ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

西村修平事件一審判決 第2回
 西村が行った街宣とブログ記事について東京地裁立川支部は千葉の社会的評価を低下させるものと認定したが、①その内容に公共性・公益性があり、かつ②その内容に真実性あるいはそう信じたことについて相当の理由があると認められた場合には不法行為責任は阻却される(問われない)というのが、現在の名誉毀損の考え方である。

 朝木明代の転落死事件の捜査について取り上げることは、公職にあった者に関する事件捜査に関連するものだから公共性・公益性はある。したがって違法性の有無の判断は、西村が行った表現行為に真実性・相当性があったかどうかにかかってくるということになる。

東京地裁の真実性判断

 東京地裁立川支部は真実性・相当性の判断にあたり、まず西村の立証対象となる事実を以下のように整理している。



街宣
①亡明代が自殺したのではなく、計画的に殺害されたものであること。
②原告が①の事実を知りながら、あえてこれを自殺事件に仕立て上げて隠蔽しようとしたこと。
③創価学会が亡明代の謀殺事件に関わっており、原告は、創価学会の学会員である検察官2名と結託して上記隠蔽に加担する不正を行った同類のものであること。

ブログ記事
⑴亡明代が自殺したのではなく、計画的に殺害されたものであること。
⑵原告が、亡明代が計画的に殺害されたことを知りながら、あえて自殺と断定して、これを隠蔽しようとしたこと。
⑶原告がその隠蔽工作として亡明代が万引きをしたという虚偽の事実をねつ造したこと。


 
 この中には西村が街宣で指差したプラカードの記載事実(「創価学会の4悪人」等)は含まれていない。これは単純に、今回の千葉の請求がプラカードの記載内容ではなく街宣の内容に基づいてなされたものだからである。西村が街宣等で主張した事実の真実性が認定されなければプラカードの記載事実の根拠が否定されたこととなり当然、プラカードの記載内容もまた否定されたに等しいということになる。

 では、東京地裁は西村の上記各表現についてどんな判断をしたのか。各項目について、西村の主張に沿って順を追ってみていこう。



「明代が自殺したのではなく、計画的に殺害されたものであること」について

(西村の主張)

1 司法解剖鑑定書において明らかになった上腕内側部の皮下出血は、犯人ともみ合ったときに生じたものであることは山形大学鈴木名誉教授の鑑定結果からも明らかである。

2 転落現場の初動捜査では明代の靴と鍵が見つかっていない。警察犬は明代の臭跡をたどることはできなかった。これは当日夜、明代が現場まで歩いていったのではない=何者かによって運ばれたことを示している。

3 当日夜、事務所に鍵をかけたのは明代だから、明代は鍵束を所持していたはずである。ところが初動捜査で発見されなかったことは、事後に拉致犯人が置いたことを意味する。発見された鍵束が明代のものであることを東村山署が知っていたのは、犯人からこの事実を聞いていたからにほかならない。

4 明代が転落現場ビルの手すりを自力で上がり、落下することは不可能である。

5 明代は転落直後、飲食店店主に対し「飛び降りていません」と答えている。

(東京地裁の判断)
上腕内側部の皮膚変色部について(西村主張の1)
 司法解剖鑑定書には本件上腕部内側の皮下変色部の記載があるが、これが他人と揉み合ってできた可能性があることを示唆する記載はなされていない。

 鈴木教授の「本件上腕部内側の皮下変色部が亡明代と他人が争った際に生じたことが最も考えやすい」とする本件鑑定補充書の記載は採用することができない。

 亡明代が転落したと考えられる本件マンションの5階から6階の間の手すりに残された手指痕跡の真下で鉄製フェンスが折れ曲がっており、亡明代が転落時に同フェンスに衝突したことがうかがえることなどに照らせば、本件上腕部内側の皮膚変色部は、亡明代が他人と揉み合ったことにより生じたとしても矛盾しないという程度の証拠力を有するにとどまるといわざるを得ない。

 別件訴訟(『東村山の闇』事件)の東京高裁判決も、矢野穂積及び朝木直子が本件転落死事件につき「他殺の可能性を示す証拠があると信ずるについて相当の理由がなかったとはいえないというべきである」とするにとどまり、他殺の可能性を示す証拠があることが真実である旨認定するものではないし、上腕部内側の皮膚変色部については、「明代の司法解剖鑑定書には他人と揉み合った際に生じることがある上腕内側の皮膚変色部が存在したことが記載されている」と記載するにとどまる。

