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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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右翼M事件 第13回
微妙に後退した主張

 かつて右翼Mは「行動する保守」Aに絶大な信頼を寄せていたものとみえる。しかし最近になって、「行動する保守」Aへの信頼がやや揺らいでいるのではないかと思われるフシがある。右翼Mは浦安の行政書士とともに創価学会から提訴されていた「東村山街宣事件」の控訴審でも「行動する保守」Aのいう「内部告発」を根拠に街宣内容の相当性を主張していた。

 その控訴理由書で右翼Mは「内部告発」について〈今現在、関係者を通じて警察関係者との交渉で調査・聞き取りを継続している。〉と記載している。「行動する保守」Aからそう聞かされたのだろう。しかしそれから半年後、この裁判で提出された控訴理由書(平成23年6月19日付)には〈調査・聞き取りを継続している。〉との文言は、残念ながらもうない。

 この2つの控訴理由書の違いは、「東村山街宣事件」の際には「内部告発」の内容そのものの真実性を主張しようとしていたのに対し、この裁判で提出されたものはたんに「行動する保守」Aが「内部告発」があったとする演説を行った事実を主張しているにすぎないという点にあった。この半年間に右翼Mと「行動する保守」Aの間に何があったのかはわからない。しかし少なくとも右翼Mの中で、「内部告発」は真実性を主張するに値しない代物となったことは間違いないようだった。

 千葉から提訴されていた「行動する保守」Aは、この間に陳述書で、「内部告発」をしたはずの警察官もまた誰かわからない第三者に聞いたにすぎないことを明らかにし、4月20日には千葉の要求を丸飲みするかたちでの和解に応じ、10万円を支払っている。「行動する保守」Aが千葉との闘いを放棄した時点で、さすがの右翼Mも「行動する保守」Aの主張が信用できないものであることに気がついたのかもしれなかった(だとすればますます情けない話である)。

 この裁判で右翼Mは「内部告発」の中身ではなく、「行動する保守」Aが「内部告発」があったとする演説を行った事実を主張しようとしたようである。右翼Mはその事実を立証するために演説の映像が映ったDVDを証拠として提出したのだった。真実性・相当性の主張・立証という点では、「内部告発」関連の主張が唯一の新しい主張である。

徒労に終わった立証活動

 新しい主張については「引用する」というわけにはいかない。東京高裁は「内部告発」に関する主張については、それによって〈(朝木市議の転落死事件は殺人事件である)にも拘わらず捜査の指揮をとった東村山警察署の千葉英司副署長(当時)は強引に自殺として処理。〉などとする記事を掲載したことについて相当の理由となるかどうかを新たに検討しなければならなかった。

 右翼Mは控訴理由書で、〈主催者(筆者注=「行動する保守」A)は明確に「殺人事件である」「創価学会の関与は間違いない」「万引きは捏造である」等々の演説を行っている。〉〈上記演説が行われる前段階として同年7月29日JR八王子駅前において、主催者の瀬戸弘幸は殺人事件であることを明言している。〉〈現飼育警察官の内部告発があり、瀬戸弘幸は国民運動として全貌を明らかにする決意を述べている。〉などと、「行動する保守」A のいう「内部告発」が真実であると信じた理由を並べている。

 しかし、いかに全幅の信頼を置く人物がそういったからといって、それだけでその事実が真実であると信じる理由にはならないのではないか。通常問題となるのは、その事実について真実であると信じた者がその事実についてどのような裏付けを取ったかということである。

 東京高裁は右翼Mの主張に対して次のように述べた。



 控訴人(筆者注=右翼M)は、平成20年7月29日、JR八王子駅前において、瀬戸は、現職警察官の内部告発により、朝木市議の転落死が殺人であることが明らかになった旨明言していたのであるから、控訴人が、朝木市議の転落死が殺人事件であり、同市議の万引き事件は捏造であったと信じるについて、相当の理由があった旨主張し、瀬戸が演説する様子を録画したDVDを乙9として提出する。

 しかしながら、乙9によれば、瀬戸が、朝木市議の転落死事件は殺人であり、犯人3名が特定されたものの、警察側から圧力があって、捜査を断念せざるを得なかったと現職警察官が内部告発により明言した旨演説したことは認められるが、その内容は、内部告発をした上記現職警察官から瀬戸が聞いたとするものであって、あくまで伝聞にとどまり、しかも、その現職警察官の氏名すら明らかにされておらず、その伝聞内容が真実であることを裏付ける根拠も全く示されていないのであるから、控訴人が、朝木市議の転落死が殺人事件であり、同市議の万引き事件は捏造であったと信じるについて、相当の理由があったということはできない。



 これが「内部告発」に関する主張に対する東京高裁判断のすべてである。「行動する保守」Aが「内部告発があった」とする演説を行った事実ではなく、その内容がいかなるものだったかを問題にしていることがよくわかろう。「内部告発」の内容が事実であることの裏付けを示さなければ、それはただの妄想にすぎない。「行動する保守」AのDVDを提出したところで何の事実の証明にもならないのである。

右翼Mの控訴の意義

「行動する保守」Aのいう「内部告発」が事実の裏付けを持つものではないという判断は平成23年4月21日に判決が言い渡された東村山街宣事件における東京高裁判決でも共通している。



(東村山街宣事件判決)

 控訴人槇は、客観的にみたすべての状況証拠、犯行に至るまでの経緯からみても、朝木市議殺害事件に被控訴人(筆者注=創価学会)が関与していると確信するなどと主張し、平成20年1日に行われた「東村山市議朝木明代さんの謀殺事件の真相を究明する集会」において、主宰者である瀬戸弘幸が「創価学会の関与は疑いの余地がない。警察関係者からの内部告発があった。」と断言しているなどと主張する。

 しかしながら、瀬戸弘幸が述べたとされる内容は伝聞にすぎず、「警察関係者」なる者がいかなる人物であるかも明らかにされていないのであるから、これをたやすく採用することはできない。



「行動する保守」Aのいう「内部告発」がきわめて怪しいものであることは、「行動する保守」A自身が、「内部告発」を聞いたとする警察官が実は直接体験した事実ではなく、その警察官自身がどこの誰ともわからない人物から聞いた話であると自白していることからも明らかである。いかに右翼Mが信頼していたからといって、「行動する保守」A自身が「伝聞の伝聞」だったといっているのだから仕方がない。

 今回の判決によって、「行動する保守」Aが「初めて明らかにします」などと真相究明の決め手であるかのように持ち出した「内部告発」なるものになんらの根拠もないことが再び認定されたことになる。その意味において、右翼Mが控訴理由書で「内部告発」の存在を主張したことにはそれなりの意義があったのである。

 右翼Mは今回の判決をそう理解すべきなのではあるまいか。しかし判決直後の言動をみるかぎり、事実を事実として受け入れ、「行動する保守」Aや矢野穂積のデマを鵜呑みにしてしまった自分自身の不明を恥じるような器量を右翼Mに期待することはきわめて難しいようだった。

(了)
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