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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「行動する保守」事件 第3回
出廷しなかった代理人

 これまで西村修平、右翼M、行政書士と「行動する保守」一行の裁判を見てきたが、口頭弁論に際して彼らがどんな主張をしてくるかではなく、たんに準備書面を提出するのかどうかだけにこれほど関心が集まったことはなかろう。

「行動する保守」Aが提出を命じられているのは、「行動する保守」Aが原告の千葉について「千葉は、朝木明代は創価学会に殺害されたことを知りながらあえて自殺と断定して、これを隠蔽し、その隠蔽工作として明代が万引きをしたという虚偽の事実を捏造した」などとする記載に関する真実性・相当性の主張・立証である。

「警察は犯人を特定していた」とする「内部告発」があったとして「真相究明活動」に乗り出した者として「行動する保守」Aは、(裁判所に通用するかどうかはともかく)すぐにでも説得力ある書面を提出できたはずである。ところが「行動する保守」Aは前回口頭弁論で裁判長に締切を延ばしてもらった10月20日という期限を守らなかったばかりか、口頭弁論期日の前日になっても書面を提出していなかった。

 口頭弁論の開始時刻は午後1時30分である。午前中、千葉のもとに「行動する保守」Aの準備書面は来なかった。「行動する保守」Aは直接裁判所に持参するつもりなのだろうか。

「行動する保守」Aが準備書面を提出しないということになれば、これは何かの異状を意味しよう。「行動する保守」Aは当初から代理人に委任している。仮に問題の表現が千葉の社会的評価を低下させるものと裁判所が判断しているとすれば、「行動する保守」Aが準備書面を提出せず、真実性・相当性を主張・立証しなければ敗訴は免れない。最終的には書面を提出するにせよ、わざわざ延期してもらった弁論期日に何も提出しないのでは心証もいいはずがない。弁護士なら今回の準備書面の重要性を十分に理解しているはずである。

 午後1時25分、傍聴人の入廷が許されて法廷に入ると、被告席には「行動する保守」Aとその弟子はいたものの、弁護士の姿はなかった。千葉が「行動する保守」Aの準備書面を受け取った様子もない。1時30分になり裁判官が入廷して、被告側代理人不在のまま口頭弁論が始まった。

 傍聴人は公安関係者らしき人物1名、それに「行動する保守」関連裁判ではこれまでみかけたことのない3人のグループなど私を含めて9名である。3人のグループは具体的な背景があって「行動する保守」師弟の裁判を見に来たようにもみえる。対照的に、一見して師弟の支援者とわかる者は1人もいない。

ムキになった「行動する保守」A

「行動する保守」師弟の代理人はどうしたのか。裁判長は師弟に向かってまずこう口を開いた。

「代理人は体調を崩されたということですが、被告は聞いていますか?」

 裁判長の質問に弟子が答えた。

「今日聞きました」

 代理人は裁判所にも依頼人にも無断で欠席したわけではないらしい。裁判長は弟子の回答に「体が悪いということなら仕方がないですけどね」と一言だけ感想を述べたあと、師弟に向かってこういった。

「前回お願いしておいた準備書面ですが、次回期日には提出してもらえるよう代理人にお伝えくださいね」

 やはり準備書面は提出されていなかった。閉廷後、千葉が書記官に確認すると、代理人が急病で出廷できなくなったと連絡があったのは当日の昼ごろ、開廷前1時間という時間帯だったという。連絡してきたのは代理人本人ではなく、代理人の事務所の職員だった。本人は病気だから電話もできなかったということのようである。

 ただ、もともと準備書面の締切は10月20日だったのだし、提出しようと思えばファックスで送っておけばよい。口頭弁論期日当日になって急に体調を崩したとしても、そのことと準備書面が提出されなかったことは関係がないのではないかと私には思える。しかし裁判長は、準備書面が提出されなかったことについて一言も追及するような発言はしなかった。

 その後裁判長は、原告の千葉に向かい、千葉が提出していた一部取り下げの件について説明を加え、訂正を求めた。千葉が請求していた写真の削除については、すでに「行動する保守」Aはすべて削除したと主張している。「したがって、本件の争点は記事の部分だけということになりますね」と裁判官は述べた。

