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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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西村修平事件第7回口頭弁論(その10)
実施されていた薬物検査

 雑誌「リバティ」は明代の転落死について、「ある関係者」が語った「シナリオ」を記載している。それによると、「犯行グループ」は「帰宅した明代を自宅に拉致し、催涙ガス等で気絶させたあと、段ボールのような箱に入れて転落ビルまで運び、明代を横に抱えて落とした」という。この荒唐無稽な「シナリオ」については『週刊新潮』や乙骨でさえ証言自体の信憑性に疑問を呈している(『週刊新潮』平成7年12月21日号)。

 一方、同記事の中で朝木だけは次のようにコメントしている。

「この記事に根拠があるのかないのか、わかりませんが、この内容は、まさに私たちが推測していた通りのものなんです」

 朝木は直近の尋問(平成21年7月3日=「自作自演」事件)でも「母が自宅から拉致されて殺害される事件」と供述しており、矢野と朝木の基本的な「シナリオ」がやはり「自宅から拉致され現場まで運ばれた」というものであることに変化はない。

 さて、この裁判で逐一朝木と相談しながら準備書面を提出していた西村は、平成22年1月19日付準備書面で朝木の主張に基づき、「自宅からの拉致説」を展開している。その1つの大きな根拠としているのは次の朝木の供述(「創価新報」事件で提出した陳述書)である。



(司法解剖では)重要な手がかりを提供する可能性の高い「薬物反応」も検査されませんでした。……「薬物反応」を検査させず、鑑定書を作成させなかった一点で、はっきりと創価学会信者の信田昌男を(ママ)いう検事には証拠隠しの疑惑を強く感じます。



 この供述をもとに西村は次のように主張している。



 朝木直子の陳述書の15頁には、……朝木市議の遺体の司法解剖鑑定請求の検査事項の中に、薬物検査という重要項目が欠けていたため、司法鑑定医としては薬物検査をすることも、薬物検査についての鑑定結果を鑑定書に記載することもできなかったことが判明した。

 これにより、朝木市議が、自宅においてプロの殺人犯人グループにより、麻酔を掛けられたため、近所に助けを求めて大声を挙げることも出来ずに犯行現場のロックケープハイムビル迄運ばれ、階段踊り場から突き落とされた可能性が強く、……



 要するに朝木は「司法解剖で薬物検査をしていないから、明代は薬物によって気を失わされた上で拉致された」と主張し、西村もまた朝木の主張のままに同じ主張をしていることになるが、仮に「薬物検査をしていない」からといって、そのことからただちに「薬物によって気を失わされた」という結論を導くのはかなり無理があるというべきだろう。

 では、朝木が主張するように、明代の薬物検査は本当になされていなかったのか。この点に関して千葉は準備書面で次のように反論している。



 東村山警察署長は平成7年9月2日、解剖執刀医師から朝木市議の血液等を提出してもらい、同月4日、警視庁科学研究所長に対し鑑定を依頼している。その結果、警視庁科学研究所長から同月19日に「血液には揮発性薬物(エーテル、クロロホルム・吸入麻酔剤等)及び劇毒物は含有しない。アルコールは検出されなかった」との回答を得ている。

 上記鑑定に関する書類は担当検察官に送付されたのであって、検察官が薬物検査をしなかったと論難すること自体が的外れであり、検察官が薬物検査の依頼をしなかったのは本件転落死が殺人事件であることを封ずるためであったとの被告の主張は失当である。



 そもそもこの事件で薬物検査の必要があったとも思えない。しかし、千葉はのちのちのためにも万全を期したのだろうと推測する。矢野と朝木はこれでも「東村山署はろくな捜査をしていない」というのだろうか。

 転落現場真上の手すりに手指の痕が残っていた現場の状況も明代が意識を失っていた事実がないことを示しており、この事実は警視庁科学研究所の分析結果を裏付けていよう。いずれにしても、明代が薬物を使われた可能性がないことは警視庁科学研究所の分析結果からも明らかだったということになる。

「創価新報」事件(被告=創価学会、国等)でも朝木の「薬物による拉致説」はもちろん採用されず、一審で敗訴した矢野と朝木は控訴もしていない。「リバティ」レベルの朝木の主張をただ繰り返しただけの西村の主張が認容される可能性もきわめて低いとみるべきだろう。

