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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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朝木明代転落死・鍵隠蔽事件 第18回
矢野が明代のバッグを覗いた時間帯

 矢野の説明によれば、平成7年9月1日午後9時10分ごろ、事務所に戻ってきた矢野は、電気はつけっ放しだったものの「明代はすぐに帰ってくるだろう」と思ったが、なぜか事務所に置いてあった明代のバッグの中を覗いた。この矢野の行為は常識ではあり得ず、バッグの中を覗く必要(必然性)があったとも考えられない。したがって、この間の矢野の説明にはどこかに嘘があると考えるべきだろう。「時間帯を含む状況説明」と「バッグを覗いた行為」のどちらかが嘘だということである。

 他人のバッグの中を無断で覗くなど通常はあってはならないし、そのような行為を第三者に公表することは恥ずかしいことである。すると矢野が、恥ずべき行為を公表したということは、矢野が明代のバッグの中を覗いたというのは事実で、バッグの中を覗いた時間と状況が事実と異なるという結論になろうか。

 矢野の異常な行為も、状況が異なれば、少なくとも必要性が生じてくることもあり得よう。矢野が明代のバッグの中を覗く必要性とはどんな場合に考えられるだろうか。万引き容疑で東京地検から呼び出しを受けていた平成7年9月1日の明代の状況を考えると、やはり明代の身に何か異状が発生したケース以外には考えられない。

 当初「事務所からの拉致説」を主張していた矢野は、「事務所から拉致された」状況をより事実と思わせることに神経を集中し過ぎたために、その時点では異状を感じていなかったにもかかわらず明代のバッグを覗くという異常な行為に及んだという矛盾を生じさせるというミスを犯したとみられる。

 では、矢野が明代のバッグを覗いた時間帯はいつだとみるべきか。千葉は「鍵は矢野が隠した可能性が高いと判断した理由」の中で、矢野が明代のバッグを覗いた時間帯について言及している。千葉の推理を紹介しよう。



2 被告矢野が明代のバッグを調べたのは亡明代が事務所から出た後である

 被告直子が亡明代の異変に最初に気付いたのは平成7年9月1日午後10時頃であり、それ以前の午後9時過ぎに、亡明代の異変に気付いていないはずの被告矢野が、他人である亡明代のバッグの中身、さらに財布の中まで調べるということは一般的にありえない。

 外出の際に常に持ち歩くバッグの中に高知に行くための普段より多めの現金が入った財布も残されたままだった。そのバッグを無人の事務所に放置することはあり得ず、午後7時15分から20分頃バッグを持って自宅に行った亡明代は、自宅から事務所にバッグを持ち帰ったことが窺える。

 そして、亡明代が出た後の事務所にいたのは被告矢野1人であったことに照らし、被告矢野が、亡明代が事務所を出た後で明代のバッグを調べ、入っていた鍵を持ち出して自殺現場に置いたとみるのが自然である。



 あらためて自殺当夜の明代の目撃情報を整理すると、以下のとおりである。

午後7時15分から20分頃  バッグを持って事務所方面から自宅方面に向かって歩いている(=乙骨正生著『怪死』)。

午後8時30分頃  自宅方面から事務所方面に向かって歩いている(同)。

9時10分頃  東村山駅方面から事務所(自宅)方面に向かって歩いている。

同時刻頃  矢野が事務所に帰ってくる。事務所にはカギがかかっている(矢野による)。

9時13分  明代が自宅から事務所に電話。矢野は出られなかった。

9時19分  明代が再度自宅から事務所に電話。「気分が悪いので休んでいきます」。

事務所を出たままだった可能性

 このほかに自殺した当夜、東村山駅付近で明代と会い、会話を交わしたという情報が東村山署に寄せられている。その人物は明代から「話したいことがあるから事務所に来て」と誘われたが、事務所に行くことを拒絶した。

 その時間帯は確定できないものの、上記の明代の動きから、可能性として考えられるのは9時10分頃に、東村山駅方面から事務所(自宅)方面に向かって歩いているのを目撃される直前である。つまり、8時30分に自宅方面から事務所方面に向かって歩いているのを目撃された明代は事務所には立ち寄らないまま東村山駅方面に向かった可能性が高いということになる。9時10分に目撃された明代はその直後には矢野と会っていないのだから、やはり事務所を素通りして自宅に帰った可能性が高い。

 こう見てくると、午後7時15分から20分頃、バッグを持って事務所方面から自宅方面に向かって歩いているのを目撃された明代が、矢野が9時10分ごろに事務所に帰るまでの間に、事務所にバッグを置く時間とその必然性を見出すのは難しいのではあるまいか。午後7時15分から20分頃に目撃された明代は事務所にカギをかけて出たはずで、明代はその際、鍵束をバッグに入れていたことになろう。

 すると、午後7時15分から20分頃に目撃された明代は事務所にカギをかけて出たまま、9時10分に矢野が事務所に戻ってくるまでに事務所には立ち寄っていないとすれば、事務所に帰ってきた矢野が明代のバッグを覗くことは不可能という結論になる。やはり千葉が準備書面で主張するように、矢野が明代のバッグを覗いたのは矢野が事務所に戻った直後ではなく、しばらくして明代が事務所にやってきて、出て行った直後ということになるのではあるまいか。

 何かがあったのだろう。何かがなければ、他人のバッグの中だけでなく、財布の中身まで数えるようなことは普通はしない。もちろんその時点で鍵束も明代のバッグの中にあったとみるのが自然である。

(つづく)
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