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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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右翼M事件 第6回
 機関紙の記載によって名誉を毀損されたとして千葉英司元警視庁東村山署副署長が右翼Mを提訴していた裁判の控訴審第1回口頭弁論が平成23年6月22日、東京高裁で開かれた。傍聴席にはやはり千葉から提訴され10万円の支払い命令が確定した西村修平や女傑Mなど4名ほどの支持者、ほかにそれ以上の人数の公安関係者などが集まっていた。

 かつて裁判官を追いかけて壇上に駆け上がった右翼Mが当事者ということで、この日も東京高裁は厳重な警戒態勢をとっていた。私と千葉は混乱に巻き込まれるのを避けるため開廷直前に入廷した。そのとき法廷周辺は平穏にみえた。ところがあとで聞いたところによると、開廷前、右翼Mが1人の傍聴人にいいがかりをつけ、10分間にわたって傍聴人を威力で拘束するという出来事があったという。何かよほど虫の居所でも悪かったのだろうか。

すべてを否定した一審判決

 さて千葉が問題としていたのは、右翼Mが発行した「政経通信」第38号(平成21年9月1日付)にトップ記事として掲載した〈創価学会の犯罪を許さない 徹底した総力戦で粉砕するぞ!〉と題する記事である。同記事において右翼Mは、

〈(創価学会=)殺人さえも厭わない犯罪者集団〉〈高額賠償請求の乱発は司法を駆使した恐喝行為だ〉

などとするリードのもと、

〈(朝木市議の転落死事件は)創価学会が口封じに殺害した可能性が高く、現場の状況証拠から見て、これは確定的である。〉

 などと記載した上で、千葉について次のように記載した。



〈にも拘わらず捜査の指揮をとった東村山警察署の千葉英司副署長(当時)は強引に自殺として処理。〉

〈自殺に見せかけるためにはその動機が必要となる。そのために同年6月19日に朝木市議が駅近くの洋品店でブラウスを万引きしたという事件をでっち上げた。後日取調べを受けた朝木市議は書類送検されたことを苦に自殺したというストーリーまでお膳立てしていた。〉

〈この男こそが13年前、自殺事件にすり替えた張本人・千葉英司だったとわかった。警察を退職した今でも創価学会シンジケートで繋がり、店主を装って用心棒を演じていたとは。〉



 一般読者が記事の流れに沿って上記記載を素直に読めば、「朝木明代市議は創価学会によって口封じのために殺された。ところが万引き事件をでっち上げた上に(この部分の主語は欠落しているが、読者が「創価学会が捏造した」と理解してもなんら不思議はない)、千葉はこれを強引に自殺と捏造した。千葉は現在も創価学会の犯罪組織に所属している」と理解するのではないか。千葉はこれらの表現によって名誉を毀損されたとして提訴したのである。

 これに対して右翼Mは、記事のテーマは創価学会による犯罪行為を糾弾することにあり、千葉に対する批判を目的としたものではなく、「シンジケート」という文言も「カルテルや商業組合」という意味で使用したものとかなり苦しい言い訳をした上、千葉については「創価学会シンジケートと繋がり」と軽く触れたにすぎず、「朝木市議は創価学会によって殺された」「副署長が自殺にすり替えた」「万引きはでっち上げ」などとの主張はこれまで多くのマスコミなどで流布されているのであり、本件記事があらためて千葉の社会的評価を低下させることにはならないなどと主張した。

 また右翼Mが発行する「政経通信」は「一般書店」では販売されておらず、被告が自ら協力者や支持者に対して郵送もしくは手渡ししているものであり、一般読者が目にする機会はほとんどなく、不特定多数に配布または頒布しているものではないから名誉毀損には該当しないと主張した。

 一審の東京地裁立川支部は平成23年2月16日、右翼Mの主張をことごとく排斥し、右翼Mに対して10万円の支払いを命じる判決を言い渡した。原告の千葉は判決言い渡しの日には出廷しなかった。裁判長が結審に際して「判決の日は来なくていいですよ」と述べたことに配慮したとのことである。私も無用の刺激を与えてもいけないので傍聴を自粛した。

