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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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東村山市議会議場外報告①
響き渡る咆哮

 東村山市議会3月定例会の一般質問が行われた平成22年3月3日、開会時間の午前10時少し前、議場前のロビーを通りかかると、なにやら咆哮のような声が響き渡っていた。東村山市議会には何が起きてもおかしくない議員が存在しているとはいえ、今日はまた朝っぱらから何事だろうか。そう思いながら、私の足は咆哮の方に向いていた。

 すると、いつもは閉まっている議長室のドアが開いたままになっていて、ドアのそばには有名な「草の根市民クラブ」の朝木直子が部屋の内側に向かって立ち、何かしきりに大声を張り上げている。ドアと朝木の間から議長室を覗き込むと、議長が議長の机の前に座っており、その目の前に矢野穂積が立って議長に大声で何か非難あるいは抗議しているように見えた。咆哮の主は矢野だったのである。それに対して議長は反論している。

 矢野の激昂ぶりはただごとではない。そこで私はとりあえず、目の前で矢野を応援している朝木に聞いた。

「朝からどうしたの?」

 矢野の応援に集中していた朝木はようやく私の存在に気づいた。しかし朝木は私の方を振り向くと、ただ一言だけこういった。

「ゴキブリ」

 取り込み中であるのはわかるが、市議会議員として必ずしも推奨できるセリフではない。少なくとも私に対して好意的に思っていないとしても、朝一番から人に向かって「ゴキブリ」などというセリフが口をついて出てくる市会議員も珍しかろう。

 さて、その後まもなく矢野が議長室から出てきたので、矢野に聞いてみた。

「先生、朝からエンジン全開ですね。どうしたんですか?」

 矢野は最近なぜか私の質問にまともに答えてくれたことがなく、いっさい口を開かないことの方が多い。その日も最初はそうだった。ところが一瞬の間を置いて、矢野は口を開いた。どうやら矢野は、その日は私に対しては少し気分が違ったようである。矢野は「草の根」の控室に向かって歩きながら、私の質問には答えず、どうしたのか矢野は「アハハハハ」と声を立てて笑ったあと、こういったのである。

「おまえ、逆転敗訴だな。弁護士から聞いていないのか」

 一瞬で論点をそらす発想力は常人ではなかなか真似できない。矢野からすれば、これで攻守逆転ということなのである。普通の人間なら聞かれたことについてどう対応するかの判断をしようとするから思考は相手の質問の範囲に制限されるが、矢野にはそもそも相手の質問に対応しようとする発想がないのだろう。こうして矢野はそのまま朝木とともに控室に消えた。

水の持ち込み許可を求めた矢野

 やむなく私はただちに議長に取材を申し入れた。判明したのは以下のような事実である。

 市会議員は議会に来るとまず議会事務局に立ち寄り、議会に来たことを議長に報告しなければならない。矢野はその際、議会事務局を通じて議長に対し議場への水の持ち込みを許可してくれるよう申し入れた。議長はこれを許可しなかった。このため矢野は議長室に乗り込んで議長への抗議に及んだものという。

 議会傍聴規則には傍聴席において「飲食及び喫煙をしないこと」(第7条の4)という規定があるが、東村山市議会会議規則には禁煙の規定はあるものの飲食に関する規定はない。議場内で議員が飲食をすることは想定されていないということである。

 ところで私の知る限り、矢野が議場内に水の持ち込みを申し入れたのは初めてのことである。ということは、よほど何かのっぴきならぬ理由があったのかもしれないが、それならそれなりの事情を説明しなければなるまい。矢野は議長室で事情を話したようだが、議長にはどうしても水を持ち込むほどの体調であるとは思えなかったのだろう。

 喉の調子が悪かったにしては、ロビーまで響き渡るほどの大声が出るほどだから、喉とは関係がないように思えた。その日矢野は一般質問に立ったが、質問のスピードが落ちたような気がするものの、どうしても水が必要と思えるほど体調がすぐれないようには見えなかった。
 
 その矢野が、議場への水の持ち込み許可を求めたこと、それを拒否されて激昂したのはどういう事情だったのだろう。何か、矢野にしか認識できない体調面の理由があったことは確かなのだろう。ただ、だからといって、朝一番から議長室で大声を張り上げることは議員としてあまりほめられたことではあるまい。

逆転敗訴の可能性

 さて、矢野が私に「逆転敗訴だな」といったのは、平成18年2月5日早朝、不審者が朝木直子宅敷地内に侵入して騒いだ事件に関する裁判のことである。矢野と朝木はこの事件を「殺人未遂事件」で、「この事件によって明代の転落死事件も他殺であることがはっきりした」などと主張していた(現在も東村山市民新聞に掲示中)。

 これに対して私は、事件がたんなる酔っ払いによる騒動にすぎず、それを「殺人未遂事件」などと主張し、あたかも明代の転落死事件と関連性があるかのように主張するのは「自作自演」であるとする記事を書いた。これに対して矢野と朝木が、記事は彼らの社会的評価を低下させるものであるとして提訴していたものである。

 一審の東京地裁立川支部は平成21年11月13日、「記事はいずれも原告ら(矢野と朝木)の社会的評価を低下させるものではない」と認定し、矢野らの請求を棄却。当然、矢野らは控訴していた。その第1回口頭弁論が開かれたのが平成22年2月23日。矢野が議長室で騒いだ1週間前である。私は当日都合が悪く、出廷できなかった。

 後日、代理人に聞いたところでは、東京高裁の判断は「記事は控訴人ら(矢野と朝木)の社会的評価を低下させる」というもので、裁判長は和解を勧告したいとのことだった。一審の認定は「記事は社会的評価を低下させない」という理由で矢野らの請求を棄却していたから、東京高裁の認定は地裁とはまったく正反対のものだったということになる。そのかぎりでは明らかに風向きが変わったことがうかがえた。

  これが、矢野が「逆転敗訴だな」と喜んだ理由である。高裁の判断を聞いた矢野が嬉々として「逆転敗訴だな」といったということは、やはり矢野は一審の敗訴判決がよほど悔しかったものとみえる。

「記事が控訴人らの社会的評価を低下させた」とすれば、記事の真実性あるいはそう信じるに足りる相当な理由があったかどうかが問題となる。そこで私の方は4月6日に開かれた第2回口頭弁論において真実性・相当性の抗弁を記載した準備書面を提出した。

 第2回口頭弁論で和解の斡旋があるかと予想していたが、裁判長は「やはり本件は和解は難しいようです」とし、和解の話はなくなった。裁判長は「もう主張はよろしいですね」と双方に確認すると、判決言い渡し期日を6月17日午後1時15分と指定して結審した。

 判決の行方はまったく予断を許さない。しかし事件そのものは、東京地検が平成18年3月16日に「住居侵入事件」として不起訴処分の決定をしていることが明らかとなっている。したがって私としては、裁判を通じて事件が少なくとも「殺人未遂事件ではなかった」ことの根拠が得られたと判断しており、記事を書いた目的は十分に達成できたと考えている。詳細は判決後にあらためて報告しようと思う。

 なお、朝木明代の万引きを苦にした自殺をめぐり千葉英司東村山警察署元副署長が「行動する保守」の重鎮、西村修平を提訴していた裁判の判決が4月28日午後1時30分言い渡されることがわかった。この裁判で矢野と朝木は全面的に西村を支援してきた。はたして彼らの主張がどこまで裁判所に通用するか、注目したい。

(了)
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