 朝木が今も「リバティ」の「シナリオ」には信憑性があるとし、それが誰か第三者によるものなら、矢野と朝木は情報の出所とその根拠を確認していないのだろうか。現在に至るまで、彼らが「リバティ」の「シナリオ」を語った「ある関係者」が誰で、その内容がどこまで「事実」なのかを確認したという話は聞かない。聞かなくてもわかるということであると理解するのが自然である。

結審後も準備書面を提出

 さて、こうして1月27日、千葉が西村を提訴した裁判は結審した。しかし西村側代理人は、これまで紹介してきた千葉の準備書面に対して反論したいと主張した。これに対して裁判長は「4月初頭に判決を言い渡します」とした上で、結審後に西村が準備書面を提出することについてはこれを容認した。

 西村が千葉に対する反論の準備書面を提出したのは平成22年3月5日である。「4月初頭の判決」に間に合わせようと努力したことがうかがわれた。ただ、その内容は事実に基づく千葉の主張を覆すようなものはあるはずもなく、千葉が裁判で明らかにした捜査内容についても「捜査の内容は法廷での検証にさらされていないから証拠価値がない」などとする主張を繰り返したにすぎない。

 裁判所がどんな判断を下すかについては予断を許さないが、「証拠価値がない」と主張するのなら、「行動する保守」の重鎮の1人である西村は捜査機関の判断を覆す材料を提出すればいいだけの話である。

 なお結審の日、裁判長は「4月初頭に判決を言い渡します」と述べたが4月9日現在、当事者にはまだ判決言い渡し期日は通知されていない。

期日の延期を申し立てた右翼M

 余談だが、千葉が右翼Mを提訴し、4月14日に次回口頭弁論が予定されていた裁判は、4月9日に右翼Mが延期を申し立てたため5月26日に開かれることになった。「4月8日に釈放されるまで22日間拘留されていたため、準備書面の準備ができない」というのがその理由のようである。

 前回口頭弁論において右翼Mは、次回に提出する準備書面について裁判所が示した内容に沿って主張するよう求められていた。その内容は、原告主張のうちどの部分をどのように争いあるいはどんな抗弁を行うのかなどである。いわば、被告としての応訴方針を具体的に示してくださいという程度のものにすぎない(仮に真実性の立証を求められたとしても、右翼Mはそれなりの根拠があって記事を書いたはずだから、それほど時間がかかるはずもない)。

 それに4月9日を含めて予定されていた口頭弁論の前日までにはまだ5日もある。にもかかわらず、右翼Mはその時点で「間に合わない」とあきらめたということになろうか。

 右翼Mは釈放当日、ブログをアップし、さっそく裁判費用のカンパを要請し、「行動する保守」Aもまた右翼Mのためのカンパを要請している。社会運動家を自称する彼らにとって、カンパは裁判費用に宛てるものであるとともに、彼らの主張する「朝木明代殺害事件」の「真相」を「究明」するためのものにほかならない。

 その支援者にカンパを要請している右翼Mが、たかだか22日間拘留されていたというだけで、口頭弁論までまだ5日もある段階で「間に合わないから延期してほしい」と裁判所に申し立てるような責任感のないことでいいのか。まして、「間に合わない」責任を中野区役所などに転嫁するなど度量のなさを自ら知らしめたようなものである。あるいは「卑怯者」といってもいい。

 右翼Mは支援者の支援と期待に応えるためになんとしても口頭弁論前日までに準備書面を提出した上で、裁判長に「実は拘留されていたので提出が遅れた」と率直にいうべきなのである。それがカンパを受けた者の責任の果たし方ではあるまいか。それなら支援者もカンパの甲斐があったと、彼らなりに納得するかもしれない。

 これで「行動する保守」らが主張する「朝木明代殺害事件」の「真相究明」は確実に1カ月以上先送りされることになった。最初からその気がないのなら話は別だが、時効は9月に迫っているというのに、1カ月以上も「真相究明」を先送りさせたのでは支援者に顔向けできないし、右翼Mを心配してカンパを募った「行動する保守」Aの顔まで潰すことになるのではなかろうか。

 右翼Mは、やはり「情けない右翼」だったといわれても仕方あるまい。

(了)
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