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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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西村・細川事件 第16回
真実性の立証をしなかった西村

 本件裁判の主な争点は以下の4点である。

争点①〈万引きをでっち上げたといわれている元千葉英司副署長〉との演説及び記載の名誉毀損の成否

争点②〈訴訟を乱発して一国民に対して100万円を請求する元千葉英司副署長〉との記載の名誉毀損の成否

争点③ 本件動画等の撮影・掲載についての西村の責任の有無等

争点④ みだりに自己の容貌等を撮影・公表されない人格的利益の侵害の成否

 これらについて東京地裁はどう判断したのか。

争点①〈万引きをでっち上げたといわれている元千葉英司副署長〉との演説及び記載の名誉毀損の成否

 この点について西村は、〈(千葉が)万引き事件をでっち上げたとの疑惑が立証されていないことも確かであったので、確定的言辞を避けて、「万引きをでっち上げたといわれている元千葉英司副署長」と発言した(断定していないから名誉毀損ではない)と主張している。これに対して東京地裁は次のように述べて名誉毀損を認定した。



(東京地裁の判断)

(演説)


 被告は、「祝! 千葉英司敗訴 「万引き」はでっち上げ! 「自殺」は謀殺だった!!」等と記載された本件看板を掲示した傍らで、本件演説を行ったものであり、……原告が万引きをでっち上げたとの事実を述べているものと受け取られるものと認められるから、被告の上記主張は、採用することができない。

(ブログの記述)

 本件記述においても……「限りなくでっち上げに近い」と表現しているが、その表現自体、断定に極めて近い表現を採用しているものである。しかも、本件記事は、「祝! 千葉英司敗訴 「万引き」はでっち上げ! 「自殺」は謀殺だった!!」等と記載された本件看板写真と共に記載されているものであり、……原告が万引き等をでっち上げたとの事実を述べているものと受け取られるものと認められるから、被告の上記主張は、理由がない。



 たんに「……といわれている」「限りなく……」などと表現を婉曲にしたとしても、一般読者や聴き手が事実であると受け取る可能性があれば、その表現は事実の摘示とみなされるということである。

 最高裁判例では、発言や記事が他人の名誉を毀損するものであっても①真実性・相当性②公共性・公益性があり、③人身攻撃に及ぶなど論評の域を逸脱していない場合には違法性が阻却される。では、争点①について違法性阻却事由はあったのかどうか。東京地裁は次のようにのべた。



(争点①についてのまとめ)

 万引きでっち上げ部分については、原告の名誉を毀損するものであり、真実性又は相当性の主張はないから、仮に公共性及び公益目的が認められたとしても、被告は、上記名誉毀損により原告に生じた損害を賠償する義務がある。



 西村は千葉から提訴された最初の裁判では数百枚の書証を積み上げたものだが、今回は尋問も撤回しただけでなく、相当性の主張さえしなかった。右翼Mとともに、東村山事件が実はどういうものだったのかを少しは理解したのだろうか。

争点②〈訴訟を乱発して一国民に対して100万円を請求する元千葉英司副署長〉との記載の名誉毀損の成否

 では〈訴訟を乱発して一国民に対して100万円を請求する元千葉英司副署長〉との記載についてはどうか。この表現について東京地裁は、事実認定の段階で次のように述べて名誉毀損性を認定している。



(名誉毀損の成否についての判断)

(この部分は)その文言自体から、一般聴衆に対し、原告が根拠が乏しい訴訟提起を繰り返していると印象付けるものであり、原告の社会的評価を低下させるものと認められる。



「訴訟乱発」や「濫訴」が名誉毀損に該当することについてはほかにも判例があるようである。その上で東京地裁は、千葉の提訴について次のように述べた。



(争点②に対する判断)

 原告の提起した訴訟の数及び結果からすると、原告が訴訟を乱発していると認めることはできない。

 かえって、上記事実によれば、原告が提訴した訴訟の数は確かに多いが、その一部勝訴の数、全面敗訴した事件における敗訴の理由を考慮すれば、原告は訴訟を乱発する人ではないことが認められる。

 仮に、被告がそのように信じたことについて相当性を主張しているのだとしても、上記事実のみからは、訴訟の乱発と信ずるについて相当な理由があるとは認めることもできず、他にこの点を認めるに足りる証拠はない。



 東京地裁はこう述べて、この点についても損害賠償責任を認定したのである。ちなみに「訴訟の乱発」については、千葉だけでなく私に対して向けられたものでもあった。

争点③ 本件動画等の撮影・掲載についての西村の責任の有無等

 西村はブログの記事についてはすべて元側近が勝手に掲載したもので、代表である自分には責任がないと主張している。一般社会ではあり得ないが、裁判所はどう判断したのか。東京地裁は撮影行為について〈被告の指示によるものと認められる。〉と撮影が西村の指示だったと認定した上で、掲載行為について次のように述べている。



(掲載行為に対する判断)

 掲載行為については、被告(筆者注=西村)の主張によっても、被告は、細川が本件団体名を冠した本件サイトを立ち上げ、本件サイトで動画配信等を行うことに同意していたものである。そして、……本件サイトへの掲載内容について、細川から一々事前に相談されることはなかったとしても、本件サイトに掲載された内容は、本件団体ないし被告の前日の川越支部前での活動を報告し、本件団体の政治的主張とも整合していたものである。さらに、本件動画及び本件写真の掲載は、平成22年12月4日まで続けられ、本件記事の掲載は、その後も現在まで続けられているものである。これらの事実及び弁論の全趣旨によれば、被告の上記主張は、到底採用することができない。



 ある団体が運営しているサイトの責任は、特段の事情がないかぎり、その団体の長にあるのが普通で、記事等の掲載に関して代表者である西村には責任があると認定した東京地裁の判断はきわめて常識的なものである。

(つづく)
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