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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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久米川駅東住宅管理費等請求事件
 最近では自己の議員辞職を求めた市民らを名誉毀損で提訴するなど、これまで多くの東村山市民を相次いで提訴してきた東村山市議(草の根市民クラブ)の矢野穂積が、今度は自分の住む久米川駅東住宅の管理組合から管理費等(計76万2000円)の支払いを求めて提訴されていることが明らかになった。

48カ月の間1度も支払いはなし

 久米川駅東住宅管理組合が管理費等の支払いを求めて提訴したのは矢野穂積と、同居する高野博子(認可保育園「りんごっこ保育園」設置者=矢野と高野は1つの部屋の所有権を50%ずつ保有)及び2名の区分所有者。組合によれば、矢野は管理組合が発足した平成15年10月以降平成19年9月までの48カ月間(訴訟での請求範囲)、月額7000円の管理費及び長期修繕積立金1万円の計1万7000円を1度も支払っていない。

 この管理費及び長期修繕積立金の額が議決された管理組合総会が開かれたのは平成15年9月21日。総会は適法に成立し、管理費等も出席者の圧倒的多数で決議されている。なお矢野は、この総会の招集自体が役員らによる一方的なものだとして総会の延期を申し立て、総会には出席しなかった。通常、総会で決議された以上、仮にその議案に賛成しなかったとしても決議に従うのが民主主義のルールであり、現実に336名の区分所有者のうち矢野と高野ら4名を除くすべての住人が滞りなく管理費等を納入している。

 矢野は11月13日開かれた口頭弁論においてこう主張した。

「管理組合は非民主的な運営が行われていて信用できない。管理費等の支払い意思がないわけではなく、管理組合の理事長が交代し、運営が改善されれば支払う意思はある。その証拠に平成15年10月以降、1万3000円を法務局に供託している」

 矢野(高野の分も代表)とともに出廷したもう1人の滞納者も供託しており、この住人は「理事長が交代すればすぐにでも支払う」とし、「このような裁判を起こされること自体、まったく時間と労力の無駄だ」などと主張した(1万7000円の管理費等に対してなぜ矢野が1万3000円しか供託していないのか、その根拠は不明だが)。

「供託」とは、支払いの意思を示しているにもかかわらず、相手方がこれを拒否したり、支払いの相手が不在である、誰に支払ってよいかわからないなどの場合に、一時的にその金を法務局に預かってもらう、という制度である。相手方は一定の手続きをすれば供託金をいつでも受領することができる。ということは、管理組合の側は矢野からの管理費の受領を拒否しているということなのだろうか。

 ところが管理組合の理事に確認すると、実情はそうではなかった。管理組合は管理を委託している公社に矢野らに対する督促を依頼するとともに、管理組合自身も内容証明を送付するなどして支払いを促したが平成15年10月以降現在まで、矢野からももう1人の住人からもただの1度も支払いの意思表示を受けたことはないというのである。事実とすれば、矢野の供託の根拠もあやしいものということになろう。

すでに最高裁が総会決議の適法性を認定

 矢野は管理費を法務局に供託する一方、組合の決議から約2年後の平成17年8月、「総会の成立および決議は無効」などとして管理組合を提訴していた(つまり、この提訴理由が管理費不払いの理由に共通するものとみられる)。矢野は総会の無効などを争ったその裁判で、組合側は総会の開催通知を団地外居住者に送付していないとか、委任状に不正があるとか、あるいは出席集計が捏造であるとか、また管理費および長期修繕積立金の額には根拠がなく、管理委託会社の選定にあたっても理事長と利害関係のある会社を選んだ上、勝手に高額の契約を結び、住民の管理費を浪費しているなどと主張していた。

 しかし東京地裁八王子支部は、総会の成立を認め、総会での決議事項についても適法に議決されたものと認定して矢野の主張をことごとく排斥している(東京高裁、最高裁もこの判断を追認)。したがって、提訴された矢野が管理費等の支払いをあくまで拒んだとしても矢野の主張が容認される可能性はきわめて低く、話し合いによる和解にせよ判決にせよ、最終的に矢野がこれまでの供託金と不足分を加えた正規の管理費等を納めさせられることになるのは時間の問題だろう。ただ、4年間にわたり管理費等を支払わず、総会の決議をめぐって自ら裁判を起こし、敗訴してもなお自ら支払おうとはせず、ついには裁判という最終手段によらなければ管理費等の回収ができないこと自体、きわめて異様というほかない。

管理組合相手に4年で9件の争訟

 矢野穂積はこれまで多くの東村山市民を提訴し、法廷に引きずり出してきた。その件数は50件を超えるが、ここ久米川駅東住宅も例外ではなかった。今回の取材の過程で、前述の管理費等の決議が無効として提訴した裁判を含め、矢野が東住宅に入居した平成15年以来平成19年にかけての4年間に、管理組合を相手に9件もの争訟を起こしていたことがわかった(うち民事調停が3件)。このうち6件の裁判ではすべて矢野の主張が退けられているが、その中には、有線テレビ(JCOM)の導入によって受信障害が発生したから原状回復せよなどと請求、ところが管理組合とともに訴えられた会社側が調査を申し入れたところ矢野はこれを拒否したという不可解な事件もあった。

冒頭荒れた管理組合総会

 平成15年の管理組合発足以来、4年間で9件もの争訟を起こしてきた矢野は、団地の維持・管理についてもまったく協力していない。たとえば排水管清掃は全戸が参加しなければ意味がないが、矢野だけは清掃をさせず、共用部であるベランダの防水工事もさせなかったと聞く。そんな矢野が、理事長が交代したからといって延滞している管理費等をすんなり払うのかどうか。

 その新理事長の承認などを行う管理組合総会はさる11月25日に開かれ、矢野も今回は出席した。しかし総会は冒頭、荒れたものとなった。矢野がいきなり「質問がある」などとして議長の資格について異議を唱えたのである。1人の理事が「あなたに発言は許されていない」と一喝してその場は収まったが、今度はもう1人の滞納者が議長のマイクを奪い、理事の制止も聞かず裁判批判を始めたため、やむなく理事の1人が引きずり出し、ようやく自席にもどった。この間矢野は自席からしきりに野次を飛ばしていたというが、矢野に対してはこんな罵声も浴びせられた。

「文句があるなら管理費を払ってからにしろ」

 通常の総会ではめったに見られない光景だろう。その混乱の原因を作った側の1人が市会議員の矢野であることは明らかだった。しかし総会は、途中、矢野の長い質問があったものの、無事新理事長は承認され、昼前に終了した。

 裁判で矢野は「運営が民主的なものになれば支払う」などと主張しているが、管理組合に対して4年間に9件もの争訟を起こし、受信障害があるといいながら調査を拒み、まったく無関係の少年を警察に突き出すような人物の総会出席を拒まず、質問さえ許した管理組合の姿勢こそきわめて寛容かつ民主的というべきだろう。新理事長が選任されたことで矢野は滞納した管理費等をすんなり払うのだろうか。12月12日に予定されている弁論準備手続の行方が注目される。

(宇留嶋瑞郎)

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