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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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右翼M事件 第3回
口頭で確認した裁判長

 右翼Mに対して裁判所が行った求釈明の意味は小さくないと思われた。第3回口頭弁論は4月14日に指定され、それまでに右翼Mは答弁しなければならない。ところがこの間に、右翼Mの身に普通ではめったにないアクシデントが起きた。3月18日、右翼Mは東京・中野区役所で騒ぎを起こして逮捕、拘置されたのだった。

 右翼Mは4月8日に釈放され、翌9日、東京地裁立川支部に電話を入れた。「逮捕・拘留されていたので準備書面が間に合わないので、延期してほしい」と。こうして第3回口頭弁論はさらに1カ月先延ばしとなった。なお、右翼Mは「逮捕された原因は創価学会にあり、裁判が延期になったのも創価学会のせいだ」とする趣旨の主張をしているようである。よくわからない主張だが、右翼Mの思考様式を知る上で興味深い。

 裁判長から求釈明を求められた右翼Mは平成22年5月26日に開かれた第3回口頭弁論当日の朝、第1準備書面を提出した。しかしこの準備書面で「求釈明」にわずかに触れているのは、右翼Mが発行した「政経通信」を置いている書店が「一般書店ではなく、したがってこの書店で『政経通信』を講読する読者も一般読者ではない」と主張した箇所のみだった。この主張がこの裁判においてどんな意味を持つのかについての言及はない。

 右翼Mが長く滞在していた拘置所から釈放されて20日後の4月28には、西村修平が千葉から提訴されていた裁判で、矢野と朝木の主張がことごとく排斥され、「明代には自殺の動機がなかったとはいえない」とまで言及する判決が言い渡されていた。右翼Mが裁判所の「求釈明」に対して真実性・相当性の抗弁に触れなかったことと何か関係があったのだろうか。

 いずれにしてもこの日右翼Mが提出した第1準備書面の内容は、裁判所からみて前回の「求釈明」に明確に答えたものとは見えなかったらしい。裁判長は口頭弁論の最後に、右翼Mに対して求釈明に対する回答を口頭で確認した。調書によれば、裁判長の質問に対して右翼Mが陳述した内容は以下のとおりである。



(裁判官の求釈明に対する右翼Mの回答内容)

1 原告が主張する請求原因のうち、「被告が原告の社会的評価を低下させるような事実を流布した」との点を特に争う。

2 被告が摘示し、あるいは被告が論評の前提とした以下の事実は真実であり、仮に真実でないとしても真実であると信じるについて相当な理由があったので、真実性または相当性の抗弁、あるいは公正な論評の抗弁を主張する。

(1)原告は、捜査の指揮担当者として、亡朝木市議に対する殺人事件を自殺として処理した。
(2)原告は、捜査の指揮担当者として、亡朝木市議の万引き事件が冤罪であるのに、万引きをしたという事件を   でっち上げた。
(3)原告は、創価学会シンジケートで繋がり、店主を装って用心棒を演じた。



 平たくいえば、裁判長は右翼Mの言質を取ったということになろうか。法律的にはこのような陳述を「自白」と呼び、正当な理由がなければ「自白」の撤回はできない。そのことを右翼Mがどこまで認識していたかは定かではないが、平成22年7月21日に予定されている第4回口頭弁論で右翼Mは上記の整理に沿った主張を提出するものとみられた。

期待はずれの準備書面

 平成22年7月21日に予定されていた第4回口頭弁論に際して、右翼Mが千葉のもとに準備書面を送付してきたのは同日午前3時43分である。しかしその内容は、右翼M自身が前回口頭弁論で述べた「求釈明」に対する回答に沿う部分はすべて「留保する」とするもので、実質的にはなんらの進展もみられなかった。街宣では威勢のいい右翼Mが、いったいどうしたのだろうか。

 右翼Mが提出した第2準備書面の中で唯一実質的主張といえたのは最後の部分だろう。右翼Mは「東村山の闇」判決の以下の部分を引用している。

〈論評たる本件著作物(=「東村山の闇」)の各記述が、職名とともに被控訴人(原告千葉)の氏名に言及したとしても、被控訴人(=矢野・朝木)が捜査の責任者たる副署長として捜査を指揮した東村山書の明代関係事件の捜査のあり方を強く批判し、事件の真相究明を求めるとの表明をしたものにすぎないから、職名と併せた被控訴人の指名への言及は、被控訴人の職務を離れた私的な言動につき個人として批判攻撃をしたものと解することはできない。また、当該記述中に捜査の責任者たる副署長としての被控訴人の捜査指揮のあり方に対する批判が含まれていると解することができるとしても、それは、東村山書という組織が行った捜査の責任者としての捜査方法、内容が批判されているにすぎず、そのことから直ちに被控訴人個人の名誉が毀損されたことにはならない。〉

 その上で右翼Mは、「政経通信」の記事は「自らの機関紙で政治活動家の立場で論評したものであり、何らの違法性を伴ったものではない。」と主張していた。『東村山の闇』の記述と「政経通信」の記載内容は異なるから、仮に双方ともに「論評」だったとしても、それだけで同じ結論になると考えるのは誤りである。「求釈明」で問われているのは「(論評だとしても)その論評の基礎となる事実の真実性・相当性」だと思うが、この右翼は「政治活動家の立場」での論評なら何をいっても許されると主張しているのだろうか。

 いずれにしてもこの日右翼Mが提出した第2準備書面の内容はとうてい裁判所の「求釈明」に応えたものではなかった。右翼Mは「求釈明」に対する自らの答弁内容について、とりわけ右翼Mの主張する「論評」の真実性・相当性を主張・立証するのか――。これが次回第5回口頭弁論(本連載第1回)の最大の注目点だった。

 その場合には当然、朝木明代の万引きを苦にした自殺が「他殺」であること、万引きが「冤罪」であることを立証しなければなるまい。この2点を立証しなれば、①千葉が殺人事件を自殺として処理した②千葉は明代の万引き事件が冤罪であるのに、万引きをしたという事件をでっち上げた(「求釈明」に対する右翼M自身の答弁)とする主張の前提が成立しない。右翼Mは答弁書で〈本事件は殺人事件であったか、自殺であったかを問うものではない。〉などと主張しているが、やはりその点を避けて通ることはできないのではないかと思われた。

(つづく)
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