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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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佐藤ブログ事件控訴審 第2回
佐藤の削除義務を否定

 東京地裁は佐藤がプロバイダ責任制限法が定める特定電気通信役務提供者であると認定した。この場合、ブログ管理者である佐藤がコメント1、2、3に真実性および相当性が存在しないことを知っていたか、あるいは知ることができたと認めるに足りる相当の理由があった場合には削除等の対応をしなくてはならず、真実性・相当性が存在しないことを知りながらこれを放置したことが立証された場合には、損害賠償責任が生じることもあり得る。

 すると問題となるのは、コメント1、2、3を掲載するにあたり佐藤にプロバイダ責任制限法が定める「権利侵害の事実を知っていた、あるいは知ることができた場合」に該当するような事由があったかどうかである。この点について東京地裁はとう判断したのか。東京地裁は、

〈被告ブログ掲示板の管理者である被告につき、(プロバイダ責任制限法)に該当する事由があったと認めることはできない。〉

 とした上で、次のように述べた。



 かえって、後記イ~オに説示するとおり、原告ら(筆者注=矢野と朝木)にはパーソナリティ障害等であることを疑わせるそれなりの言動及び行動があったものである



 したがって、佐藤にはコメント1、2、3について削除義務が生じることはなく、これらのコメントを掲載したことに違法性はないと認定したのである。

 それにしても、それどころか裁判所が、あろうことか現職の市議会議員をつかまえて〈パーソナリティ障害等であることを疑わせるそれなりの言動及び行動があった〉と認定するとはよほどのことではあるまいか。しかし、東京地裁がこの認定の根拠とした以下の事例をつぶさに見れば、この判断もやむを得ないと読者も十分に納得できるのではあるまいか。

「パーソナリティ障害等を疑わせるそれなりの言動」

 東京地裁は続いて〈原告ら(筆者注=矢野と朝木)にはパーソナリティ障害等であることを疑わせるそれなりの言動及び行動があったものである〉とした根拠を述べる。その根拠として挙げられたのは矢野と朝木が彼らの政治宣伝メディア「東村山市民新聞」「東村山市民新聞インターネット版」「多摩レイクサイドFM」で行ってきた誹謗中傷の例だった。

 もちろんこれらは佐藤が証拠として提出したもので、その内訳は①万引き被害者に対する誹謗中傷(「東村山市民新聞」第84号)②無実の少年に対する暴行事件の捏造と裁判官に対する誹謗(「東村山市民新聞」第118号)③佐藤、薄井に対する常軌を逸した執拗な非難・中傷(「東村山市民新聞」第148号、第152号、第153号、第154号、第155号、第165号、多摩レイクサイドFM平成18年12月6日放送、さらには④東村山市議に向けられた揶揄や雑言の数々(複数のビラ)⑤矢野の特異性に言及した判決(「石井事件」「パラノイア事件」「超党派で作る新聞事件」)――などである(なお、「東村山市民新聞」インターネット版も前記「東村山市民新聞」の内容と重なっている)。

 矢野と朝木の特異性がより顕著に知られるようになったのは平成7年に執行された東村山市議選直後である。この市議選で朝木直子は母親で後に万引きを苦に自殺を遂げる朝木明代とともに当選したものの、矢野は次点で落選した。ところが直子は千葉県松戸市に住民票を移し、自らの当選の無効化をはかり、まんまと矢野を繰り上げ当選させた。有名な議席譲渡事件である。

 2年後、最高裁が矢野の繰り上げ当選を無効とする判決を言い渡し、矢野は東村山市議会を追われた。しかし矢野も直子も市民に対してなんらの謝罪もしておらず、それどころか彼らの暴挙と責任を追及した市民に対して告訴や民事提訴を繰り返した。

 議席譲渡事件発生から2カ月後に起きたのが朝木明代による万引き事件である。最終的に明代は書類送検され、このことが自殺の動機になったのではないかとみられている。トップ当選議員である明代にとって、また社会的批判を浴びた議席譲渡の末に東村山市議となった矢野穂積にとって、明代の万引き発覚は痛手だったにちがいない。矢野と明代は万引き被害者を脅し、あるいはアリバイ工作を共謀するなどして事件の隠蔽をはかった。しかし逆に、これらの工作が悪質と判断され、明代は書類送検されるに至った。

 矢野は明代の自殺後も万引きの事実を認めず、「草の根」の政治宣伝紙「東村山市民新聞」で逆に万引き被害者について「あたかも万引き事件を捏造し、明代を陥れた」かのような宣伝を繰り返した。万引き被害者は平成9年、矢野と朝木直子を提訴したが、彼らはその際「東村山市民新聞」第84号で万引き被害者を次のように揶揄した。



(「東村山市民新聞」第84号=佐藤提出の書証①)

「飛んで火に入る夏の虫?」
「『真犯人の指紋のついたTシャツのビニールカバーを保管もしないで、なぜ物的証拠もなしに朝木議員をTシャツ万引きの犯人扱いしたの』と指摘した本紙を女洋品店主が提訴。本人尋問ができ、逆に手間省け。」



 明代の万引きの事実を誰より知りながら、しかも万引き被害者をどこまでも加害者扱いするとはやはり尋常とはいえない。被害者が矢野と朝木を提訴したこの裁判では、東京高裁が矢野らに100万円の支払いを命じる判決を言い渡している。この事実からも、矢野の記事が事実を隠蔽しようとするものだったことがわかろう。

役に立たない「東村山の闇」判決

 矢野・朝木の共著『東村山の闇』の記載をめぐり当時の捜査責任者、千葉英司から提訴された裁判で東京地裁は〈控訴人ら(筆者注=矢野・朝木)において、本件窃盗被疑事件について明代が犯人でないことをうかがわせる証拠があると信ずるについて相当の理由がなかったとはいえない〉と判示し、千葉の請求を棄却した。矢野は佐藤を提訴したこの裁判で「東村山の闇」判決を理由に、「戸塚に敗訴した判決の判旨が否定された(明代の犯人性が否定された)」(趣旨)などと主張した。これに対して東京地裁は次のように述べて矢野らの主張を排斥している。



 警察の捜査や広報のあり方についての批判が名誉毀損にならないことから直ちに、私人である「被控訴人(万引き被害者)が創価学会や公明党と共謀の上、本件万引き事件を捏造して故明代を罪に陥れようとしたとの事実」を「真実と信ずるについて相当の理由があった」ことにはならないものであるから、上記原告らの主張は理由がない。



 万引き被害者の訴えを捏造呼ばわりするなどした被害者に対する矢野の執拗な嫌がらせの事実を事実上認定したに等しく、東京地裁はこの事実もまた、矢野と朝木が〈パーソナリティ障害等であることを疑わせるそれなりの言動及び行動〉の一つと考えたことがうかがえた。

(つづく)
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