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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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東村山街宣事件一審判決(その4)
右翼Mの「予告」

 浦安の行政書士はこの日の街宣までに、同年5月31日、6月7日、6月13日と矢野穂積が作成した公明党批判のビラ(『北多摩市民新聞』)の配布に精を出しており、この日の街宣もその延長線上にあることがわかる。行政書士は当時、平成19年9月1日に東村山駅前で行った街宣活動をきっかけとして2件の裁判を提起されており、それが一層「創価学会批判」へと駆り立てたようにみえる。

 一方、右翼Mは西村修平が千葉から提訴された裁判では西村支援を鮮明にして、口頭弁論当日に行われた街宣活動にも参加している。したがって当時、右翼Mはまだ裁判の当事者ではないものの、行政書士が置かれた状況や動きに触発されるところがあったのかもしれない。右翼Mは街宣前日のブログにこう書いている。



 去年の9月1日行ったきりご無沙汰だなあ。またそろそろ行かなくちゃならない時期かも。……高級婦人洋品専門店「○○」か、懐かしいな。



 東村山の話題を持ち出してまず朝木明代の万引き被害者の店を懐かしむとは、右翼Mにとって「洋品店襲撃事件」がよほど印象に刻まれていたものとみえる。あるいはこれは、「お礼参りはさせてもらう」という右翼Mなりの脅し(強がり)だろう。なかなかの凄味だが、客観的根拠を欠いては負け犬の遠吠えと一般社会からは相手にされまい。

 いずれにしてもこの時点で、すでに右翼Mと行政書士の間で街宣の打ち合わせができていたとみるのが自然である。6月14日になぜ東村山で街宣をする気になったのか、確かなところはわからないものの、右翼Mは6月17日昼には立川で千葉を誹謗する街宣に参加したあと、その足で地元中野に向かい、公明都議を追及する街宣を行っている。右翼Mは翌6月18にも中野で同様の街宣を繰り返した。7月12日に迫った東京都議選に向け、右翼Mもまた「創価学会批判」活動をより活発化していたことがうかがえる。

 ちなみに右翼Mの平成21年6月18日付ブログによれば、右翼Mの街宣車に搭載しているスピーカーは「巨大音量」を発生できる「高性能・ハイ出力の最新式ハイパースピーカー」なのだそうである。街宣対象となった公明都議は6月19日、右翼Mを名誉毀損罪で告訴している。

「高性能スピーカー」の「真実性」

 さて、創価学会側は6月14日の街宣について、①大音量でなされたこと(争点1)、②右翼Mと行政書士が共謀して行った(争点2)、③「創価学会が朝木明代を殺害した」との虚偽の事実を摘示した(争点3)ことによって創価学会の名誉が毀損され、平穏な宗教活動が妨害されたと主張し、右翼Mらに対して連帯して2640万円の損害賠償および街宣禁止を求めていた。これらの争点について右翼Mらはいかなる主張を行い、裁判所はどう判断したのか、順を追ってみていこう。

争点1 街宣の態様

 ある発言が他人の社会的評価を低下させたか否かについては、その発言が不特定多数を相手になされたものであるかどうかが基本的な構成要件となる。右翼Mは一部の街宣について、不特定多数に向けられたものではなかったと主張しようとしたものとみられる。



(右翼Mの主張)
 本件街宣活動のうち①、⑤ないし⑨(本連載「その3」参照)は大音量ではない。また、街宣車のスピーカーは出力35Wの極めて音量の小さなものであり、区役所の広報宣伝カー(軽自動車)に搭載しているものと同種のタイプで、大音量は出せない。



 右翼Mは①街宣車の移動中における街宣と午後の街宣(⑤ないし⑨)については大音量だったことを否認している。それも音量を絞ったからではなく、そもそも街宣車に搭載したスピーカーの性能上、大音量は出せないとする主張のようである。行政書士もまた、街宣が大音量だったとする点については否認している。

 右翼Mは東村山街宣の4日後に中野区で行った街宣のあとブログで、街宣車のスピーカーは〈「巨大音量」を発生できる「高性能・ハイ出力の最新式ハイパースピーカー」〉であると自賛しているが、右翼Mは中野での街宣に備えて4日の間にスピーカーを付け替えたということなのだろうか。しかし裁判で、右翼Mが東村山街宣から中野街宣までの間にスピーカーを取り替えたと主張した形跡は見当たらない。すると右翼Mは、東村山街宣の大半が不特定多数に向けられたものではない(少なくとも「大音量」ではないから、「不特定多数」の度合いは低い)と主張することで損害賠償額を減らそうと姑息な努力をしたということだろうか。

 この点について東京地裁はどんな判断をしたのか。



(東京地裁の判断)
 本件街宣車に取り付けられている拡声器は、一見して区役所等が広報宣伝活動に用いる軽自動車等に取り付けている拡声器よりも高性能なものであること、本件街宣活動は本件街宣活動を除き、本件街宣車に取り付けられている拡声器又は手持ち式の拡声器を用いて行われていたことの事実が認められる。――略――

 他方、甲12(創価学会側が提出した書証)にも、本件街宣活動が拡声器を用いてなされたものであることや大音量でなされたことの記載はなく、これらの事実を認めるに足りる証拠は他にもない。したがって、本件街宣活動⑧については、近隣に住宅があることを配慮し、極力音量を絞り、ハンドスピーカーを○○宅の方にのみ向けたとの被告Mの主張は、否定されず、そのような程度にとどまるものであったものと認められる。



 東京地裁はこう述べて、右翼Mが主張した⑧以外の街宣について「大音量だった」と認定し、街宣の公然性を認定している。しかしこの認定によって、ただちに名誉毀損の不法行為が認められるわけではない。公共性、公益性があり、かつ真実性・相当性が認められれば不法行為責任は阻却される。右翼Mらは街宣内容の真実性・相当性を正面から主張・立証すればよいのである。

 したがって、街宣の音量問題だけに限定すれば、右翼Mがブログで自賛したとおり、右翼Mの街宣車のスピーカーが〈「巨大音量」を発生できる「高性能・ハイ出力の最新式ハイパースピーカー」〉であることの真実性が裁判所によって認定されたということだから、これは右翼Mにとってむしろ名誉なことと受け止めるべきなのではあるまいか。

 公明議員宅前の街宣については、使用した拡声器がハンドスピーカーだったとしても、私が確認したかぎりにおいてはかなりの音量であり、議員宅の周辺に聞こえないような音量だったとは考えにくい。この点に関する判断には疑問があると私は考えている。

(つづく)
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