 また別件訴訟(『エフエム東村山』事件)の東京高裁判決も、本件上腕部内側の皮膚変色部が「他殺を疑わせる証拠となるようなものであること」が真実であるとは認定しておらず、矢野において、本件上腕部内側の皮膚変色部が「他殺を疑わせる証拠となるようなものであること」を信じたことについては「相当の理由があるというべきである」とされたにとどまる。



「創価問題新聞」判決を否定したかった矢野と朝木

「エフエム東村山」事件について矢野はウェブ版「東村山市民新聞」で「自殺説強調のあの千葉元副署長が、また敗訴」と宣伝。また「東村山の闇」事件は「最終的に東京高裁(7民)の破綻判決を全面否定!」とした上、

〈この結果、千葉元副署長が、これまで矢野、朝木両議員を提訴した合計11件の裁判がすべて終了し、最高裁の最終的な朝木明代議員殺害事件に対する判断が示されたことになります。〉

〈この最高裁決定の11日前の7月3日には、同じく千葉副署長が提訴していた「創価問題新聞」で、最高裁は、東京高裁(7民)の事実を意図的に書き換えた判決を追認する決定をだしていましたが、最高裁はその直後の7月14日の決定で、これらをすべて否定する最終的判断を下したことになります。〉

 などと主張している。矢野がここでいう「東京高裁(7民)」判決とは「創価問題新聞」事件判決のことである。同判決は転落死について、次のように述べて矢野と朝木が主張する「他殺説」を否定している。

〈司法解剖鑑定書には、本件損傷(上腕部内側の皮膚変色部)が他人と争ってできた可能性があることをうかがわせる記載はなく、本件損傷の存在からは、……その生成原因として明代が他人ともみ合って上腕を強くつかまれた可能性があることが認められるだけであり、明代が他人に突き落とされて本件転落死したことまで推認できるものでないことは明らかである。〉

 矢野と朝木は「東村山の闇」判決によってこの「創価問題新聞」事件判決があたかも否定されたと印象づけるために、「最高裁はその直後の7月14日の決定(「東村山の闇」事件)で、これらをすべて否定する最終的判断を下したことになります。」と宣伝したのである。2つの判決に連続性はなく、当然、明代の万引き冤罪説と他殺説を否定した「創価問題新聞」判決が覆った事実もない。

空振りに終わった最高裁前街宣

 しかし、この矢野と朝木の明らかなデマを妄信したのが西村や「行動する保守」Aらである。「東村山の闇」事件が矢野勝訴で確定したのちの平成21年7月24日、西村らが最高裁前に集結し、「創価問題新聞」判決を非難したことは記憶に新しい。「行動する保守」Aは矢野と朝木の主張をそっくりコピーした街宣を行い、こう締めくくった。

「千葉英司がいい加減な捜査をし、真実を隠蔽して、捜査をしないで、事実を歪曲したと。これが最高裁で確定したということをはっきりと述べさせていただいて、……同じように千葉英司に訴えられている西村さんの裁判でも有効な判決でありますので、あえて最後に付け加えさせていただきます」

「行動する保守」の指導者であるAは、「東村山の闇」判決について彼なりに考えた結果、矢野と朝木の主張は正しいと判断したのだろう。しかし「行動する保守」Aの主張に反し、東京地裁立川支部は上腕内側部の皮下出血の痕について、〈(「東村山の闇」判決は)他殺の可能性を示す証拠があることが真実である旨認定するものではない〉とする判断を示した。まだ一審段階ではあるが、「行動する保守」Aの「東村山の闇」判決に対する「西村さんの裁判でも有効な判決」という評価・判断は「あえて最後に付け加え」るほどのものでもなかったということになろうか。

 余談だが、平成22年5月7日、千葉がブログの記事をめぐり「行動する保守」Aとその弟子を提訴していたことがわかった。はたして「行動する保守」Aにとって「東村山の闇」判決が自分自身の裁判でも「有効な判決」となるのかどうか、きわめて興味深いところである。詳細はあらためて報告したい。

(つづく)
関連記事

TOP