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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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佐藤ブログ事件控訴審 第1回
 東村山市議、佐藤真和のブログに掲載されたコメントをめぐり同市議の矢野穂積と朝木直子(いずれも「草の根市民クラブ」)が佐藤を提訴していた裁判で東京地裁立川支部は平成23年6月29日、矢野らの請求を棄却する判決を言い渡した。これに対して矢野らは控訴。10月3日、控訴審の第1回口頭弁論が開かれ、平成23年12月21日午後1時に判決が言い渡されることになった。 

思い余ったコメント

 平成19年4月に行われた東村山市議選の翌日、矢野穂積と朝木直子が突然、新人で当選を果たした薄井政美に対する誹謗中傷を開始した。

 矢野と朝木が他の議員を誹謗するのはこれが初めてではない。佐藤真和に対しても市議選の半年前から「越境通勤市議」などと、あたかも佐藤に東村山市議に立候補する資格がないかのような激しいネガティブキャンペーンを繰り返していた。だから矢野と朝木が他人を誹謗中傷すること自体は珍しいことではなかったものの、市民を驚かせ、怒らせたのはその内容だった。

 矢野と朝木による薄井に対する誹謗中傷は前職を問題とするものだった。これに対して市民の間から職業差別だとする批判の声が挙がり、この動きはインターネットを通じて全国に広がった。

 しかし、いかなる非難を浴びても自らをいっさい省みないのが矢野と朝木の顕著な特異性である。彼らは薄井攻撃をいっそう強めるとともに、薄井を擁護する市民らに対してもハンドルネームを名指しし、「法的手段」を匂わせるなどして恫喝を繰り返した。要するに、訴えられたくなければ薄井擁護と彼らに対する批判を止めろという趣旨であると理解できた。

 誹謗中傷の激しさだけでなく、批判をいっさい受け付けず、それどころか彼らを批判する側に対してまで矛先を向けてくる矢野と朝木の特異な体質を初めて経験した市民は驚き、名指しされた本人の中には恐怖におののいたという人もいた。佐藤真和が運営するブログに市民から次のようなコメントが寄せられたのは、そんな騒動のさなかのことだった。



(コメント1)

(矢野と朝木は)自尊心を欠如させたトラウマ=自分の問題と向き合う辛さを避けて、トラウマの原因とは全く関係ない他人を攻撃することで、心の虚無を埋めようとする方々とお見受けしました。心理学では、

「共依存」?
「境界性人格障害」
「攻撃性人格障害」
「パワーゲーム」など

 幾つかの名を付けて分析・対処方法を研究しているはずです。

(コメント2)

 草の根の人たちは、病気なんです。他人を攻撃することで、自己のアイデンティティを保っているんですから。まあ、昔から住んでいる市民なら、みんな知ってることですが。

(コメント3)

 こんにちは! 佐藤さんや薄井さんのブログを愛読している東村山新住民です。矢野・朝木両市議が発行する東村山新聞は、一読しただけで……と判ります。この二人が市議として存在することが東村山の大問題ではないでしょうか。たまこさんが挙げておられる心理学上の分類に「サイコパス」も追加させてください。

筆者注=このコメントについては一部に差別用語が含まれており(……の部分)、佐藤が当該部分を修正した旨を説明した上で掲載した。)



 公人である矢野と朝木の特異性に対してこのような評価があってもなんら不思議はないし、とりわけ直接的な攻撃を受けた市民からすればむしろ自然な感覚だろう。ただ個人的には、不特定多数に対して公表するについてはやや思い余った部分があったような気もする。

 これに対して矢野と朝木は、ブログを運営する佐藤に対して名誉毀損に基づく慰謝料の支払い等を求めて提訴したのである。

「事実を表明するもの」と認定

 東京地裁立川支部は矢野と朝木の請求を棄却したが、彼らが問題とした3つのコメントについてどんな判断をしたのか。東京地裁は前記コメント1、2、3について次のように認定した。



(コメント1について)

(コメント1)は、原告らがパーソナリティ障害等の障害を有するとの事実を表明するものと認められる。

 ……パーソナリティ障害は、精神病ではないとはいえ、精神医学で取り扱われ、治療の対象となっているものであるから、その指摘が名誉毀損となるか否かの観点からは、やはり病気の一種であり、その指摘は事実の表明と認めるべきである。

(コメント2について)

(コメント2はコメント1の)パーソナリティ障害等との指摘に同意し、さらに、「草の根の人たちは、病気なんです。」と付言しているが、……精神医学におけるパーソナリティ障害等の取扱いを考慮すると、上記「病気」の付加は、原告らが病気の一種であるパーソナリティ障害等を有するとの事実を表明したものと認めるべきである。

(コメント3について)

(コメント3はコメント1の)パーソナリティ障害等との指摘に同意し、さらに、「たまこさんが挙げておられる心理学上の分類に「サイコパス」も追加させてください。」と付言しているが、……サイコパスが人格障害とほぼ同義と解されていることからすると、……原告らがパーソナリティ障害等を有するとの事実を表明するものと認められる。



 これらコメントがブログ管理者(佐藤)自身によって記載されたものなら、コメントによって社会的評価が低下したと認定された場合、直接的に真実性・相当性の立証が必要になると思われる。しかし今回のケースは、佐藤のブログに投稿されたコメントをめぐるものであるという違いがあった。

 ブログ掲示板の記載に関わる法律にはプロバイダ責任制限法がある。プロバイダ責任制限法とは、プロバイダが負う損害賠償責任の範囲や情報発信者の情報の開示を請求する権利を定めた法律である。佐藤が同法にいう特定電気通信役務提供者に該当すると判断されれば、今回のコメントは同法の規定に基づいて判断されることになる。

 同法によれば、コメントをめぐって管理責任が問われるケースでは、特定電気通信役務提供者は、あるコメントに真実性及び相当性が存在しないことを知っていたか、知ることができたにもかかわらず当該コメントを放置した場合には損害賠償責任を問われる可能性が高い。

 問題は、本件がプロバイダ責任制限法が適用されるケースであるかどうかである。一般に特定電気通信役務提供者とは、いわゆるプロバイダだけに限らずコメント欄を設置するブログ管理者なども含まれるとされている。この点について東京地裁は次のように述べた。



 プロバイダ責任制限法2条3号にいう特定電気通信役務提供者とは、特定電気通信設備を設置又は所有している者である必要はなく、特定電気通信設備を他人の通信の用に使用させていれば足りると解される。



 東京地裁は佐藤がプロバイダ責任制限法に定める特定電気通信役務提供者であると認め、本件が同法が適用されるケースであるとした。

(つづく)
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