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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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万引き被害者威迫事件 第15回
万引き被害者の証言

 矢野は、明代の最初の取り調べ当日に被害店に行ったのは「取材」目的であり、被害者を脅すような発言はいっさいしていないと4度の尋問で供述している。一方、パート店員から矢野が言い残していった発言の内容を聞き、それを「脅し」と受け止めた被害者本人はどう供述しているのだろうか。また矢野側は、被害者のこの証言をどう否定しようとしたのか。まず、『聖教新聞』裁判における尋問(東京地裁=平成11年11月15日)の様子をみよう。

(主尋問)

被害者代理人
 あなたが被害届を出されたのちに、今回原告になっている矢野穂積さんまたは朝木明代さんが、あなたのお店に来たということはありますか。

被害者 あります。

代理人 何回ぐらい、ありますか。

被害者 全部で、朝木さんが3回、私は確認してます。

代理人 一番最初に来たときは、あなたはお店にいましたか。

被害者 いません。

代理人 じゃあ、どうして来たということがわかったんですか。

被害者 留守番に頼んでおいたパートさんに話を聞きました。

代理人 そのとき、お店に来て、何か矢野さんなり朝木さんが言っていったということはあるんですか。

被害者 はい。店長を出せということと、それから、訴えられるぞみたいな感じをいったという話を聞きました。

代理人 それは矢野さんがいったんですか、朝木さんがいったんですか。

被害者 矢野さんです。

代理人 朝木さんは何かいっていたということは、報告を受けてますか。

被害者 朝木さんは、お店の外で待っていたようです。

代理人 というように、パートさんがあなたに報告したんですね。

被害者 はい、そうです。


(反対尋問)

矢野代理人
 あなたのいう事件(万引き事件)があったあとに、朝木さんがあなたの家に3回来たとおっしゃっていますね。それは間違いないですか。

被害者 ええ。

代理人 そのときに、あなたの答の中で「店長を出せ」とか「訴えられるぞ」とか、そういうことをいわれたと、あなた自身が聞いたかどうかは別として、そういうことをいわれたと。

被害者 パートさんに「店長を出せ」と、矢野さんがいったと、聞きましたけれども。

代理人 あなたのいうように、朝木さんあるいは矢野さんが、朝木さんが万引きをしたというあらぬ疑い、こちらの主張からするとあらぬ疑いをかけられたんで、その事実関係について調査をした経過があるんですね。だから、これは東村山市民新聞というメディアを持っていますから、その新聞紙上で報道するための取材という意味もあるんです。この甲74号証(矢野が提出した「会話記録」)を見て頂くとわかるんですが、取材で、矢野さんが行って話をした経過があるんです。このときはちょうどあなたがいらっしゃらなかった。
 これはちょうど平成7年6月30日の午後7時ごろというふうに記録されていて、これは客観的には間違いないんですが、これはそのときの店員さんとのやりとりを録音したものを反訳したもの。この中には「経営者の方はいらっしゃいますか」とか、そういう質問をしてますが、少なくとも「店長を出せ」とか、あるいは「訴えられるぞ」とか、そういうようなことは、どうも読んでいただくとわかるんだけれども、録音されてはいないんです。

被害者 そうですか。

代理人 そうすると、あなたはその店員さんから聞いた話というのは、本当に訪ねてきた人が「店長出せ」とか、あるいは「訴えられるぞ」とかいうふうにいったというふうに聞いているんですか。

被害者 私が、そうですね、私がね。

代理人 あなた自身は、そういうふうに思っているということですか。

被害者 そうですね。

代理人 客観的な事実は知っていますか。

被害者 事実……その当時の。

代理人 要するに、どういうふうにそのパートさんにいったかということは知っていますか。

被害者 いえ、知りません。

 矢野側の反対尋問で最も重要な意味を持つのは、矢野側代理人から示された「会話記録」と、代理人の「これは客観的には間違いないんです」、「(脅しと受け取れるような発言は)録音されてはいないんです」という発言である。矢野と明代が店に来たときの様子については、被害者もパート店員から話を聞いただけで、直接現場を見たわけではない。「会話記録」を目の前で見せられた被害者が、それまで信じていたパート店員の話にいくばくかの不安を覚えたとしても不思議はない。しかも、矢野とちがって被害者が証言台に立つのはもちろん初めてである。矢野の代理人は、被害者もしょせんは矢野の発言を直接聞いたわけではなく伝聞にすぎないという弱点をつくことで「脅された」という被害者の確信を動揺させようとしていた。

 さらに、弁護士から「客観的な事実は知っていますか」と聞かれた被害者が、見ていない事実について「知りません」と答えてしまったのも無理もなかろう。それでも被害者が「聞いて知っている」と答えれば、代理人は「あなたは見たんですか」とたたみかけただろう。被害者は矢野が「脅し」と受け取れる発言をした現場を見たわけではない。矢野側の反対尋問の狙いは、「会話記録」を突きつけて被害者の認識の曖昧さを印象づけ、主尋問での「訴えられるぞみたいな感じをいった」という被害者の供述をひっくり返すことにあり、最後のやりとりをみるかぎりでは、矢野側の狙いは一応成功したようにみえた。


(第16回へつづく)
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