 あとは次回期日を決めて終了と思っていたところ、裁判長は再び師弟の方を向いてこう聞いた。

「被告は前回の口頭弁論以降、代理人から事情を聞かれてますか?」

 裁判長はやんわりとだが、いきなり準備書面が提出されない理由に踏み込んだのである。この質問に対して口を開いたのは弟子ではなく、「行動する保守」Aだった。

「かなり前から、前回口頭弁論の前から聞かれていて、証拠もすべて渡していますよ」(趣旨)

 反論するような強い口調で、「自分がやるべきことはやっている。準備書面が提出されていないのはすべて弁護士のせいだ」といっているように私には聞こえた。「行動する保守」Aとしても、今回提出するはずだった準備書面が提出できなかったことについて気になっていないことはなく、裁判長から追及されていると感じたのかもしれない。

 ただ自己弁護をしようとするあまり、「行動する保守」Aは重鎮としては少しムキになってしまったようである。代理人を委任した以上、代理人と依頼人は一体であり、代理人のせいにしたところで依頼人と代理人の信頼関係を疑われるだけで、「行動する保守」Aには何の得にもならない。

 その上、「行動する保守」Aはつい本当のことをしゃべってしまい、代理人の顔まで潰してしまった。代理人は前回9月8日に開かれた口頭弁論で「証拠が揃うのが9月末になる」と述べていた。ところがこの日「行動する保守」Aは、「前回弁論の前にすでに証拠もすべて渡している」と答えたのだった。すると代理人は証拠に関して嘘をついて弁論期日を先延ばしさせたということになるのではあるまいか。裁判の争点とは直接関係がないとはいえ、「行動する保守」Aは余計なことをしゃべってしまったような気がしてならない。

 裁判官は「行動する保守」Aの回答を聞くと、「では、次回期日を決めたいと思います」といって「12月22日」「1月12日」「1月19日」の3つの候補を挙げ、代理人の都合を確認した上で、次回期日を決めることとしたが、裁判長は代理人の体調に言及することもなく最後にこう付け加えた。

「裁判所としては12月22日を希望しますけどね」

 少なくとも裁判長が、進行を早めたいと考えていることだけは確かなようだった。

珍しくない出来事

 余談だが、こと朝木明代の万引きを苦にした自殺をめぐる裁判において、裁判当日に当事者が急病になったり、提出すべき書面を提出しなかった例は珍しいことではない。

 政治ビラ「東村山市民新聞」の記事で創価学会から提訴されていた東村山市議の矢野穂積は、尋問当日になって「めまいがした」として尋問を欠席した。このとき裁判長は新たに期日を指定したあと、代理人に対して「今度はめまいにならないでくださいね」といったという。矢野の「めまい」に疑いを持っていたかのようである。

 矢野はすでに戦意を喪失していたのかどうか、次回期日には矢野本人だけでなく代理人も出廷しなかった。このため裁判長は即日結審し、200万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じている。

 なお矢野の「めまい」について、私はのちに東京地裁内で直接矢野に聞いたことがある。矢野は「今もまだ悪いんだよ」と答えた。つまり矢野の「めまい」は、少なくとも出廷に耐えられないほどのものではなかったことがうかがえた。

 矢野が明代の自殺を「他殺」と印象づけるために無実の少年を暴行犯に仕立て上げた有名な「少年冤罪事件」では、一審の東京地裁八王子支部は〈仮にも公職にある者がこの曖昧な記憶に基づき、しかも司法警察職員による捜査がなされながら刑事訴追の手続きが執られていない被告を名指しで犯人であると断定している点において極めて特異であると言わねばならない。〉などと矢野を厳しく批判し、矢野の請求を棄却した。矢野は控訴したが、代理人は控訴審の第1回口頭弁論期日までに控訴理由書を提出しておらず、代理人は口頭弁論には出廷したもののその場で結審し、矢野の請求は棄却された。代理人は良心の呵責に耐えられなかったのかもしれない。控訴審弁論の終了後、矢野はただちにこの代理人を解任している。

「行動する保守」Aによれば、代理人の手元にはすべての証拠がそろっているそうである。当然、その中には「内部告発」から「FBI」の資料も含まれるのだろう。十分な主張・立証ができよう。次回は急病にならないでもらいたいものである。

(第4回口頭弁論以降につづく)

追記 第3回口頭弁論の翌日(11月11日)午前9時19分、東京地裁立川支部から千葉に連絡があり、次回期日が平成23年1月19日午後1時30分に決まったとのことである。
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