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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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東村山街宣事件一審判決(その2)
未熟な自尊性

 仕方なく私は裁判所職員に近づいて、右翼Mらの行為をやめさせるよう要請した。しかし、職員にしてもこんな場面に遭遇することはめったにないのだろう。数人の職員が応援に来てようやく右翼Mらが千葉のそばを離れるまでに5分近くを要した。右翼Mらは10分近く千葉を包囲し、ほとんど一方的に難詰していたのである。

「行動する保守」一行が待合室から法廷へ移動したあと、私と千葉はしばらく待合室に止まっていた。むやみに一行に接近して刺激してはいけないという判断だった。そばにいた職員に、右翼Mが以前、裁判長の壇上に駆け上がってドアを開けようとした人物であることを話すと、職員は右翼Mによる裁判長襲撃未遂事件の事実を把握していた。すでに東京地裁では、「行動する保守」一行に関する情報が担当部だけでなく裁判所全体の情報として共有されていることをうかがわせた。

 職員は私と千葉に対し「今日はもう法廷には入らない方がいいのではないか」という。私と千葉は職員のアドバイスもあって、この日は法廷には入らずにそのまま書記官室で待機し、判決文を受領して帰ったのだった。

 仄聞するところによれば、「行動する保守」一行の異常な興奮状態は法廷に入っても冷めなかったらしい。法廷内で「行動する保守」Aの弟子は傍聴人に体当たりを食らわせ、右翼Mは傍聴席に座った同じ傍聴人の足を蹴りつけたという。裁判でまともな対応ができず、敗訴を重ねていることに対する腹いせ、八つ当たりとみるべきだろう。裁判長襲撃未遂といい、この日の千葉や傍聴人に対する威圧、暴行といい、「行動する保守」一行は救いがたい未熟な自尊性とそれに基づく場当たり的攻撃性をあらわにしつつある。

 傍聴人に悪態をついたところで裁判には何の影響もないどころか、むしろ心証を悪くし、自分たちの評価を貶めるだけだということが彼らには理解できないのだろう。一行の指導者である「行動する保守」Aは高らかに公言した「朝木明代他殺説の根拠(=内部告発者の存在)」について具体的に立証する方針さえもいまだになんら明らかにせず、リーダーたちが相次いで提訴され、敗訴を重ねるに及んで焦慮を募らせていることの表れのようにもみえる。裁判のたびに行う街宣もシュプレヒコールにも虚しさを禁じ得ない。

 なお、私が西村修平を提訴していた裁判はその日、東京高裁で西村の控訴が棄却された(西村は平成22年8月6日付で上告)。また私が浦安の行政書士を提訴していた裁判では、行政書士に対して10万円の支払いを命じた東京高裁判決を不服として行政書士が上告していたが平成22年6月11日、最高裁が上告を棄却する決定をして東京高裁判決が確定。私は一審の仮執行宣言に基づき平成21年10月6日に4万9543円を差し押さえていたので、残金5万457円と遅延損害金を請求したところ、平成22年7月28日(西村裁判の判決当日)に行政書士から振込があり、この事件は完結した。

厳戒態勢の法廷

 さて、彼らが提訴されている裁判の中でも、おそらく彼らが最も警戒しているのが創価学会から提訴されているこの裁判だろう。なにしろ請求金額が2640万円とケタが違う。右翼Mらが千葉をつるし上げてからわずか2日後でもあり、法廷の混乱は容易に予測できた。

 その一方で裁判所が「行動する保守」一行に対する警戒を強めているのは明らかだった。したがって、仮に法廷で混乱が起きれば再び拘引などの措置が取られる可能性もあると私はみていた。法秩序を脅かす輩に対して裁判所が毅然とした対応をするのは当然である。

 7月30日、判決言い渡しは午後1時10分である。私は午後1時前に法廷に着いた。法廷前に行くと、通常はいない裁判所の職員が3、4名立っているだけで、「行動する保守」一行の姿はまだなかった。判決前、右翼Mが裁判所前での街宣を予告していたから、一行はまだ法廷に向かっている途中なのかもしれなかった。