 一方、傍聴人によれば右翼Mは出廷し、判決言い渡しの後、抗議とも取れる奇声を発したという。脅しや威圧が判決になんらかの影響を及ぼすことはあり得ないが、かなりいい年になっても感情の暴発を抑制できない幼児性が「行動する保守」の特性の1つだろうか。

再び深夜のファックス

 右翼Mの幼児性は控訴審が始まる以前にも発揮された。右翼Mは口頭弁論3日前の平成23年6月19日、千葉の自宅に控訴理由書をファックスで送信してきた。口頭弁論当日より前に送ってきたことはよい。しかし、その時刻は午前0時だった。

 千葉の自宅のファックスは電話と兼用で、受信すれば受信音が鳴る。会社などの事務所ならともかく、一般的には非常時以外は電話をかけるのを遠慮する時間帯である。一審でも同じようなことがあり、千葉は深夜の時間帯に書類をファックス送信しないよう申し入れていた。深夜に送るのも翌日の早朝に送るのも同じである。右翼Mは千葉の電話環境を知っていながら、再び深夜にファックスを送りつけたということになろう。千葉に対する執拗な反感を抱いていることがうかがえた。

 千葉は平成23年6月22日付答弁書の末尾で次のように抗議した。



 控訴人(筆者注=右翼M)は、被控訴人(筆者注=千葉)が洋品店に2回(平成20年9月1日、同21年9月1日)不法侵入を企てた際に被控訴人が阻止した件に関し、別件裁判を傍聴するために法廷の控室にいた被控訴人を支援者2名とともに取り囲み至近距離から罵声を浴びせる所業に及んだほか、法廷内で控訴人に対する威嚇行為を重ねている。

 また、原審において、午前3時に被控訴人の自宅に準備書面をファクシミリ通信で送信してきた。控訴人の自宅ファクシミリは電話と同じ番号であるため、電話の音で就寝中の被控訴人と家族が睡眠を妨害されたので、控訴人は、口頭弁論の際に抗議し、裁判長からも口頭注意を受けた。

 しかし、控訴人は、控訴理由書を、控訴人と家族が就寝中の平成23年6月19日午前0時前後に、ファクシミリ通信で送信してきたために、睡眠が妨害された。

 以上の控訴人の言動は、裁判の当事者である被控訴人に対する意図的な嫌がらせであり、ここに抗議するものである。



 念のため、千葉がいう法廷の控室で罵声を浴びせた事件とは、右翼Mが千葉から「情けない右翼」といわれたことについて「その意味を説明しろ」と迫った出来事である。

 平成23年6月22日、出廷した時点で右翼Mが千葉の答弁書をすべて読んでいたかどうかは定かではない。しかし右翼Mの心中は、2月16日に東京地裁立川支部で敗訴を言い渡された時点からそう変わっていなかったようである。千葉に対する感情、一審判決への不満、度重なる敗訴と控訴審への不安など、右翼Mの虫の居所を悪くする要素は少なくなかったように思える。いずれにしてもこの日、右翼Mは気持ちを高ぶらせており、それが開廷前の傍聴人に対する暴行につながったのかもしれない。

右翼Mの未練

 さて、この日の口頭弁論で裁判長は、当事者双方に対して提出書類の確認を行うと終結を宣言し、判決言い渡し期日を7月20日午後1時15分と指定し、閉廷した。この間、右翼Mからも千葉からもいっさい異論は出なかった。

 ところが裁判官が退廷したあと、右翼Mはなかなか退廷しようとせず、被告席に座ったままぶつぶつ不満のような声を漏らしていた。しかしはっきりとは聞き取れない。街宣は比較的聞き取りやすいのに、どうしたのだろうか。

 よく聞くと、「求釈明が、求釈明が」といっているように聞こえる。どうも右翼Mは、控訴理由書で「求釈明」をしたのに、裁判官は何も触れなかったといっているらしかった。いいたいことがあれば裁判官のいるときにいわなければ意味がないし、「求釈明」に裁判官が触れなかったということは判決に影響しないと判断したということと理解すべきなのである。

 裁判が終結したというのに控訴人席に座ったまま不満をいい続ける未練がましい態度こそ、右翼Mの自信のなさを表しているようにみえた。

(つづく)
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