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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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万引き被害者威迫事件 第25回
夢にまで出てきた明代

 その2日後、矢野が被害者に電話で話した内容からも矢野による威迫発言の事実と来訪の目的が何だったのかが裏付けられよう。この点については『東村山通信クラブ』にも書いたが、ここでは被害者本人の供述を紹介しよう。前掲の矢野の威迫発言に続く部分である(『聖教新聞』裁判での尋問)。

被害者代理人  あなたが実際にいるときに、お店に矢野さんなり朝木さんが来たということはありますか。

被害者  あります。

代理人  そのときは、どういうようなことをいわれましたか。

被害者  そのときは、何も言っていません。

代理人  特に、いわれはしなかった。

被害者  はい。

代理人  ただ来ただけ。買物で来たということはないですか。

被害者  ないです。

代理人  それはどうしていえますか、買物じゃないというのが。

被害者  彼女と連れの男性の方は、私も知りませんけれども、その方はお店の中をまず見まして、それから、私が1人でいるということを確認しまして、店内に入ってまいりました。それから彼女は私が立っているレジの前まで来まして、ニタッと笑って、またお店の中、狭いんですけども、一周回りながら、ゆっくり、何ですか、私をなめ回すように見てニタッと笑いながら、そのもう1人の男性と2人と入ってきて、そのような行動を取って、出ていきました。

代理人  彼女というのは朝木明代さん。

被害者  そうです。

代理人  その男性というのは、どなたでしたか。

被害者  それは、私は知りません。

代理人  それは知らない男性。

被害者  はい。

 2日前の6月30日に万引き容疑で取り調べを受けたばかりの本人が現場に現れ、商品を見るでもなく、品物を取り返された被害者本人に対してニタッと笑い、何もいわずに立ち去るとは普通ではない。しかも、のちの尋問で矢野は6月30日の訪問について、「自分が本当に万引き犯かどうか確認してもらうことも含めて取材に行った」と供述している。矢野と明代は2日前に被害者本人とは会えなかった。とすれば、被害者本人が1人で店にいたこの日こそ、明代が「本当に万引き犯かどうか」確認してもらう絶好のチャンスだったはずである。にもかかわらず、明代はなぜ被害者に何も話しかけなかったのか。明代の言動は矢野の供述とは辻褄が合わないと言わざるを得まい。

 この日の明代の行動を被害者がどう感じていたのか。被害者は矢野からの尋問でこう供述している。

矢野  朝木議員がお礼参りに来たというようなお話をされてるんですが、朝木議員がお店の中に入ってにやっと笑ったことがお礼参りなんですか。

被害者  もしそうでなかったら、何かお聞きになるんじゃないでしょうか。

矢野  にやっと笑ったということがお礼参りだと思ってらっしゃるんですね。

被害者  ええ、そうです。

 ごく普通の暮らしをしている市民にとって、逃げる万引き犯を1人で捕まえることにどれほどの勇気を必要とするか。しかも相手は市議会議員で、2日前には同僚議員が「証拠もないのに訴えると罪になる」と言い残したことをパート店員から報告され、被害者は矢野が脅しに来たと認識していた。その本人が支持者とおぼしき男と店にやって来た。それだけで被害者は十分に緊張したにちがいない。明代が店内をなめ回すように一回りしてニヤリと笑ったときの被害者の恐怖は並大抵のものではなかったろう。明代は何もいわなかったが、被害者からも一言も発せられていないことが極度の緊張状態だったことをうかがわせる。

 明代と支持者の男が立ち去って30分後、今度は矢野が追い打ちをかけた。事務所に戻った明代から、被害者が1人で店にいるという報告を受けたのだろう。矢野は最初は名前を名乗らず、被害者に誰かと聞かれてやっと名を名乗るとこういった。

「知ってるんですか、証拠もないのに人を訴えると誣告罪になるんですよ」

 被害者は聞き慣れない「誣告罪」という言葉の意味がわからず、「警察にすべて話してある」といって電話を切ると、すぐにまたかかってきた。被害者は隣の不動産屋の社長に助けを求め、社長が、

「泥棒の仲間か」

 と一喝すると、ようやく矢野からの電話は止んだ。

 矢野のこの日の電話での発言は、2日前に言い残していった言葉とまったく同じ趣旨である。この点からもパート店員の証言の信憑性が裏付けられよう。つまり、6月30日の訪問とこの日の矢野と明代の行動は一連のものであり、その目的はとうてい「取材」などといえるものであるまい。矢野と明代の目的はどう見ても、被害者を威迫することによって被害届を撤回させることにあったと理解するのが最も自然なのである。

 平成7年6月30日、矢野と明代は被害店に行くとともに、万引きの日には行ってもいないファミリーレストラン(びっくりドンキー)に電話をかけ、アリバイ工作に使うための適当なレシートがないかどうか探りを入れている。運のいいことに万引きの時間帯に近いレシートが見つかり(ただし入店時刻だけ)、そのレシートを受け取りに行ったのが7月1日の深夜。明代の最初の取り調べの日から7月2日にかけて、矢野と明代がどれほど直接間接の隠蔽工作に集中していたかがわかろう。

 明代の万引きのみならず、この間の矢野と明代の行動がいかに自己中心的なものであったか。アリバイ工作は逆に明代自身の首を締めることとなり、被害者も矢野の脅しに屈することはなかった。しかし、取材の際の断固たる姿勢の一方で、彼らの一連の威迫行動は被害者の意識に大きな影を落としていた。明代が夢にまで出てきたというのである。そう聞いた私は、東村山署がお礼参りを書類送検の根拠の1つとした本当の理由を理解できた気がした。


(第26回へつづく)
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