ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

万引き被害者威迫事件 第20回
自ら発言内容を変えてしまった矢野

 前回紹介した尋問の流れをみると、当初、矢野が弁護士の質問の意図がどこにあるのかよくわからなないまま答えていたが、途中からその意図に気づいた様子がうかがえる。閉店まぎわに「終わりごろには来られるんですか?」と聞くことの不自然さについて、その内容に踏み込まれたくない矢野はなんとか「行ったのは2回」であると、話題を回数にすり替えることで会話記録が事実であることを主張しようとした。

 しかし、弁護士からはっきりと「終わりごろには来られるんですかというふうな質問は、終わりごろに行った前のときに聞いた質問じゃないの」と追及されると、「ほとんど質問の意味が理解できませんですね。2回行って、7時前と8時前に行ったというだけのことですから、それ以外行ってないんで」と、やはり発言の内容に触れられることを避けた。意味明瞭な質問を受けた矢野が、ここではなぜ「2回行って」などと答えるのか。

 弁護士の一連の質問の意図はいうまでもなく、「終わりごろには、来られるんですか?」という質問が「8時前」ではなく「7時ごろ」の話であり、「8時前」には矢野が提出した会話記録に残されていない発言があったはずだというところにある。だから、矢野にとってこの質問がなされた時間帯は「8時前」でなくてはならない。矢野がここで「理解できませんね」といいつつ「2回行って、7時前と8時前に行ったというだけのことですから」などと反論を試みているのは、弁護士の質問の意味を十分に理解したからにほかならなかった。

「もう1回示します。あなたは終わりごろには来られるんですかというふうに聞いてるわね」

 再度、弁護士がこう詰め寄ると、矢野が「全く質問の趣旨がわかんないですね」といいながら、自分の質問が不自然ではないことについて主張したのも、弁護士の質問の趣旨を理解していたということである。

 しかし矢野は、自分の質問の合理性を認めさせようとするあまり、自分の発言を言い換えてしまった。矢野は「終わりごろには、来られるんですか?」という明らかな疑問文を、「終わりごろには来てないんですかというふうに確認した」というのである。「来ていないんですか」なら現在、つまりそう「確認」したのが「8時」といえるかもしれない。しかし矢野が録音し、反訳した「会話記録」に残っている発言は「来られるんですか?」なのである。「来られるんですか?」が現在ではなく未来について尋ねていることは明らかで、だから矢野は、あくまで現在のことを聞いていることにするために「来ていないんですか」へと自らの発言を変えてしまったということである。

 言い換えれば、矢野は自分の発言の文言を変えなければ、「終わりごろには、来られるんですか?」という「8時前」の発言の合理性を説明できないところまで追い詰められていたということだろう。この事実こそ、2回目の訪問が「8時前」ではなかったことを裏付けている。では、矢野のいう「2回目」の訪問とは何時のことなのかといえば、録音テープが一連のものであるという事実から、また会話の流れからしてもそれは実際には「午後7時ころ」だったという結論になる。矢野は「会話記録」の時間を、それぞれ「午後5時20分頃」を「午後7時ころ」に、「午後7時ころ」を「午後8時前」にすり替えた上で、裁判所に証拠として提出したのである。

 矢野はなぜ訪問時間をずらす必要があったのか。1つは、取り調べの終了からわずか1時間後にもう被害店に行ったのでは、「身に覚えがない」といっているにもかかわらずあまりにも早すぎる、それでは明代が犯人であることがバレかねないと考えたためであり、もう1つ最大の目的は、被害店の閉店時刻は8時だから、それ以降は行きたくても行けない、2回しか行っていないと主張するためである。そうすることよって3回目の訪問がなかったことにし、矢野が言い残した「オーナーに、無実の人を訴えると罪になると伝えてください」という発言がなかったことにするためにほかならなかった。

 矢野が法廷に提出した「会話記録」は時間がそっくりずらされているという点において偽造であり、録音テープは仮に提出の範囲では編集されていないとしても、3回目の訪問時の記録がすべて削除されているという点において偽造ないしは変造されたものといわれても仕方あるまい。

 私は尋問を終えて法廷を出ようとする矢野に近づき、今日の供述内容について確認しようと声をかけた。すると矢野は、私の質問も聞かず、凄味をきかせてこういうと、朝木とともに法廷から出て行った。

「いくら追及しても、何も出てこないぞ」

 何も出てこないかどうかは別にして、これはいったい「明代は万引きの濡れ衣を着せられたあげく、他殺に見せかけて殺された」と涙ながらに主張し、「万引き犯の汚名を晴らす」と言い続けてきた「被害者」の元同僚のセリフだろうか。明代が無実で、矢野もまたアリバイ工作と威迫行為に加担していないのなら、その事実を誠実に訴えればいいだけではないのか。そもそも「何も出てこないぞ」などというセリフが何の抵抗もなく真っ先に口をついて出てくること自体、矢野がすでになにか常軌を逸した状態にあることを示しているように思えてならなかった。


(第21回へつづく)

関連記事

テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

TOP