号方式と差込錠方式の併用であるが、本件転落死の約2年前からは殆ど暗証番号方式の鍵のみを使用していたことが朝木市議の子息(巌)の警察供述により判明している。



 暗証番号方式の鍵は自動施錠である。したがって、長男の供述内容が事実とすれば、帰宅した明代が鍵をかけ忘れたということはあり得ないことになる。「犯人グループ」が数分の短時間に朝木宅に侵入できた可能性はますます低くなろう。「犯人グループ」は物音も立てず、暗証番号方式の鍵を破壊して朝木宅に侵入したのだろうか。

西村の主張を朝木自身が否定

 西村は準備書面で、「犯人グループ」は明代から鍵を奪い、明代を拉致して鍵をかけていったと主張している。では明代の外出後に帰った朝木は、自宅の様子はどうだったといっているのか。朝木は、その日の自宅の様子について『聖教新聞』裁判で次のように供述している。



東京都代理人  それ(自宅)を見たときに、監禁されたとか、なにか人が入ってきたような形跡はありましたか。

朝木  私はそのとき、そういうところまで考えておれば。

代理人  いや、一見してです。こう入って。

朝木  ですから、今から申し上げます。どちらともいえません。そういうお答えでしたら、そういうふうに気をつけて、たとえばガラスが割れたりとか、そういうことはありませんでしたが、私はとにかくベッドに寝ているかどうかという、それだけを見たのと、家の中でどっかで倒れていないか、それだけですから、もしも監禁された、ガラスが割れていたりとか、そういうことは。

代理人  たとえば土足。

朝木  土足についても、うちはそんなにきれいにしているわけではありませんから、ですから、そういうことも含めて、泥がいっぱいついていたとか、ガラスが割れていたとか、そういうことはありません。

代理人  そういう、目に見えるようなあれはなかったというふうにうかがっていいですか。

朝木  はい。



 東京都代理人の質問に朝木は当初、不審者の侵入は頭になかったと質問をはぐらかそうとしたものの、最終的に「自宅には目に見えるような異変はなかった」と供述している。その夜、明代が自宅にも事務所にもいないことを知った朝木は、「虫の知らせ」で自宅に「飛んで帰った」。暗証番号方式の鍵が壊されていてもすぐに気がつくだろうし、「犯人」が明代の自宅に鍵をかけていったとすれば、朝木は「虫の知らせ」を感じたほどだから、2年間も暗証番号方式の鍵しか使っていないのにその日に限って差込錠の鍵がかかっていればただちにいつもと違う、おかしいと感じたはずである。

 朝木が自宅の様子に何の異変も感じなかったということは、朝木が帰宅したとき自宅にかかっていたのは暗証番号方式の鍵であり、差込錠はかかっていなかったということを意味しよう。朝木宅が暗証番号方式の鍵を使用していたという弟の供述は「犯人」が侵入した可能性と拉致説を否定している。つまり西村の主張は、頼りにしている朝木自身と弟の供述によってすでに否定されていたということになる。

 ところで矢野と朝木は、初動捜査後に鍵が発見された事実をもって、それが他殺を疑わせる根拠であると主張している。この主張はもちろん「自宅からの拉致説」とも関連している。千葉が「鍵はおしぼりケースの中から発見された」ことを明らかにしたあとの矢野の主張も、鍵が矢野以外の何者かによって奪われたことを前提とするものである。

 矢野は千葉が鍵発見の状況を公表していなかったことをもって「証拠の隠蔽」と主張している。ところがその一方で、矢野と朝木はこれまで、朝木宅の鍵が2年も前から暗証番号方式のものしか使用していない事実をなぜ明らかにしなかったのか。「真相究明活動を行ってきた」者としてきわめて不可解といえるのではあるまいか。

奇妙な朝木の言動

 矢野が「犯人」によって奪われたと主張する鍵が発見され、東村山署から連絡を受けた朝木は、鍵を「探していた」にもかかわらず連絡から3日後、ようやく弁護士をともなって東村山署を訪れている。鍵が明代のものかどうかを確認するのに、朝木はなぜ弁護士を同伴する必要があったのだろうか。その本当の理由をうかがわせる興味深い事実が千葉の準備書面で明らかにされている。

 朝木と矢野、弁護士らが鍵の確認に来たのは東村山署の玄関を入ってすぐ左手にある会計課である。通常、遺失物等を扱うのは会計課で、この取り扱い自体にはなんらの問題もない。千葉は当時、玄関からかなり奥まった位置にある副署長席にいて、朝木一行が来たのを確認した。当時の状況について千葉は準備書面でこう述べている。



 原告(千葉)は自席から確認の様子を遠目で見ただけで子細は判らなかったので、確認に立ち会った捜査員に直子氏の様子を聞いたところ、直子氏本人は「鍵を隠した人物として警察から疑われていると勘違いをしていたようであった」との報告であった。



 弁護士はいうまでもなく、人の弁護をするのが仕事である。朝木の鍵の確認に立ち会った捜査員の印象ではあるものの、朝木と矢野が「警察から鍵を隠したと疑われている」と考え、警戒していたとすれば、朝木が弁護士をともなって来た理由も理解できよう。普通、まったく身に覚えのない者が、「疑いをかけられている」と感じるとは考えにくい。

 東村山署が「鍵が見つかった」と朝木に最初の連絡をした際、朝木は鍵の発見状況について「ヒステリック」に質問したともいう。その上で、朝木はすぐには確認には来ず、弁護士と時間を調整した上で東村山署を訪れた。矢野と朝木は何かを警戒し、確認には弁護士の同伴が必要と考えた――一連の経過はそう理解してもいいのではあるまいか。

 鍵の確認に際して矢野と朝木は何を警戒し、また自宅が暗証番号方式の鍵であることを警察になぜ説明しなかったのか。その理由は明らかではないが、いずれにしても「鍵がない」と騒いだ者の言動としてはあまりにも不自然というほかなかった。

(つづく)
関連記事

TOP