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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「セクハラ市議」誹謗中傷事件 第3回
マッチポンプ

「職業安定法違反」について矢野と朝木はウェブ版「東村山市民新聞」(平成19年8月7日付)以外にも⑵「東村山市民新聞」158号(平成19年8月29日付)、⑶「東村山市民新聞」159号(平成19年12月15日付)⑷多摩レイクサイドFM「ニュースワイド多摩」(平成19年9月5日放送分)(筆者注=矢野穂積が進行役と解説役を務める1時間番組。1日に6回の放送枠がある)でも類似の表現を掲載・放送しているが、いずれも違法性を認定している。

 参考までに総務省が認可し、東村山市議会議員矢野穂積が「パーソナリティー」を務める多摩レイクサイドFM「ニュースワイド多摩」の放送を紹介しておこう(ほんの一部)。



「ニュースワイド多摩」(平成19年9月5日放送分)

 東村山市民新聞提供のニュースです。「問題は、犯罪関与の疑惑に進展」というニュースです。

 ……法律上も判例上も、性風俗は公衆道徳上有害業務であることがはっきりしていますが、(薄井擁護者らは)これを知らず、性風俗=有害業務の差別を許すな、などと叫んでいます。問題の薄井市議は、……調査の結果、薬事法や職業安定法の違反をしているのではないか、という疑惑まで出ています。



 この部分について東京高裁は具体的に言及していないが、東京高裁はウェブ版の類似記載について「(求人誌業務に関与した)疑いがあることを認めるにさえ足りない」と認定しているのだから当然、この部分についても同じ理解でいいのではないかと私は考えている。「ニュースワイド多摩」がいう〈「犯罪関与の疑惑に進展」〉とはまさに、明確に名誉毀損が認定された「東村山市民新聞」158号の記載そのままである。

 なお、「(矢野が発行する彼らの政治宣伝ビラにすぎない)東村山市民新聞提供のニュース」を矢野の番組で読み上げるとはまさにマッチポンプということになると思うが、「東村山市民新聞」が「ニュースワイド多摩」にニュースを「提供」する例は少なくない。その際、「東村山市民新聞」がどういう性質の「新聞」であるかについていっさい説明はない。

 恐ろしいのは、「ニュースワイド多摩」では「朝日新聞」や「読売新聞」などまっとうなメディアからの引用も多く、それらと並んで「東村山市民新聞提供のニュースです」とやることである。聴取者が「東村山市民新聞」も「朝日新聞」などと同等の「新聞」で、社会的信用があるのだろうと勘違いする可能性もあろう。もちろんそれが矢野の狙いでもあるのだろう。

「宣伝」はないと認定

 では、矢野と朝木が「薬事法違反」と主張した点についてはどうか。



〈薬事法違反〉

⑴「東村山市民新聞」158号(平成19年8月29日付)


〈問題は『犯罪』関与の疑惑に進展!〉

〈調査の結果薬事法や職業安定法の違反をしているのではないか、という疑惑まで出ている。〉

〈薄井氏、セクハラどころか、ついに犯罪の疑惑が〉



 これらの表現は薄井が前職時代にインターネット配信ビデオに出演した際、厚生省から認可されていない特定医薬品について紹介したことが違法な宣伝にあたるなどとして批判したものである。

 東京高裁はこれらの表現について「職業安定法違反」と同様に〈いずれも法的意見の表明に当たるものと解される〉とした上でそれが薄井の社会的評価を低下させたかどうか、また公益性があったかどうかについて次のように認定した。

〈前記意見表明は、被控訴人が薬事法違反の犯罪行為をしたとし、かつ、これに基づいて被控訴人に市議会議員としての適格性はないと論じるものであるから、いずれにしても、被控訴人の社会的評価を低下させるおそれがあることは明らかである。〉(社会的評価の低下)

〈本件事実関係の下においては、被控訴人が東村山市議会議員であること、前記意見表明が、被控訴人の東村山市議会議員としての適格性等をめぐってされていることによれば、前記意見表明は、公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと評価するのが相当である。〉(公共性・公益性)

 では、その意見表明の前提事実の真実性・相当性について東京高裁はどう判断したのか。

〈薬事法85条5号で罰則が定められている同法68条(承認前の医薬品等の広告の禁止)の「広告」は、①顧客を誘引する(顧客の購買意欲を昂進させる)意図が明確であること、②特定医薬品等の商品名(姫アグラ)が明らかにされていること、③一般人が認知できる状態であることの各要件を充たすことを要するものと解される。

 そこで、被控訴人(筆者注=薄井)による姫アグラの紹介の内容をみると、前記②及び③の要件の存在は認められるが、①の要件については議論の余地がある。この点について控訴人矢野及び控訴人朝木は、被控訴人が紹介の中で姫アグラの効能を挙げたことをもって顧客を誘引する「宣伝」、「広告」があったと主張するものと解される。しかし、「広告」とは上記①のとおり、顧客の購買意欲を昂進させることを目的として行われるものであるところ、本件事実関係の下においては、被控訴人は、姫アグラの流行と効能に言及しているものの、それを超えて、本件ネット動画の視聴者を誘引し、姫アグラを購買する意欲を昂進させる意図が明確であるとまでは認められない。……よって、控訴人矢野及び控訴人朝木の上記主張を採用することはできない。
 
 ……そうすると、控訴人矢野及び控訴人朝木が、被控訴人は本件ネット動画において姫アグラの「広告」をしたことを真実であると信じるについて相当の理由あったと認めることもできない。〉

 東京高裁はこう述べて、〈薬事法違反の疑いがある〉とする矢野と朝木の表現について相当性を認めず、

〈薬事法違反の疑いがあるという意見表明について名誉毀損の成立が認められる。〉

 と結論付けた。

異なるニュアンス

 矢野は政治宣伝ビラでこの点について、

〈薄井市議の薬事法違反等の疑いについては認めなかったものの〉

 と、さらっと触れただけである。スペースの都合もあるのかもしれないが、他には何の説明もなく、裁判を追いかけた者でなければこの1文の意味は理解できない。「職業安定法違反」に至っては「等」ですまされてしまった。

 東京高裁は〈薬事法違反等の疑いについては認めなかった〉だけでなく明確に名誉毀損の成立を認定(矢野と朝木の敗訴)しているのである。矢野は市会議員なら、〈薬事法違反等の疑いについては認めなかった〉ではなく〈薬事法違反等の疑いがあるとした部分については違法性を認定(矢野・朝木の敗訴)〉と、事実が市民に正確に伝わるように記載すべきではあるまいか。

 いずれにしても、判決文と矢野の「東村山市民新聞」の記載を具体的に比較すると、かなりニュアンスが異なることがよくわかろう。矢野、朝木という2人の市会議員は、よほど事実を市民に伝えたくなかったようである。

(つづく)
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テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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