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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村修平事件一審判決 第4回
転落直後の明代の言動に関して重要な認定

 これまで見てきたように、東京地裁は西村の主張をことごとく排斥している。その上で東京地裁は、千葉の主張・立証を採用して明代が「計画的に殺害されたもの」であるとする西村の主張を次のようにあらためて否定している。



「明代が自殺したのではなく、計画的に殺害されたものであること」について(前回の続き)

〈(明代が)仮に他人により本件マンションから転落させられたため重傷を負ったのであれば、これを発見した第三者に対して、通常は転落の事実を申し述べるなどして、必死に救助を求めると考えられるところ、前記認定事実によれば、亡明代は、転落直後、重傷を負ったにもかかわらず、(ア)発見者に対して転落の事実を否定し、(イ)救急車の手配さえ断ったというのであり、(ウ)これは亡明代が自分が本件マンションから転落し負傷したことの発覚をおそれたものとみることができ、他人により高所から転落させられるような危害を加えられた者の言動としては不自然である〉

(ア)(イ)(ウ)および下線は便宜上、筆者が付した)



 ここで東京地裁は、明代の転落直後の発見者らに対する言動から、明代が何者かに突き落とされたのではないと結論付けている。転落直後の言動のうち、東京地裁が取り上げたのは(ア)(イ)である。

 とりわけ(ア)について矢野と朝木は、「落ちたのですか」(発見者=店長)との問いかけに対してそれを否定するかのように首を横に振った明代の反応のうち、店長の発言を意図的に「飛び降りたんですか」にすり替え、あたかも明代が「飛び降りたのではない」と答えたかのように主張し、自殺を否定していた。もちろん西村も、朝木が届けた「店長(実際には店長ではなくオーナー)の共同記者会見」の反訳を書証として提出し、自殺を否定する材料としていた。また(イ)について矢野と朝木は、ただ「そのような事実はない」と主張し、明代が救急車を断った事実を否定し続けている。

 これに対して東京地裁は、千葉が提出した書証(捜査状況を記載した準備書面)などから店長の発言が「落ちたのですか」であり、これに対して明代が首を横に振った事実、および「救急車を呼びましょうか」との第1発見者の呼びかけに明代が「いいです」と断った事実を認定。その上で東京地裁は、これらの明代の言動が(ウ)「他人により高所から転落させられるような危害を加えられた者の言動としては不自然である」と結論付けたのである。矢野と朝木の主張を真っ向から否定するものにほかならない。

「自殺の動機」に踏み込んだ東京地裁

 さらに東京地裁は、これまでの関連裁判では具体的になされていない初めての認定を行っていた。転落直後の明代が「他人により高所から転落させられるような危害を加えられた者の言動としては不自然」であると認定し、続いて万引き事件との関連性について東京地裁はこう述べた。



〈被害者が亡明代が犯人である旨供述し、被害者が現場から犯人を追跡し、被害品を取り返したところなどを目撃した第三者らもこれに沿う供述をしていたこと、亡明代がレジジャーナルの写しをアリバイの証拠として提出したが、原告ら捜査機関において裏付け捜査の結果、アリバイの主張は信用性がないと判断されており、警察官による被疑者取調べや原告による広報などを通じて、亡明代もそのことを知っていたと考えられることなどに照らせば、本件転落死事件当時、亡明代を被疑者とする本件窃盗被疑事件が地検八王子支部へ書類送致されていたところ、検察官送致後、被疑者である亡明代が本件窃盗被疑事件につき、自己が今後起訴されて刑事責任を問われかねない厳しい立場に置かれていることを憂慮していたことがうかがえる。〉



 東京地裁はすでに西村が主張する「他殺の根拠」を否定し〈亡明代が何者かに殺害されたと認めることはできない。〉と認定し、〈本件窃盗被疑事件を亡明代が犯していないことを認めるに足りる証拠はない。〉(本連載第3回)と明代の万引きの事実を事実上認定している。その認定と合わせ、矢野と共謀したアリバイ工作が破綻した事実、転落死当日の明代の行動と矢野の説明の矛盾、「落ち込んだ様子で歩いていた」とする東京地検の発表内容などから、東京地裁は転落死当時の明代の心境についてこう推認したものとみられる。論理的にも証拠評価の観点からも、きわめて常識的な認定といえるのではあるまいか。

 転落直後の「他人により高所から転落させられるような危害を加えられた者の言動としては不自然」な明代の言動と、多くの証拠から推認される当時の明代の心理状態をふまえ、東京地裁は明代の「自殺の動機」に言及してこう述べた。



〈したがって、被告の主張するその余の点を考慮しても、本件転落死事件当時、亡明代に自殺の動機がなかったとはいえない。〉



 これまでの明代の転落死関連裁判のうち、月刊タイムス事件で「万引きを苦にした自殺」とする表現について相当性が認定されているが、「自殺の動機の有無」にまで直接的に踏み込み、その「動機」があったことを明確に認定した判決はこれが初めてである。今回の東京地裁判決は「万引きを苦にした自殺」とする表現の相当性を内実的に検討し、認定したものと評価できよう。

 その上で、東京地裁は次のように結論付けた。



〈以上によれば、被告の主張するその余の点を考慮しても、亡明代が殺害されたことや、これが計画的なものであったことを認めることはできない。〉



 東京地裁はこう述べて、「明代は自殺したのではなく、計画的に殺害されたものである」とする西村の主張を全面的に否定したのである。

 なお余談だが、裁判官席のある壇上に駆け上がったことで有名な右翼Mを千葉が提訴している裁判は、右翼Mが拘留されていて準備書面が用意できなかったとの理由で延期を申し立て、第3回口頭弁論が5月26日に延期となっていた(当初の予定は4月13日)。しかし、口頭弁論が2日後に迫った5月24日午前の段階でもまだ右翼Mから準備書面は提出されていないとのことである。どうしたのだろうか。

(つづく)
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