 判決言い渡し5分前になり、裁判所の職員が「もう入れますよ」と教えてくれた。「行動する保守」一行関連の裁判に限っては、当事者以外は開廷5分前まで入廷させない方針になっているようである(立川支部も同様)。法廷内でも当事者に暴言を浴びせたり、傍聴人に対する威嚇を繰り返してきた実績からすれば、この対応もやむを得まい。

 この時点でもまだ法廷前は、普通の法廷のように平穏そのものだった。職員の表情にもまだ切迫した警戒感はうかがえない。彼らはまだ法廷のある5階には上がってきていないようである。

 法廷に入ってほどなく、入口のドアを開ける音が聞こえた。見ると、右翼Mのほかに10名前後の支援者が法廷に入ってきたところだった。右翼Mが2名の弁護士と被告席に向かっている。しかし、相被告である浦安の行政書士の姿はなかった。どうやらブログで予告していたとおり、行政書士は判決には立ち会わないらしい。原告席には創価学会側代理人の姿はなく、無人のままである。法廷に行けば「行動する保守」一行をいたずらに刺激するだけで無益と判断したのかもしれない。

 意外に感じたのは、傍聴席に着いた支援者の少なさである。ざっと見渡したところでは10名もいなかった。支援を表明していた「行動する保守」Aと西村修平の姿はなく、比較的知られたところでは「行動する保守」Aの弟子と女闘士Mぐらいである。前回の法廷で証人申請を却下されたことでさすがの「行動する保守」一行もかなり分が悪いことを感じており、わざわざ法廷まで出向くのは見合わないと考えたとしても不思議はあるまい。

 それでも傍聴席の後ろには数名の裁判所職員が立って警戒に当たっている。判決言い渡しの時刻が近づき、傍聴人が息を殺して裁判官の入廷を待っていたそのときである。傍聴人は民事裁判ではめったに見ることのできない光景を目にした。法廷の左奥のドアが開き、2名の見るからに屈強なガードマンが入ってきて、原告席側と被告席側の裁判官席寄りにそれぞれ仁王立ちしたのである。右翼Mが裁判官席に突進するのを想定した配置であることは、おそらく「行動する保守」一行を含め法廷の誰もが瞬時に理解した。並の警戒体制ではなかった。裁判所は右翼Mが再び裁判官を襲撃しかねないと考えていたということである。

「行動する保守」一行に対して裁判所の姿勢を十分に認識させた上で、3人の裁判官が入廷してきた。



 それでは判決を言い渡します。

主文
1 被告らは、原告に対し、連帯して110万円及びこれに対する平成21年6月14日から支払い済みまで年5 分の割合による金員を支払え。
2 被告らは、原告に対し、別紙1禁止行為目録記載の行為をしてはならない。
3 原告のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用はこれを20分し、その1を被告らの負担とし、その余は原告の負担とする。
5 この判決は、1項に限り、仮に執行することができる。



 主文の宣告が終わり、「以上です」と裁判官が退廷しようとすると、敗訴を告げられた右翼Mが何事か抗議らしい声を上げた。その言葉は不明瞭で私にはまったく聞き取れず、なにか独り言のように聞こえた。他の傍聴人に聞くと、右翼Mはどうやら「審理が尽くされていない不当判決」という趣旨のことをいったらしいが、いずれにしてもその声には街宣のときのような迫力はなかった。

 それはそうだろう。被告席からわめいたところで110万円の支払いを命じた判決が覆るわけもない。一昨日の西村修平の敗訴に続く「行動する保守」の連敗である。そのせいか、わざわざ傍聴に来た支援者の間からは右翼Mの「抗議」に呼応する声は上がらなかった。法廷に虚しく響いた中途半端な右翼Mの独り言が「行動する保守」一行のショックの大きさを物語っているように思われた。

「行動する保守」一行のショックの大きさとは、110万円の支払い命令という現実と、右翼Mらの街宣活動を煽動した矢野穂積と朝木直子の主張との間の不整合感からくるものなのだろう。しかし、右翼Mらの街宣には近づきもしなかった矢野と朝木だけは、今回の判決になんらの違和感も抱かなかったはずである。

「行動する保守」一行は、なんらの責任も取ろうとしない矢野と朝木に対してどんな気持ちを持っているのだろうか――そんなことを思いながら私は法廷をあとにした。右翼Mらはその直後、再び判決の不当を訴えて街宣活動を行ったとのことである。

(つづく)
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